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止めよう再処理!共同行動ニュース12/26号の記事から

2012年12月26日

活断層の徹底した調査を
六ヶ所再処理工場は建設中止を!
 
 
脱原発はかみあわず
 12月16日、第46回衆議院総選挙が行われ自民党、公明党が3分の2議席を確保しました。自民党の圧勝というよりは民主党の自滅。自民党の政策への積極的な支持で決した選挙ではなかったのではないでしょうか。戦後最低の得票率を見てもわかるように、12の政党が乱立し、争点となるべき脱原発や沖縄へのオスプレイ配備などの基地問題、環太平洋連携協定(TPP)といった課題は全国化せず局地的課題に限定され、消費税導入もすでに主要政党間での既定路線となっており、争点とならないまま民主党への失望だけが加速した結果になったといえます。また、選挙直前まで政党の離合集散が続き、有権者がその主張を見極めることが困難となったこと、政党のマニフェストも民主党の政権公約の失望とともにその有効性を失ったことが、政党政治への不信感を生みだしたとも思われます。そのような中で、議論は深まらず、「劇場型政治」だけが強調された選挙でした。
 原子力政策は特に中小政党が即時ゼロ、2030年代に稼働ゼロ、卒原発など主張しましたが、自公民は特に争点を明確にしないままでした。しかし、これまでの選挙戦の中で、原発について曲がりなりにも各党の政策が出されたことは初めてでした。これまで原発を強力に推し進めてきた自民党でさえ、真正面から原発推進を言う状況になかったことも確かです。それだけ、福島第一原発事故の影響は大きく、脱原発への世論の盛り上がりを無視できないところまで、推進派を追いつめていると見ることもできるのではないでしょうか。
 自民党が政権復帰へする中で、民主党が進めてきた原子力政策の見直しは必至です。再稼働や新増設に対しても積極的に動くことが予想されます。核燃料サイクル政策についても、いま以上にてこ入れがなされる可能性が高いと思われますが、推進する側にとって、困難な現実がその前に立ちはだかっています。

大量廃炉の時代が始まった
 原発推進派がいくらがんばっても、原発が減っていくことは避けられません。自公連立政権の合意文書でも「可能な限り原発依存を減らす」とのべざる得ない状況でもあります。新増設がままならない中で、老朽化による大量「廃炉」の時代がやってきます。さらに、この間の活断層調査によって原発の耐震問題が大きな問題となり、これも廃炉に結びつこうとしています。原子力規制委員会が、日本原子力発電・敦賀原子力発電所の敷地内破砕帯調査に関する評価会合を開き(12月12日)、敦賀原発2号機の原子炉建屋直下に活断層があることを明らかにしました。「活断層の上には原子炉は設置できない」ため、廃炉は避けられないとの見方が強まっています。
 さらに、東北電力東通原発の敷地内の断層も活断層との見解を示しました(12月20日)。現在、国内で唯一稼働している大飯原発でも活断層調査が進められ、活断層であるかどうかの評価が分かれていますが、これも活断層だとすれば、原子炉直下ではなくても設備の設置変更が迫られ、再び原子炉の停止を余儀なくされる可能性があります。各地の原発の敷地、およびその周辺での活断層の問題は、多くの識者によって指摘されています。徹底した調査が求められています。

六ヶ所再処理工場の敷地内にも多くの断層が
 六ヶ所再処理工場の敷地内にも、多くの断層があることが明らかになっています。また、周辺の断層の評価も近年新たな知見が加わり、大規模な断層が六ヶ所沖(84kmの大陸棚外縁層)にあり、その断層につながるような枝の断層が、六ヶ所再処理工場の敷地まで延びていると指摘されています。東通原発の活断層見直しは当然、六ヶ所再処理工場などの核燃料サイクル施設の活断層の見直しと耐震問題の見直しにも直結するものです。徹底した調査と議論のなされることが求められます。
 活断層評価によっては廃炉にもつながること、さらに再稼働もそう簡単にいかなくなるが予想されています。再稼働に反対する動きが各地の自治体でも広がり、茨城県の日本原子力発電・東海第二原発の再稼働については県内半分以上の自治体が中止や廃炉を求めています。静岡県の浜岡原発でも、巨大地震が発生すると言われる震源域の真上にあり、廃炉を求める声が高まっています。
 現実問題として、原発の再稼働が困難な状況である上に、廃炉が増えていく中で、自民党や経済産業省などが進めようとする原子力政策に、何ら未来がないことが明確になってきています。
 そのような中で、核燃料サイクルの意義はどこにあるのでしょうか。地震に弱いとされる六ヶ所再処理工場は、その利用価値よりも原子力震災による被害の大きさが一般の原発の比でないことは、大量のプルトニウムや使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物の存在で明らかでしょう。大震災が起こる前に再処理を中止することが、福島第一原発事故を経験した私たちの教訓であるはずです。

 

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