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プルサーマルに反対しましょう 県民へのアピール(東海第2原発のプルサーマルに反対する連絡会議・結成総会)

2010年12月23日

 茨城県民をはじめ、日本中の人々を震撼させた1999年9月のJCO臨界事故から11年が経過しました。この間、被爆した周辺住民は健康に対する不安を抱え続けて生活してきました。被爆した住民がJCOに対して起こした裁判は、企業の論理そのままに住民の訴えを退けました。
 史上最悪の原子力事故であったチェルノブイリ事故は25年が経ち、世界の人々は原子力事故災害の恐ろしさを肌で感じ、脱原発社会へ向けて歩み始める機会となりました。しかし、今なお危険と背中合わせの中で、原子力利用は続けられています。
 日本はプルトニウムを約32トン保有し、今なお増え続けています。政府は、このプルトニウムの消費を推し進めるため、ウラン燃料を燃やすように設計された通常の原発で、プルトニウムとウランの混ぜ合わせたMOX(モックス)燃料を燃やすプルサーマル計画を進めています。
 しかし、MOX燃料を原発で燃やすことは、これまでも危険性のある原発がより危険性の高いものになります。
 プルサーマルは、無謀で矛盾に満ちています。
 第一に、プルサーマルでは、燃料棒破損や原子炉の局所的な出力上昇が起きたり、中性子線増加による炉材の劣化が進んだりします。つまり、事故が起きやすくなるのです。
 第二に、東海第2原発は、1978年に運転を開始し、すでに32年が経過した老朽原発であり、最近は事故・トラブル・運転停止を頻繁に繰り返しており、本来運転を止める時期となってきている原発でのプルサーマル計画は絶対やめさせなければなりません。
 第三に、大事故が起きた場合、猛毒のプルトニウムやアメリシウム、キュリウムといった超ウラン元素の放出量が多いため、被害が及ぶ距離も拡大し、首都圏住民にまで健康被害の規模が拡大します。また、平常運転時でも放射性ガスの環境中への放出量が増えるのは確実で、労働者の被曝も増えて行きます。
 第四に、プルサーマルが最終的に生み出すものは、使用済MOX燃料です。これは、通常のウラン燃料よりも発熱量が高いため、50年以上は使用済み燃料プールで保管しなければならず、100年間も冷却し続けてからやっと通常のウラン使用済み燃料と同じくらいの発熱量になります。こんなにも危険でやっかいな高レベル使用済み燃料が東海村に溜まっていくことになり、こんなことは絶対に許されません。
 第五に、プルサーマル計画は、六ヶ所再処理工場での高レベル放射性廃棄物ガラス固化施設のトラブルによる計画延期や高速増殖炉もんじゅの度重なる事故により、すでに開発計画そのものが破綻しています。
このような何一つメリットのなく、住民を放射能の危険にさらすプルサーマル計画は一刻も早く中止すべきです。国内で、余っているプルトニウム利用の辻褄合わせとして、計画されたものに過ぎなく、日本原電は速やかにプルサーマル計画を撤回すべきです。
 本日、ここに集まった私たちは、プルサーマル反対を改めて表明するとともに、多くの県民の方々にも、計画の撤回を求める運動に対するご理解とご協力を呼びかけるものです。

2010年12月23日
 東海第2原発のプルサーマルに反対する連絡会議・結成総会
 

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