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浜岡原発全面停止に関する声明

2011年05月12日

 東海地震の震源域の真上に建つ中部電力の浜岡原子力発電所の全面停止が5月10日に決まりました。かねてから浜岡原発の危険性を指摘してきた私たちとして、この決定を歓迎すると同時に、「停止」から一歩踏み込んで「廃炉」とすることを強く求め、声明を出しました。


浜岡原発全面停止に関する原水禁国民会議の声明

 巨大地震が懸念される「東海地震」の震源域の真上に立地する浜岡原子力発電所の全ての原子炉の全面停止を5月6日に菅直人首相は中部電力に要請しました。それを受けて中部電力は5月10日にその要請を受諾しました。「30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性が87%」(文部科学省・地震調査研究推進本部)と言われているだけに、国民の「安心・安全」の側に立った決断として今回の首相の決断は歓迎するものです。これまでの政権では考えられない政治主導の決断でした。

 東日本大震災による福島第一原発事故が現在も収束していない状況の中で、東海地震による原発震災を招くようなことが起きれば、もはや日本の社会、経済は壊滅的な打撃を被り、日本そのものの存亡にかかわります。今回の決断に対して原発推進派からの強烈な巻き返しや批判が上がりはじめていますが、ぶれずに押し通して欲しいものです。しかし、今回の要請はあくまで「停止」であり、「東海地震対策の完成まで」としており、「廃炉」ではないことは問題です。

 今後行われる対策で本当に万全となるのかは、大きな疑問です。今回の東日本大震災によって導きだされた教訓は、原発は「絶対安全」でなければならないということです。万が一、過酷事故を起こせば取り返しのつかないものになることは、現在も収束の見通しのたっていない福島第一原発の惨状を見ればあきらかです。東海地震の予測をマグニチュード8程度設定しています。それに対応した対策であれば、マグニチュード9を経験したいまでは、それでは国民の「安心・安全」に応えたことにはなりません。震源域の真上に立つからこそ、今度は直下型地震も心配しなければなりません。その上、東日本大地震でさえ予測できなかった経緯をみれば、今回の予測を上回ることも十分視野にいれるべきです。その上に立って評価するべきですが、そもそもそのような巨大地震が起こりうるようなところに原発を建てる事自体が問題です。

 さらに、福島第一原発の事故や東日本一帯を原発・原子力施設を襲った今回の地震による各施設の被害の検証がいまだなされていません。どのような原因で事故や被害が起こったのか、検証されなければこの地震から教訓を得ることはできません。その検証さえない中でどのような震災対策をしようとするのでしょうか。中部電力の対策がその理にかなっているのかさえ分かりません。検証がなされた後で本格的な対応が求められています。そのことがなされない限り「安心・安全」もないはずです。

 また、今回、地震と原発の問題は、浜岡だけではありません。各地の原子力施設の立地地域でも問題となっています。あらためて徹底した見直しと検証が必要です。
 上記を踏まえ、私たちは、今回の「停止」ではなく「廃炉」を強く求めるものです。浜岡原発で事故が起これば、これはもう「人災」でしかありません。

2011年5月12日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一

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