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【66大会・報告】広島第3分科会/平和と核軍縮2─交流・討論編「米軍再編と東北アジアの非核化」

2011年08月05日

hb3.JPG参加者 85人 初参加者15人

講演者 前田哲男さん(軍事評論家)

 大きくは二つの提起があった。 一点目は、 3・11では、国民が求めるイメージ(国防白書では30年間国民の意見のトップの)「災害派遣」で、自衛隊は活躍した。 当初防衛省は2万人の派遣であったが、菅総理が10万人の派遣を決め、実際には10万6千人が出動した。 自衛隊は、福島原発事故には対応できなかったが、一方遺体収容や物資輸送、避難民の後方支援では活躍した。
 今回は、自衛隊の出動ではなく派遣。出動は任務だが、派遣はサービス。 軍事的な訓練や災害対応の訓練は行っているが、今回のような大規模災害への訓練は行っていないし装備もない。
もちろん原発事故に対する訓練も装備もない。 15万の陸自のうち7万五千が動員された。これは、一方的軍縮 でもあるが、誰も攻め込んでくる国はなかった。
 こうした現状を踏まえ 「(自衛隊が意見かどうかの論議は、別に行うとしても)自衛隊を国民が求める、災害救助隊へ任務変えを行わせる」運動を行ってはどうか? の提起がされた。

 運営委員会としては、提起は分科会として受け止めるが、分科会で論議を尽くせる内容ではなく、分科会で決定できる内容ではない。、とした。

 二点目は、 3・11以降、福島は全国民の注目になっているが、普天間で行われていることが隠されている。
小泉政権のころから、日米安保が日米同盟に変わってきた。米軍再編の中で沖縄の基地が強化されてきた。
日米同盟は、共通の戦略、役割と能力を分担しているのであり、自衛隊は自衛のためではなく軍隊になっている。 「東北」に目を奪われて「南西」を忘れてはならない。 という提起だった。

 運営委員会としては、原発問題も沖縄の基地問題も、言葉は悪いが地域の差別化の問題である。
原発事故も沖縄の基地問題も、特定地域の問題としてしまわないことが必要。
具体的被害の事実から運動にしていこう、とした。


沖縄の報告

*自衛隊の、軍事力が強化されている。
*普天間は危険だから、辺古へ移転して返還するというように、基地を縮小する気がない。
*日米安保の7割が、沖縄へ押し付けられている。
*高江のへりパットも、一部返還の変わりに倍以上の敷地を確保しようとしている。
*国が住民を通行妨害で訴え裁判を起こしている。
*アメリカでは、言葉は悪いが「未亡人製造機」と言われる、オスプレイも配備されようとしている。
*これは、構造的、差別ではないのか?

質問

大阪 前田さんは、自衛隊が役に立たないといったが「自衛隊員の友達はだいぶがんばった」

前田 個人的にがんばったがんばらなかったということではなく、組織として、72時間以内への対応や原発への対応の
組織ではないため、この件に対して約に立たなかったということであり、そうした面でも役立つ組織にしたほうがいいという
こと。

神奈川 自衛隊が米軍の友軍として、強化されているのでは?

前田 ソマリアの海賊退治など、海外活動が常態化しており、米軍と一体となった戦力になっている。

神奈川 厚木の爆音訴訟をしているが、原子力艦船が横須賀にいるので厚木に艦載機がある。
     原子力艦船の入港も原水禁として反対してはどうか?

運営委員 この間原水禁として、核兵器・原発だけではなく、原子力艦船の入港も反対してきた。
あらためて、この分科会としてそうした運動の強化も確認したい。

広島 中国との関係を運動としてどう考えるのか?

前田 中国が強行的になったと評価されているが、「日本が空母を持つなど軍事力を強化していることに対する対抗
措置」だといえる。
日本が、日米同盟を強化していけば行くほど、中国は威嚇・対抗・対立の姿勢を強めるのであり、軍事的防衛がい
いのか、平和的な友好関係で守るのかを考えてほしい。


感想
*「東北」と「南西」などとわけることにより、「原発事故問題」と「沖縄基地問題」が対立するかの印象がもたれたので
は?
*何が共通するかという観点での提起が必要と感じた。
*共通するのは、経済的な観点で原発や基地問題が捉えられてるということ。大勢の人権のためには、少数の人
権、特別の地域の人権が犠牲にされているということ。
*これは、護憲大会へ引き継いでほしい。

(菅原晃悦/東北ブロック・宮城)

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