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【68大会・報告】長崎第7分科会/ヒバクシャ3―交流・討論編―被爆二世・三世問題を考える

2013年08月08日

長崎第7分科会.JPG

 はじめに、全国被爆二世協の前会長と事務局長から「被爆二世運動の現状について」報告があり、「毎年原爆ドーム前で署名活動を行っているが、今年は集まる人が少なくなっており、私たちの訴えと反する活動も強くなってきている。また、被爆者の高齢化と相まって、改めて2世・3世の活動強化が求められているのではないか」という事が言われました。

 次に、二世協活動の課題として、1つ目に『被爆体験をどう継承していくのか』、2つ目に『被爆二世自身の健康不安とどう向き合っていくのか』、3つ目には『被爆二世に対する差別と偏見にどう向き合っていくのか』という様に、具体的に3つの課題があるという事を、実際に体験された方の手記を踏まえながら説明されました。そうした中から、「国に対してきちんと健康不安に対する補償をさせる事によって、被爆二世は『第5の被爆者である』という事を認めさせていくことが大切」という事が述べられました。

 また、これまでの被爆2世運動の歴史について、被爆20年が経過して若年性白血病が多発したり、結婚や就職などの差別が具体的に出されてくる中で二世運動が高まってきたことが出され、これまで国などへ交渉を重ねた結果『わずかな健康診断が行われている』ものの、依然として何の援護施策も行われていない事から、引き続き国に対して交渉を強めていくと同時に、2世の組織化を強める中から『核の問題』を社会的に広げていかなければならない事も主張されました。さらに、被爆二世の組織化がなかなか進まない現状の中で「どう運動を広げていくのか」といった課題も提起されました。また、今後福島においても同様に「被曝二世」が出てくる事が予想され、共闘の取組みの必要性も出されました。

 参加者からの討論では、被爆者の方からは「二世・三世を『ヒバクシャ』と言っていいのか迷いがある」という事や「被爆者と二世との間で共闘する取組みが必要ではないか」という意見が出され、二世の方からは「実際に体験していない事を話すのはおこがましい思いがある」という思いが出されながらも「被爆した親を真近でずっと見て来ており、2世でなければ分からない事もある。そうした事も含め2世として体験してきた事を話して行きたい」という思いも出されました。また運動継承の問題について「既に身内には被爆四世が生まれており、原爆が落とされた事実も把握していない現状がある。そうした中で、孫に対して直接手紙を書くなど、まずは自分の子や孫にきちんと事実を広めていく事が必要では」ということも出されました。また、福島で起きている問題について、「まずは原発労働者や子どもの被曝問題について、きちんと援護策を求めていく取組みを福島の方と一緒に取り組んでいきたい」という事も出されました。

 最後に、「被爆二世・三世が社会的にどういう立場にあるのかを明らかにしていきながら、福島の被曝問題と合わせて取組んでいく必要がある。そこから戦争のない社会をめざして闘っていこう」と全体で意思統一し終了しました。

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