第44回護憲大会は、「武力で平和はつくれない−人権と民主主義の憲法理念の実現をめざす」を基調に開催されました。第7分科会は、憲法問題をテーマで開催され、会場は、参加予定150名を上回る169名の参加者で熱気のある雰囲気でのなかで開催されました。
江橋崇さん(平和フォーラム代表・法政大学教授)から日本国憲法について問題提起がされました。参議院選挙の前には、安倍前内閣によって、教育基本法、国民投票法(改憲手続法)など、民意をないがしろにする多くの強行採決が行われてきました。強行採決17回は新記録です。2007年の参議院選挙はとても大きい成果をもたらしました。野党の勝利により、少なくとも今後6年間は、自公両党による参議院の多数与党の形成が不可能になりました。憲法改正案の発議に必要な3分の2の多数の確保は不可能になりました。今回の選挙で民意が求めていたのは、安倍流の強引な改憲の試みの中止でして、そのために、福田内閣になって改憲問題は一休みになっています。公明党も、福田内閣との連立政権合意では、憲法問題についても、国民投票(改憲手続法)の処理についても一切触れていません。現在、憲法問題については、現憲法の条文を固守するか、それとも、安倍流の第9条の改正を狙った改憲をもう一度試みるのかという複雑な選択があります。護憲、論憲、修憲、護憲的改憲、加憲、改憲、憲法棚上げと、憲法問題に関する立場はさまざまですし、憲法改正手続きについてもさまざまな意見があります。しかし、総じていえば、参議院選挙の結果を受けた今後の国会では、憲法改正問題は混迷を深めるでしょう。臨時国会で衆参両院に設置される憲法審査会の最初の課題は、強行採決された現在の国民投票法(改憲手続法)の見直しです。とくに参議院に議決についている18の付帯決議をどう法制化するかが決まらないと、憲法審査会の具体的な発足はできません。審議の形としては、まずは衆参両院の議院運営委員会において各院の憲法審査会規則の検討が始まり、両院の憲法審査会に共通する問題などが明らかになって、国民投票法(改憲手続法)の手直しに進むことになります。そして、この作業は、与野党の合意が必要です。しかし、参議院選挙での圧倒的な敗北にもかかわらず、自民党主導の内閣によるなし崩し的な解釈改憲の動きは止っていません。とくに、国際関係に関わるものが止まっていません。アメリカの対日要求は弱まることなく、米軍トランスフォーメーションや沖縄の基地再編、神奈川の米軍配備の強化は進行しています。法理論的に支える、集団的自衛権に隣する有識者懇談会の作業も進んでいます。イラク、アフガンへの自衛隊の派兵も、テロ特措法を給油に限定した新法にするなど姑息な手法で継続しようとしています。防衛通といわれる石破防衛大臣のもとで展開している、防衛省の軍司官僚と防衛族の政治家たちによる、アメリカに迎合するこういう動きに効果的に対抗することが必要です。国会の新しい情勢を活用して、戦争に反対し、東アジアの平和と友好を確保し、憲法理念の実現を図る動きを強める必要があります。
人権の面でも、教育基本法の改正に続く一連の動きは止まっていません。国会の情勢を受けて、人権侵害的な立法や施策へのチェックは、国勢調査権や議員質問権の活用も含めて、以前よりもはるかに強化されるでしょうが、官僚の校滑な合理化の手法を見破って、人権侵害の効果的な抑制と、当事者団体やNGOによる積極的な人権擁護システムや人権法の提案を図っていく必要があります。
憲法問題というと、真っ先に第9条問題が頭に浮かぶけれども、憲法には他にもいっぱい問題がある。これまで、述べたてきたこと、あるいは今回の護憲大会に向けたパンフレットで述べていることへの疑問点や批判にも答えていきたいと述べて、問題提起を終了しました。
質問では、改憲の人・護憲の人がいると思いますが、国民主権の日本国憲法と天皇制について出されました。
また、「靖国は何故、解体できなかったのか」「自衛隊は27万人いるが毎年100名の自殺者がいる。自衛隊員の人権についても考えるべきでないか」「審査会を起動させると言われるが、大連合の危険はないのか」「地方自治は、財政危機にみまわれ各自治体では格差が生まれているなか、たれ流しの莫大な防衛費には納得いかない」等々の意見が出されました。
憲法9条を守りながらどう平和基本法に結びつけるか重要であり、「武力で平和はつくれない−人権と民主主義の憲法理念の実現をめざす」という大会基調を参加者全員が確認して第7分科会を終了しました。
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