ひろばには120名が参加しました。最初にI女性会議の小泉喜子さんが、
「日本社会はますます少子高齢化に向かっています。政府はその原因を女性の就業率の増加、高学歴などをあげて『こどもと家族を応援する日本・重点戦略検討会議』を発足させました。
そのなかで、『ワーク・ライフ・バランス』(仕事と家庭の調和)による働き方の改革が必要とされています。
この『ワーク・ライフ・バランス』については各界での様々な思惑がうごめいています。
そこで私たちは、なぜ少子化になっているのか、ジェンダーの現点から私たちが求める『ワーク・ライフ・バランス』を考えていきたい」とあいさつしました。
そして竹信三恵子さんを講師に「少子化ニッポンとジェンダー平等(性差別・役割分業の撤廃)」をテーマに話を聞き、それぞれの女性の立場から発言を受けました。
竹信さんの話は次のような内容でした。
1989年頃から出生数の推移をみて、丙午の年には出生数が落ちていることなどから出生数は、高学歴のせいなどではなく女性の問題としてとらえるようになりました。
そしてこの問題は、日本の男女格差、性差別の問題と関係があると考え、女性の働き方に危機感をもち、“少子社会がやってくる”と題して「朝日ジャーナル」に記事を書きました。
産めよ増やせよでよいのか、男性も困るのだよと言うアピールでもありました。
経団連から反応があったが、その後変化はありませんでした。
社会構造を変えなければいけないのに20年間変えませんでした。
このことが今、大きな問題となっています。これが日本の現状です。
資料によると、HDI:人間開発指数(基本的な人間の能力がどこまで伸びたかを示す)では、日本は9位ですが、
GEM:ジェンダー・エンパワーメント指数(女性が政治および経済活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測るもの)は38位と低いこと。
就業の分野では8割の女性く専業主婦)が働きたいと思っているにもかかわらず、女性の労働力串は、結婚、出産、子育て期には低下し、就職希望はあるが実現できていないと言う状況があります。
これは子育て期にサポートのない社会であるということです。韓国も日本と同様です。
ところが、スウェーデン、ドイツ、アメリカでは子育て期に、仕事と子育ての両立支援策の充実など女性が働きやすい環境条件が整備され、フルタイム労働とパートタイム労働の転換が可能です。
1991年を境に共働き世帯が専業主婦の世帯数を上回っています。
賃金が伸び悩むなか、共働きにより家計を支えている状況がうかがえます。
1985年に導入された主婦年金は夫の扶養に入っていれば自分の年金を払わなくてもよいため押さえ込んでしまいます。
そのためにパートの賃金がさがり、パート労働者の二極化−働かなければ食べていかれないパート労働者と夫の扶養で少しだけ働けばよいパート労働者−
が進み非正規のワーキングプワーとして、いま大問題になっています。二つが混在しているため状況が少しもよくならないのです。
女性の労働力率と出生率の国際比較を見てみると、女性が働いている国ほど出生率が高い傾向にあります。
これは有権者が女性や子どもにお金を回してほしい、サポートしてほしいと声をだして言える社会であり、子どもを産める社会です。
日本、イタリア、ドイツなどは、意思決定の場に女性がいないので、仕組みもなくサポート体制ができません。よって出生率も低い状態です。
また、日本では7割の女性が出産で仕事をやめています。
育児休業も2割弱しかとっていません(6割はウソ)。
このような状況は特異な社会ですし、人材の喪失です。このことについても政府は知らん顔をしています。
共働き世帯でも女性が家事をよくやっています。
男性は家事をしたくても労働時間が長過ぎて手伝うことができません。
2000年以降一段と激しくなってきています。
会社のリストラなどで正社員が追い詰められ、ワークバランスといいながら生活は逆行しています。
このことが男女平等への反感ともなっていますが、問題の原因は政府の無策にあります。
何故このような状況になってきたのでしょうか。
1980年代前半から雇用の規制緩和などが相次ぎ、女性が自分で食べていけない社会がつづきました。
1985年には雇用機会均等法と引き替えの女子保護規定が撤廃され、男女での競争、長時間労働、過労死がでます。
2000年以降は雇用の不安定化はワーキングプアーの温床になってしまいました。
さらに2003年の法改正により派遣、回顧がやりやすくなり職場はメチャクチャになっていきました。
社会保障も欧州やアメリカよりも低くなり、3分の1をワーキングアワーにしてしまいました。
ギリギリのものをさらにはいでいくというのが今の日本の状況です。
そこで「貧困ネットワーク」が発足しました。
国際社会のワークバランス策はどうなっているのでしょうう。
日本とは基盤が全然ちがいます。
スウェーデンの解決法は女性議員を出して財政構造を変え、福祉にお金を回していきました。
オランダでは、パートの均等待遇、労働時間による差別禁止によって景気は活性化しました。
日本においても女と子どもにお金を回す、それが男をも幸せにします。
女が幸せになれば、男も幸せになるのだということが真の男女平等ですし、少子化対策だと思います。
話のあと会場から「女性の参画とDVとのかかわり」などについての質疑がありました。それぞれの立場からの発言では
「学校で教える家庭科教育はどうなっているの」
−1978年、教員になってから男女別に教えていたので、1990年、男女共修となり嬉しかったこと。
現在、高校では週2単位、中学では1単位、3年生は0.5単位、小学校では2単位、年間15から17時間しかなくこれではまとまった授業ができないこと。
教科書問題はこれからもチェックしていかなければならないこと。
ジェンダーの結果としてよい傾向が出てきていること。
中学校22校のうち教員が12名(正規)、10校は講師で放課後の時間給はなし、家庭科室の管理をやる必要があるのにできないこと。
662名(18学級)を受け持っていること。
実習、評価するにも一人しかいないので相談する人もいないこと。
家庭科の学力をつけさせたいが、名前も覚えられないこと。
「これでいいの?非正規労働者の働き方」
−1年契約で勤続15年働いていること。1993年、パート労働法成立、900万人の7割が女性。罰則規定がなく実効性に疑問があったこと。
施行後14年後法律とは名ばかり実効性に期待できないこと。フルタイムパートは法律の適用からはずされること。
20年継続の人も複合就労、母子手当てを削られる、非正規労働者の分断、労働者の差別をやめさせることが必要なこと。
「シングルマザーの抱える悩みとは」
−シングルマザーの80%が働いていること。時給は850円、ダブルワークの人が多いこと。子どもへの影響は、フリースクールへ通っている子の半分が1人親なのからもわかること。
憲法25条が犯されることのないよう大人として努力していきたいこと。
「産院の現状は今」
−2002年6398箇所あった産院は2006年には3063箇所に減ったこと。産婦人科医が医療事故、苛酷な労働で専門を変えるということが増えていること。
臨床研修制度の影響もあること。打開策として助産士さんの力を借りるなど。助産所の存続を求める請願署名を呼びかけたいこと。
「どうなっている自治体の保育行政」
−少子化といえども文京区は子どもが増えているが、出生率は東京都1.29人に対し文京区は0.81人、どうするかが課題となっていること。
「働く女性の実像」
−労働組合のとりくみの不充分さを感じていること。自治体の中にも正規で働く人が少なくなってきたこと。育児休業なども制度はできたが有効に利用する人は少ないこと。
非常勤の人たちのためにも頑張っていること。
発言のあと、遠藤三郎賞を受賞した川崎洋子さんの紹介があり、全水道青年部の本木寛さんが「職場から男女平等の社会をつくっていきたい」と締めくくりました。
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