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1. 全体(2006〜07年)の基調について
@平和フォーラム・原水禁は、基本路線として、憲法理念の実現・人間の安全保障の実現をめざすとして、この間、平和・人権・環境の課題を中心に、平和団体、市民団体、連合を中心とする労働団体、国際的な核軍縮・平和団体等連帯の輪を拡大しながら活動してきました。
とりわけここ数年は、国際的には、米国のブッシュ政権の「グローバル化」・「単独行動主義」といわれる世界経済・軍事戦略に基づく路線の展開との闘いであり、国内的には、誕生して以来6年目を迎える小泉政権、とりわけ、市場万能主義・軍事大国化路線の展開との闘いでした。
A米・ブッシュ政権は、2001年同時多発テロ事件以降、従来の「国連を中心とする平和・国際秩序の枠組み」さえ無視する形で、アフガン、イラクへの侵略戦争を開始・継続し、東北アジアでも緊張を高め、さらにNPT再検討会議における対応に見られるように核軍縮への流れも逆行させています。そして現在「有志連合」を基本にした世界的な米軍事戦略・軍の再編成・確立、MD防衛体制の確立、新たな核軍事体制への動きなど、米国を中心とする世界支配体制の確立をめざそうとしています。また米国による世界の経済システムのグローバル化は、「環境問題」、「南北問題」を深刻化させると同時にそれぞれの国内において、貧困、差別、人権侵害など「格差社会」を作り出しています。
こうした米国のブッシュ政権の経済・政治・軍事にわたる世界戦略に対抗して、人間の安全保障の確立、「オルタナティブな社会づくり」、核軍縮へ向けての、平和団体、市民団体、労働団体、各国の大きな運動も高揚しようとしています。
B国内的は、小泉政権は、ブッシュ政権に追従し、有事法制の整備、テロ特・イラク特による自衛隊のインド洋・イラクへの派兵、「新防衛計画大綱の決定」、米軍再編成・横須賀原子力空母母港化の推進、MD防衛の推進、靖国公式参拝の強行、男女共同参画社会づくりの後退、共謀罪の新設・教育基本法・憲法改悪への動きなど市場万能主義・軍事大国化路線を展開しています。この路線が東アジアでの緊張を高めています。また、核燃料サイクル路線を堅持し、青森再処理工場の稼動・プルサーマル計画推進・もんじゅの稼動をめざしています。そして2005年9月11日総選挙による衆議院による与党3分の2の確保以降その流れを加速させています。
しかし小泉自公政権の路線の限界と矛盾も顕在化しつつあります。耐震偽造事件、ライブドア事件、BSE事件、靖国公式参拝の強行に対する東北アジア各国の反発、米軍再編成・原子力空母母港化への自治体をはじめ広範な反対運動の拡大、防衛庁の贈収賄と談合犯罪の露見、雇用・労働不安定労働者の拡大と社会保障制度改悪による生活不安の拡大、社会の2極化、年間自殺者3万5000人などなどです。
そしてこうした小泉自公路線に対して、政策転換と退陣を求める平和団体、労働団体、市民団体、野党、地方自治体も含めて広範な闘いが高揚しようとしています。今こそ小泉・自公路線に対抗するすべての勢力の総結集による闘いが求められています。
C平和フォーラム・原水禁は、こうした事態の中で、前述の理念と現在までのとりくみ経過をふまえ当面の最大の焦点である1)憲法改悪に反対し、憲法理念を実現するとりくみ、2)在日米軍基地の再編・強化に反対し、戦争のできる国作りを許さないとりくみ、3)東アジアの非核・平和の確立にむけたとりくみ、4)核兵器廃絶に向けてのとりくみ、5)教育基本法の改悪に反対し、偏狭なナショナリズムを許さないとりくみ、6)多文化・多民族共生社会に向けた人権確立のとりくみ、7)ヒバクシャの権利確立のとりくみ、8)原子力政策の根本的転換と脱原子力に向けてのとりくみ、9)環境問題のとりくみ、10)WTO・FTA、食の安全・安定のとりくみ、農林業のとりくみ、などを基本に具体課題の前進に向けて全力でとりくみます。
また運動作りの基本姿勢として、イ、平和・人権・環境課題運動のセンターとして役割をはたす、ロ、運動の重点化をはかり、とりくみを強化、ハ、政策への影響力の強化をめざして、運動の組み立て方の改革、二、平和団体・市民団体、連合との連携強化、とりわけ東アジアを中心に国際的な平和団体等と連携強化など連帯の輪の拡大、ホ、民主党、社民党など野党との連携強化、ヘ、組織の強化拡大を踏まえて、とりくみを強化します。
2. 憲法改悪に反対し、憲法理念を実現するとりくみ
9月衆議院総選挙での自民党・与党圧勝の結果、小泉政権は従来にも増して右傾化の度を強め、内外の反対を無視した靖国神社参拝の強行につづいて、トランスフォーメーションによる司令部機能の集中や辺野古など沖縄県内への基地移設、原子力空母の2008年横須賀配備など一連の米軍の要求を受け入れ、テロ特措法、イラク特措法延長などによる自衛隊の海外派兵の継続など、日米軍事一体化をいっそう強化しています。
このなかで憲法について、自民党は結党50年「新憲法草案」を発表し、憲法の前文や憲法第9条第2項を取り払い、「自衛軍」と海外活動を盛り込むことを打ちだしました。自民党の憲法調査会はさらに2次草案に着手する方針を固め、そこでは「愛国心」を前文に盛り込むことを検討すると報じられています。さらに自民党の改憲案は「公益」と「公共の秩序」を強調した人権の制限、靖国参拝などを正当化する政教分離原則変更なども検討されています。また、政党では、民主党も「憲法提言」をまとめています。
財界は、経済同友会に続き、2005年1月、日本経団連が憲法改正提言を盛り込んだ報告書を公表しました。2005年9月には日本青年会議所(JC)も「草案」を発表、いずれも軍隊の設置や国際貢献活動への軍隊派遣、集団的自衛権の行使容認をうたったものです。
連合は、「国の基本政策に対する見解(案)」についての協議をすすめ、自衛隊の現状および今後の日本の防衛・安全保障・国際協力のあり方と憲法との整合性を確保するため、「安全保障基本法(仮称)」のような法律の制定を、@憲法9条を改正して行う、A憲法9条の改正は行わないの2つの方策を提示しましたが、構成組織から各種の意見を受けた上、2006年1月、幅広く意見が出ている状況からとりまとめをしないこととしました。
国会では2005年4月の憲法調査会報告を受ける形で、同年秋の特別国会で衆議院に憲法調査特別委員会が設置され、「憲法改正」手続き討議を開始しました。通常国会では、「憲法改正国民投票法案」の上程に向けた与野党間協議の動きが活発化しています。
2004年12月に与党合意された国民投票法案は、@憲法改正の投票方式で一括投票とする危険性があること、A報道・表現の自由や運動にさまざまな制限・規制を設けていること、B公民権停止者や未成年者の投票権を認めず投票権の保障に問題があること、C発議から投票までの期間がきわめて短期で、議論の機会を奪うに等しいものであること、D憲法改正の成立要件で、発案権、総議員の集計、投票数の規程、投票書式などで、きわめて低い規準であることなど、多くの問題点を持っています。基本的人権の尊重や主権在民という憲法の理念に反するものです。自公与党と民主党の間の隔たりはありますが、小泉政権は与野党合意を強力にはかろうとしています。平和フォーラムは、憲法前文・9条などの改憲のための国民投票法案に強く反対してとりくみをすすめます。
平和フォーラムは、今後の「護憲運動」の組み立て方について、基本スタンスを前文・9条、「基本的人権の本質」を定めた第10章「最高法規」などの改悪に反対するとともに、憲法理念の実現をめざすことにおいています。ひきつづきこの立場を明確にし、連合との連携強化を今後もすすめるとともに、右傾化状況の中で、「憲法を守れ」の一点でその他の平和団体との連携を強化することも重要となっていますので、歴史的経緯もふまえながら運動の広がりを追求します。
1) 憲法前文・9条改悪を許さず、平和基本法の確立をはじめ、平和・人権・民主主義の憲法理念の実現をめざすとりくみ
@憲法改悪のための「憲法改正国民投票法案」に反対するとりくみをすすめます。
そのため、ア)前文・9条の改憲に反対、イ)国民投票法に反対する署名運動を行います。
A憲法前文・9条改悪の動きに対抗する憲法理念を実現するとりくみ、立憲主義を確立するとりくみとして、自衛隊縮小・平和基本法の確立に向けたとりくみをすすめます。そのため、憲法前文・9条の果たしている役割、違憲の状況や歯止めされてきた政府公約(ア)文民統制、イ)専守防衛、ウ)海外派兵禁止、エ)集団的自衛権の不行使、オ)非核三原則、カ)大量破壊兵器の不保持、キ)武器輸出禁止、ク)宇宙の平和利用、ケ)国際貢献のあり方など)についての状況を点検・整理し、平和基本法プロジェクト(首座・前田哲男東京国際大学教授)が作成する「平和基本法案要綱」をもとに作業をすすめます。
また、平和基本法の制定に向けて、民主党・社民党など政党への要請をすすめます。
B憲法理念にもとづく現時点での安全保障を確立するとりくみとして、日米安全保障条約の持つ問題点(とくに新ガイドライン以後、現在の米軍再編など)、国連中心の安全保障、「人間の安全保障」などに関わる課題を整理するとともに、別項の平和課題をはじめ運動方針全体と連携したとりくみをすすめます。
C本年度の「憲法理念の実現をめざす大会」(略称・護憲大会)は、憲法・教育基本法などの「改正」作業がきわめて重要な局面を迎えたなかでのものとなります。これら改悪の動きを許さず、平和基本法をはじめ、平和・人権・民主主義の憲法理念の実現めざすとりくみを進めるための場として、11月3日〜5日に大分県別府市で実行委員会の主催のもとに開催します。
2) 憲法記念日および日常の憲法学習会などのとりくみ
@全国各地で前文および9条の変更、米軍再編を受けた戦争のできる国づくりをゆるさない多様なとりくみをすすめます。5月3日の憲法記念日を中心とし、5月を憲法月間とした全国的な共同行動をすすめます。首都圏での5月3日集会の準備などをすすめます。
A自治体等に対して、憲法月間にその理念を生かした行事などの実施を求めます。
B「憲法問題資料集」(コピー集)や憲法プロジェクトによるFAXNEWSの発行、ホームページでの集積を引きつづき進めます。よりリアルタイムで豊富なものとして、提供します。
C憲法問題の論点・問題点整理を行うため憲法問題学習会を随時、開催します。
D積極的に民衆自らの憲法理念を育て築いていくとりくみをしてきた「市民版憲法調査会」などの学習会を紹介し、連繋を強めます。
3. 在日米軍基地の再編・強化に反対し、戦争のできる国作りを許さないとりくみ
@日米両国政府による在日米軍基地再編の協議は、大詰めを迎えています。2005年10月29日には日米安全保障協議委員会(2+2)を開催して、「日米同盟:未来のための変革と再編」(「中間報告」)を発表しました。現在は最終合意に向けた協議が続いています。
「中間報告」の内容は、1)日米は共通の戦略目標をもつ、2)戦時の役割分担を明確にする、3)在日米軍基地を再編する――というものです。これらを通して米国は、アジア太平洋地域を統括する陸・海・空・海兵4軍の司令部と実戦部隊を日本に集中し、「不安定の弧」(アフリカ東岸からアジア太平洋地域)に軍事介入する際の中軸基地にしようとしています。またそのための切れ目のない支援を、日本に要求しています。
米国は敵国に対して、核兵器を含む先制攻撃を行うことを基本戦略にしています。その米国と共通の戦略目標を日本が持つことは、憲法に違反します。戦時の役割分担では、自衛隊が米軍を支援することになりますが、これは「専守防衛」の範囲を逸脱します。また、現行の日米安保条約は在日米軍の活動を「極東の安全」のために限定していますが、再編後の在日米軍は安保条約の枠組みよりも広範囲に活動することになります。在日米軍再編は、事実上の日米安保条約の改定なのです。
米軍基地がある地域の人々は、基地の縮小・撤去、基地被害の軽減を求めてきました。しかし今回の米軍基地再編は、既存の米軍基地を固定化し、さらに自衛隊の基地や演習場をも米軍が使用することになります。
とりわけ日米政府は沖縄に対して、基地負担軽減策として普天間基地の辺野古沿岸部への移設と、海兵隊司令部のグァム移転を強引に押し付けようとしています。このことは、在沖縄米軍基地の撤去を求めてきた沖縄の人々と全国の平和運動の闘いを逆手に取るものであり、米軍基地の強化・恒久化を狙うものです。
A米軍によるイラク侵攻から、本年3月で3年が経過します。この間の米同盟軍の死者は2520人です(うち米軍2314人/3月18日現在)。イラク民間人の死者は最低でも33638人で、10万人を超すと統計的な研究結果も出ています。イラクでは昨年末に国会選挙が行われ、正式政府樹立に向けた動きが始まりました。しかし一方で、米同盟軍と占領抵抗勢力との戦闘は激化しています。
ブッシュ大統領は昨年12月にワシントンで演説し、「フセイン政権が大量破壊兵器を保持していたとする情報が間違いであった」「しかしフセイン政権を打倒したのは正しい決断だった」と語りました。イラク占領には、いかなる正当性もありません。
こうした中、同盟軍の撤退が相次いでいます。同盟軍は当初39カ国でしたが、16カ国が撤退しました。残る23カ国のうち、陸上自衛隊600人と航空自衛隊200人を派兵している日本は、第9位の規模です。またこれとは別に、「テロ特措法」によるインド洋への海上自衛隊派遣も続いています。自衛隊の完全撤去を実現することが必要です。
B小泉内閣は今国会で、防衛庁を「防衛省」する防衛庁設置法改正案や、自衛隊の国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案の成立をめざしています。また国民保護法に基づく、市町村段階での国民保護計画の作成なども進んでいます。
米国が進める軍事力による世界支配と、それに追従する日本政府の戦争のできる国づくりに反対するため、平和フォーラムは以下の行動にとりくみます。
1) 在日米軍基地の再編・強化に反対し、基地の縮小・撤去を求めるとりくみ
在日米軍基地の再編・強化に反対するとりくみは、2006年度の反戦・反基地運動分野の最大の課題です。在日米軍基地再編を止めるためには、平和運動・国会・地域・自治体を結んだ、重層的で広範な反対運動を作り上げることが必要です。
そのために平和フォーラムは、民主党や社民党などの基地に反対する議員との協力関係を強化し、国会内での徹底した論議を求めます。全国集会やデモなどのとりくみを行って、米軍再編に反対する世論の形成をはかり、国会内での野党議員の活動を支援します。基地をかかえる地域では、地域住民・首長・議会と連携した反対運動をつくります。また地域で反対運動を組織する場合は地域事情にあわせて、連合や市民団体との連携を強めます。
これらを実現するために、以下のとりくみを行います。
@「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」や民主・社民・無所属の議員と連携し、政府に対する要請や抗議、国会に対するとりくみを強めます。
A基地所在地域においては、自治体・議会・首長に対して、署名提出や議会決議要請など、積極的な働きかけを行います。
B沖縄平和行進(5月11日から14日)を2006年度前半の中心活動として、全国各地から参加します。また平和行進の前段行動として、各地で集会・行動を行います。
C全国基地問題ネットワークと連携し、さまざまな活動をおこないます。
a.2006年度後半の中心活動として、秋に反戦・反基地の全国集会を開催します。
b.全国集会に向けて、基地所在地を中心に各地域を連鎖的に結ぶ行動を行います。
c.米軍再編の対象となる地域、また米海軍艦船の民間港湾入港が行われている地域の、それぞれのとりくみを共有するために、自治体関係者・自治体議員・運動団体・市民団体を集めての会議・集会を行います。
D基地に反対する、さまざまな裁判闘争や訴訟行動を支援します。
E日米地位協定の抜本的改定のために、国会に対するさまざまな要請を行います。
2) 原子力空母の横須賀母港化に反対するとりくみ
2005年10月27日(日本時間10月28日)、米政府は現在横須賀を母港としている通常型キティホークを2008年に退役させて、後継艦にニミッツ級原子力空母を配備すると日本政府に通告し、日本政府は28日にこれを発表しました。これに対し11月1日、横須賀市長と神奈川知事は配備計画の撤回を求めて日本政府に働きかけることで一致し、11月2日、横須賀市議会は臨時本会議で、配備撤回を求める国への意見書を全会一致で決定しました。一方、米国議会では、12月20日までに、ブッシュ政権が2006年の退役を当初予定していた通常型空母ジョン・F・ケネディについて、退役を凍結し艦暦延長工事を行うための予算を組むことで合意しました。これによって、「原子力空母しか選択肢はない」との米政府の当初の考え方が必ずしも妥当ではないことも明らかになりました。
原子力空母の母港化については国防総省が主導しながら米政府が行った決定を日本政府は「知らされた」状態であると説明されています。日本政府による米政府への母港化撤回に向けた再要請が必須です。そのためには地方自治体ならびに地域の人々による母港化反対の広範な支持が不可欠です。
以上から2008年の原子力空母の母港化撤回に向けて、「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国連絡会」や「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」と連携し、原水禁や脱原発運動を進める団体と協力しながら以下の活動を行います。
@国会、政府への要請を強化し、原子力空母配備の撤回に向けた日本政府の行動を促します。
A横須賀市、神奈川県の自治体に加え、他の地方自治体にも広く要請行動を行い、母港化反対を求める意見書採択に取組むよう求めます。
B署名運動を強化し、母港化反対支持を拡大します。
C学習会・集会・行動を各地で開催し、運動を活性化させます。
Dポスターなどを活用して宣伝活動強化に取組みます。
E事故発生時のシミュレーションおよび港湾法の検討など、配備撤回の論拠を裏付ける分析研究に協力します。
3) 自衛隊のイラクからの撤退を求め、戦争のできる国作りに反対するとりくみ
テロ特措法に基づく海上自衛隊のインド洋派兵から3年、イラク特措法に基づく陸上・航空自衛隊のイラク派兵は2年3ヶ月が経過しました。自衛隊による米軍支援は、「日常業務」になりつつあります。自衛隊が「日常業務」として支援している米軍が、アフガニスタンやイラクで一般の民衆を殺戮していることを、改めて思い起こさなければなりません。一部のマスメディアは、陸上自衛隊の撤退を報じていますが、政府からの撤退表明はありません。今後とも、自衛隊撤退を求める運動を作らなければなりません。
2003年6月に「武力攻撃事態法」など有事3法が成立し、2004年6月には「国民保護法」など有事関連7法が成立しました。また小泉内閣は、米軍が戦争を行うたびに「テロ特措法」や「イラク特措法」を成立させるのではなく、恒常的に自衛隊の海外派兵を行うための「海外派兵法」の成立をめざしています。
一方、2005年3月には、国民保護法に基づく「国民の保護に関する基本指針」が閣議決定されました。2005年度末までに都道府県は「国民保護計画」の作成を、「指定公共機関」(独立行政法人・日銀・日本赤十字社・NHK、電気・ガス・輸送・通信などの事業者)は「国民保護業務計画」の作成を行わなければなりません。2006年度中には市町村は「国民保護計画」の作成を、「地方指定公共機関」は「国民保護業務計画」の作成を求められています。
自治体の「国民保護計画」作りや、指定公共機関・地方公共機関による「国民保護業務計画」作りに対しては、労働者への戦争協力強要を許さない、憲法で保障された市民的権利を守るという観点から、取り組みを進めていくことが必要です。
有事法制をはじめとした、戦争のできる国作りのための法律や制度は、日本が外国から攻撃を受けた場合を想定しているわけではありません。海外で米国が行う戦争への支援を、想定したものです。その根本にあるのは、在日米軍基地再編協議と同様に、小泉政権と自民党による対米追従外交です。
平和フォーラムは、自衛隊が米軍とともに海外で戦争することに反対します。また政府による労働者・市民への戦争協力の強要を許しません。
そのために以下のとりくみを行います。
@自衛隊のイラクからの撤退と、米軍のイラク占領に反対します。WORLD PEACE NOWや市民団体と連携した運動にとりくみます。
A防衛庁を「防衛省」にする防衛庁設置法改正案や、自衛隊の国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案の成立に反対します。そのために、関係省庁や国会への要請行動・抗議行動をはじめとした大衆運動にとりくみます。
Bミサイル防衛(MD)の推進に代表される、自衛隊と米軍の一体化に反対します。
C「非核・平和条例を考える全国集会」を、市民団体と共催で開催します。
D都道府県運動組織や中央団体が進める「国民保護計画」・「国民保護業務計画」に対する取り組みを、相互に共有できるようにします。関係団体との連携を密にし、情報の収集と発信、学習会などを行います。
E「国民保護業務計画」や「国民保護計画」の中で想定される、事業者から労働者への「業務従事命令」などに対して、どのような対応が可能か調査・検討を進めます。
F「国民保護法」を始めとした有事関連法制の問題点を究明するために、政府交渉などを行います。
4) 国際連帯の推進
米国はアフリカ東岸からアジア太平洋にかけての地域を「不安定の弧」と呼称し、この地域で発生する次の戦争に備えています。米国の進める戦争政策に対抗するためには、この地域に住む人々による、戦争を起こさせない、米国の軍事介入を許さない、連携・連帯を作り上げていくことが必要です。
その第1歩として、東北アジア・東南アジアを含む東アジア地域の平和の民衆連帯を進めなければなりません。平和フォーラムは昨年、10.21国際反戦・反基地集会を開催し、韓国・フィリピン・オーストラリア・グワムの平和運動団体との交流を深めました。今後も、東アジア地域での国際連帯を積極的に推進します。そのために、以下のとりくみを行います。
@各国の平和運動団体との情報交換を行い、必要な情報を、ホームページなどを通じて発信します。
A原水禁大会や、世界社会フォーラムなど、さまざまな国際会議の機会を利用して、各国の運動団体との連携を深めます。
4. 東アジアの非核・平和の確立に向けたとりくみ
戦後60年の大きな節目を経るなか、小泉首相の靖国参拝や野党からも登場した「中国脅威論」など、東アジア・中国と日本の関係はきわめて悪化した状況にあります。平和フォーラムはこうした事態を打開するため、東アジアとの友好活動のこれまでも強めてきましたが、いっそうとりくみを強化していく必要があります。
日朝間の国交正常化はなかでももっとも大きな課題です。日朝間の矛盾の多くは、国交が正常化していなかったことに由来するものであり、「和解をめざす」「国交を正常化する」という基本点からのとりくみが重要です。韓国の平和繁栄政策(太陽政策)と協力して平和環境を醸成するための運動をつくり、そのなかで、アメリカには北朝鮮敵視姿勢を転換させる、北朝鮮には核開発を断念しNPTに復帰させる、日本政府には日朝ピョンヤン宣言にそって誠実に国交正常化交渉を進めさせるとりくみを進めます。食糧・エネルギー危機に関連した人道支援のほか、民間交流できるとりくみを広げていきます。また、拉致問題についての真相究明と責任所在を明確にし、被害を補償すること。日本の植民地時代の被害についての戦後補償のための民間交流なども引き続きとりくみます。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発をめぐる6ヵ国協議は、第4回協議の2005年9月19日に合意が成立、共同声明が明らかにされました。核の「廃棄」がうたわれ、過去から将来までのすべての核兵器開発を対象としている点で、重要な意味を持っています。協議は継続しており、なお紆余曲折がありますが、分断された南北が東西冷戦の最前線としての重い役割を担わされてきた半世紀以上の歴史に対して、米中ロ日の周辺関係国が東北アジアの地域協力で、冷戦を乗り越え、6ヶ国協議のような安全保障の枠組を定着・発展させることがきわめて重要です。日朝間の協議も、拉致問題や核開発問題などで止まっていた状態を脱し、再開しました。隔たりは大きいものがありますが、その道筋には、日本政府と市民が植民地支配の清算に向け努力し、敵対意識の解消に尽くすことがより重要となっています。とくに強制連行犠牲者などの遺骨問題は日韓首脳会議で調査が約束されており、朝鮮人強制連行真相調査団が積み上げてきた成果やとりくみに学び、生かして事態の進展・解決をすすめていかなければなりません。
また、朝鮮半島の非核化という6ヵ国協議を継続・進展させるとともに、日朝国交正常化に向けた気運を高めるため、東北アジア連絡会の学習会・会合や、外務省への要請行動をひきつづきとりくみます。
中国との関係も、重要な局面を迎えています。小泉首相のもとで、中国との関係はきわめて悪化しています。中国が日本に対する戦後賠償を免除したのは、平和憲法の存在があり、軍事大国化しないことを表明したこと。また、中国も日本の侵略戦争は一部の間違った指導者によるものであり多くの日本の人々は戦争被害者としたからです。それだけにA級戦犯を合祀した靖国神社に平然と公式参拝する小泉首相の姿勢や、戦争美化の歴史教科書問題、中国などを標的としたMD(ミサイル防衛)などは、中国をはじめとした東アジア諸国の人々との友好に打撃を与えています。日本は、過去の東アジアに対する植民地化と侵略戦争の歴史を深く反省・謝罪し、補償をすべき義務があるにもかかわらず、過去の清算についてきわめて不十分で放置されたままです。貿易額で第1位、食料など日常品の多くを輸入するなど経済的関係ではもはや中国を抜きに日本の人々の生活は成り立ちえないといって過言でない状態にあります。中国をはじめ東アジアの市民との不戦の交流、「平和連帯」の活動は日本にとって必須の課題となっています。また、小泉首相に靖国参拝を止めさせるとりくみとともに、係争中の中国人強制連行訴訟の支援などをすすめていかなければなりません。
1) 平和フォーラムとしての多角的なとりくみと協力・支援
@北朝鮮に対する経済制裁措置などを政府に発動させないとりくみや北朝鮮の人道支援のとりくみをすすめます。
A韓国の平和運動、北朝鮮人道支援運動との交流・協力を進めます。
B在日定住外国人の人権確立のとりくみを強化します。
C各都道府県組織の関係する日朝運動組織関係者による全国交流を行います。
D次項東北アジア連絡会のとりくみの他、「日朝国交正常化を求める市民連絡会」(石坂浩一立教大学助教授・世話人)のとりくみの支援や、日朝国交促進国民協会(村山富市元首相・会長)の研究会の紹介・案内をします。
E海員組合などとの訪朝団呼びかけ5団体による交流をつづけ、必要に応じて学習会・集会などを行います。
2) 「東北アジアに非核・平和の確立を、日朝国交正常化を求める連絡会」によるとりくみ
日本の平和・非核・朝鮮問題・在日人権団体・グループのゆるやかなネットワークとして「東北アジアに非核・平和の確立を、日朝国交正常化を求める連絡会」(略称・東北アジア連絡会)によるとりくみをすすめます。
@月1回ペースで開催する学習会・会合を積極的に企画・案内します。
A外務省要請などを共同で行います。
B東北アジアの非核・平和、日朝国交正常化を解説するリーフレットやパンフレットを作成します。
3) 「過去の清算」と戦後補償の実現に向けたとりくみ
@日韓首脳会談で約束された韓国・朝鮮人強制連行被害者などの遺骨調査、遺族への早期返還実現に向け、朝鮮人強制連行真相調査団などのとりくみに協力します。また、遺家族を招請してのとりくみを夏期に行います。
A戦後補償をとりくむ市民団体や、歴史の事実を明らかにする立法(国立国会図書館法を一部改正し、恒久平和調査局を設置すること)を求める市民グループと意見交換し、共同のとりくみを進めます。
B劉連仁訴訟、新潟訴訟をはじめ各地の中国人強制連行訴訟など戦後補償のとりくみを引き続き支援します。
C中国残留孤児訴訟の署名を支援・協力します。
D戦争・戦後責任と戦後補償をまなぶ国際交流・視察団の派遣を検討します。
4) 首相の靖国参拝や国家護持に反対するとりくみ
@8月15日に千鳥ヶ淵戦没者墓苑で戦争犠牲者追悼・平和を誓う集会を行います。
A首相の靖国神社参拝に抗議し、させないとりくみを進めます。
5. 核兵器廃絶に向けてのとりくみ
人類に筆舌に尽くしがたい被害を与えたヒロシマ・ナガサキの原爆投下からすでに60年が経ち、これまで被爆体験を原点に核廃絶と世界の恒久平和を訴え続けてきましたが、まいまだ人類は、核と戦争の脅威から人類は解き放たれていません。
昨年のNPT再検討会議や国連首脳会議(国連サミット)、これに続く秋の国連総会第一委員会(核軍縮)が開かれましたが、米国による核軍縮義務への消極的な態度によりNPT再検討会議2000年合意の13項目など核軍縮の課題を前進させることができませんでした。
この間アメリカが発表した国家安全保障戦略では、先制攻撃戦略は堅持され、単独行動主義の姿勢を一層強め、国際的な法や世論を無視し、好戦的な姿勢を貫きながら、イラクやアフガニスタンへの武力侵攻を行い、各地で憎しみや暴力、報復の連鎖を生み出し続けています。
ブッシュ政権の反動的な政策はこの他にも、小型核の開発研究の再開では、「信頼できる交代用核弾頭」(RRW)計画を進めようとしており、新しい型(新しい概念)の核兵器や戦場で使えるとされる核兵器の開発に結びつき、核兵器の実践使用のハードルが低くなろうとしています。さらにABM条約(対弾道ミサイル制限条約)の一方的脱退、ミサイル防衛構想(MD)の推進など新たな核軍拡の流れを創り出そうとしています。2005年3月に発表された「統合核作戦ドクトリン」では、地域紛争でも核兵器の使用も述べており、いまだ核の力を保持しようとしています。そして2006年2月に発表された「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)報告でも、核兵器と非核兵器の一体的運用の促進を掲げています。その上核の先制使用も放棄しておらず、それを日本も認めるていることは問題です。
また、米ロなど核大国はいまだ未臨界核実験を繰り返し、核警戒態勢も維持され偶発的核戦争の危険性もかかえています。さらに「削減」された核弾頭を将来に備えた「貯蔵」に回すなど核軍縮の実態も伴っていません。
NPT体制のスキを突き、核拡散も拡がっています。未加盟国のインドやパキスタン、イスラエルの核保有や、朝鮮民主主義人民共和国は核兵器製造を表明し、イランなどは原子力の平和利用からの転用で核開発が疑われています。それらの動きは、周辺地域の安全保障を揺るがし、緊張を高めています。その中でアメリカは、2005年7月にインドとの核開発協定を結び、2006年2月にはフランスが原子力開発の合意を行い、核大国がNPT未加盟のインドの核を認める動きであり問題です。核拡散が拡がるなかで、あらためて各国に核開発の放棄を求めるとともに、緊張緩和にむけた平和的な解決と国際ルールへの参加を促すことが必要です。また、核保有国に対しては、2000年のNPT再検討会議で合意された核軍縮の約束を履行させることが重要で、未加盟国の核拡散には厳しく、自らの核軍縮には徹底して甘いダブルスタンダード(二重基準)を許してはなりません。
日本政府は、核廃絶を訴えながらも、米国の核の傘の下にあるというダブルスタンダードという矛盾した政策を取り続けています。被爆後60年という歴史を経過しましたが、あらためて歴史の重さを自覚させ、被爆国の責務として積極的に世界に先駆け平和と核軍縮政策のリーダーシップを取ることを求めることが重要です。そのためにもまず、アメリカの核の傘からの脱却が必要です。しかし現在の小泉政権は、憲法を無視し、自衛隊のイラク派兵を強行し、集団的自衛権の行使にまで踏み込み、積極的にアメリカの世界戦略のシステムのなかに加わろうとしています。なかでもミサイル防衛(MD)の積極的な開発と導入は、アメリカの核の傘とあいまって東北アジアに新たな軍拡に道を開く不安定要因を作り出すものとなっています。これらの政策転換がいま、求められています。
冷戦終結後、世界はアメリカだけが突出した軍事力を持つ中で、国際的な平和・核軍縮の連携を強化し、アメリカをはじめとする核保有国を包囲する陣形をつくりあげることが求められています。各国の平和勢力との連携の強化を中心に、国内においても、政府に対して核の傘からの離脱や核軍縮の強化を要請し、連合や各市民団体・NGOなどと共通の核軍縮課題へのアプローチやネットワークの強化を進めます。特に東北アジアの平和外交の環境づくりとして「東北アジア非核地帯」構想(核兵器の不存在と核保有国による地域への消極的安全の保証の約束など)を積極的に推進し、その実現に向けた市民・政府レベルでの議論活性化と韓国や中国などとの国際連携を強化を目指します。
1) 国内外の核軍縮へのネットワークの強化むけたとりくみ
アメリカの単独行動主義により国際的な核軍縮の流れが停滞を余儀なくされていますが、あらためて活性化させることが大きな課題です。
昨年は特に期待されたNPT再検討会議では実質的な成果が無かったことに加え、国連首脳会議(国連サミット)においても国連総会が核軍縮と核不拡散に関する合意に至ることができませんでした。さらに国連第一委員会・軍縮会議もいまだ閉塞状態にあります。あらためて2000年の再検討会議で合意した「誠実に(核軍縮の)交渉を行うことを約束する」や「CTBTの早期発効」、「カットオフ条約の条約交渉の即時開始」などの13項目+2項目の合意を後退させず、閉塞状態に陥っている国際的な動きを具体的な核軍縮に向けていかなければなりません。特に核兵器保有国には、具体的な核軍縮を迫ることが必要です。そのため、NPTやCTBTおよびその他国連等の国際会議や様々な機会を通じて以下の活動を行います。
さらに、青森県六ヶ所村で進められている再処理工場の問題は、核拡散の観点からも問題です。すでに43トンもの余剰プルトニウムを抱え、さらに再処理で大量のプルトニウムを生み出すことは、国際的にも問題となっています。韓国やアメリカでも国会議員が取り上げています。東北アジアの非核化に向けて地域の緊張を高める再処理の中止を核拡散の面からも追及します。
@国内外の核軍縮進める団体や運動体とのネットワークの強化と世論喚起にむけたさまざまなとりくみを行い、核保有国への包囲網を強化していきます。6月の世界平和フォーラム(カナダ)や8月の「原水禁世界大会」、「劣化ウラン国際会議」などで、国際的な連携を強化していきます。
A平和市長会議が呼びかけ2020年に核兵器廃絶を目指すとりくみの「2020ビジョン」に賛同し、具体的に協力します。その中で、10月に長崎市が主催する「核兵器廃絶国際市民会議」にも協力します。
B核兵器国に対して「核の先制不使用」や「消極的安全保障の制度化」などを求め、朝鮮民主主義人民共和国に対してはNPT復帰と核開発の放棄を求めます。
C日本政府による核の傘依存からの脱却を求め、東北アジア非核地帯化構想の実現をめざして国内外の運動の強化をはかります。
D日本のミサイル防衛構想に反対します。
E未臨界核実験に反対するとりくみを、引き続き連合・核禁会議との共同行動として積み上げます。
FCTBT条約、カットオフ条約を前進させるとりくみを強化していきます。
G劣化ウラン弾・クラスター爆弾等の非人道的兵器の禁止に向けたとりくみを行い、広島で開かれる「劣化ウラン国際会議」にも協力します。
H核拡散につながるウラン濃縮、再処理を止めさせる国際的な関心を喚起し、ネットワークを広げます。
I2006年6月、カナダで開催される世界平和フォーラムに参加し、原水禁として核軍縮や原子力空母の問題等を提起し、広げます。
2) 非核自治体決議の推進と非核政策の内実の充実を求めるとりくみの強化
憲法9条や前文の改憲の動きが強まる中、国会議員のなかで日本の核武装を容認する議員や被爆の実態をないがしろにする発言をする議員(石破前防衛庁長官)が出てきています。日本の国是である非核三原則をないがしろにする危険な兆候で、被爆体験の風化でもあります。憲法の平和主義を守り、非核三原則の法制化も含めた非核法の制定や地域における非核自治体の拡大、非核宣言をあげた自治体の非核政策(事業)の充実を求めることが必要です。特に自治体の合併により、あらためて非核宣言をする必要があり、各地でのとりくみ強化が求められています。
@非核自治体決議の100%達成にむけたとりくみと自治体の非核政策の充実を求めていきます。なかでも市町村合併にともなう非核宣言の再宣言をさせるとりくみは重要です。地方議会への働きかけや非核平和行進に合わせて自治体への要請などを行うなかで宣言の達成や政策(事業)の充実を求めます。
A非核宣言をした自治体の非核宣言自治体協議会への加盟を推進します。
B非核平和条例のとりくみを強化し、同時に非核三原則の法制化など、非核法の制定をめざします。(平和フォーラム運動方針3.3)B参照)
C内外に被爆国の内実を問われる被爆国の企業の核兵器研究・開発への関与や武器輸出三原則の緩和による協力の拡大(とくにMDに関して)については、その動きを監視することと同時に協力させないとりくみを積み上げていきます。
D世界に拡がる非核地帯の国際的な動きに連携して、東北アジアの非核化の実現を追求します。
3) 被爆61周年原水爆禁止世界大会の開催にむけて
@被爆61周年原水爆禁止世界大会の開催
「ヒバクシャの権利確立のとりくみ」や「核兵器廃絶にむけたとりくみ」、「原子力政策の根本的転換と脱原子力に向けてのとりくみ」の3つの課題を中心に世界大会の議論を深め、共通認識を作りあげていきます。昨年に引き続き連合・核禁会議との共同行動を進め、今年も原水禁大会の開会式の部分の共同開催や核兵器廃絶、被爆者援護の課題の拡大をはかります。
さらに今年は、「東北アジアの非核化と安全保障」をテーマに、内外の研究者や活動家を中心に国際会議を行い、課題の深化と共通認識をつくります。
世界大会は実行委員会方式で、福岡(国際会議)、広島、長崎で例年通りの日程で開催します。また、「メッセージfromヒロシマ2006」や「ピースブリッジ2006」などの子どもや若者の企画をサポートし、子どもの参加や若者、親子などの参加を強化し、被爆の実相の継承をはかります。
なお、8月3日〜4日にかけて「劣化ウラン国際会議」が広島で開催されます。ヒバクシャの観点や国際連帯の観点からも協力します。また、平和市長会議が進める「2020ビジョン」の中の「核廃絶の壁」木ブロックを今年もドイツの市民と協力し、国内で実行委員名を立ち上げ実施します。
8月3日 国際会議(福岡)
8月4日〜6日 広島大会(8月4日連合・核禁会議共催の開会式)
8月7日〜9日 長崎大会(8月7日連合・核禁会議共催の開会式)
8月7日〜9日 「核廃絶の壁」(木ブロック)の展示
A被災53周年ビキニ・デー集会の開催
被災52周年集会の成果を引き継ぎ、被爆61周年原水禁世界大会に連動する集会とします。
6. 教育基本法の改悪に反対し、偏狭なナショナリズムを許さないとりくみ
グローバル化とアメリカの極端な単独行動主義がすすむなかで、日本や欧州諸国は企業競争力の確保策に躍起となる一方、失業者の増加などを背景に民族排外主義的な動きや国家主義、偏狭なナショナリズムを助長する傾向も増大しています。
2006年4月から使用の中学校教科書採択は、全国の運動や海外からの正しい歴史認識を求める声が強まるなかで、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版のものを「歴史」約0.4%、「公民」約0.2%にとどめました。しかし、「つくる会」教科書の出現は、他社の教科書記述の右傾化に少なからず影響を与え、「慰安婦」の用語が消え、「強制連行」の記述が大幅に減り、「ジェンダー・フリー」の表現も消えました。世界やアジアの歴史と結びついた日本の歴史事実を正確に伝えているか、平和・人権を尊重する共生社会の実現に結びついた歴史認識、国際認識を育てる内容になっているかなど、教科書全体への働きかけを幅広くすすめていくことが大きな課題になっています。
また、2003年3月20日の中教審答申は「21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成」という大目標のもと、「国を愛する心」が強調され、教育基本法改定の方向を打ち出しました。「国際化」時代に対応して競争力に打ち勝つ「たくましさ」と、「愛国心」に満ちた「心豊かな日本人」を教育の場でつくり出そうというものです。
以後、「与党教育基本法改正に関する検討会」が続けられ、改正案作成作業がすすめられました。「愛国心」の表現をめぐっては自民・公明で意見がまとまっていないという状況です。2005年5月に行われた50回目の与党検討会に、文部科学省が検討素材としての「仮要綱案」を示し、その内容は、「憲法の精神に則り」「教育は不当な支配に服することなく」などの部分についての削除の検討や、「国を愛する心」については両論併記で示されたことが報道されました。
その後、保利耕輔座長の自民党離党などの事態で、与党協議はストップしていましたが、2006年2月から再開し、自公両党幹部は「愛国心」についても調整可能とし、国会上程に向けた作業を急速にすすめています。そのなかで、「日本国民としての自覚と責任」という表現や、「国」について「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんで来た郷土と国」という文言なども例示されています。これに対して、日教組と協力して教育基本法改悪ストップ実行委員会などのとりくみを強化します。
1) 教育基本法などについてのとりくみ
@日教組などとともに教育基本法改悪ストップ実行委員会によるとりくみをすすめ、重要な節目や与党の法案作成作業や国会上程の動きに応じた院内外の集会をはじめとしたとりくみを行います。
A通常国会に教育基本法改悪法案を提出させないために、日教組が中心となってすすめている教育基本法を「読み生かす」運動などに協力し、教育基本法の問題を考える場を広く築くとともに、「教育と文化を世界に開く会」などの関連するとりくみの紹介を行います。
B地方自治体議会における教育基本法「改正」反対・慎重審議決議を増やし、改悪促進決議を許さないとりくみを引きつづきすすめます。
C主に地域教組の呼びかけで行われる小集会に全国各地で協力します。
2) 教科書や教育をめぐるその他のとりくみ
@「日の丸」「君が代」の強制・強要に反対します。
A戦争の歴史を課題とした教科書について、中国・韓国・北朝鮮など東北アジアの諸国を中心に、国際交流を追求します。
B教育基本法、教科書問題などの学習パンフレットなどの活用を進めます。
7. 多文化・多民族共生社会に向けた人権確立のとりくみ
憲法は、人権について前文では「人類普遍の原理」とし、第10章「最高法規」第97条では「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」と、世界史的意味を込めています。1948年の世界人権宣言以来、包括的にとり決めた国際人権規約の他、人種差別撤廃や女性、子ども、移住者、死刑廃止など27の国際人権条約が積み上げられてきました。しかし、日本はようやく12の条約に加入したにすぎません。批准した条約も、差別や違反行為を犯罪とする国内法整備がなかったり、処罰条項の留保や、国際人権規約の個人通報制度の未批准など人権救済についての遅れがあります。差別が社会悪であり犯罪であるという明確な認識がいまだに希薄な日本社会のなかにあって、最近の日本社会の右傾化や排外主義的傾向の増大や、政治の右旋回状況では、ジェンダーフリー教育や、選択的夫婦別姓、性教育に対して女と男の固有の特性を否定する過激な思想運動であるとか、日本の伝統的家族共同体を破壊するものであるという決議が「新しい歴史教科書をつくる会」、日本会議などによって、自治体議会で採択されるなどの動きもすすめられています。こうしたバックラッシュのなかで、2005年12月に閣議決定された男女共同参画基本計画(第2次)は「ジェンダー」という言葉はかろうじて「社会的性別」としては残されたものの、「文化的差別」としては削除され、選択的夫婦別姓や婚外子相続差別撤廃については後退・回避をはじめ、ジェンダー・バッシング派に配慮する表記が盛り込まれました。
こうした状況を変えるためにも、部落差別や女性差別、障害者差別、民族差別をはじめとした差別に対し、公正・平等をめざしての実態の改善のとりくみと、差別を禁止する法律を整備する必要があります。2006年1月の国連人権委員会ディエン報告書は、日本における人種主義・人種差別・外国人嫌悪/排斥の問題を、法的側面にとどまらず、社会的・歴史的文脈にまで踏み込んで指摘し、日本政府に対して、人種差別の存在を公式に認めそれを撤廃する政治的意志を表明すること、差別を禁止・処罰する法律の制定と、問題に対処するための国内機関の設置、歴史教科書の見直しなど、24項目にわたる包括的な勧告を提示しました。国連の「国内人権機関の地位に関する原則」(パリ原則)にそった独立性と実効性ある人権救済機関の制度化と「人権の法制度」確立です。日本でも国内人権機関を新設する人権擁護法案が2002年に国会上程されましたが、多くの批判のなか、翌年の衆議院解散で廃案となりました。その後も、国籍条項などの逆流意見が自民党周辺で出されるなか上程されていません。
また、戦後、日本は旧植民地出身者に対する人権侵害を続け、不当な外国人差別を続けてきたことを克服するためにも、定住外国人の権利確立は重要です。1999年、公明党の連立参加のなか、与党合意されたはずの「定住外国人の地方参政権」も6年も先延ばしされています。この間、韓国では国家人権委員会が設立され、2005年6月にはアジア初の外国人地方参政権が確立されました。日本でも早急に実現させなければなりません。在日外国人は、旧植民地出身者だけでなく近年急増しており、その人権確立は重要課題です。2005年12月には、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤廃法」の制定、「国内人権機関」の実現をめざした「外国人人権法連絡会」が発足しました。「定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク」とともにとりくみを進めます。
また、国鉄分割・民営化に際してJR不採用となり解雇された1047名もの人たちの救済も重要課題です。ILO(国際労働機関)は日本政府に繰り返し勧告を行い、2005年9月には国労差別を認める鉄建公団訴訟判決も出されました。早期解決をめざす国労は関係者の大同団結をめざしてきましたが、1987年に不採用通知が出された日となる2月16日に、従来の分散した闘争団が連携して集会を行い、「被解雇者1047連絡会」を旗揚げし、共同行動を積み上げ、解決に向けてとりくみをすすめていくことになりました。これまでも北海道・九州を中心に平和フォーラム都道府県組織はとりくみをすすめてきましたが、いっそうの協力をすすめます。
さらに、ビラまきなどでの警察公安による微罪逮捕や不当逮捕、自衛隊による取り調べが増大し、監視社会化による人権侵害事件が多発しています。このなかで、国会上程されている「共謀罪」は、犯罪の実行の有無にかかわらず、犯罪行為を話し合っただけで処罰できるもので、現代版治安維持法とも、思想処罰法ともいわれる稀代の悪法です。また、外国人をターゲットに指紋押捺を復活させる入管法の改定の動きがすすめられています。弁護士に依頼者の犯罪を警察に密告する義務を課す法の制定も画策されています。加えて、政府は「テロ関連団体」や「テロリスト」と認定した組織と人物に対し、治安当局に拘束や盗聴などの強制捜査権の行使を認めることなどを柱とした「テロ対策基本法」の策定に着手する方針を固めたと報じられています。すでに憲法の保障する基本的人権を侵害するものです。
さらに、通常国会に再上程される動きの触法年少少年に警察が関与するための少年法「改正」案は子どもの成長や人権を抑制する重大な法案です。これら警察・監視社会化の危険性から脱却していかなければなりません。
1) 地方参政権など在日定住外国人の権利確立
野党の賛成だけでなく、与党合意があるにもかかわらず、実際には根強い排外主義によって、在日定住外国人の地方参政権は実現に至っていません。地域で広がった「外国人市民会議」や住民投票条例などの成果を生かして、通常国会で改めて「定住外国人地方参政権法案」の実現をめざします。また、依然としてつづく在日に対する嫌がらせや差別を許さないとりくみを進めます。
@在日定住外国人参政権連絡会、定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワークや民団などと協力して院内集会、各地での集会を実施します。また、ブックレット「日・韓『共生社会』の展望−韓国で実現した外国人地方参政権」の活用を進めます。
A朝鮮学校をはじめ在日外国人学校の中学校・高校卒業者を差別なく高校・大学受験資格を認めることをはじめ、学校教育法の1条校並としていくとりくみを進めます。
B東京都が起こした江東区枝川にある朝鮮初級学校の土地明け渡しを求める裁判など、在日韓国・朝鮮人に対する差別を許さず、権利拡大に向けたとりくみに協力します。
C外国人人権法連絡会のとりくみに参加・協力します。
2) 実効性ある人権救済法の制定に向けたとりくみ
@国連の「国内人権機関の地位に関する原則」(パリ原則)にそった独立性と実効性ある人権救済機関を制度化する法律の制定に向けてとりくみます。あわせて差別を犯罪として明確に禁止する「差別禁止法」(仮称)を制定するとりくみを進めます。政府は国会に人権擁護法案を提出する予定ですが、所轄が法務省であることや委員への国籍条項適用問題をはじめ人権確立に反する部分が多数あり抜本的修正が必要です。
A狭山差別裁判問題をはじめ 部落解放同盟、部落解放中央共闘などのとりくみに連携、協力します。とくに、県組織のないところでのとりくみが広がるよう積極的に担います。
B政治公約に反するとともに、人道上も重大な問題のある1047人のJR不採用問題の早期解決に向けて、政府がILO勧告を踏まえて解決するためのとりくみを国鉄労働組合と連携、協力して行います。
3) 人権教育・啓発の推進
@「人権教育のための国連10年」などこれまでの成果を実効化させるとともに、「人権教育・啓発推進法」に基づき、全国の自治体でより充実した「人権教育・啓発推進に関する基本計画」を策定・実行するよう求めていきます。
A地域・職場でさまざまな差別問題など人権学習・教宣活動にとりくみます。
4) 司法制度・地方自治などをはじめとしたとりくみ
@司法改革で、裁判員制度は裁判官の恣意などに左右されない制度・人数配分になど市民に開かれたものとする原則を確立させていきます。
A日常的な判決チェックなど最高裁判所裁判官国民審査にかかわるとりくみをすすめ、現状の非民主的な白票信任投票方式を○×式にするなど、投票した人の意思が結果に反映する方法への改善の実現に向けとりくみます。
B地方分権を促進し、地方自治体の自主財源の確保とともに、条例制定権の拡大、拘束力のある住民投票の導入などのとりくみをすすめます。
C反住基ネット連絡会の一員として、とりくみに参加・協力します。
D自由な議論や思想・信条の自由にも抵触する共謀罪の新設を許さないため、パンフレットを活用したとりくみを進めます。国会状況に応じて、必要なとりくみを行います。
E警察公安による微罪逮捕や自衛隊による取り調べの事件増大の動きを警戒し、不当弾圧、人権侵害を許さないとりくみを行います。
F触法年少少年に警察関与を可能にする少年法「改正」の国会再上程に反対するとりくみをすすめます。
G憲法に反し、人権を侵害するテロ対策基本法に反対するとりくみをすすめます。
5) 男女共同参画社会の実現に向けたとりくみ
「男女共同参画社会基本法」(1999年)は制定されたものの、女性差別撤廃条約の精神を具体化していないという問題点があります。女性の社会進出がすすむなかで、男女がともに職業や社会生活と家庭生活が両立できる社会システムの構築が緊急の課題であり、そのためには男女の意識変革が必要です。バックラッシュをゆるさず、また、間接差別をはじめ現場での差別を許さないために、国際的に積み上げている女性差別撤廃条約や北京会議の成果をもとに共同参画社会実現を推し進めます。
@政府の第2次基本計画にもとづく地方自治体計画作成のなかでジェンダー定義を後退をさせないとりくみをすすめます。
A平和フォーラム組織自身の構成、諸会議をはじめ、関わる運動全般で女性が参加できる条件・環境を作ります。
BI女性会議をはじめとした女性団体のとりくみに連携、協力します。
8. ヒバクシャの権利確立のとりくみ
被爆60年を超え、被爆者の高齢化が進んでいます。広島・長崎の被爆者の残された課題を解決する時間は限られています。援護対策の充実を図ることが急務となっています。
在外被爆者に対する援護の充実は、日本の戦争責任と戦後補償の実現とあいまって重要なとりくみです。これまでの在外被爆者裁判で勝ち取った成果を、残された在外被爆者裁判へ活かし、政策的な不備を政府に要求していくことが必要です。また、これまで放置されてきている在朝被爆者への援護施策の実施を求めていくことも戦後責任を果たす意味で重要です。同時に全国各地でとりくまれている被爆者集団訴訟運動の前進をはかることも引き続き重要です。
さらに「援護なき差別」の状況に置かれている被爆二世・三世への援護施策の充実をはかることも必要です。そのため全国被爆二世団体連絡協議会(全国被爆二世協)と連携しながら二世・三世の組織化や行政に対する被爆者健康手帳の発行、健康診断の通年化、被爆二世調査などの独自要求を積み上げていくことが求められています。
上記の課題を達成するために2004年12月に原水禁・連合・核禁会議の三者で行った被爆者の権利の拡大をめざした政府への要求の実現を図ることを引き続き三者で進めます。
さらにヒロシマ・ナガサキの原爆被害にとどまらず、あらゆる核開発過程で生み出される核被害者への連帯や援護のとりくみは原水禁運動の重要な課題です。今年はチェルノブイリ原発事故から20年という節目にあたり、多くのヒバクシャをいまだ生み出しているチェルノブイリ原発事故、軍事機密のなかで行われた核実験によるヒバクシャの実態などを明らかにしていくことが必要で、国際的な運動としてヒバクシャ運動の強化が求められています。国内的にも原子力の商業利用で生み出された被曝労働者の権利の拡大をめざすために、健康管理手帳の発行を求めるとりくみを進めていきます。
それらを踏まえ、核実験や原発事故、原子力開発などのあらゆる核開発の流れのなかで起きたヒバクシャへの連帯と援護制度確立や権利の確認を進める「ヒバクシャ国際会議」の開催も検討します。
1) 被爆者援護の運動を強化するとりくみ
広島・長崎の原爆投下から60年を超え、高齢化した被爆者の問題解決は急務となっています。長年の要求である国家補償問題や在外被爆者の補償の問題は、いまだ解決に至っていません。引き続き政府に制度確立を求めていきます。
@厚生労働省に対し連合・核禁会議との共同で行っている、国家補償の明記や認定制度の改善など援護施策の充実・改善などの要求行動を進めます。
A在外被爆者問題の解決に向けたとりくみを行います。裁判闘争の支援や交流、厚生労働省への制度・政策の強化要求などを行います。
B在朝被爆者問題の解決に向けたとりくみを行います。放置された北朝鮮被爆者の援護の確立に向け政府・厚生労働省に働きかけていきます。
C全国12地裁に提訴している168人の原告の認定却下処分の撤回を求める被爆者集団訴訟運動が進められています。大阪、広島、東京、長崎、熊本、名古屋、千葉、仙台の各裁判所での判決が予想され、支援・連帯の強化と、国・厚生労働省の認定行政の抜本的な転換(認定基準の大幅緩和)など各種被爆者課題の前進をはかります。
2) ヒバクの実相を継承するとりくみ
各地でのヒバクシャから聞き取りや記録(映像など)すすめ、若い世代へ被爆の実相を継承していく運動を進めます。メッセージfromヒロシマ2006、ピース・ブリッジ2006、高校生1万人署名や平和大使などの運動にも協力します。
3) 被爆二世・三世の組織化と援護政策の充実を求めるとりくみ
これまで援護法の対象外に置かれている被爆二世、三世に対して、現在、全国被爆二世協が中心となって運動を進めています。その運動を支え、組織化や援護政策の充実を求める動きを作り出します。
@全国被爆二世団体連絡協議会との連携を強化し、被爆二世の組織化をはかります。
A被爆者援護法の被爆二世に対する付帯決議を具体化するとりくみを強化していきます。二世への援護法の拡大や被爆者健康手帳の発行、被爆二世調査の対応の充実などを求めていきます。
B日韓被爆二世シンポジウムの開催
昨年に引き続き、被爆二世団体全国協議会と共催で、日韓の被爆二世の交流と課題の共有を深めるために、韓国・ソウルで開催します。
4) あらゆるヒバクシャとの国際連帯・交流の強化のとりくみ
世界に拡がる核被害者との連帯強化をはかります。今年は、チェルノブイリ原発事故から20周年目にあたります。事故の起きた4月には、国際シンポジウムや関連するとりくみを市民団体などと協力して実施します。さらに、事故後の実態の調査やヒバクシャとの連帯をつくりだすために、現地への調査・訪問団を派遣します。さらに原水禁世界大会やさまざまなとりくみのなかで、ヒバクシャとの交流の強化をはかります。その上で、来期にヒバクシャの抱えるさまざまな課題を国際的に明らかにし、援護・連帯の運動を創り出す「ヒバクシャ国際会議」の実施について検討します。
5) 原発・被曝労働者のヒバク実態の把握と労働者の権利拡大をめざすとりくみ
長尾原発労災認定では、「多発性骨髄腫」を労災として認定させることができました。しかし、これまで労災と認定された原発被曝労働者は、氷山の一角でしかありません。あらためて被曝労働の実態を明らかにするとりくみが必要です。あわせて、放置されている被曝労働者の命を守るとりくみとして、じん肺やアスベストと同じように被曝労働に対する健康管理手帳の発行を制度として確立することを求めていきます。
@被曝労働の実態把握のために、長尾労災で連携した全国労働安全センターや原子力資料情報室などが実施する「被曝ホットライン」などの電話相談や原発現地での実態調査などに協力します。
AJCO臨界事故によって生みだされた被曝者への援護の運動に連携していきます。
B被曝労働者の健康を守る「健康管理手帳」の制度確立を、関連する労働組合と協力して、めざします。
9. 原子力政策の根本的転換と脱原子力に向けてのとりくみ
ここ数年、原水禁が進める脱原発運動の最重点課題は、プルトニウム利用政策の転換でした。特に再処理・プルサーマル問題のとりくみを積み重ねてきました。今年も引き続き六ヶ所再処理工場の稼動阻止とプルサーマル計画の阻止が最重点課題です。
この間原子力推進派は、プルトニウム利用路線の破綻にもかかわらず六ヶ所再処理工場の建設やプルサーマル計画をいまだ放棄しようとはしていません。原子力政策大綱(旧原子力長期計画)でも、再処理・プルサーマル路線の堅持をうたい、原子力政策の破綻のツケを先送りし、国民に多大な負担を強いようとしています。その中心となる六ヶ所再処理工場は、2007年8月の操業に向けて、ウラン試験から実際の使用済み核燃料を用いたアクティブ試験へ移ろうとしています。実質的な稼働に近いアクティブ試験は、原発以上に放射能をまき散らし、核兵器の材料にもなりうるプルトニウムを大量に作り出し、周辺国に対しても脅威を与えようとしています。すでに余剰プルトニウムは43トンも保有し、さらに六ヶ所再処理工場の稼働でプルトニウムを生み出すことは、危険性とともに国際的も核拡散として問題となっています。だからこそ原子力政策の転換を求めてプルトニウム利用政策の中止を求めるとりくみを特に強化することが必要です。巨大な税金の無駄遣いとしての六ヶ所再処理工場中止の他に、将来性のないもんじゅの廃炉、さらにいまだ解決策のない高レベル放射性廃棄物問題などは緊急の課題としてとりくみの強化が求められています。
さらに老朽化した原発の運転延長の問題や東海地震などによる原発震災なども大きな課題となっています。大事故が起きる前に、廃炉や運転停止を求めていくことが必要です。 また2005年に電力自由化が一段と進み、再生可能なエネルギーの普及のチャンスが拡がってきています。原発に代わる分散型エネルギーとして積極的に自然エネルギーを拡大していくことが必要です。平和フォーラムとして進めてきたエコロジー社会構築プロジェクトが作成した脱原発に向けたエネルギー政策の検討成果を活かし、省エネルギー政策の推進と合わせて地域で再生可能エネルギーの具体的展開をはかることが必要です。
上記の脱原発に向けたさまざまな具体的制度・政策を確立するためにも、「原子力政策『転換』議員懇談会」の動きとも連携し、院内外での運動を強化していきます。
1) プルトニウム利用を中止させるとりくみ
2007年8月の本格稼働をめざして建設が進む六ヶ所村・再処理工場は、放射性物質(劣化ウラン)を使ったウラン試験に続き、実際の使用済み核燃料を使う実質的な稼働となるアクティブ試験が2006年3月31日に強行されました。しかしプルトニウム利用路線は、「もんじゅ」や「プルサーマル計画」が破綻が明らかであり、巨額な原発のバックエンド費用(原発を動かした時に発生する使用済み燃料や、廃棄物処分にかかる費用)が明らかになるにつれ、六ヶ所再処理工場の存在理由がますます失われています。国際的にも43トンもの核兵器物質のプルトニウムを持ち、さらに再処理で増やすことは、核拡散の観点からも国際的にも問題となっています。プルトニウム利用の路線からの撤退に向けた攻防は、原子力政策の根本的転換と密接に結びついています。引き続き六ヶ所再処理工場の建設阻止、プルサーマル計画の中止、「もんじゅ」廃炉へのたたかいを強化します。中でも再処理に関連して、各地の原発でプルサーマル計画が発表されました。玄海原発、伊方原発、島根原発、浜岡原発など先行して進められる地域の運動の強化を進めます。
@再処理工場稼働阻止にむけて、「4・9反核燃の日行動」など全国集会の開催やアクティブ試験等に反対するとりくみを、地元青森との連携を強化しながら行います。また、大きなトラブルなどに対応した即応的運動の強化をはかります。
Aプルサーマル計画の中止を求めて、佐賀、愛媛、島根、静岡などを中心に連携を強化します。
B「もんじゅ」廃炉に向けたとりくみを強化し、全国集会を開催します。
C世界的に進む核拡散を止めるためにも、再処理・プルトニウム生産の中止と政策転換を訴える国際キャンペーンをとりくみます。
2) 老朽化原発と原発震災に対するとりくみ
21世紀は原発廃炉の時代でもあります。すでに稼働30年を越す原発は、2010年には17基となります。新規立地が困難になるなか、原発推進側は、老朽化した原発を40年も運転継続させようとしています。そのことは原発事故の増大と労働者被曝の増大をもたらすものです。一昨年8月9日の関西電力美浜原発3号炉での配管破断による11名の労働者の死傷事故は、そのことを端的に示しています。また、浜岡原発に象徴されるように、東海地震の特別観測地域中心に原発が立地し、大地震に襲われる危険性を多くの地震学者などが指摘しています。そのなかで、中部電力は、この間、何らの根拠も示さず耐震補強を行っていることは彼らの危機意識の現れであり、私たちの動きが与えた影響の一環でもあると考えられます。さらに昨年は、宮城沖地震で女川原発が停止し長期にわたる点検が行われるなど原発と地震の問題がクローズアップされています。こうしたなか、志賀原発運転差し止め訴訟で、北陸電力が想定する地震の過小評価と、現実の地震に耐えられない国の耐震設計指針を根拠として志賀原発2号機の運転差し止めを命じる判決が下されました。営業運転中の原発の差し止め自体画期的ですが、今回の判決で指摘された内容は日本中の原発に適用できるものです。判決の内容を広め、原発や再処理工場を止める力につなげていきます。泊や六ヶ所、伊方、玄海、川内など各地の原発立地地域でも原発震災の問題が指摘されています。老朽原発の廃炉を求めると同時にの原発震災に対するとりくみを進めます。
@老朽化した原発の廃炉を求める運動を進めます。
A志賀原発の勝訴判決を活かし、浜岡原発をはじめ各地で原発震災問題の集会や学習会などを進め、各地の原子力防災のとりくみを進めます。
3) 放射性廃棄物処分問題に対するとりくみの強化
原発から出る放射性廃棄物処理・処分の技術や場所について多くの問題が指摘されています。とくに高レベル放射性廃棄物の処理処分の技術がいまだ確立されていません。また処分場問題は、原子力発電環境整備機構が全国の自治体に公募を募っています。財政基盤の弱い自治体を補助金で釣り上げようとし、昨年も熊本や鹿児島、長崎などで、さまざまな動きが見られました。それらは反対運動で跳ね返しましたが、今後もさまざまな場所で水面下での動きが進められると予測されます。早期に動きをキャッチし公募に応じさせない運動を作りあげることが重要です。また、今後、老朽化し、廃炉となる原発からは大量の放射性廃棄物が生みだされます。それらの廃棄物をある一定のレベル以下は一般に再利用させようとする、放射能のスソ切りのための法改正がなされ、一般の生活圏に放射性物質が混じり込んでくる危険性が懸念されています。
さらに、東京湾に30万kwの原発が浮かぶ米・原子力空母の横須賀母港化や国民保護法と原発など、市民の命や暮らしを脅かす動きに対しても、平和フォーラム・原水禁の連携したとりくみを強化していきます。
@高レベル放射性廃棄物の処分場を誘致させない運動を作り上げていきます。
A青森県むつ市などの各地の中間貯蔵施設建設問題について、設置反対を地元の運動と連携していきます。
B放射能のスソ切り処分の問題点を知らせるために、国会議員への働きかけの強化と集会や学習会、リーフレットなどの作成で世論喚起を行い、具体的な適用を阻止します。
4) 原発の新増設阻止のとりくみ
大間原発や上関原発などの新規立地や泊3号、川内3号などの増設に対する反対運動を現地とともに全国の運動として広げていきます。
5) JCO臨界事故へのとりくみ
JCO臨界事故の問題を風化させないとりくみとして7周年目の集会を地元と協力して行います。
6) 原発被曝労災問題へのとりくみ(平和フォーラム運動方針8.5)参照)
7) 再生可能エネルギーの普及・拡大に向けて
エコロジー社会構築プロジェクトの成果を生かし、各地で具体化していくとりくみを進めていきます。(平和フォーラム運動方針10.1)B参照)
8) 原子力空母の出入港・母港化についてのとりくみ
原子力空母の出入港・母港化(2008年)について、現地とともに原子力空母横須賀母港化を許さない全国連絡会でとりくみに協力していきます。とくに、脱原発運動を進める市民・団体に強く働きかけます。(平和フォーラム運動方針3.2)参照)
9) 原発と国民保護について
昨年、福井県で美浜原発3号機がテロ攻撃を受けるとの想定で、国民保護法に基づく初の実動訓練が行われました。これまでの安全審査にも想定されていなかった事態を政府が想定して行うことは、原子力施設の安全性を考える上でも大きな問題です。また、国民保護の名をかりた人権や情報公開の制限は、民主主義の根幹を掘り崩す動きです。自治体での国民保護計画の作成や実動訓練など脱原発の観点から、引き続き原発と国民保護の問題点を訴えていきます。(平和フォーラム運動方針3.3)D参照)
10) 食品照射線問題について
市民生活の中に食を通して命や暮らしを脅かすものとして、放射線照射食品は問題です。平和フォーラム・原水禁連携してとりくみます。(平和フォーラム運動方針11.2)A参照)
10.環境問題のとりくみ
地球温暖化や森林の減少と砂漠化、増え続ける廃棄物や有害化学物質、水の量と質の悪化など、環境問題は多岐にわたっています。これらは、人口の都市集中や市場経済優先の産業活動、第一次産業の衰退等によって年々深刻化しています。
環境の悪化が深刻になる中で、これまでの「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、「循環型社会」への転換が求められています。特に日本は、輸出主導の経済によって、世界中の資源を使いながら、企業的責任を放棄し環境の悪化を国内外に引き起こしています。
グローバル化の急速な進展の中で、過度のコスト削減と競争至上主義による経済活動が優先され、途上国などの環境破壊に歯止めがかからない状況が続いています。地球温暖化防止の「京都議定書」が発効しても二酸化炭素(CO2)排出量の増加が続いていることはその端的な姿です。こうした状況を見据えながら、これ以上、環境に負荷を与えないような循環型社会形成のとりくみを進めていく必要があります。
1) 地球温暖化問題等のとりくみ
地球温暖化防止のためのCO2等の温室効果ガスの削減を定めた「京都議定書」は、ロシアの批准により昨年2月に発効しました。しかし、世界最大のCO2の排出国であるアメリカは、自国の産業利権を守るために、議定書への参加を拒否し続けており、中国などの途上国の排出量増加ともあわせて、国際的課題となっています。昨年開かれた温暖化対策の国際会議において、ポスト「京都議定書」の2013年以降の温暖化効果ガスの削減目標に向けた交渉を行うことが合意されました。
しかし、日本においては、企業の自主的なとりくみに加え、国策とする「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」が公共事業予算削減により、着実に実施されない状況が続いてきたため、CO2は1990年比で8%も増加しています。
一方、欧米などで進められている自然エネルギーに対して、日本は積極的な推進政策をとろうとしていません。最近の石油価格高騰や、原発、化石燃料資源に限界が予想される中で、自然エネルギーを推進する法制度を早急に確立することが必要です。
循環型社会の形成に向け木材や植物など化石燃料に代わる再生産可能な身近な地域資源を活用したバイオマスエネルギーの利用に向けた技術開発を始め、市民による風車や太陽光発電等の実践も各地で広がっており、地域でのエネルギー自給向上と併せ公的助成の充実が今後の課題となっています。昨年度まで平和フォーラム内に設置されていた「エコロジー社会構築プロジェクト」の成果も踏まえながら、具体的な運動展開と政策要求をすすめていきます。また、地域においても、自治体と市民の連携を図り、温暖化対策を進めることや、個々人のライフスタイルを見直し、エコロジー社会への転換が課題です。
@温暖化防止の国内対策の推進を求めていきます。そのため、関係する市民団体と連携・協力し、企業等への排出削減の義務づけを始め、森林の整備、温暖化対策のための税制(環境税)の導入など、削減効果のある具体的な政策を求めます。
A自然(再生可能)エネルギーの普及や省エネルギーのための法・制度の改正等を求めていきます。
B各地域で環境問題にとりくむNGOと連携し、身近な資源を活用したバイオマスエネルギーや風力発電などの自然エネルギーのとりくみに協力していきます。
2) 森林・水問題などのとりくみ
環境を守るうえで、森林は重要な役割を果たしています。地球規模での森林の減少と劣化が進み、砂漠化や温暖化を加速させています。その半面、国内では、大量の木材輸入により、木材自給率は20%を切り、採算性の悪化や、担い手不足等から、持続的な森林整備が十分行われていないのが現実です。
水・環境の源泉としての森林を見直し、温暖化防止などの森林の持つ多面的かつ公益的機能が発揮できるよう、環境税の森林整備への活用、木質バイオマス利用の促進、労働力対策等を求めることが喫緊の課題です。また、WTO交渉における木材貿易自由化の動きやアジア等での違法伐採などの国際的な課題、地域木材の利用促進、憩いや教育の場としての森林の活用など身近なとりくみも重要です。
水の問題では、世界的な水不足、有害な化学物質や合成洗剤などによる河川や湖沼の汚染など、その質と量が大きな課題になっています。2025年には世界人口の3分の2が水不足に直面すると予想されています。
そのため、健全な水循環を構築するとともに、水の公共性を維持することが必要です。いま世界的に問題になっている水道事業の民営化の流れに歯止めをかけるとともに、国内的には「水基本法」の制定に向けた運動を強めなければなりません。
また、可能な限り環境に悪影響を与える化学物質を使用しないことが必要です。そのため、有害化学物質の排出状況等を公表するPRTR制度の活用や、ヨーロッパで導入が進む、影響が疑わしいものは使用しない「予防原則」を行政に取り入れさせることが課題です。
さらに、最近大きな問題となっているアスベスト(石綿)問題も、これまで対策を放置してきた行政や企業の責任を追及するとともに、抜本的な処理対策と被害者補償が求められています。
@森林の整備推進に向けた政策の充実を求めていきます。政府の「森林・林業基本計画」で定めた森林整備の確実な推進、地域材の利用促進、予算の拡充、再生可能な木質バイオマスエネルギーの推進や、木材自由化、違法伐採問題などについて、関係団体のとりくみを支援します。また、本年度に予定されている同計画の見直しに対するとりくみもすすめます。
A水問題の世論形成を図り、「水基本法」の制定に向けて協力していきます。また、合成洗剤追放全国連絡会の全国集会などの活動に協力していきます。さらに、合成洗剤追放連絡会や農薬反対運動グループなどと連携し、水中や環境中の化学物質に対する規制運動を強めていきます。
Bすべてのアスベスト被害者に対する公正な補償とアスベスト対策基本法の制定を求める石綿対策全国連絡会議の運動に協力していきます。
3) 環境保全型農業へのとりくみ
環境を守るためには、自然のサイクル、生態系と調和した第一次産業への転換も急がれています。農業生産において、化学肥料、農薬の多使用、不十分な畜産の糞尿処理などにより、各地で環境汚染が発生しています。
環境保全型農業への転換を進めるために、有機農業の推進に向けた法制度の確立が必要です。また、各地域段階でも、家庭や学校から出る生ゴミや畜産糞尿を堆肥やメタンガス等へ有効利用するなど、有機農業や自然エネルギーと結んだ資源循環のとりくみを行政・生産者・市民一体となって進めることが重要です。これは食の安全とも結びつく課題です。
また、学校や地域における環境教育の実践を、教室だけでなく地域を学びの場として拡大していくとりくみも必要です。
@環境に負荷を与えない「有機農業」「有機畜産」の推進のための法制度(有機農業推進基本法など)の確立や環境保全型農業生産に対する直接支払いなどの奨励制度を要求していきます。
A地域と結びついた環境、食・農教育のとりくみを各地で進めるようにします。
4) 食とみどり、水を守る全国集会の開催
「人間の安全保障」を基軸に、「循環型社会形成のとりくみ」、「食の安全のとりくみ」、「WTO・FTA交渉」、「食の安定、農林業問題のとりくみ」、「森林・水問題」など、食とみどり、水・環境を守る運動の集約の場として、「第38回食とみどり、水を守る全国集会」を北海道札幌市で11月17日(金)〜18日(土)に開催します。そのため、関係団体に呼びかけて実行委員会を作り、開催の準備を進めます。
11.食の安全のとりくみ
食の安全に対する不安が高まる中で、遺伝子組み換え作物やBSE(牛海綿状脳症)問題は行政への不信を拡大しています。これらの問題は、自然と共生すべき農業が競争原理の渦中に置かれ、生産の効率性のみが追求されてきた中から引き起こされ、安全がないがしろにされてきたことを示しています。さらに、貿易の自由化を進めるため、動植物の検疫規制緩和や、遺伝子組み換え食品の認可拡大、残留農薬基準の改訂や食品添加物の容認拡大の動きも出てきており、食の安全をめぐる問題が深刻になっています。
1) BSE問題のとりくみ
米国およびカナダ産の牛肉等については、BSE発生により輸入停止が続いてきましたが、米国の対策が不十分であるにもかかわらず、昨年12月に輸入再開が決定されました。しかし、1月に輸入された米国産牛肉からBSEの感染源となる特定危険部位(SRM)の脊柱の混入が見つかったことから、再び輸入が停止しました。
これは、食の安全よりも貿易優先、日米関係重視の小泉政権の政策姿勢が露骨に表れたものです。私たちは、こうした事態を招いた政府の責任を追及するとともに、再び輸入が行われた場合には徹底した流通・表示の明確化、米国でのBSE対策、輸入時の検査体制等の徹底を求めて運動を進めます。
@米国産牛肉等については、同国のBSE対策、検査体制などが不十分であることから、日本国内と同等の体制が取られない限り輸入再開をしないよう要求していきます。
A牛肉およびそのすべての加工品の販売、外食、中食において、原料・原産地表示を義務化することを求めていきます。また、学校給食へ米国産等の牛肉の使用をしないように求めていきます。
B輸入条件の緩和(30ヶ月齢以下の牛への拡大)などを行わないように求めていきます。また、自治体において引き続き全頭検査を継続するよう、各自治体への要請運動にとりくみます。
2) その他の食の安全問題のとりくみ
食の安全のためには、「予防原則」や総合的な食品の影響評価が求められています。そのため、形骸化している「食品安全委員会」などの行政の動きに対し、市民の立場から監視・提言する運動や、地域・自治体での食の安全施策への参画、さらに、農薬や添加物等の食品の安全に関する国際的な基準に合わせて国内の基準緩和を許さないとりくみ、農産物・食品に対する検査・検疫や表示の徹底を求める運動をすすめます。
@「食品安全委員会」に対して意見反映を図るため、意見書の提出や委員との対話の機会を関係団体とともに設定していきます。また、「食の安全・監視市民委員会」の活動に協力して、政府や企業などへの申し入れや集会、学習会などを行っていきます。さらに、秋に東京で開催される全国消費者大会に協力し、食の安全をテーマのひとつとして追求します。
A食の安全に関する国際的な基準作りに対する運動とともに、国際基準に合わせて国内基準の緩和を許さないとりくみや、食品の検査・検疫、表示制度の充実を求めていきます。とくに、食品への放射線照射問題については、原水禁等と連携してとりくみます。
B遺伝子組み換え食品については、国内における商業的作付けはしないことを求めるとともに、表示制度の改善を要求していきます。
C各地域において、食の安全の施策として、食品安全条例の制定や有機農業推進施策などを求める運動を広めていきます。
12. WTO・FTA交渉、食の安定、農林業問題のとりくみ
WTO(世界貿易機関)やFTA(二国間・多国間自由貿易協定)交渉が進むなかで、世界的に貧富や南北間の格差が拡大し、途上国では食料輸入の依存度を増しています。国連は2000年にミレニアム開発目標(MDGs)を打ち出し、2015年までに貧困や飢餓の半減をめざすとしましたが、現状のままではその達成は容易ではありません。
そのため、世界のNGOや途上国では、先進国・多国籍企業優位のWTO・FTAのあり方やグローバリゼーションに反対する運動が高まっています。とくに、地球規模での食料問題を解決するためには、自由貿易の拡大ではなく、各国が生産資源を最大限活用して自給率を高めながら、共生・共存できる「新たな貿易ルール」が必要です。
一方、日本は最大の食料、木材の輸入国であり、世界最低水準まで自給率が低下しています。また、効率化・コスト優先のもとで、食料や木材の輸入増加が続き、農林水産業の縮小、農山漁村の荒廃・過疎化が一段と進んでいます。さらに小泉内閣の構造改革により、交通や郵便局などの公共サービス、農協の機能縮小が行われ、中小農家の切り捨てで水田農業・農村社会の維持が困難になるなどが予想され、社会の安定基盤を喪失する恐れが出ています。
これらの問題は、食の安全や環境に対する悪影響を生じさせるばかりでなく、世界の食料や木材を買いあさることで、国際的にも資源・環境を悪化させ、栄養不足に苦しむ人々の食べものや貴重な水資源を奪うということにもつながっています。
さらに、食生活も輸入農産物、加工品を食材とした食品産業に大きく支配され、食のグローバル化も進み、これによる食の安全、健康問題も大きな課題なっています。
こうしたことから、農業をはじめ食料や環境などに関連する各分野で、グローバリゼーション、自由貿易体制のもたらす問題点を指摘し、国内外のNGOと提携を強めてとりくむことが重要になっています。また、地域段階でも、学校給食に地場の農産物や米を使う運動や、地域の食材の見直し、地域内の安全な生産物の消費を進める地産地消運動など、食べ方を変えていく具体的な実践も進めます。
1) WTO・FTA交渉へのとりくみ
WTO交渉は、昨年12月に香港で閣僚会議が開かれ、今年4月末までに関税水準や国内支持などの大枠を決める「モダリティ」の合意を図り、本年中に最終決着をめざすとされています。しかし、交渉はアメリカやEUなど先進輸出国が主導して進められています。これまで自由化の恩恵がアメリカ等の一握りの国にしかなく、多くの途上国の農業や産業が破壊されてきたことから、途上国やNGOから批判が高まっています。そうした声を無視し、途上国や日本などの食料輸入国に一層の自由化を強要することは、世界の食料・農業問題の解決に逆行するものです。WTO交渉に対する運動の強化が必要です。
一方、WTO交渉が進まないことから、各国でFTAが推進されています。EUや北米の地域間自由貿易に対抗して、日本は東南アジア諸国を中心にFTA交渉を続けています。しかし、FTAはWTO以上に、市場経済の論理をむき出しにして自由貿易を進めようとするものであり、食料問題をはじめ、環境や労働、人権などがないがしろにされている事例が世界各地で出ています。そのため、各国の労働者、農民、NGOからは、WTOと並んで反発の声が上がっています。
貧富の格差をもたらしている経済のグローバル化がテロなど平和を脅かす問題とも関係していることを結びつけて、WTO、FTAに対しては、農業をはじめ、各国の多様な産業や文化が共生・共存でき、環境や資源を保全できる交易ルールの確立をめざす運動を進めなければなりません。そのため、食料安全保障などで一致点の多いアジア各国を中心として、市民、農民レベルでの連携も追求していきます。
@WTO、FTAともに最大の焦点は農産物貿易となっていることから、日本国内だけでなく、途上国の農業・食料問題も視野に入れ、各国の農業が共存できる貿易ルールのあり方を追求して行きます。さらに、遺伝子組み換え食品などと関連する知的所有権問題、世界的な水の自由化・民営化などのサービス貿易、多国籍企業による投資などの問題点も関係団体とともに追求していきます。WTOの閣僚級会議に対し代表を派遣するとともに、市民・農民団体などとともに共同キャンペーン活動を進めます。
AFTA交渉に対しては、農林水産業、労働、環境、投資などの分野で問題点を明らかにし、交渉の透明性とNGOの意見反映などを求めて運動を行います。そのため、関係団体とともに集会、学習会、パンフ作成などのキャンペーン活動を行います。
BWTOやFTA交渉で関係する韓国をはじめ、アジア各国の農民、NGOを招くなど連携・交流を深めます。また、自由貿易推進をめざして6月に経済同友会主催で東京で開催される世界経済フォーラム(WEF)東アジア会議に対する行動や、10月に反戦・反グローバリゼーション、WTO・FTAへの運動を目的として開かれる世界社会フォーラム(WSF)東アジアフォーラム(於タイ・バンコク)への参加を進めます。
2) 食の安定・農林水産業問題のとりくみ
食の安全・安定のためには、国内での食料自給率の向上が不可欠です。そのためには、農地や森林の減少をくい止め、自給率の低い食料の生産拡大や経営安定のための支援策が必要です。
政府は2000年に決めた「食料・農業・農村基本計画」を見直し、「品目横断的経営安定対策」「農業環境・資源保全政策」「担い手・農地制度の見直し」が重要施策とされました。しかし、中小農家などを農業政策の対象から切り捨てる選別政策が取られるのではないかとの懸念が拡がっています。また、経済特区での実績を名分にして、株式会社の農地利用拡大が進められ、やがては農地取得への道も開かれる恐れが出ています。
これまでの規模拡大・効率化一辺倒の政策は、BSEなどの食の不安を引き起こす一方で、自給率の向上に結びついてきませんでした。いまこそ、食の安全や環境問題などに配慮した政策への転換を求めていくことが重要です。
また、地域段階でも、食の見直しを進め、地産地消運動などの拡大が重要です。そのため、学校給食などの食農教育の推進、地域における自給率の向上、有機農業への転換を図っていく必要があります。さらに、子どもたちや都市住民が農林業に触れる機会として、アジア・アフリカ支援米運動や森林・林業体験などを拡げていく必要があります。
@食料や林産物の自給率向上に向け、現在行われている中山間地域への直接支払いに加えて、欧米や韓国でも行われている環境保全型農業や森林・林業への直接支払い制度の創設、農林水産業への新規就農・就労者の支援策などを求め、農民団体などの運動と共闘していきます。とくに、有機農業推進基本法の制定を求めて、中央・地域において要求行動を展開します。
A各地域で農林業のもつ多面的機能を評価する活動を進めるとともに、それに対する自治体の助成などの施策化を要求していきます。とくに、地域における食料自給率や地産地消のとりくみ目標の設定を要求していきます。さらに、食の安全や農林水産業の振興に向けた条例作りをはじめ、学校給食に地場の農産物を活用する運動、バイオマスと結びつく菜の花プロジェクト運動(ナタネを栽培して作った油の廃食油をバイオディーゼル燃料に精製)や間伐材などの活用など、さまざまなとりくみを広げていきます。
B子どもや市民を中心としたアジア・アフリカ支援米作付け運動や森林・林業の視察・体験、農林産品フェスティバル等を通じ、食料問題や、農林水産業の多面的機能を訴える機会を作っていきます。とくに、支援米運動では小学校などの総合教育やイベント等と結合した地域的とりくみとしていきます。
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