衆参憲法調査会 最終報告書の概要
衆議院憲法調査会
最終報告書
(2005年4月15日)
  参議院憲法調査会
最終報告書
(2005年4月20日)
 多数意見:3分の2以上の賛意が得られた意見
 両論併記:2つの意見が対立
 各論併記:3つ以上の意見が対立
備 考  共通の認識:自・民・公・共・社の5党で一致した意見
 おおむね共通の認識:若干の異論がある共通の認識
 すう勢意見:自・民・公の3党で一致した意見
 意見不一致:意見が一致しなかった項目
 【現行憲法の意義?両論併記】
 (a)現行憲法の主権在民、人権の尊重、
  平和主義等の諸原則を高く評価する。
 (b)現行憲法は日本の伝統・文化等を
  軽視ないし否定しているのではないか。

 【憲法の役割?両論併記】
 (a)近代立憲主義の理念に基づき、
  公権力の行使を制限する役割を重視する。
 (b)国家目標の設定や国民の行為規範としての
  役割をも重視すべき。
憲 法 観

国 家 観
 【三大原則の維持ー共通認識】
 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の
 三大原則を今後も維持すべき。

 【現行憲法を高く評価?共通認識】
 戦後日本の平和と安定、経済発展に現行憲法は
 大きく寄与してきた。
 一方、精神構造のゆるみなど、諸問題の原因は
 憲法にあるとの意見もあり。
 【歴史・文化・伝統の尊重?多数意見】
 日本固有の歴史・文化・伝統等を明記すべき。
 ただし、特定の価値観を規定することは慎むべき
 との意見もあり。

 【表現の見直し?多数意見】
 翻訳調を改め、分かりやすい日本語にすべき。
前  文  【歴史・伝統・文化の明記ー意見不一致】
 現行の三原則のほか、歴史・伝統・文化などを
 明記すべきとの意見が出されたが、見解は一致せず。
 【象徴天皇制の維持?多数意見】
 象徴天皇制は維持すべき。

 【天皇の元首化否定?多数意見】
 天皇は元首としない。

 【天皇制の存廃は問題としない?多数意見】
 天皇制の存廃は当面の憲法問題としない。

 【女性天皇の容認?多数意見】
 女性の皇位継承を認めるべき。ただし、男系男子
 による継承が伝統であるとの意見もあり。
天  皇  【象徴天皇制の維持ーおおむね共通の認識】
 象徴天皇制は維持すべき。

 【天皇の元首化?意見不一致】
 天皇の元首化、及びその明記については意見不一致。

 【女性天皇の容認ーおおむね共通の認識】
 女性天皇の容認については、おおむね共通の認識。
 【9条1項の堅持?多数意見】
 9条の果たしてきた役割を評価し、今後も同条1項の
 戦争放棄の理念を堅持すべき。

 【自衛権の行使としての武力行使の是認−多数意見】
 自衛権の行使として必要最小限度の武力行使を認める。

 【自衛隊の存在是認−多数意見】
 (a)自衛隊の存在を憲法上明記すべき、
 (b)自衛隊の法的統制に関する規定を設けるべき、
 (c)自衛のための武力行使を認めつつ9条は堅持すべき
 などの意見が出されたが、自衛隊や自衛権について
 「何らかの憲法上の措置をとることを否定しない意見」
 が多数。

 【集団的自衛権の行使?各論併記】
 (a)集団的自衛権の行使を認め、かつその限度に言及しない。
 (b)集団的自衛権の行使を認めつつ、その行使に
  限度を設けるべき。
 (c)集団的自衛権は認められない。

 【集団安全保障活動への参加是認?多数意見】
 非軍事の分野に限らず、国連の集団安全保障活動に
 参加すべきであり、その法的根拠を憲法上明記すべき。

 【地域安全保障の確立?多数意見】
 アジアにおける地域安全保障の枠組みを構築すべき。

 【非常事態の規定?多数意見】
 憲法に非常事態に関する規定を置くべき。
戦争の放棄
自衛権
自衛隊
安全保障
 【9条1項の維持ーおおむね共通の認識】
 戦争の放棄を定める9条1項は維持すべき。

 【9条2項の改正の要否ー意見不一致】
 (a)改正すべき。
 (b)改正の必要なし。

 【個別的自衛権の保持ー共通認識】
 日本が独立国家として個別的自衛権を有することを認める。

 【集団的自衛権容認の是非ー意見不一致】
 (a)集団的自衛権を認め、かつ憲法に明記すべき。
 (b)集団的自衛権を認めるが、憲法に明記せずとも、
  解釈で対応可能。
 (c)認めない
 (d)制限的に認める

 【自衛のための必要最小限度の組織の必要性
  ーおおむね共通の認識】
 自衛のための最小限の組織は必要。
 ただし、その明文化や規定内容については意見不一致。

 【シビリアン・コントロールの重要性ーおおむね共通の認識】
 ・自衛隊のシビリアン・コントロールは重要。
 ただし、憲法上どのように明記するかについては意見不一致。

 【国連の重視ーおおむね共通の認識】
 ・国連を重視すべき。安全保障理事会等の改革が必要。

 【積極的な国際貢献ーおおむね共通の認識】
 ・積極的な国際貢献に取り組むべき。
 ただし、憲法上明記するかについては意見不一致。

 【PKOや多国籍軍への参加−意見不一致】
 ・PKOや多国籍軍などへの参加、
 及び軍事的な貢献については意見不一致。

 【非常事態の規定ー意見不一致】
 ・非常事態に関する規定を憲法上の明記すること
 については意見不一致。
 【外国人の地方参政権−両論併記】
 (a)住民自治の観点から積極的に考えるべき。
 (b)参政権は国民のみに与えられるべき。

 【新しい人権の明記−両論併記】
 (a)新しい人権を積極的に認め、憲法に明記すべき。
 (b)新しい人権を積極的に認めるべきだが、
  憲法に明記しなくとも対応可能。

 【環境権・プライバシー権・知る権利等の明記−多数意見】
 環境権など環境に関する条項や、知る権利、アクセス権、
 プライバシー権を憲法上規定すべき。

 【義務規定の増加−両論併記】
 (a)義務規定を増やすべき。
 (b)増やすべきではない。

 【生命倫理?両論併記】
 (a)生命倫理に関する条項を憲法に設けるべき。
 (b)設けるべきでない。

 【法の下の平等の観念−両論併記】
 (a)憲法14条が要求しているのは形式的平等であり、
  実質的平等の実現は立法政策に委ねられている。
 (b)憲法14条は、社会権の保障に関しては実質的平等まで
  求めている。
 
 【靖国参拝の是非−両論併記】
 (a)靖国参拝は目的効果基準に照らし合憲である。
 (b)政教分離原則に反する。

 【表現の自由とプライバシーの関係−両論併記】
 (a)表現の自由とプライバシー権が衝突した場合は、
  表現の自 由を尊重すべき。
 (b)個人のプライバシーに配慮が必要。

 【犯罪被害者の権利?両論併記】
 (a)犯罪被害者の権利を憲法上明記すべき。
 (b)犯罪被害者の権利は13条等から導くことができ、
  憲法上新たな規定を設ける必要はない。

 【家族条項の新設?両論併記】
 (a)家族・家庭や共同体の尊重のような規定を設けるべき。
 (b)設けるべきではない。
人  権  【人権の重要性・国際人権法の尊重ー共通認識】
 人権の重要性を評価・維持すべき。国際人権法を尊重すべき。

 【公共の福祉ー意見不一致】
 公共の福祉についての考え方や実現方法については
 意見不一致。

 【義務規定の取扱い?意見不一致】
 (a)国民の義務や責任について憲法に規定すべき。
 (b)義務や責任を強調する必要はない。

 【女性・子ども・障害者・マイノリティの人権尊重ー共通認識】
 女性・子ども・障害者・マイノリティの人権を尊重すべき。

 【外国人の人権保障ーおおむね共通の認識】
 外国人の人権を基本的には保障すべき。ただし、外国人への
 地方参政権付与については、国民主権や地方自治との絡み
 で意見が分かれた。
 
 【政教分離ー意見不一致】
 国家と宗教との分離の度合いについては、歴史・伝統・文化
 との関係から意見が分かれた。

 【新しい人権の保障ー共通の認識】
 新しい人権ついて、憲法の保障を及ぼすべき。

 【新しい人権の明記−すう勢意見】
 新しい人権を憲法上明記すべき。

 【プライバシー権・環境権の明記−すう勢意見】
 プライバシー権、環境権、環境保全義務を憲法上明記すべき。
 【二院制の維持−多数意見】
 二院制を維持すべき。

 【両院の役割分担の明確化−多数意見】
 衆院が予算審査を中心に行い、参院は決算審査を中心に
 行うなど、両院の役割分担を明確にすべき。

 【選挙制度の多様化?多数意見】
 各議院の選挙制度に違いを持たせ、異なる代表機能を発揮
 させるべき。

 【参議院の権限縮小?両論併記】
 (a)衆院の再議決要件を緩和するなど、参院の権限を縮小
  すべき。
 (b)参院の権限を縮小すべきではない。

 【政党条項?両論併記】
 (a)政党に関する規定を憲法に明記すべき。
 (b)明記不要。
国  会  【三権分立の重要性ー共通認識】
 三権分立の重要性・必要性は今後も変わらない。

 【二院制の維持ー共通認識】
 二院制を堅持すべき。

 【両院の違いの明確化ー共通認識】
 両院の異なる役割を明確化するための参院改革及び選挙
 制度設計を行うべき。

 【衆議院の優越規定の妥当性ー共通認識】
 衆院の優越規定はおおむね妥当であるが、再議決要件の
 緩和には慎重であるべき。
 【首相のリーダーシップの強化−多数意見】
 官僚主導から政治主導への転換を図るために、
 首相のリーダーシップの強化が必要。

 【首相公選制の否定−多数意見】
 首相公選制は導入すべきではない。

 【オンブズマン制度の導入−多数意見】
 行政監視のためのオンブズマン制度を導入すべき。

 【内閣法制局の憲法解釈権への疑義−多数意見】
 憲法解釈が内閣法制局に事実上委ねられていることは不当。
内  閣  【内閣の機能強化ー意見不一致】
 (a)内閣を強化すべき。
 (b)国会を強化すべき。

 【首相公選制導入の是非ー意見不一致】
 首相公選制導入の是非については意見不一致。

 【首相・閣僚の就任資格の現状維持ーすう勢意見】
 首相・閣僚の就任資格を衆院議員に限定することなく、
 従来通りとすべき。
 【司法消極主義の現状−多数意見】
 司法が憲法判断に消極的で、司法に委ねられた憲法保障
 に関する役割を果たしていない。

 【憲法裁判所の設置−多数意見】
 違憲審査権行使の現状を踏まえ、憲法裁判所を設置すべき。

 【国民審査制度の廃止−両論併記】
 (a)形骸化しており廃止すべき
 (b)制度の見直しは慎重にすべき。
司  法  【憲法裁判所の導入ー意見不一致】
 憲法裁判所の導入の是非については意見不一致。

 【国民審査制度の有効性ー疑問意見が出された】
 国民審査制度の有効性に関して疑問が示された。

 【特別裁判所の設置禁止ーおおむね共通の認識】
 特別裁判所の設置禁止は維持すべき。

 【司法の迅速化ー共通認識】
 司法の迅速化、裁判の充実を図っていくべき。
 【予算単年度主義−両論併記】
 (a)複数年度予算制を採用すべき。
 (b)単年度主義を維持すべき。

 【私学助成の合憲化−多数意見】
 私学助成ができることを憲法上明確にするために、
 89条を改正すべき。
財  政  【複数年度予算の容認ーすう勢意見】
 単年度主義の原則を維持しつつ、複数年度にまたがって
 予算が必要な場合は、運用を弾力的にすべき。

 【私学助成の合憲化ー意見不一致】
 私学助成の必要性については共通認識が得られたが、
 89条改正の要否については意見不一致。
 【地方自治の拡充−多数意見】
 地方自治の規定を充実すべき。

 【道州制の導入−多数意見】
 道州制を導入すべき。

 【住民投票の制度化−両論併記】
 (a)住民投票を制度化すべき
 (b)制度化には慎重であるべき。
地方自治  【国と地方の対等な関係ーおおむね共通の認識】
 国と地方は対等な関係であるべき。地方の自立には、
 健全な財政基盤が不可欠。

 【基礎的自治体の強化ー共通の認識】
 基礎的自治体を強化すべき。

 【道州制の導入ー意見不一致】
 道州制の導入に関しては意見不一致。

 【住民投票の法定化ー意見不一致】
 住民投票の法定化については意見不一致。
 【憲法改正要件の緩和−両論併記】
 (a)憲法改正手続の要件を緩和すべき。
 (b)緩和すべきではない。

 【憲法改正案発案権の所在−両論併記】
 (a)憲法改正案の発案権は国会議員のみが有する。
 (b)内閣も発案権を有する。
憲法改正  【憲法改正要件の変更ー意見不一致】
 (a)要件を変更すべき。
 (b)改正には慎重であるべき。

 【憲法改正手続における国民投票の維持ー共通の認識】
 憲法改正手続における国民投票は維持すべき。

 【憲法改正手続・国民投票制度の整備ーすう勢意見】
 憲法改正手続、国民投票制度を早急に整備すべき。
 【国民の憲法尊重擁護義務−両論併記】
 (a)国民の憲法尊重擁護義務を明記すべき。
 (b)明記すべきでない。
最高法規  
 【国民投票制度の導入−両論併記】
 (a)国民投票制度を導入すべき。
 (b)導入すべきではない。
そ の 他