12/23集会報告

4000人が集会に参加、デモは5000人!
子どもはお国のためにあるんじゃない!
教育基本法改悪反対!
12・23全国大集会
◆ここでとめなきゃ、憲法改悪への道◆

  12・23教育基本法改悪反対全国集会実行委員
教育基本法改悪反対大阪集会実行委員 井前弘幸

  2000席超の日比谷公会堂。実行委員会・事務局会議・企画会議を何度も開き、情報交換しながら数ヶ月をかけて準備してき たけど、各地でがんばって賛同人を募り宣伝をしてきたけど、本当にこの会場をいっぱいにできるんだろうか。前日の実行委員 会でも、期待と不安が入り交じる。当日の朝、巨大なホールを見て、また不安になる。
  しかし、そんな不安は開場前に吹 き飛ぶことになりました。開場の11時30分を前に、参加者が続々と集まってくる。1F席はすぐに満杯。開場から30分 ほどで、2F席を含めてほぼ満席になりました。座席通路・階段・入口・花道にまで人があふれ、たいへんな状態に。用 意した2500部の集会資料は瞬く間になくなり、それ以上入れなくなった公会堂の外に数百人の人があふれたのです。 会場内に入れず、師走の冷たい風の吹く屋外で、スピーカーを通して長時間の集会に参加してくださった方々には、申し 訳ない思いでいっぱいです。最後まで参加してくださって本当にありがとうございました。
  集会参加者は屋外を含 めて約4000人。集会後のデモ・パレードには、さらに増えて5000人以上が参加しました。私は、デモ・パレード の第2集団にいましたが、あと少しで解散地点である東京駅付近に差しかかったとき、事務局長から「最後尾がまだ日 比谷公園から出れない」という知らせが入りました。
  北海道から沖縄まで、全都道府県からの参加が確認されてい ます。「子どもはお国のためにあるんじゃない」を合い言葉に、「教育基本法改悪反対」の一点で組合や組織の枠を超え て幅広い市民が結集する本格的で大規模な、文字通りの全国集会が実現したのです。日教組や全教(全日本教職員組合) からも、組織そのものとしての参加ではありませんでしたが、多くの組合員が参加しました。また、多くの独立教組から の参加もありました。教職員も市民も。年配の方から子どもたちまで。全国から東京までそれこそ何万円も使ってたくさん 市民が参加しました。これだけでもすごいことです。6月8日の文科省「教育改革フォーラム」に抗議して名古屋に集まり 「東京で大集会を実現させようと」意気投合し、8月の名古屋合宿に始まり、月2回ペースの東京での実行委員会、そして それに倍する在京の事務局メンバーによる事務局会議と企画会議と作業、4人の呼びかけ人の全国行脚と実行委員とそれを支 える各地の市民グループなどの取り組みが大きな果実を結びました。

講演・「しゃべり場」・コントが一体化したこれまでにない集会

   集会は、大きく三つの内容を交互に組み合わせて参加者に訴えかけていきました。

  @呼びかけ人として全国で講演活動を行い、それこそ足を使って全国に教育基本法改悪反対の意義と集会の重要さを訴えて回っ た大内裕和さん、三宅晶子さん、高橋哲也さん、小森陽一さんの4人が内容を分担して、教育基本法改悪によって教育がどのよ うに変えられようとしているのかをそれぞれ別の側面から明らかにしました。

  A全国各地で具体的な取り組みを行っている市民、教職員、宗教者、子どもたち、保護者等23組の人たちによる「しゃべり場」 風パネル報告。一組の持ち時間はわずかに2分。スライドを使いながら現実に起こっていることとそれぞれの思いを2分間に凝縮 して伝える。そこでは、準備に準備を重ねた2分間の「ドラマ」(2分間に凝縮する過程そのものが「ドラマ」でした)が次々と 展開されていきました。

  Bコント集団「ニュースペーパー」によるコント。彼らのコントは、ただ参加者を笑いで引きつけるだけのコントではありません。 何度も実行委員会に参加し、実行委員との企画会議を持ち、集会を創り上げようとする呼びかけ人や実行委員の思いを自分の中に 取り込みながら「コント」を創り上げていきました。現実を鋭く風刺し、しかし笑いを交えながら(実際に笑い転げた)、「あれ ?」と現実に向き合わせる。「笑ってるけど、現実だ」と現実に向き合い、それとどう闘っていくべきかを改めて考えさせる。しか し、闘い抵抗する勇気を与えてくれる。

   以上、大きな3つの内容に加えて、坪井節子さん(弁護士)、黒田昭八さん(退職教員)、斉藤貴男さん(ジャーナリスト)、川田 龍平さん(人権アクティビスト・多彩な意見広告呼びかけ人)が集会への賛同アピールを行い、集会の最後の全員参加で集会アピール を読み上げて(ほんとうに参加者みんなで読み上げ)確認して、デモ・パレードに出発しました。

   @Aについて、項目にとどまりますが、報告します。詳細は、報告集の完成をお待ちください。

 @呼びかけ人の発言
     大内裕和さん 教育の新自由主義批判。「個性」の国家支配を辛辣に批判。
     三宅晶子さん 「心のノート」による心の支配、多数派「道徳」強制とファシズム
     高橋哲哉さん 「愛国心」教育と教育基本法改悪、戦争する国への変貌を許さない
     小森陽一さん 憲法と教基法の重要な繋がり 「改悪許さない」の1点で繋がろう

 A「しゃべり場」(3部構成)
  (1)教育現場の状況など
   ●ひらかた「君が代」訴訟=スミぬり裁判を進める会(大阪)
   ●東京都教育委員会の教育内容への介入・攻撃(東京)
   ●学校統廃合とたたかう生浜高校の生徒会(千葉)
   ●学校選択の自由化がもたらす重大な問題(東京)
   ●教育委員会による授業内容への介入と「不適格教員」の攻撃(東京)
   ●多摩教組への銃弾攻撃と国立の教育への行政介入と攻撃(東京・国立)
   ●「障がい」児学校の性教育への攻撃・七生養護学校(東京)
  (2)心の教育、心への攻撃など
   ●「愛国心」を評価する通知票の問題(福岡)
   ●ジェンダーフリー教育・男女共同教育への攻撃
   ●30人以下学級実現を求める親の立場からの訴え
   ●教基法が改悪されたら・・不登校経験者の立場から
   ●宗教者の立場からの訴え
   ●京都アヤシイ道徳教育など 在日の中学生から(京都)
  (3)愛国心から戦争へ、これまでの運動、これからの運動
   ●地方議会での教育基本法を守り生かす意見書採択運動(高知)
   ●大学法人化問題と都立大の問題(東京)
   ●教育基本法と教科書問題
   ●平和都市ひろしまに戦争肯定の教科書はいらない(広島)
   ●「日の丸・君が代」強制反対の予防訴訟裁判(東京)
   ●イラク派兵、憲法改悪に反対する市民団体の活動
   ●イラク派兵反対署名に取り組む高校生平和ゼミの活動
   ●イラク派兵反対と広範な市民による教育基本法改悪反対の取り組み(北海道)
   ●教育と文化を世界に開く会
   ●子どもの声を国連に届ける活動

おわりに――集会の成果を全国に

  マスコミは、一部を除いてこれだけの規模の集会が初めて実現されたにもかかわらず、大きく取り上げることを 避けました。全国紙は完全無視です。民主主義の要である民衆の動きをほとんど伝えようとしないマスコミの姿勢に、強 い憤りを感じています。
  しかし、12・23集会は、与党がまだ教基法改悪に具体的に着手できていない段階で、組織や考え方の違いを超 えて「教育基本法改悪反対」の一点で全国の人々が共同し成功させた大集会であったことを考えるとき、教育基本法改 悪法案の国会上程そのものを許さない大きな第一歩になったと思います。この成果を積極的に、また攻勢的に国会や地 方議会へ反映させること、また、まだ組織参加の少ない教組や労働組合に共同の取り組みを呼びかけること(教組、労組 の組織的な参加・共同は重要な意義をもちます)、そして教育基本法改悪や教育の国家支配に不安を感じている一人一人 の市民とさらに幅広く手を繋いでいくことが重要だと思います。

  12月3日付け朝日新聞は、「危険への覚悟はできている。問題は国が、国民が支持してくれ、派遣への大義を与えてく れるかだ。」という幹部自衛官(40代)の発言を取り上げました。一方、石原慎太郎・東京都知事は、「平和目的で行った 自衛隊がもし攻撃されるなら、堂々と反撃して殲滅したらいい」(12月1日記者会見)と戦争・戦闘を煽動しています。政府・ 自民党が求める教育が完成したとき、石原都知事の暴論が暴論ではなくなり、「危険を覚悟」した自衛隊員が海外での戦争 (侵略戦争)に参加すること・戦死することを英雄視する多数派国民(「国民の支持という大義」)が形成されることにな るのではないでしょうか。イラク派兵に始まる戦闘を前提とした自衛隊の本格的な海外派兵や有事法体制と教育基本法改悪 は、政府・自民党にとって車の両輪であり、その仕上げが改憲だと言えます。公明党は、教育基本法「改正」問題では、 「与党内抵抗勢力」として「改正」の勢いを押しとどめていることは事実でしょう。公明党の発言力が強まったことで、 自民党が目指した次期通常国会への「教育基本法改正案」上程はおそらく困難だという期待も生まれています。しかし、 イラク派兵問題で公明党がとっている態度は、その期待を裏切るに余りあるもので、自公連立与党の今後を左右する「試 金石」ともなりえるでしょう。

  集会の「しゃべり場」3部でも訴えられていましたが、イラク派兵反対、教育基本法改悪反対、憲法改悪反対の運動をひ とつの大きな流れに変えていく広範な運動の連帯が、いま必要です。12・23集会の成果を、マスコミが伝えないなら私 たちの手で、国会議員や地方議員、全国の教職員や教組、労働組合、様々な市民団体、イラク派兵に反対する人々、そして 子どもたちに伝えていきましょう。マスコミも議員も誰も無視することができない大きな流れを作りだしていくために一歩 ずつ、「挫折不可」の精神で、取り組みの連帯と共同行動の輪を広げていきましょう。