文科省が来年度の歴史・公民教科書の需要数を公表
−−「つくる会」惨敗の確定と東書の寡占化−−

 10月5日、文部科学省は、来年度から使用される中学校歴史・公民教科書の需要数を公表しました。その全文は以下の通りです。

 初等中等教育局教科書課
   課   長 山下 和茂(内線2407)
   課長補佐 大西 啓介(内線2394)
   課長補佐 上口孝之(内線2408)
     (直通) 03−6734−2409


平成18年度中学校歴史・公民教科書の需要数について

  義務教育諸学校の教科書の需要数(来年度に学校での需要が見込まれる数)については、都道府県教育委員会を通じて9月16日までに文部科学大臣に報告することとされている。
  報告された中学校歴史・公民教科書の需要数は以下のとおり。

  歴史 公民
需要数(冊) 比率 前回比率
(H13採択)
需要数(冊) 比率 前回比率
(H13採択)
東京書籍 639,093   51.2% 51.3% 750,572   60.9% 60.1%
大阪書籍 191,536 15.4% 14.0% 167,648 13.6% 11.0%
教育出版 146,876 11.8% 13.0% 148,477 12.1% 12.3%
清水書院 30,451 2.4% 2.5% 47,183 3.8% 5.1%
帝国書院 177,495 14.2% 10.9% 75,215 6.1% 5.2%
日本文教出版 18,028 1.4% 2.3% 18,315 1.5% 1.2%
扶桑社 4,912 0.4% 0.047% 2,338 0.2% 0.055%
日本書籍新社 39,262 3.1% 5.9% 21,924 1.8% 5%
1,247,653 1,231,672

 ※ 生徒用及び教師用の必要見込み冊数である
 ※ 日本書籍新社の前回比率は日本書籍の比較を使用

  これによると、「つくる会」(扶桑社)の採択数は、当初市民団体がまとめた統計より若干増えましたが、歴史0.4%、公民0.2%という大勢に変わりはありませんでした。「つくる会」惨敗の構図がこれで確定しました。私たちが「つくる会」批判をやめない限り、彼らのシェアはこれからも同じ程度に留まることでしょう。

  ただし、東京書籍のシェアは、当センターの推計よりさらに増えて歴史で過半数を維持、公民では60%を超えています。ご承知の通り、東書は文部省の天下り先であり、文科省の一人勝ちの問題(特別寄稿欄の「文科省一人勝ちの構図」参照)が今回も踏襲され、寡占体制が固まりつつあります。

  いっぽう日本書籍新社は、やはり採択数を減らしました。幸いに当センターのシェア予測より若干多かったのですが、これにも大勢に変化はありませんでした。4年後に向け、私たちは「つくる会」との対決に加え、教科書全体を大きくとらえた取り組みが、やはり必要となっているようです。