日教組 関係諸団体に要請書 理解を求める行動
□■ 日教組「教育基本法」メールマガジン No.3 2003.4.18 ■□
■□ 幅広い運動の構築をめざして!
関係諸団体に要請書を提出し、理解を求める行動をします。
日教組では、今週、団体などに対し要請行動を行ないます。
要請では、教育基本法見直しの動きに対する日教組の考え方ととりくみ内容を説明し、理解と協力を求めます。要請先は、連合や連合構成組織、各政党、地方6団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会)、PTA組織、部落解放同盟など約100団体です。これに併せて、各都道府県でも、提携・協力関係にある諸団体に要請書を提出し、教育基本法の改定問題について、全国的な議論がすすむよう、協力をお願いしています。
★目 的
教育基本法「改正」法案の国会上程が迫るなか、同法に対する国民的論議を巻き起こし、中教審での再審議と「教育基本法調査会」の国会設置を求める幅広い運動をすすめる。
★期 間 4月末日まで
★提出する要請書の雛型
教育基本法をめぐる中央教育審議会答申に関する要請
日頃から、地域で保護者の方々とともに、わが国の教育の発展や教育条件の整備のため、ご努力いただいておりますことに敬意を表します。21世紀に入った今も、全国各地で、相変わらずいじめや不登校、学級崩壊、さらには社会問題化している少年事件や新規学卒者の雇用問題など、子どもたちや青年をめぐる教育課題は山積しています。子どもたちの未来を創るためにも教育を社会の中心課題としていくことが求められています。
中央教育審議会は、去る3月20日、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の答申を提出しました。
この間、日教組はさまざまな角度から検討し、今日の教育課題にこたえるものとなっていないことや、「公共」「郷土や国を愛する心」などをすべての人に強いていくことは憲法の内心の自由に抵触する危険性があること、さらに、見直しに関し国民的な議論が不十分であることなどの理由から、この答申にもとづく法改正には賛同できないとの結論に達しました。
21世紀にこそ大切にされるべき価値をもつ教育基本法を生かし、子どもや青年、すべての人の教育への願いに応える教育改革をすすめるために、以下の事項について、私たちの考え方を示しておりますので、ご理解とご協力をお願いする次第です。
― 記 ―
1.以下に示す日教組の考え方をご理解いただき、国民的な合意形成にご尽力いただきたい。
【日教組の考え方】
(1)教育基本法については、もっと時間をかけた議論をすすめ、国民的な合意を図るべきだと考えます。
中教審では、答申の中で「義務教育制度の在り方や教育振興基本計画の具体的内容について、今後、関係分科会等において検討を深める必要がある」としており、今日の教育課題や子どもたちの置かれている状況について、十分な論議が尽くされたとは考えられません。教育基本法の理念が実現されたかどうかを総括し、子どもの課題が、教育基本法に起因するのかどうか、どう解決するのかという展望などについて示す必要があります。教育課題の解決のためには、具体的な課題解決のための法令等を教育基本法第11条(補則)にもとづいて整備する
ことで対応可能です。中教審には、引き続き、関係機関や地域での論議、地方公聴会などを開催するなどして、義務教育制度や教育振興基本計画も併せて、国民の合意を得られる答申とするよう再検討を求めます。
(2)準憲法的な性格を有する教育基本法の改正については、国会に調査機関をもうけるなど、慎重な議論が必要だと考えます。
「伝統、文化の尊重」「郷土や国を愛する心」「宗教の持つ意義を尊重」など、思想及び良心の自由に関わる事項に触れていますが、教育基本法の成立過程の議論を尊重し、憲法の保障する思想及び良心の自由に関することを法律で規定することは控えるべきだと考えます。
また、教育基本法は準憲法的な性格を有していることから、広範な議論をすすめながらその意見を反映させるため、国会に憲法調査会と同様の機関を設置して議論することを要求します。
(3)教育基本法の理念を生かし、実効ある教育改革を求める必要があります。
答申では「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人」をめざし、大競争時代に積極的に挑戦し、国際的にも貢献できる人材づくりについて触れています。市場原理にもとづく競争主義の強化は、格差をさらに拡大し、子どもたちの危機がいっそう深まることが懸念されます。教育基本法は教育の目的を「人格の完成」に置き、平和や真理、正義など普遍的価値を重視しており、今こそ教育基本法の理念を生かし、実効ある教育改革を求める必要があります。
(4)教育基本法にもとづく教育振興基本計画の策定こそ急務だと考えます。
教育は「未来への先行投資」といえます。1999年比較で、教育に対する公費の投入は、OECD諸国平均がGDP比4.9%であるのに対し、日本は3.5%と1ポイント以上も低くなっています。なによりもまず、この点を是正し、少人数学級の実現や、遅れている施設・設備の整備・充実にとりくむべきです。教育基本法にもとづく教育振興基本計画の策定と、これによる財政措置は重要ですが、これは、第11条(補則)を根拠として、条件整備を推進する別法を制定することで可能だと考えます。