日教組の教基法改訂反対の要請に各党が反応


□■ 日教組「教育基本法」メールマガジン No.5  2003.5.22より■□


■□ 市民、特に若者を巻き込んだ幅広い運動を!
   「教育基本法改悪反対第1次強化月間意思統一集会」開く
    政党や国会議員にも要請行動


日教組は5月12日(月)、東京・社会文化会館で「教育基本法改悪反対第1次強化月間意思統一集会」を開催、一般市民もあわせて約800人が参加しました。
集会では、早稲田大学教授の喜多明人さんが「教育基本法『改悪』問題を考える――中教審答申と子どもの権利条約をふまえて」と題して講演しました。喜多さんは、「教育関係者だけの反対運動では阻止できない。『市民』の目線で『改正』論議を広げる必要がある」「教基法を『読んだことがない』という現象面だけでなく、『読む必要がない』という市民の意識を変えていく必要がある。教職員、保護者、子ども、地域住民のパートナーシップによる地域教育共同体づくりが求められている。それが、教基法の改悪を阻止し、同法を生かすことにつながる」と語りました。さらに、改定の理由に教育政策上の根拠が希薄なこと、改定案の内容が違法性・違憲性を含んでいること、改定手続きが不適正なこと、の3つの問題点を指摘するとともに、中教審答申にある「日本人のアイデンティティ(伝統文化の尊重、郷土や国を愛する心)」の強調は憲法19条にある「思想・良心の自由」を侵害する恐れもあると述べました。最後に「日教組は改定阻止の一点で幅広い市民(特に若者)を巻き込む運動をつくっていってほしい」と訴えました。今後のとりくみの意思統一をした後、参加者はそれぞれ、民主党・社民党・自由党・自民党・保守新党・公明党の6政党と606人の国会議員に、教育基本法に関わって、@直ちに法案化せず、国会に「調査会」を設置するなどして国民的合意形成をはかること、A教育振興基本計画については教基法見直しと切り離し、財政措置を講じた実効ある教育改革をすすめることを求めました。
また、小泉内閣の進める地方財政改革の一環として義務教育費国庫負担制度の見直しが重点的に進められようとしている情勢を受けて、義務教育費国庫負担制度の堅持を求める要請もあわせて行ないました。

要請に対する各政党の回答は次のとおりでした。

民主党
「党内意見は未集約だが、これから議論を深めたい。党内の教育基本問題調査会で討議してきた。明日役員会を開いて、その際、日教組より要請があったことを伝える。法案が示されても即閣議決定、あるいは審議に応じるようにはならぬよう努力する。党全体では意見が2つに分かれる。最終的には修正案など検討する必要に迫られるかもしれない。義教法の問題でも、地域でのとりくみ、地方議会決議を上げるなど、日教組としてもとりくんでほしい」

社民党
「教育基本法については日教組と同じ態度である。@教育基本法の見直しはまさに民主主義の危機である。有事法制とのかかわりで運動強化してほしい。A我々も全力でとりくむので日教組も市民に対して教基法の見直し問題を具体的にアピールをしていただきたい。現場でもクラス1人ひとりの保護者に教基法の見直しについて訴えてもらいたい」

自由党
「教育は大変重要、経済の論理ではいけない。教育基本法について十分議論することが必要であり、慎重に進めるべき、自由党としては対案を出そうと準備を進めている」

自民党
「文科省の科学技術分野にも科学技術基本法があり、その中で5年ごとに科学技術振興計画の策定を規定し予算がつけられている。教育基本法も同じような方向で考えるという経緯がある。広範な議論、十分な議論という点では、小渕内閣以来、議論してきたと理解している。教育振興基本計画の重要性は共有できる。ただその振興計画の実効性を上げるために、法的根拠を持たせる、すなわち教育基本法に位置付ける必要があるのではないか。これまでに例えば5年間の定数改善計画が、財政難により7年に延びた経緯もある。財政措置を伴う実効性のある振興計画を進めるためにも基本法に位置付け、法的根拠を持たせることが必要だ」

保守新党
(基本法問題について「論議不十分であり国会でも慎重に議論すべき」と日教組から訴えたところ)「議論が不十分という言い分だけではなく、他の視点もほしい」

公明党
「今国会での法案提出はさせない。自民党とのこれまでの話し合いの中でも、公明党としては断じて今国会での法案提出はするべきでないと主張してきた。その内容についても国民的な議論が十分だとはとてもいえるような状況ではない、今後もっと国民的な合意形成をはかるべきではないか。例えば、『国』とは一般的には領土・領海・領空という空間、国民、統治機構と3つが考えられるが、『国を愛する心』『愛国心』というときの『国』については、歴史が示すとおり、ほとんどの場合、統治機構を指すのではないか。時の権力者を愛する心を育てるということを、教育基本法に明記すべきではない。その立場から公明党は頑張りたい」