ソウル市長と同教育委員会が「つくる会」教科書で東京都に要請 〜あわせ青少年の交流事業を提案〜


日本国東京都知事
石原 慎太郎 様

  東京都政の発展に向けてご尽力なさる知事に対し、心より敬意を表します。ソウ ル市と東京都は、1988年の友好都市協定を結んで以来、様々な分野での交流を通じて 友好関係を深めてまいりました。
  さて、来る8月26日にある東京都立最初の中高一貫校の白鴎高校の教科書採択と 関連し、最近、東京都教育委員会の顧問として「新しい歴史教科書をつくる会」のメ ンバーと支持者が任命されたことを伺って手紙をお送りすることになりました。
  歴史は、見る観点によっていろいろな解釈方法があるとは思いますが、「つくる 会」で作られた扶桑社の教科書は、韓国と日本の歴史を記述するに当って今までとは あまりにも違った観点に立っており、両国の良識ある歴史家と国民の憂いの対象に なっている状況です。
  今後、韓国と日本の将来を担っていく青少年が、より客観的な視覚で歴史を接す ることができるよう、東京都教育委員会で韓国と日本の善隣友好関係に配慮して慎重 に判断していただくことを要請します。
  なお、相互の文化理解と今後の両都市の友好関係の増進のため、小・中・高・大 学の青少年の交流事業を実施することを提案します。ソウル市は、ソウルを訪れてく れる日本の青少年に対して積極的に便宜を提供し、案内する準備が整っております。
  改めて、知事の高配をお願いするとともに、知事のご健勝と東京都の限りない発 展を祈念いたします。

2004年8月16日
ソウル特別市長  李 明 博




日本国の歴史歪曲教科書についての書信


日本国 東京都 教育委員殿

 ご清勝にお過ごしの事と存じます。日々教育のために献身されている教育委員の皆 様のご苦労に敬意を表します。

 世界の歴史に関する教育は、国家間の相互理解と信頼を基礎として推し進めていか ねばなりません。こうした過程を通して国家間の善隣友好と未来指向的発展が成し遂 げられると信じます。

 韓・日両国は1965年の国交正常化以後39年間、歴史についての相互理解と信頼を発 展させようと努力してきましたが、こうした意志は1998年10月の「韓・日パートナー シップ共同宣言」と2004年3月の「韓・日首脳会談」を通して確認されたところであ ります。特に日本国東京都と大韓民国ソウル特別市は1988年以後姉妹友好都市として 相互発展と友好増進に努力しつつあります。

 この間、両国の努力にもかかわらず歴史を歪曲した教科書発行と採択が両国の友好 増進努力において懸念の種となっています。

 世界歴史は観点によってその理解に差が生じる事もありますが、地球村時代の歴史 観点は相互理解と信頼を基礎にして未来指向的観点から始められねばなりません。

 この間、大韓民国政府は歴史を歪曲した教科書の内容に対して何度も修正要求をし ましたが、いまだに受け入れられず、2001年度にはソウル特別市の姉妹友好都市で ある東京都で歴史叙述の問題性と危険をはらんだ教科書が採択されるという事態が発 生しました。

 育ち行く青少年に歴史認識の根本と健全な世界観を形成させねばならない教科書に 侵略と加害の歴史を正当化する等の歪曲した歴史叙述を載せ、それを学校の教科 書として採択することはまことに遺憾なことです。

 我々、ソウル特別市教育委員は東京都で再びこうした事態が起こる事を憂慮し、こ の意見をお伝えして2004年8月に中高一貫校で扶桑社の歴史歪曲教科書が採択されな いように、韓日両国の友好関係に困難が生じないように努力して下さることを希望し ます。

 日本国の多くの知識人と市民団体が歴史歪曲教科書に関して、両国の善隣友好関係 と未来指向的発展のため努力して下さっていることに対し心から感謝申し上げ、今後 も共生のための歴史意識と行動において韓日間友好関係をさらに広げていくことがで きるよう望みます。

 我々、ソウル特別市教育委員は大韓民国と日本国が過去の痛苦を克服し、よりよい 善隣友好関係を築くことを祈願し、東京都教育委員の皆様の安寧と幸福を願いなが ら、この一文を差し上げます。

ご健康にお過ごしください。

2004年8月24日
大韓民国ソウル特別市教育委員会 教育委員一同