大学入試センター問題は、一応、危機を脱しましたので、ここにご報告致します。
これまで当ホームページで呼びかけてきましたように、同センターに対して執拗な攻撃が「新しい歴史教科書をつくる会」と、それを支持する「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(会長・古屋圭司衆院議員)から掛けられてきました。しかし、さる4月9日、同「議員の会」の総会に荒川正昭センター所長が出席、「文部科学省との了解の上、過去・現在の出題者については、本人の了解がない限り公表できない」という姿勢を明らかにしました。今後任命される委員については、本人の了解が得られれば公表する、ただ得られない場合は、同じように公表できないとしました。
これに対して、同席の議員から、「(問題作成)委員の携わった試験終了後に(委員名を)公表する」とした2月の説明から「大幅に後退」したとして、「インターネット情報をもとに、左翼勢力のFAX攻撃などの圧力により同センターの見解が変質したのではないか」など、批判が相次いだとのことです(「つくる会」ホームページhttp://www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news_ct/ct_news_040413.html)。
4月16日に再度「議員の会」との話し合いが行われ、今後の試験については本人の同意があれば公表する、と再確認されましたが、改めて、本人の同意がない限り公表できないことも回答されました。
これについて「つくる会」は、同会のホームページで、「(1)新たに任命する問題作成委員については公表する、(2)これまでに任命した委員については本人の了解がとれた人から順次公表していく」と決まったように報告していますが(http://www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news_ct/ct_news_040422.html)、事実とかなり異なる内容です。過去の、また今後の試験も含め、本人の了解なく氏名が公表されることはありえないというのがセンターの見解であり、私も直接にセンターの責任者から確認したところです。これで良識の声が実ったことになります。
ただ、議員の圧力の前に、本人の了解さえあれば公表するとした点は、この下の記事にあるように、試験に係る事務は情報の公開義務から法的に除外されている以上、不満は残りますが、同センターは文科省と右翼、つくる会などの圧力に良く耐えて、公正な試験制度を守る姿勢を一応貫いたと評価すべきと思います。多数の皆様の働きかけに感謝致します。 (上杉 聰)