【緊急行動要請】



教科書特殊指定の廃止に抗議の声をあげましょう!!

  公正取引委員会は、3月16日、教科書の販売に関する違法行為を規定した独占禁止法の「特殊指定」を廃止する方向を示しました(国内外ニュース参照、公取委の発表はhttp://www.jftc.go.jp/pressrelease/06.march/060316.pdf)。この廃止は、以下のように「つくる会」教科書の採択に道を開くための環境整備となります。公取委は、同廃止に対して意見を下記の要項で募集していますので、ぜひ、皆さんの意見を送ってください。

 特殊指定とは

  独禁法は、第2条9項において、同法によって禁止される「不公正な取引方法」を抽象的に列挙し、その具体的内容については公正取引委員会の指定(定義)に委ねています。指定(定義)は、各業界に共通して適用される一般指定と、特定の業界にのみ適用される特殊指定の二種類があります。特殊指定には、教科書をはじめ新聞、海運、大規模小売業など、現在6業界に存在しています。このうち教科書に関するものを、「教科書業における特定の不公正な取引方法」と呼び、1956年12月20日に「公正取引委員会告示第5号」として出されました(以下、「教科書特殊指定」と呼ぶ。本文末尾に全文を掲載)。

 公取委の廃止説明

  公取委は、「制定後50年が経過し、この間、教科書採択の方法、手続が整備され、また、教科書発行業者の売り込み競争や取引の実態も大きく変化してきたことから、採択関係者への利益供与等によって教科書の採択がゆがめられるおそれは著しく減少し、他の分野に比し、教科書の分野に特殊指定を設けて特別に規制を行う必要性がなくなっているため、規制の簡素化の観点から廃止するものです」と説明しています。

 公取委の説明に文科省幹部さえ異議―寡占化の危機

  これに対して、『朝日新聞』(2006.3.17)には、教科書の出版社で作る教科書協会は「資金力がある大手出版社が競争で有利になるなど、透明性が優先される教科書選びへの影響される恐れがある」と疑問を述べています。現実に、「つくる会」の登場によって、すでに一部の教科書が著しい寡占化を進めており、いっぽうで良心的な教科書は存続の危機に陥っています。教科書特殊指定の廃止は、この傾向に拍車をかけるものとなります。文科省幹部さえ、「資本力のある会社が広告や宣伝に力を入れ、中身にかかわらず採択されるような事態になれば、小さな会社は生き残れない。多様な教科書が発行されなければ、質が低下しかねない」と批判しています。

 廃止の本当の目的は?

  さらに「新しい歴史教科書をつくる会」と扶桑社は、これまで他社の教科書を誹謗中傷してきました。昨年は、白表紙本を大量に配ってきました。これらは、教科書特殊指定によって禁じられている内容(中傷・ひぼう及び利益供与)と考えられ、高嶋伸欣氏(琉球大学)と上杉聰氏(関西大学)が、新たな違反事実が発見されるごとに何度もこのことを公取委に対して告発してきました。また、昨年は全国6地域からも告発がなされました。
  ところが、公取委は、これらの告発に対して誠実に答えることなく「調査の結果、独占禁止法に反する行為は認められず、措置は採りませんでした」とわずか一行の通知を送っただけです。各地から「どのような調査を行なったのか」と問い合わせると「調査内容には一切答えられない、情報公開を求めても公開しない」とオウム返しするだけです。
  むしろ公取委は、教科書特殊指定をより拡充すべき時期であるにもかかわらず、それを求める私たちの要請を無視し、サボタージュしてきました。そしてなんと、「つくる会」に与して同指定を廃止しようとしているのです。

公取委へ抗議の声を送ってください!

  このままでは、「つくる会」の違法・不正な採択活動を規制するしかなくなると判断したに違いありません。本来なら検定に合格し得ない「つくる会」教科書を検定に合格させたのと同じです。規制緩和の名を借りた教科書の特殊指定の廃止は、明らかに「つくる会」教科書の採択に道を開くための環境整備に外なりません。
  こんなことは許せません!「新しい歴史教科書をつくる会の不正を許し、教科書の寡占化に拍車をかける、教科書の特殊指定廃止にNO!」の声を送ってください。

  この上の欄にあるように、すでに高嶋・上杉氏をはじめ各地から抗議の声が寄せられ始めています。みんなの力で、特殊指定廃止をストップさせましょう!

<送り先>
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課
〒100-8987 東京都千代田区霞が関1−1−1 中央合同庁舎第6号館B棟
FAX番号 03−3581−1948  電話 03−3581−3371(直通)
電子メールアドレス
kyoukasho-torihiki@jftc.go.jp

意見提出方法
住所,氏名(ふりがな),所属団体名又は会社名及び連絡先(電話番号,fax番号又はメールアドレス)明記。
郵送,fax又はメール。


提出期限

 2006年4月17日(月)



○教科書業における特定の不公平な取引方法
(公正取引委員会告示第5号 昭和31年12月20日)
 小学校、中学校、高等学校及びこれらに準ずる学校において使用する教科書(以下「教科書」という。)の発行または販売を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、教科書を使用するものまたは教科書の選択に関与するもの(以下「使用者または選択関係者」という。)に対し、自己または特定の者の発行する教科書の使用または選択を勧誘する手段として、金銭、物品、きょう応その他これらに類似する経済上の利益を供与し、または供与することを申し出ること。
 教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、教科書の使用者または選択関係者に対し、教科書以外の書籍雑誌、教材、教具等の販売に関し、金銭、物品、きょう応その他これらに類似する経済上の利益を供与し、または供与することを申し出て、これらのものに、その発行する教科書の使用または選択を勧誘すること。
 教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、教科書の販売を業とする者に対し、使用者または選択関係者が自己の発行する教科書を使用し、または選択するよう勧誘させるため、金銭、物品、きょう応その他これらに類似する経済上の利益を供与し、または供与することを申し出ること。
 教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、他の教科書の発行を業とする者またはその発行する教科書を中傷し、ひぼうし、その他不正な手段をもって、他の者の発行する教科書の使用または選択を妨害すること。