原告 弓山 正路(今治市)
私はこれまで仕事の都合で出席できず、今回初めて出廷し、原告席に座りました。用意された原告席20席、傍聴席約40席がほぼ埋まり、熱気があふれる中、法廷が開かれました。
冒頭、原告の奥村さんより、前回口頭弁論で原告団が指摘したことが一切調書に記載されていないことに対して、異議申し立てと記載要求をしました。即ち、韓国の原告に対する5万円の担保提供命令に対する抗議声明、被告側・白石誠弁護士の法廷での不誠実な態度に対しての抗議の指摘がまったく記載されていなかったのです。もし、今後も記載されないならば、原告団として録画・録音せざるを得ないことを主張しました。裁判長は民事訴訟法があるから、録画・録音は認められないと答えましたが、その根拠を示すことができませんでした。今後、このことについても、裁判を民衆に開かれたものに変えていくために、粘り強く交渉していかなくてはならないと思いました。
さて、いよいよ原告二人による意見陳述です。はじめに、東京から来られた立正大学教授(教育法・教育政策)の浪本勝年さんです。この2年間、たびたび愛媛での講演会、シンポジウムで講演していただいています。愛媛県のホームページを資料として、加戸愛媛県知事の政治的介入が教育基本法第10条違反であることを明らかにしました。加戸知事、吉野内教育長(当時)は自らの発言ですから、言い訳もできません。たいへん痛快な意見陳述でした。(浪本さんの意見書は、以前メールで発信しています。)
二人目は、西原一宇(かずいえ)さんです。元中学校の社会科教師であり、愛媛では数少ない教職員組合の委員長をされてきました。その経験をもとに愛媛の教育の差別の実態を明らかにし、採択の取り消しとともに、愛媛の教育の変革の必要性を強く主張されました。それぞれの意見陳述が終わると、割れるような拍手がおこりました。
意見陳述が終わり、今後の裁判の方向の打ち合わせに入ると、裁判長は「採択に関して介入があったかどうかについて審理に入るつもりです。」と発言しました。これは、原告らが当初心配していたこと(弁論に入る前に原告適格がないと門前払いされて裁判が終わってしまう)が回避されたことを意味し、私たちが願っていた法廷の場で、採択への介入について論議できる見通しになり、大きく一歩を踏み出しました。
午後からの報告会で、生田弁護士は「みなさんの熱意が裁判長を動かしたのです。引き続き油断せず、追及していきましょう。」と語られました。
浪本さんの講演の要旨は割愛しますが、宗像(むなかた)誠也先生が言われた「自主性のないところに退廃が広がる」という言葉を肝に銘じ、自立した一人ひとりの熱い想いを裁判にぶつけていきましょう。