「ネオコン」を推進力とする「憲法と教育基本法―改悪内閣」を衆院選で倒そう!!

  9月21日には自民党新三役が、翌22日には小泉第二次改造内閣が発足しました。マスコミへの露出度や人気が決め手になった選挙対策からとはいえ、「日本型ネオコン」(注)が、自民党中央や閣僚の3分の1を占める超タカ派内閣です。これで憲法と教育基本法改悪への布陣がしかれたことを意味します。11月上旬に予定されている衆議院選挙は、新民主党との対決もふくめ、決定的な分水嶺になるでしょう。

  今回就任した「ネオコン」の面々を以下にご紹介しておきましょう。

      自民党幹事長・安倍晋三/核武装論者・「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」事務局長、
                   拉致問題で反北朝鮮政策を前官房副長官として推進
      総務相・麻生太郎/「日本会議」国会議員懇談会会長、自民党教育基本法検討特命委員会会長、
               前自民党政調会長として教基法改悪の音頭をとった
      防衛庁長官・石破茂/前拉致議連会長、有事法制・イラク派兵の牽引役
      経産相・中川昭一/拉致議連会長、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」会長、
              2000年には「つくる会」に全面協力し教科書問題で文科省を動かした
      環境相・小池百合子/拉致議連会員
      文科相・河村建夫/自民党教育基本法検討特命委員会事務局長、前文部科学副大臣、
               森前総理と麻生前政調会長のもと教基法改悪の実務的推進者として行動

  拉致問題については、阿部前官房副長官が自民党幹事長となり、実務が川口順子・外相へ移行したことにより、また中枢がネオコンに乗っ取られながらも対北朝鮮問題は6カ国協議の大枠を超えられないため、簡単に強行路線が取れなくなったでしょう。

  しかし、上のような小泉自民党―内閣の顔ぶれに加え、野中氏の引退に見られる自民党リベラル・バネが失われたことにより、小泉首相が05年に憲法改正案を提出するよう指示(8/25)した路線は、これから確実に進められていくことでしょう。野沢太三新法相も、就任の記者会見で、私見と断りつつも、憲法改正発言(9/22)を行いました。

  この体制は、当然にも憲法改正の前段として位置づけられてきた教育基本法の改悪をまず具体化させることでしょう。その意味で今回、河村建夫・前文科副大臣が省のトップに立ったことにより、教基法改悪の体制がいよいよ整いました。河村氏がどのような経歴をもち、教基法の改悪で何を目的としてきたかは、以下の略歴と発言ではっきりするでしょう。

      新文部科学大臣・河村建夫のプロフィール

  彼のホームページから〜「最近の世論調査では憲法改正への賛成派が70%を超える…教育基本法改正論が中央教育審議会などで圧倒的に多いのは当然の流れなのである。それを無視あるいは軽視して行動を起こそうとしない国会議員は「不作為」の責めを負うべき」

  1993. 9    河村建夫、自民党文教局長に就任
  1996. 11    河村建夫、衆議院文教委員会筆頭理事に就任(1998.8まで)
  1999. 8. 10 自民党の教育改革実施本部の「教育基本法研究グループ」(主査・河村建夫)が9月から教基法見直しに着手を決定。河村議員は「平成の教育勅語を念頭に議論する」と発言
  2001. 1     河村建夫、文部科学副大臣に就任
  2002. 1. 30 自民党は「教育基本法検討特命委員会」を設置 最高顧問・森喜朗委員長・麻生太郎 同代行・中曽根弘文 事務局長・河村建夫
      .8     自民党セミナーで河村衆院文科委員会委員長は、教基法の改訂を「憲法に反映させたい」と発言 
      .10. 17 河村副大臣は「教育基本法を見直すことは、日本の国をどうするかという問題であり、国民全体の
           意識改革を進めるショック療法として大きな意味をもつ」と発言(中教審基本問題部会)
  2003. 4   衆院文科委員会で文科副大臣・河村建夫が「(教育勅語には)真理がある」「公共=国家」と発言
          上の「国民全体の意識改革を進めるショック療法」という河村発言は、新・教基法には、
         改悪される新・憲法の「精神」が盛り込まれるとの意味に理解できるでしょう。

 9月25日に河村氏はテレビのインタビューに答えて、年明けの通常国会に教育基本法の改定案を提出したいと表明しました。本ページの国内外ニュース速報に載っている河村発言(9/22)は、公明党との協議もふまえるべきと慎重ですし、産経新聞(9/23)も楽観していません。しかし、遠山前文科大臣が官僚出身であったのと対照的に、政治家(自民党文教族)が大臣に座ったことは、官僚に対する強力な圧力になります(国内外ニュース速報欄の9/22東京新聞参照)。

 その上で、11月9日に予定されている衆院選で自民党が大勝するなら、教基法改悪は一気に加速し、公明党も法案協議に入らざるを得ないことは、この欄でも予想してきたところです。次の衆院選は、私たちの運命を決する分水嶺になるでしょう。

 ところで、本日(9/26)の報道によると、アメリカの要請によって年内にも自衛隊のイラク派遣が具体化しそうです。茂木敏充氏(沖縄北方・科技)は、前外務副大臣時代にイラク攻撃を支援する首相特使として訪イし、その功績を評価された人物で、今回彼も入閣しました。衆院選の後は、内閣をあげて具体的にイラクへの参戦を実施し、その中で憲法・教基法改悪を推進する計画でしょう。

 
(注)「日本型ネオコン」:  アメリカのネオコンサーバティブ(新保守主義者)が、キリスト教右翼を基盤とするのに対し、「日本会議」などの日本的宗教右翼(本HPの「日本における「宗教右翼」の台頭と「つくる会」「日本会議」」論文を参照)を基盤とする保守的政治家。旧戦犯勢力とのつながりをもちつつも、完全に世代交代しているのが特徴。たとえば安倍晋三が、A級戦犯容疑者であった岸信介の孫であることによく象徴されている。