子どもと教科書全国ネット21のホームページより転載

「新しい歴史教科書をつくる会」等による 歴史教科書に関する声明 


                
在日中国人教科書問題を考える会    2001年3月21日                               

 目下検定作業進行中の「新しい歴史教科書をつくる会」等による歴史教科書は、歴史事実を歪曲し、侵略戦争を美化して、韓国・中国等近隣諸国の大衆の憤りを招いている。中国政府も再三にわたり、複数のルートを通して憂慮の念を表している。われわれ「在日中国人教科書問題を考える会」は、中国人民の感情をより的確に日本人民に伝えるため、ここに声明文を発する。

 歴史問題に関する正確な認識は、中日関係の政治的基礎で、両国人民の子々孫々友好の礎でもある。過去の戦争において日本帝国主義者が中国をはじめ近隣諸国の人民、また自国民にも甚大な災難をもたらしたことは動かぬ歴史事実であり、民主主義を熱愛する日本人民とその政府も、それについて反省の意を表明してきた。そのような歴史認識を前提に、日本人民とアジア諸国人民とは、友好的に交流している。しかし、「新しい歴史教科書をつくる会」等の手によって編纂される「歴史教科書」はそのような事実を無視し、中国人民の感情をいちじるしく傷つけるものである。

 学習権は近代の基本的人権の一部であり、教育は人類の生存上、必要不可欠なものである。学校教育に使用される教科書は子どもの知る権利を全うする上で重要な参考資料となる。歴史の事実をありのまま、次の世代に、より正確に提供することは教科書の役目である。上記のような歴史教科書が教育の場で採用されると、アジアの若者と日本の若者との間に、歴史認識について、新たな断絶が醸成され、日本及びアジアの未来に不安定な要素が生まれてしまうと危惧している。

上記の認識に基づき、中日の未来と世界の平和を願い、日本人民と政府に今度の歴史教科書の問題に関して、善処するよう、強く要望する。


問い合わせ先:担当 王 智新 (wang@miyazaki-mu.ac.jp) 
なお:
「在日中国人教科書問題を考える会」は、莫邦富(作家)、朱建栄(政治学博士 東洋学園大学教授)、熊達雲(政治学博士山梨学院大学教授)、蔡建国(哲学博士 新潟国際情報大学教授)、張紀潯 (城西大学助教授)沈潔(社会福祉学博士 高知県立女子大学教授)、趙海成(ジャーナリスト)、張玉人(弁護士)蘇 林(北海学園北見大学助教授)、李彩華(名古屋経済大学講師)、丘海涛(中文産業株式会社)、段躍中(日本僑報出版社編集長)、孔健(孔子第75代子孫 チャニーズドラゴン新聞編集主幹)、王智新(教育学博士 宮崎公立大学教授)、等日本の大学・研究所・企業などに勤めている中国人108人による組織である。