特別決議
 日本とアジアがともに生きるため侵略戦争美化の教科書を持ち込ませるな



 4月3日、文部科学省は来春から小・中学校で使われる教科書の検定結果を発表し た。非科学的な歴史観に基づいていると国内外で批判の高かった「新しい歴史教科書 をつくる会」(西尾幹二会長、以下「つくる会」)主導で執筆、編集された中学校社 会科の歴史と公民の教科書も今回合格した。
 「つくる会」メンバーは、これまで従軍慰安婦や日本の軍部の侵略の事実を記述した 他社の教科書を「反日的・自虐的だ」とはげしく攻撃してきた人たちであり、露骨な 好戦姿勢を示し、憲法改悪を主張してきた。さらに彼らの資金源は、「会」賛同者の 4割を占める大手ゼネコン・大銀行、大企業などの企業役員とその企業であり、運動 をバックアップしてきたのは、自民党の政治家たちである。まさに今回検定合格した これらの教科書は、憲法・教育基本法改悪の動きを加速させた森政権のもとで、日米 軍事同盟中心の国づくりを推し進める右翼的個人・団体と財界人が結合、自民党の政 治力をフル動員して合格にこぎつけられた教科書である。
 これらの教科書の合格に対し、いち早く韓国政府は嫌悪感を示し、駐日大使の一時 召還との事態にまで至っている。21世紀に、アジアの国との平和的で信頼と友情に結 ばれた共存を実現し、日本が「名誉ある地位」を占めるには、それを担う子どもたち や青年たちが、アジアの子どもたちと戦争の歴史について知識や認識を共有すること が極めて重要である。それだけに、侵略戦争を美化するこれらの教科書を学校現場に 持ち込ませるわけにはいかない。

 日朝協会大阪府連は、一貫して日本とコリアの友好と交流の促進に努力し、「朝鮮 を正しく教えよう」のスローガンのもと、古代から近現代にいたる日本とコリアの事 実の厳密な検証に基づく科学的歴史像の構築とその教育の実現のため奮闘してきた。
 今、全国で、「子どもと教科書全国ネット21」や全教をはじめとした父母、教職 員等広範な個人・団体による検定合格への怒りの運動が広がっている。わたしたち は、教科書検定制度の問題点を示しつつ、これらの教科書の非科学性と日本国憲法や 教育基本法に真っ向から対立するものであることを、広く国民に明らかにする運動を 展開する。また、教科書採択に向けては、教育委員会任せにせず、父母、地域住民、 教職員が共同、参加し、あらゆる機会に民主的採択をめざす取り組みを強化する。み んなの力で、これらの教科書の採択を許さぬ状況をつくりあげよう。

 2001年4月21日
                 日朝協会大阪府連合会第43回定期総会