特 別 決 議21世紀を、核兵器廃絶の実現と、人権、平和の時代にし、子どもたちにとって希望の世紀にしよう。それは人類共通の願いです。その担いてを育む教育は真実と平和への希求に貫かれたものでなければなりません。 2002年度から使用される小・中学校教科書には「新しい歴史教科書をつくる会」が主導して編集した中学校「歴史」および「公民」の教科書が登場します。「歴史」教科書は、神話と事実を混在させた記述をし、「天皇中心の神の国」として日本史を描いています。「教育勅語」も全文掲載し、高く評価しています。日本の引き起こした戦争を「大東亜戦争」と表記し、アジア諸国への侵略の事実を書かないで、逆にその正当化をはかっています。また、ジェンダーフリーの視点もなく女性差別の表現も残されています。 「公民」教科書は、憲法9条「改正」論を誘導する記述、人権は「公」の名のもと制限されるという記述など平和主義と基本的人権の尊重という憲法の理念を否定した内容となっています。また、人類初の被爆国として世界に向けて訴えてきた核兵器廃絶の願いを踏みにじる極端な「核抑止論」の主張もあります。 私たちは、現行の教科書検定制度を支持するものではありません。しかし、文部科学省が重大な問題を抱えた申請本を「合格」としたことは、従来の事例と比較しても著しく公平を欠いているといわざるをえません。さらに、他社の申請図書からも侵略戦争の事実に関する歴史記述が削減されています。文部科学省による「現行教科書はバランスを欠く」という国会答弁、その姿勢にそった検定がこのような事態をもたらしたのです。ここにあらためて強く抗議を表明します。 史実の歪曲、平和主義の否定を主張するこのような教科書が採択されることは、憲法や教育基本法の改悪へと道を開きます。また、アジアの人々との友好や平和を脅かし、国際的にも日本が孤立の道を歩むことにつながります。 私たちは、今後も公正・公平かつ冷静な観点からこの教科書に対する批判運動をすすめ、偏狭なナショナリズムを煽る危険性を世論に訴えていきます。そして、憲法・教育基本法、子どもの権利条約や女性差別撤廃条約などの国際条約にそい、アジア諸国をはじめ内外の批判に十分耐えうる教科書が採択されるよう市町村教育委員会への意見反映などの運動を広範な組織・団体、市民と一体となってすすめていきます。 以上、決議します。
2001年4月25日
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