韓日両国地域民間団体 共同宣言文
日本の歪曲歴史教科書採択に反対する



 日本は結局、日本国内の平和愛好市民と東アジアの国々から孤立を招く、歴史を歪曲する道を選択し、不幸な過去に回帰しようとしている。
 「新しい歴史教科書をつくる会」など極右集団が作成した歪曲教科書が、文部科学省検定を通過したことに引き続き、日本の各自治体教育委員会での採択が差し迫っている。
 歪曲された教科書がつくられた背景には、軍国主義の亡霊を復活させようとする日本政府の意図がかくされている。それは、韓国国民の教科書修正要求に対して、日本政府首相が、靖国神社公式参拝と憲法改正の意思を堂々と披瀝することで応じているからである。
 すでに、私たちは、数回におよび日本文部科学省に、歴史教科書検定申請を出した8社の出版社すべてが、過去の歴史を歪曲または縮小、捏造しており、国際化時代に適応した共存共栄に道を歩むなら、歴史歪曲の決定版である「新しい歴史教科書」の検定合格判定を下さないようにと訴えてきた。
 しかし、今回の合格判定を受けた問題の歴史教科書は、日本政府の部分修正にもかかわらず、このような韓国国民の根元的な願いは、まったく反映されてない。その教科書の根底には、総体的に戦前の「皇国史観」が克明にあらわれており、歴史学的には全く否定されている、いわゆる「任那日本府説」をそのまま取り入れるなど侵略を合理化するまちがった認識の枠組みを維持している。
 特に、古代から現代までの韓国史を「従属」「服属国」「宗主国」などの用語でおとしめており、「従軍慰安婦」「強制連行」など、日本が韓国や他の国々におよぼした深刻な犯罪行為は、隠ぺい、縮小されるか省略されてる。朝鮮から植民地収奪するために、強制労働でつくった施設を、あたかも朝鮮の開発と発展のための恩恵であるかのように歪曲記述している。韓国政府が、日本政府に伝えた日本の歪曲歴史教科書の修正要求だけでも35ヶ所にのぼっている。これにとどまらず、「新しい歴史教科書をつくる会」は、問題だらけのこの教科書を、とうとう市中販売まで始めてしまった。
 日本のこのような歴史歪曲は、昨日今日に始まったことではないが、私たちが特に今回の教科書で憤りを覚えるのは、最近、日本の一連の行いが、周辺隣接国との平和維持のための最小限度の境界線を越えていると判断されるからである。
 少し前に採択された米日新ガイドライン法案は、「有事」を名分に韓半島を想定した軍事行動を念頭に置いており、日本の防衛費は、南北韓軍事費の数十倍の規模を越えて久しい。このような日本は、韓国の植民地支配に対し反省すらせず、隙さえあれば正当化しようとたくらんできた。
 私たちにとって、「歴史教科書問題」は、日本の再武装とともに推進されてきた、対外膨張的新軍国主義(再侵略野望)と関連していると断定せざるをえない理由がここにある。
 従って私たちは、東アジア諸国と築きあげてきた友好協力と共存の流れに、冷水をあびせて、アジアの平和に脅威を与え、近隣諸国だけではなく、日本人までもすべて不幸にする日本のまちがった選択を歴史教科書問題をつうじて、防止しようとするものである。
 一方、日本では、なぜ他国の教科書問題に干渉するのかとめくじらをたてる人たちがいる。しかし「加害者」から受けた痛みを抱いて生きている「被害者」たちには当時の苦痛は忘れようにも忘れられない現在進行形の苦痛であることが、どうしてわからないのだろう! 忘れたい者がいるとすれば、それは「加害者」だけであり、恥ずべき歴史であるなら、それを繰り返さないようにするためにも、歴史の一章として記録されねばならない。ドイツ人たちが、ナチス崇拝を法、制度的に禁止して、ユダヤ人虐殺の醜い過去を記録し、反省することにより、世界から多くの尊敬と賛辞を受けているということに、日本は注目しなくてはならないであろう。
 日本は、いや、日本人たちは、世界各国の平和愛好民衆と善隣友好関係を持続するのか、世界の平和的勢力から無視されて、孤立無援の道を進むのか、その分かれ道にたっている。今からでも遅くはない。ただちに日本政府が、歴史歪曲の決定版である教科書の再修正作業に、積極的に進み出るよう強く要請する。
 私たちは、日本国内すべての地方自治体に、育ちゆく両国学生たちが、正しい歴史意識で、平和を愛する善良なこころを持った人間に成長するために、歪曲歴史教科書が採択されないよう強く望みます。なおかつ、忠清南道と18年におよぶ姉妹提携を結んでいる熊本県内の各自治体におれましては、「被害者」である忠清南道道民の心情を考慮されて、歴史歪曲教科書を採択されないことを信じてやみません。
 私たちは、両国地域で、歪曲歴史問題などにより、ながい協力と共存関係に悪影響を及ぼさないようにする志をもって、両国地域民間交流協力をさらに強くして、平和を維持する可能なすべての力を合わせていくことをここに重ねて宣言する。

2001年6月7日
韓国忠清南道教科書訪問団歓迎実行委員会    代表 上村文男
日本の歴史教科書要請のための忠清南道熊本訪問団 団長 鄭秀溶