「つくる会」の教科書採択に反対する杉並親の会の教育委員会への働きかけのご報告
6月27日、私たちは、杉並区教育委員会にあてて、「歴史をねじまげ、戦争を肯定する教科書採択に反対する署名、第一次分6,234筆を提出しました。
さる四月三日、文部科学省が扶桑社の「新しい歴史教科書」「新しい公民教科書」を検定通過させたことに危機感を抱き、区内の母親たちが話し合って署名運動を決意しました。組織もなく、力もないわたしたちが、携帯電話一本を連絡先にしてはじめた呼びかけが口から口へ、手から手へと広がり、今日、6000名を超える署名を提出するまでに至りました。どれほど多くの方々が、この教科書に対して疑問と危惧を感じているか、これを採択させないために力をあわせようと思っておられるかを知り、心から勇気づけられました。ご協力いただいた皆さん、激励を送ってくださった韓国をはじめアジア各国の皆さんに心から感謝申し上げます。

私たちは、署名運動と同時に、度々教育委員会に対して申し入れや、公開質問状を提出してまいりました。しかし、今日まで、一度たりとも納得する返事をいただけずに来ています。私たちの請願署名を提出するにあたって、各教育委員の方々 (大蔵雄之助氏をのぞく) に「紹介委員になっていただきたい」と申し入れをしたことについても、「一方の意見を紹介するのは時期的にむずかしい」と拒否されました。

私たちの訴えていることは、教育は憲法と教育基本法にもとづいて進めてほしいということです。アジアの人々と手を取り合って新しい平和な世紀をつくっていきたいということだけです。これは「一方」の意見なのでしょうか。教育委員会こそが、憲法と教育基本法を踏みにじり、子供たちに戦争を肯定するような教科書を採択させようとする動きに対して、まっさきに立ちはだかるべきなのではないでしょうか。
安保ガイドライン法成立以降、日本は戦争に向かって動き始めているのではないかと心配です。そのさなかの「つくる会」教科書の鳴り物入りの登場と採択へのさまざまな権力をつかっての動きを見るとき、なおさら私たちは、この教科書の採択を許してはならないと思います。

7月24日〜7月25日に杉並区教育委員会で教科書採択審議が行われます。私たちは、子どもをもつ親として、また子どもたちに平和な未来を残すことを責任として考える大人として、絶対に「つくる会」教科書を使わせないために、できることはすべてやりぬきます。署名運動も最後まで続けます。みなさん、ともにがんばりましょう。

【1】5月8日 杉並区教育委員会への申し入れ及び公開質問状
【2】→5月8日の杉並区教育委員会への公開質問状についての教育委員会の回答
【3】5月23日 大蔵雄之助氏の教育委員選任時、議会における虚偽のコメントの責任問題と辞任要求に関しての申し入れ
【4】6月13日 教育委員会の教育内容に関する権力的介入に関して、及び選任過程に不正あった大蔵雄之助氏の辞任要求についての申し入れ及び、公開質問状
【5】→6月13日付け教育委員会への公開質問状についての回答
【6】6月27日 歴史をねじ曲げ、戦争を肯定する教科書採択に関する陳情

【1】 歴史をねじまげ、戦争を肯定する教科書採択に反対する申し入れ及び公開質問状

杉並区教育委員会委員長 丸田 頼一殿
杉並区教育委員 各位
杉並区教育長 與川 幸男殿
2001年5月8日
「つくる会」の教科書採択に反対する・杉並・親の会
杉並区久我山3−1−29スペース・未来
TEL/FAX 03−5941−2501

2001年度夏の公立小中学校教科書採択について、検定済み(教科書)及び採択方法について大きな不安を感じ申し入れ及び公開質問をおこないます。
私たちは杉並区で子育てする保護者として、歴史をねじまげ、戦争を肯定する教科書の出現に驚き、この教科書ともつかぬ悪書がを学校に持まれないように願っています。区内各地域で学習会を重ねた結果、この教科書問題は見過ごせないとの思いで、私たちは「つくる会」の教科書採択に反対する・杉並・親の会を立ち上げ、反対署名を始めました。

私たちの憲法、教育基本法は、近代民主主義の成果としたの「個人の尊厳」をうたい、「平和のうちに生存する権利」をはじめとする多くの基本的人権を保障することを国家の責務として定めています。ところが「新しい教科書をつくる会」編の扶桑社版教科書は、「個人は全体のためにある」という反民主主義の考え方につらぬかれており、侵略戦争を肯定的に記述したりしています。歴史に学ぶということは過去の過ちは繰り返さないということです。「つくる会」の教科書による教育は、国家のためと称する一部の人々のために個人を犠牲にし、子どもたちをふたたび戦場におくることにつながっています。またこの教科書の学問的水準の低さは、多くの専門家の指摘するところです。非科学的記述、事実を隠蔽する記述は子どもから考える力を奪うとともに、世界の人々とともに生きなければならない未来を奪うものです。

教育委員会は教科書採択方法を「学校票方式をとらず、教育委員会の(独自の)判断で決定する」と議会答弁しました。杉並区の教科用図書採択要綱を見ても、行政である教育委員会があらゆる過程で直接、間接に採択に関与する仕組みであることが明らかです。公教育における教師の教育の自由は基本的には学問の自由を定める憲法23条によって保障されています。その教師の意見を尊重せず、教育委員会の判断のみで教科書を採択するのは教育内容に行政が踏み込むことを禁じた教育基本法10条に違反します。教育委員会は「行政」です。教科書は教育の内容そのものです。同10条により、教育委員会は教育の条件整備に徹することがもとめられています。したがって教育委員会の教科書採択の業務は「条件整備」である「事務」にかぎっていることは「地域教育行政の組織及び運営に関する法律」第23条にある通りです。あたかも採択権が教育委員会にあるかのような通知を国や都が乱発していますが、法的根拠が無いばかりか、戦後の民主教育の枠組を破壊する違法なもので、悪質極まりありません。

子どもの状況を一番よく知っていて、教科書を使って学習を指導する教師が教科書を決めるのが一番素直です。教育の主体は子どもたちです。子どもの教育に真っ先に責任がある保護者としては、教師に教育を直接委ねているわけですから教師の目で見て最良の教科書が採択されることを望みます。見ず知らずのたった4〜5名の教育委員が採択権を振りかざすのは法に照らし合わせるまでもなく、不合理かつ非民主的です。1966年のILOおよびユネスコによる「教師の地位に関する勧告」でも「教師の採択権」をきちんと保障しています。
以上の趣旨により下記の申し入れを行います。
  1. 教育委員会は、「新しい歴史教科書をつくる会」がつくった歴史・公民の教科書を採択しないこと。
  2. 教育委員会は、教師の意見を尊重し、独断で教科書の採択をしないこと。またその採択過程を明らかにすること。
上記の申し入れに伴い、下記の公開質問を行います。

  1. 教育委員会に教科書の採択権はあると思うか。あると思うなら、その法的根拠は何か。その場合教育基本法10条はどう担保されるか。
  2. 学校ごとの調査票はどのようなものか。教師だけではなく、学校長本人の推薦する教科書も記入できるようなものか。
  3. 教師による教科書の絞込みは可能か。
  4. 学校ごとの調査票は全公開されるか。教師がどのような選択をしたと、それが審議会にどう反映されたかは重要な問題。審議会前に区民の希望に応じて学校ごとの調査票を公開すべきと考えるがどうか。できないとすれば、その理由。
  5. 審議会および、調査部会の審議議事録は全公開となるか。ならないとすれば、その理由。
  6. 新教育委員、大蔵雄之助氏がモンタナ大で「従軍慰安婦は売春婦だった」という内容の発言を行ったことについて、歴史的認識が政府見解とも違うと言う点で、教科書採択に関与する人物にふさわしくないと考える。上記の発言について、その趣旨を区民の前に明らかにすること。
かって教育は、子どもを戦場に送り出し、戦争を支える精神の総動員を育みました。教育が国による暴力装置の一部になったことの反省により、戦後、国や行政が教育の中身には関与できないシステムをつくりました。しかし、「つくる会」教科書採択へ向けての、国や都、行政が一体となった一連の動きは、この民主的システムを破壊するものです。戦争の無い平和な社会で、子どもたちを育てたいと願う親や区民の気持ちを踏みにじり、大きな不安をもたらしています。
杉並区教育委員会には以上のような、多くの親、区民の思いを受け止め、民主的な対応を行うよう求めます。公開質問に関しては、1週間以内に文書で回答するようにお願いします。
*ここに掲載した申し入れ文は一部省略してあります。

【2】 5月8日杉並区教育委員会への公開質問状についての回答

(質問)教育委員会に教科書の採択権はあると思うか。あると思うなら、その法的根拠は何か。その場合教育基本法10条はどう担保されるか。

(回答)
地方教育行政の組織及び運営に関する法律23条の6により、教育委員会の職務権限において、教科書の採択を行います。また、教育基本法10条の解釈に当たっては最高裁の判例にもあるように、教育行政は教育の内容及び方法に関与できますので、教育委員会の判断と責任において構成に採択を行ってまいります。

(親の会) その後判例とは何かとの再質問にしたところ)

(回答) 学テ最高裁判決だとの回答がありました。(注: 学テ最高裁判決とは「学力テスト旭川事件最高裁判決)

(質問)学校ごとの調査票はどのようなものか。教師だけではなく、学校長本人の推薦する教科書も記入できるようなものか。

(回答)すべての教科書について、内容の選択、構成・分量、表現、使用上の便宜などの観点に照らして調査し、その内容の報告を受けて採択の参考とするものですので、特定の教科書を推薦する仕組みではありません。

(質問)教師による教科書の絞込みは可能か。

(回答) 2により、絞り込みはありません。

(質問)学校ごとの調査票は全公開されるか。教師がどのような選択をしたと、それが審議会にどう反映されたかは重要な問題。審議会前に区民の希望に応じて学校ごとの調査票を公開すべきと考えるがどうか。できないとすれば、その理由。

(回答)
学校ごとの調査報告書は、区の採択要項により8月15日以降であれば公開できます。審議会前の公開については、外部からの不当な影響により、審議や採択結果が左右されることも予想されますので、公正確保上、公開はできません。

(質問) 審議会および、調査部会の審議議事録は全公開となるか。ならないとすれば、その理由。

(回答) 審議会の議事録も4と同様に公開します。調査部会は調査するだけですので調査報告書をもってかえます。

(質問)新教育委員、大蔵雄之助氏がモンタナ大で「従軍慰安婦は売春婦だった」という内容の発言を行ったことについて、歴史的認識が政府見解とも違うと言う点で、教科書採択に関与する人物にふさわしくないと考える。上記の発言について、その趣旨を区民の前に明らかにすること。

(回答) 大蔵氏発言の件に関しては、昨年の第四回区議会定例会での質疑を通じて、区民の前にすべてを明らかにしております。

この教育委員会の回答については、納得できない部分が多々あるため、6月13日にこの回答に踏まえた公開質問を再度行いました。

【3】大蔵雄之助氏の教育委員選任時、議会における虚偽のコメントの責任問題と辞任要求に関しての申し入れ


杉並区教育委員会委員長丸田 頼一 殿
杉並区教育委員会各位殿
杉並区教育長與川 幸男 殿

2001年5月23日
「つくる会」の教科書採択に反対する・杉並・親の会
杉並区久我山3−1−29 スペース・未来
TEL/FAX03−5941−2501

2000年11月30日に行われた区議会本会議において、大蔵雄之助氏が山田区長の推薦を受け選任されました。議会での質疑のなかで大蔵氏のモンタナ大学での発言問題がとりあげられました。「従軍慰安婦は売春婦だった」と言う内容が問題となった時、山田区長は大蔵雄之助氏のコメントとして添付書類(杉並区区議会2000年第4回定例会議事録より抜粋)のような答弁をおこなっています。

強制連行の発言に対し「それが正確ではないことを指摘し、中略 いろいろな種類の慰安婦が存在していた可能性に自分は触れたものである。中略 もちろん不当な強要や詐術によって慰安婦とされて人たちがいたことは否定すべくもない」とコメントしています。強制連行については部分否定のようなトーンになっています。

(略)2000年6月18日〜23日アメリカ・モンタナ大学の国際フォーラム「日本・アメリカ対論会―アジア太平洋戦争をめぐってー」(略)(参加者)報告から、大蔵雄之助氏の発言を下記引用します。

第4日目第7セッション(略)大蔵氏は次のように発言した。
大蔵氏の発言
「新しい歴史教科書をつくる会」について、同僚の桶谷東洋大学教授の話を聞いて、新しい歴史教科書をつくる必要性について納得した。桶谷氏のような常識的な人が入っているので「つくる会」を敵視するのはどうか。その人たち(「つくる会」)がなにを考えているのかをもっと考え、むしろ、あなた達(略)は、自分たちがなぜ少数者なのか(国民の支持をえられていないことについて)を考えるべきである。「慰安婦」については、強制連行はなかった。唯一「強制連行をした」と証言した吉田清治という人物がいたが、その証言はでたらめだということを秦邦彦氏が明らかにしている。当時は公娼制があって売春婦がいた事実を考えるべきである。自分の叔母『姉?』がそのような仕事をしていて、売春婦だったといっていた。自分もそう思う。
以上 (傍線は申し入れ者―杉並・親の会記入)

前段では、つくる会の賛同者であることを披れきした上で、つくる会を敵視せずにつくる会に学ぶように勧める発言となっています。後段は「慰安婦」の強制連行を全否定しているところが印象的です。吉田清治氏の強制連行証言を唯一のものとして、その証言を否定しているわけですから、全否定していることなります。また売春婦だったと自分も思うと断言しています。

以上を議会で山田区長の答弁した大蔵氏コメントと上記の記録を読めば、内容がまるで違うことが分かります。
発言中に出てくる「吉田証言に対する秦氏の主張」は「つくる会」の藤岡信勝氏が繰り返し繰り返し、発言している内容です。大蔵氏のつくる会への傾倒が覗えます。92年に吉見義明氏が防衛庁図書館で、軍慰安所の資料を発見、政府も軍の関与のついて認めざるを得なくなったという事実があります。このような研究上の流れは発言する上では当然知っていなければならないことの筈です。

区議会の席上、虚偽のコメントでその場凌ぎをするようでは、教育委員としての資質に欠けます。教育委員の選任に関しては、当然ながらその人物について、詳しい報告のうえ、十分に検討した上でなされるものです。11月30日の教育委員選任議会は、当日まで区長の推薦する人物が明らかにされませんでした。議員に人物を検証する時間をまったく与えないという、異例の議事運営でした。
このようななかで大蔵雄之助氏が教育委員に選任されたことは許しがたいことです。
子どもたちの教育環境を整えるという、重大な任務を負う人物として、大蔵雄之助氏はふさわしくないと考えます。
以上により次の点について申しいれを行います。
  1. 大蔵雄之助氏は教育委員選任時の虚偽のコメントの責任をとって辞任すること。
以上

*掲載上、一部省略しています。


【4】教育委員会の教育内容に関する権力的介入に関して、及び選任過程に不正あった大蔵雄之助氏の辞任要求についての申し入れ及び、公開質問状


杉並区教育委員会委員長 丸田 頼一 殿
杉並教育長 與川 幸男 殿
杉並区教育委員会 各 位

2001年6月13日

「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会
杉並区久我山3-1-29 スペース・未来
tel・fax 03−5941−2501

私たちの5月8日付「歴史をねじまげ、戦争を肯定する教科書採択に反対する申し入れ及び公開質問状」に対する回答がありました。教育委員会の教育介入がより鮮明になったことと、教育関連法をも無視する強権的態度に驚き、下記の趣旨で申し入れ及び公開質問を再度行います。

まず教育委員が教科書を選ぶことの、実際的問題に触れます。小学校の教科書は約100冊、中学校の教科書は300冊あります。2ヶ月足らずの期間で全教科書を熟読し、教室で実際使うことを想定し、子どもの学習能力をも勘案しながら選ぶことが小中学校教職経験の無い「素人」の教育委員に出来るかという点です。400冊読むこと自体、不可能ではないでしょうか。読み進めるうちにその教科書を学ぶ子どもたちの顔が思い描けるでしょうか。教師は専門性の高い仕事です。全教科書を読むこともせず、教育現場も知らずに選ぶとしたら、それほど無責任なことはありません。教育の軽視としかいいようがありません。教育委員が採択権を振りかざすのは、法に照らすまでも無く不合理かつ不当なものです。
次に公開質問状の回答についての問題点を述べます。

1. 公開質問状1に関して

「採択権の法的根拠」について。行政回答は、「地教行法23条の6」でした。申し入れでも展開しましたが、23条では教育委員会の権限範囲を「事務」に限って述べてるに過ぎません。教育基本法10条があるかぎり、教育内容について行政は踏み込めないのですから、「事務」を「採択権」と読み変えることの説明になっていません。従って杉並区の教科書採択要綱は法的根拠を持たずに教育委員会の「採択権」を認めたことになります。再度質問します。
『@23条の「事務」とはなにを指すか。また「事務」の範囲である「採択権」はどのようなものを指すか』
「教育基本法10条がどのように担保されるか」について実質的回答は無く、「最高裁判所判例よる」と示したに過ぎません。再度の質問について、判例は「1976年学力テスト旭川事件判決」を示していることがわかりました。判決文では「教育に対する行政権力の不当不要の介入をは排除されるべきである」と断じています。教育委員会の回答する「必要かつ合理的介入」とは何でしょうか。教育委員が教科書を選ぶことの不合理かつ不当不要の権力的介入は冒頭に述べた通りです。
更に学テ判決は、地教行法に対する教育基本法の優位=準憲法的位置を認めており、「教育行政機関がこれらの法律を運用する場合においても教育基本法10条1項にいう「不当な支配」にならないよう配慮すべき拘束を受けている」としています。先に述べた23条が「不当な支配」とならないよう行政が拘束を受けることは、ここでも展開されています。ここで再度質問します。『A教科書採択において「不当な支配」とならないよう教育基本法10条はどう担保されるか』

2. 公開質問状2〜5に関して

私たちが取り寄せた資料で明らかになったことは、学校調査研究報告書、調査部会報告書、審議会報告書は同じ書式であり、一教科書につき一報告書が提出される。従って、学校からは約11,300枚(小学校44校×教科書100冊+中学校23校×300冊)、調査部会から約400枚、選定審議会から約400枚、合計約12,100枚の報告書が教育委員の元に届けられることになります。いずれについても「絞り込み」をしないことを要綱に記していますから、並列に並べられた12,100もの報告書を教育委員は審議の参考にするために、読み込む必要がでてくることになります。さらにそこに膨大なアンケートが加わると予測されます。実際昨年の審議会報告書を読んでも、各項目ごとに一行ないし二行の簡単かつ抽象的書き込みであり、専門外の教育委員の判断材料になるとは思えませんでした。ここであらためて質問します。『B選定審議会委員をどういう基準で選んだのか区民の納得のいく形で説明されたい』『C調査部会の委員の推薦が公正なものかをどのように検証したのか』『D選定審議会委員は審議するために全教科書を読破するのか』『E区民の意見はどのように集約されるか具体的に示せ』『F調査部会や選定審議会に「絞り込み」的要素は無いか』『G教育委員が400冊もの教科書を読破できると考えるか』『H教育委員は12、100もの報告書を判断材料として読みこなせると思うか』『I小中校の教育現場の経験の無い、教育の専門知識を持たない教育委員が「素人判断」で教科書を選ぶとで教科書選択の責任をどうとるつもりか』

3. 公開質問状の6に関して

大蔵雄之助氏のモンタナ大での発言に関する問題では、選任時の議会での虚偽のコメントについては教科書採択以前の問題であり、教科書採択過程であるから言及できないとする回答は納得できません。5月23日付提出した「大蔵雄之助氏の教育委員会選任時、議会における虚偽のコメントの責任問題と辞任要求に関しての申し入れ」通り、辞任を再度要求します。大蔵氏は特定の教科書を推薦する政治団体とも深い関係にあることから、(詳しくは本日付け山田区長あて提出した罷免要求を参考にされたい)教科書選定に係わることはきわめて不適格です。ここであらためて質問します。『J教育委員会は大蔵氏の虚偽のコメントについてどう判断するか』『K特定の教科書を推進する政治団体と大蔵氏との係わりは問題ではないのか』

以上@からKを再度の公開質問状とします。1週間以内の文書による回答を求めます。私たちの集めている請願署名(別紙)は5000を超えました。また5月末に開設したホームページはたちまち4500を超えるアクセスがありました。教科書採択にむけてマスコミ関係をはじめ全国の目が杉並に向けられています。また友好都市ソウル市瑞草(ソッチョ)区の区議会や市民の目も杉並区に注がれています。民主的かつ誠実な回答を求めます。

以上


【5】6月13日付け教育委員会への公開質問状についての回答


@23条の「事務」とはなにを指すか。また「事務」の範囲である「採択権」はどのようなものを指すか

(回答)地教行法23条の規定は、地方自治体法第2条に規定する地方公共団体が処理することとされている事務のうち、教育委員会が担任する事務を定めたものです。また、同条第6条の規定は、教科書に対する事務等をいいます。

A教科書採択において「不当な支配」とならないよう教育基本法10条はどう担保されるか

(回答)前回回答どおり

B選定審議会委員をどういう基準で選んだのか区民の納得のいく形で説明されたい

(回答)区の採択要綱の基準に照らし、学校から推薦をいただきました。

C調査部会の委員の推薦が公正なものかをどのように検証したのか

(回答)調査部会委員は、採択要綱に基づき委嘱されております。

D選定審議会委員は審議するために全教科書を読破するのか

(回答)審議会は、下部組織の調査結果を尊重して審議を行いますが、審議会委員が全教科書を読破するかは関知しません。

E区民の意見はどのように集約されるか具体的に示せ

(回答)展示会場でのアンケートは、そのまま参考とさせていただきます。

F調査部会や選定審議会に「絞り込み」的要素は無いか

(回答)全ての教科書について、公平に調査を行うよう依頼しておりますので、絞り込みはありません。

G教育委員が400冊もの教科書を読破できると考えるか

(回答)事務局として答える事柄ではありません。

H教育委員は12、100もの報告書を判断材料として読みこなせると思うか

(回答)事務局として答える事柄ではありません。

I小中校の教育現場の経験の無い、教育の専門知識を持たない教育委員が「素人判断」で教科書を選ぶとで教科書選択の責任をどうとるつもりか

(回答)選定審議会などの組織からの報告書や、委員自らの調査結果などをもとに、総合的に判断し、教育委員会の責任で採決を行います。

J教育委員会は大蔵氏の虚偽のコメントについてどう判断するか

(回答)発言の件に関しては、再度確認をしたところ、昨年の第四回区議会定例会で説明したとおりでございます。

K特定の教科書を推進する政治団体と大蔵氏との係わりは問題ではないのか

(回答)特定の政治団体との関わりはないと認識しております。

*** 全然、回答になっていない、ヒドイ内容の回答がFAXで届きました。はいそうですか...と引き下がれる内容ではありません。教育委員会に抗議のTel/Fax を!


歴史をねじ曲げ、戦争を肯定する教科書採択に関する陳情

杉並区教育委員会委員長  丸山頼一殿
杉並区教育長       與川幸男殿


陳情趣旨

「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民の教科書は、基本的人権と戦争の放棄を高らかに宣言している現憲法を否定するものです。この教科書は、「個は全体 (社会・国) のためにある」という考え方につらぬかれており、そのためには「生命を犠牲にしなければならない場合もある」としています。さらに戦争を肯定的に記述した箇所もあります。戦争にあるのは、愛する人を殺すこと、殺されることそれだけです。歴史に学ぶということは、過去の過ちは繰り返さないということです。この教科書を使わせるということはこどもたちを再び戦場に送ることに確実につながっていくと考えます。また、この教科書の非科学的記述はこどもから考える力を奪うとともに、近隣諸国の人々とともに生きる未来を奪うものです。
教育委員会は教科書の採択方法を「学校票方式をとらず、教育委員会の (独自の) 判断で決定する」と議会答弁しました。これは、教育内容に行政が踏み込むことを禁じた教育基本法10条に違反します。そして教育内容に責任を負う教師や、こどもの教育に責任をもつ保護者の思いや意見を無視することになります。
教育行政に翻弄されることなく、歴史の真実を学ぶことは、こどもの教育を受ける権利です。こどもの真の幸せを願うものとして、「つくる会」の教科書を使わせることは断じて許せるものではありません。

陳情項目
  1. 教育委員会は、「新しい歴史教科書をつくる会」がつくった歴史・公民の教科書の採択をしないこと。
  2. 教育委員会は、教師の意見を尊重し、独断で教科書の採択をしないこと。またその採択経過を明らかにすること。                  
   以上
2001年6月27日
      
他  6264名 (陳情署名添付) 計6267名   

「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会
杉並区久我山3-1-29 Tel/Fax 03-5941-2501   
呼びかけ人                    
小笠原恵子・村田尚子・高橋佳子・鈴木雪路・新垣美音子・古川清治・石原道子・打田茉莉・片山典子・草野和子・佐藤文子・小海基・市野美智子・岡田典子・筒井由紀子・石田透・高橋洋代・伊藤泉・狩野裕子
賛同人
阿蘇敏文(牧師)・阿部和彦・荒谷出(牧師)・秋葉正二・有賀豊二(日本イエス会代表)・飯島伸夫(山田書院労働組合)・板谷静子(歌人)・板谷彩雲居(俳人)・井上健(西東京平和遺族会代表)・江面旨美・遠藤誠(弁護士)・大貫淑子・川田文子(日本の戦争責任資料センター副代表)・上江田千代(元ひめゆり学徒隊)・清野眞一(日本劇作家協会会員)・菊田米子・銀林浩(明治大学名誉教授)・桑江テル子(沖縄-うないネット・コザ主宰)・黒川陽子(わだつみ会会員)・小坂田薫(インドネシア語翻訳)・小松哉也(劇作家・演出家)・権田倫子(助産婦)・佐々木庸(日本聖公会)・佐藤慶(俳優)・佐藤康子・佐野孝枝・澤田兪之介・鈴木昌代(移動博物館館長)・住谷淳雄・高坂和彦(日本大学教授)・高橋哲郎(中国帰還者連絡会事務局長)・武内更一(弁護士)・田光信幸(日本聖公会東京教区人権委員会委員長)・多田道夫・知花昌一(反戦地主・読谷村議会議員)・土本典昭(記録映画作家)・徳永五郎(日本基督教団城西教会牧師)・得永道子・中川晶輝(全国老人福祉問題研究会名誉会長)・西川重則(平和遺族会全国連絡会事務局長)・西野瑠美子(VAWW-NETジャパン副代表)・西山勲・籏利彦(高校教員)・葉山岳夫(弁護士)・原百合子・藤沢抱一(弁護士)・細川勝利(牧師)・増田博光(人骨問題を究明する会)・松谷みよ子(児童文学者)・水野弘一・三渕衡一・溝口とく子(医師)・三宅明正・宮越三千子(元教員)・宮島尚史(弁護士)・村田直文(教科書執筆者)山川博康(ス労自主中央書記長)・山際永三(映画監督)・山本圭(俳優)・山本亘(俳優)・山本良子 ・吉田旅人(声楽家)  

呼びかけ人・賛同人計83人、ほか38人 計121名