各地の採択状況
加賀屋いそみ氏作成
北海道/青森/岩手/宮城/秋田/山形/福島/茨城/栃木/群馬/埼玉/千葉/東京/神奈川/新潟/富山/石川/福井/山梨/長野/岐阜/静岡/愛知/三重/滋賀/京都/大阪/兵庫/奈良/和歌山/鳥取/島根/岡山/広島/山口/徳島/香川/愛媛/高知/福岡/佐賀/長崎/熊本/大分/宮崎/鹿児島/沖縄 【栃木県】歴史、公民の両分野で多く採用されたのは東京書籍版。写真やイラストなどを多用 し、関心をもって学習できるように工夫されている、と評価。栃木県の下都賀地区教科書採択協議会が扶桑社の歴史教科書をいったん採択した問題 で、地区内の中学校30校のうち同教科書を希望したのは3校だけだったことが公開さ れた議事録でわかった。30校中日本文教出版の希望が最多で13校、ついで東京書籍 の10校、扶桑社と帝国書院が3校ずつ、大阪書籍が1校だった。 下都賀(しもつが)地区教科書採択協議会(小山市など10市町)の7月11日の協 議で、委員の1人が「日本の歴史は外国からゆがめられている」「いじめがなくならな いのは、子どもたちに日本人としての自覚がないからだ」などと発言していた。この委 員は「つくる会」教科書を強く推していた。 大田原・黒磯両市と那須郡で構成する大田原・黒磯両市と那須郡で構成する那須地区 でも扶桑社版を推す声は強く、一時は賛否同数だった。「日本人の誇りを取り戻せる」 「いや、偏り過ぎている」。教育関係者には「実態は薄氷を踏むような『ゼロ』。4年 後の次回採択ではどうなるかわからない」という声がある。現場の教員に委嘱した調査 員は、帝国書院と東京書籍の2社を推していた。 (朝日・毎日・読売8/16-17) 【愛媛県】8月16日、加戸知事は定例記者会見で、教育委員会の決定の前に教育長に対して扶桑社 の教科書を高く評価する自らの考えを伝えていたことを明らかにした。県教育委員会が 採択を決定するおよそ二週間前に教育長も出席した県の幹部の会議(7月24日に開か れた県庁の「五役会議」)で「扶桑社の教科書が歴史教科書としてベストだ」という感 想を述べるなど、決定の前に雑談も含めて教科書への知事自らの考え方を教育長に伝え ていた。知事の意見が県教委の決定に影響を与えた可能性についても「(影響を)与え たかも知れない」と認めた。15日に県庁で行われた市民団体らと教育委員の話し合い終了後、市民や報道陣が会場 の会議室に一時閉じ込められた問題で、加戸知事と吉野内直光教育長は「行き過ぎであ り、深くおわびします」と謝罪。 平成13年度8月知事定例記者会見の要旨について(平成13年8月16日) 中学校の歴史教科書は8社あるが、発表によると、県内では全5地区が東京書籍だっ た。公民は今治地区が東京書籍、ほかの4地区が大阪書籍をそれぞれ採択した。歴史、 公民とも昨年と同じ教科書会社だった。 県教科用図書選定審議会がまとめた各教科書の選定資料も公表された。8社の教科書 のうち最も高い評価を受けたのは東京書籍で、「生徒の追究的な学習が進められるよ う、極めてよく配慮されている」とされた。2番目は、扶桑社を含めた4社の教科書 だった。 選定資料で最も高い評価を受けた教科書と、県教委が採択した県立4校の教科書が 違ったことについて、県教委障害児教育課は「選定資料はあくまで参考。教科書採択は 委員の判断」としている。 選定資料では、学習指導への配慮の項目で、東京書籍の評価が「学び方や体験的な学 習を重視するなど、生徒の追究的な学習が進められるよう、極めてよく配慮されてい る」となっているが、「つくる会」の教科書をはじめとする他社は「生徒の追究的な学 習が進められるよう、よく配慮されている」となっていた。表現や表記については「適 切」「おおむね適切」の二つの評価に分かれたが、ほかの項目では、評価にほとんど差 はなかった。 八幡浜地区教科用図書採択協議会では、4人の調査員が8社の歴史教科書を比べて総 合評定をつけた。4人中3人が扶桑社版を最低の8位に、1人が5位にした。「中学段 階では難しすぎる内容が多い。価値判断を断定するのも好ましくない」 「やや恣意 的で主体的学習を促す工夫が乏しい」 「読み物的で学習の教科書としてふ さわしくない」などの理由が挙げられた。 西条地区の協議会では、扶桑社版の良さを「歴史に興味関心を持たせ、愛国心を育て る」 と指摘。しかし結局、(1)記述が多い(2)神話が多い(3)内容に偏りがあ る(4)内容・資料・年表は他社の方が精選されている−−などとして不採択になっ た。 東京書籍の歴史教科書を採択した松山市教委の中矢陽三教育長は「検定済みの教科書 で、どれを選んでもいい。松山の採択協議会では、扶桑社の教科書を推す声がなかった ということ。東京書籍を選んだのは地域の意思だ」 (朝日・毎日・読売8/17) 【和歌山県】和歌山市教委は、会見を開き、採択の過程などを説明。扶桑社の教科書は「自国中心 の歴史観が強く、他国に被害を与えたことへの配慮が足りない」などの理由で不採択。 山口喜一郎・市教育長「各委員がかなり勉強した。外部からの圧力はまったく影響して いない」「扶桑社の教科書が採択のあり方に一石を投じてくれたと思う」西牟婁採択地区(田辺市と西牟婁郡7町村)は、校長OBや保護者代表などでつくる 「選定審議委員」を初めて設置。採択協議会との合同会議の質疑内容についても公表。 質疑の中には、「現行の教科書には日本のことがのっていない。外国より日本のことを きちんと考えている教科書を正当に評価してほしい」「バランス感覚のある教科書を選 んでほしい」などがあった。 (朝日・毎日8/15-17) 【岡山県】扶桑社版は私立では、来春開校予定の岡山理科大学付属中学校(岡山市理大町)が採 用を決めたことが明らかになった。岡山理大付中は、学校法人加計学園・岡山理科大学 付属高校を母体にした併設型の中高一貫教育校。男女共学で1学年80人。県内7採択地区の市町村立中学校での採択内容については、歴史教科書は岡山市と児 島・玉野は東京書籍、旭東と倉敷、高梁は大阪書籍、笠岡・井原は帝国書院、津山は日 本書籍。また公民は岡山市と倉敷、笠岡・井原、津山が東京書籍、旭東と高梁が大阪書 籍、児島・玉野が清水書院。 つくる会の教科書採択をめぐっては賛成、反対の計17件の要望書が出されたが、県 教委・板谷課長は「圧力は一切受けていない。市町村レベルでもなかったと報告を受け ている」と語った。 (朝日・毎日8/17) 【香川県】中学歴史教科書は、東京書籍版が選ばれた。県教委「各社の特徴や工夫を踏まえて採択 した」。県教委は、県教科用図書選定審議会の「教科用図書採択基準」に基づき、国の 「学習指導要領」を考慮して教科書を採択した、と説明。東京書籍版の歴史教科書を採択した理由(県教委)「身近な地域の歴史調べを紹介す るなど、主体的に学習できる」「資料が大きく、見やすい」など。 「つくる会」の歴史教科書に対する委員の意見「従来の教科書づくりに一石を投じた点 は評価できる」「かなりの読解力や理解力が必要」「他社に比べて版が小さく、文章や 資料が見にくい」など。折原守教育長「(採択対象の教科書は)検定に合格しており、 内容について問題はない。各社の工夫や特徴を基に採択した」 (朝日・毎日8/16-17) 【熊本県】熊本市の私立文徳中学校(井上勲校長、三十六人)が来年度、「新しい歴史教科書を つくる会」主導の扶桑社版歴史教科書を社会科の副読本に採用する。同中は歴史、公民 教科書にはともに帝国書院版を採択。中山義崇理事長によると、扶桑社版は「日本の神 話」と「韓国併合」の項目に不適当な表現があり、教科書として使うことは見送ったと いう。しかし、「歴史は多面的に学ぶ必要がある。生徒が多様な歴史観に触れられるよ う副読本としては用いる」と中山理事長が判断した。公民教科書を副読本とするかは未 定。中山理事長は日本会議熊本会長。熊本市は、歴史、公民とも「総合的な評価」で「教育出版」を選択。扶桑社について は「記述が少し難しく他社に比べてページ数も多い」と説明。田尻紘教育長は「私見と しては突っ込んだ内容で、興味深かった」と述べた。 熊本市教委(単独採択)「記述内容が難しく、ページ数も他社は二百ページ程度だが、 三百二十ページと多い。新学習指導要領は調べ学習を重視しているが、この点で弱いと 判断した」と説明。歴史認識に関しては教育委員の間で議論はなかった。熊本市教委に は、一般市民による意見書は三百件を超え、教職員からは五千六百件以上。 扶桑社の教科書について、「登場人物が多く興味関心を引き出すが、生徒の主体的な 学習ができるかなどの観点で判断した」(菊池)、「歴史をよく表しており、いい教科 書という意見もあったが、我々が読んでも難解な語句が多かった」(球磨)など。 菊池地区の関係者「各教育委員会に、扶桑社の教科書に賛成、反対の電話など意見が かなりの数あった」。熊本市が6〜7月に開いた教科書展示会でも、市民から扶桑社を 推薦する声が163、反対が108、教員では肯定意見が8、否定が146。 「歴史的人物の実績やエピソードをコラムで多く取り上げ、興味、関心を高めるよう 工夫している」(天草地区)との評価もあったが、「(現場の教師らでつくる)研究委 員の公正な調査研究と選定委員会の答申を基に総合的に判断した」(阿蘇地区) 私立の九州学院中は「韓国との平和学習交流を続けており、影響に配慮した」、熊本 マリスト学園中は「世間の評価も参考にすべきと考え、(扶桑社版の採択は)避けた」 (朝日・熊日8/16-17) 【宮崎県】宮崎市教委では中学の歴史と公民については、これまでと同じ東京書籍が選ばれた。 盲学校で使用される点字版の教科書は、後日文部科学省から公表される。県教委による と、日向学院中の歴史で大阪書籍が採用されたほかはすべて東京書籍だった。宮崎市郡、東諸県郡内1市6町の宮崎地区採択協議会は、6、7月に3回会合を開い た。今回から、各市町の教育委員長、教育長に加え、保護者の代表3人も協議に加わっ た。扶桑社の教科書については、いずれの教委でも議論にならなかった。7月19日に 教科書を決めた。宮崎市の内藤泰夫教育長は、市役所で会見。7月17日にあった宮崎 地区の採択協議会で東京書籍に絞り、同19日に開いた教育委員会で全会一致で決定し たことを説明。 「(他の7社より)東京書籍の教科書は生徒の関心を高め、問題解決的な学習に取り組 みやすいことなどの点で優れている」と理由を述べた。 (朝日・毎日8/16-17) 【大阪府】私立は清風中(天王寺区)が扶桑社の公民を採用。府立の養護学校などは、いずれも 他社か、知的障害児向けに一般図書を教材として使うこととした。府教委は、扶桑社の 教科書を採択しなかった理由について「行間が狭くて見にくいうえ、内容的に難しい面 がある。肢体不自由児らは知的障害が重複している場合もあるため、簡明で見やすいと の観点から他社を選んだ」と説明。(毎日8/16) 【神奈川県】先月末までに採択を終了。中学校の歴史教科書では日本書籍や帝国書院など、公民教 科書では日本書籍や教育出版を採択したところが多かった。県教委の新たな指導では、各学校ごとに教師の意見を集約する仕組み(いわゆる「学 校票」)が廃止されたほか、各採択地区協議会では絞り込みをせず、採択権限を持つ各 教育委員会の選択にゆだねることになった。県教委「指導に基づき採択は適正に行われ た」。 (朝日・神奈川8/16) 【石川県】つくる会の教科書の採択について、小松市教委は「検定を通っているので内容につい ては問題ない。特別視はしなかった」とし、金沢市教委では「内容、言葉が難しかっ た」としている。中学校歴史教科書の採択結果は、加賀・江沼、小松・能美、金沢の3採択地区が帝国書 院。松任・石川、河北、羽咋、七尾・鹿島、輪島・鳳至、珠洲の6採択地区が東京書籍と なった。国立・私立の中学校や盲・ろう・養護学校でも東京書籍などの教科書が採択さ れた。 県教委によると、帝国書院は地理、公民分野との関連付けやフィールドワークなど学 び方を習得するコーナーなどが充実。東京書籍は体験学習などの内容の豊富さや歴史の 大きな流れをとらえる学習への配慮などが評価された。国立では金沢大教育学部付属 中、私立は星稜中が東京書籍を採用し、北陸学院中は大阪書籍だった。 中学歴史について、県内ではこれまで東京書籍が6地区、日本文教出版が3地区を占 めていたが、来年度は東京書籍6地区、帝国書院が3地区となる。 県教委が、6月18日から7月7日まで、県内24か所で各社の教科書を展示して一 般公開した「常設展示」期間中、会場を訪れた人は、記帳簿に記名した分だけで342 7人。 県教委の村井加代子教育次長によると、採択地区協議会の委員に保護者代表を加える など開かれた採択を推進するよう通知した結果、委員に保護者が加わった採択地区は前 回の金沢など4地区から今回、全9地区に広がった。保護者が初めて加わった5地区で は、「『つくる会』の教科書を巡る社会情勢に後押しされた部分もあるが、保護者を含 めて幅広い意見を聴けて有意義だった」として、今後も続ける意向。 教科書展示会には記名者だけで3427人が訪れ、意見箱には「つくる会」の教科書 についての賛否両論の意見が多く入れられた。 今回の教科書採択を巡っては、県議会や金沢市議会などが適正化を求める決議をした ほか、「つくる会」の教科書を支持する「教科書の採択を考える県民の会」(諸橋茂一 会長)の請願が輪島市など10を超える市町村で採択された。 地区協議会の委員には「つくる会」の教科書への賛否両論の意見が寄せられたが、市 販本などが送られることはなかったという。 金沢市教委(石原多賀子教育長)学校指導課によると、教科用図書採択委員会は6 月上旬〜7月下旬に3回開催。各教科で原則3冊まで優先順位をつけ、小学校分を8月 1日、中学校分を同3日、市教委に答申した。市教委で議論の結果、答申で優先順位が 1位だった教科書を全教科で採択。中学の教科書では、歴史が帝国書院、公民が東京書 籍になった。今年度まで使用されている出版社とは別のものが3教科で採択された。市 教委は歴史教科書の採択理由を「生徒が主体的に学習し、調べ方や学び方が身に付くよ うな工夫がある」「考える力を育成するように配慮されている」などと説明。公民教科 書については「学習のめあてが明確」「生徒が意欲的に取り組めるように工夫してい る」などとしている。 (朝日・毎日・読売・北国8/16) 教科書が語る あの戦争 (朝日8/16石川県版) 【鹿児島県】中学校社会科は鹿児島、指宿、日置、伊佐、姶良、曽於の6地区が東京書籍、川辺、 川薩、出水、肝付、熊毛、大島の6地区が教育出版で、いずれの地区も地理、歴史、公 民で同じ出版社の教科書を使用する。国・私立中学校11校では歴史が東京書籍、教育出版、日本書籍の3社、公民が教育 出版、日本書籍、東京書籍、大阪書籍、清水書院の5社となった。特殊教育諸学校中学 部では一般図書、検定教科書などが使われるが、検定教科書の中からは歴史、公民とも に教育出版と東京書籍が選ばれた。 今回は、前回と異なる出版社の教科書を選んだ地区が大幅に増加。特殊教育諸学校を 除く公立の変更率は小学校で18.2%(前回14.3%)、中学校33.3%(同1 6.7%)だった。中学国語は、前回12地区すべてが光村図書だったが、今回、同社 は4地区にとどまり、三省堂、東京書籍、教育出版が加わった。 変更地区が増えたことについて県教委は「新しい学習指導要領に基づき、慎重に調査 研究した結果では」と話している。 県内の全採択地区協議会は「開かれた採択を目指す」として、構成員に保護者代表を 加えた。教科書センターに来た人は昨年は255人だったのに対し、今年は803人。 脇田稔・県教育長は県庁での記者会見で、「各教科書を十分に調査・検討し、責任あ る採択がされたと思う」と述べた。扶桑社版の教科書が県内で採用されなかったことに ついて「教科書としてどれが適切か十分検討された結果。特定の教科書についてコメン トはできない」。また、県教委に採択権のある県立の盲学校、ろう学校、養護学校での 採択について「委員から、扶桑社の教科書について『立派な教科書だ』という感想は あったが、採用すべき、とする意見はなかった」と明らかにした。「(扶桑社の教科書 をめぐっては)さまざまな働きかけがあったと聞いているが、それらに左右されること なく、適正かつ公正に採択が行われたと考えている」 (朝日・毎日・南日本8/16-17) 【広島県】県内では、今回から同じ教科書を使う「採択地区」を八から三十に細分化し、各市町 村教委でつくる採択地区協議会が教科書の選定を進めた。県教委によると、歴史教科書 については、検定に合格した八社のうち扶桑社以外の四社を選定し、県内の公立中学校 二百五十二校は日本書籍、東京書籍、大阪書籍、帝国書院の教科書を使う。盲・ろう・ 養護学校二十三校のうち、中学部で歴史教科書を使う八校についても県教委は東京書 籍、大阪書籍、教育出版、清水書院の四社を採択。県教委の榎田好一教育部長は「各市町村教委が自らの権限と責任で、公正に採択した と確信している。個々の採択結果についてはコメントする立場にない」 (中国新聞8/16) 【長崎県】県学校教育課によると、「つくる会」の教科書について4月以降、賛否両方の立場か ら29件の要請が寄せられた。県教委は、公正な採択▽採択過程の透明性の確保▽保護 者も含めた幅広い意見の聴取――などを重視し「なぜ選んだのかを明確に説明できる採 択をするよう指導した」(木村道夫・県教育長)。県立盲・ろう・養護学校の教科書を 決めた県教委の松浦潤・委員長は「子どもたちに一番いい教科書を選べたと思う。もっ と静かな雰囲気の中でやりたかったが、(『つくる会』の教科書が)話題になったこと で採択の過程が一般の方にも理解していただけたことは良かったと思う」と語った。木 村教育長は「健常児とは社会経験などが違う点を考慮し、視覚的に学習しやすいものな ど専門的観点も含めて決めた。他の学校との交流もあり、同一地区同一教科書の原則も 大きな選定材料となった」と話した。(毎日8/16) 【茨城県】県内には7つの採択地区があるが、中学歴史では5地区が東京書籍、2地区が日本文 教出版の教科書をそれぞれ選定。中学公民では、7地区すべてが東京書籍の教科書を選 んだ。県教育庁は選定前に、各市町村の教育長らに、検定に合格した教科書の内容について 調査した資料を送っている。今回は扶桑社の教科書の採否を巡り議論が高まっていたた め、資料にも「適正な手続きで」「(あらかじめ)数種絞り込むことなく」などの文言 を新たに盛り込んだ。また、「公平さを保つため」(同庁)、資料では各教科書の特長 などを記述するにとどめ、マイナス点についての指摘はしなかった。同庁によると、同 社の教科書に対する陳情・要望や投書、電子メールは29件寄せられ、採択に肯定的な 意見が10件、否定的な意見が19件だった。同庁義務教育課は「教科書採択状況につ いて、これほど関心が高まったことはなく、会見を開いたこともない」と困惑気味。 私立中では常総学院(土浦市)が唯一、扶桑社の歴史・公民教科書の採用を決めた。 同校の社会科の担当教諭は「サイズが扱いやすく、話題の教科書で生徒の関心も高ま る」などと採用の理由を説明、当面は従来の教科書と扶桑社の教科書を併用するとい う。 (毎日・朝日8/16) 【千葉県】県教委指導課「各市町村教委が責任と自覚を持ち、公正かつ適切に教科書を採択したも のと考えている」。全12地区が採択した中学校社会科の歴史と公民の教科書は次の通 り。カッコ内は採択地区。
【歴史】東京書籍(船橋、東葛飾、印旛、海匝、山武、長生、君津、千葉市)▽教育
出版(千葉、香取)▽帝国書院(夷隅)▽日本文教出版(安房) (毎日8/16) 【山形県】県内の公立小中学校で使われる教科書については、9地区の教科用図書採択協議会で 採択案をまとめる。採択案を受けて、各市町村教委が最終的に使用する教科書を決定す るが、協議会の採択案通りの教科書に決まるのが通例になっている。県内の中学校歴史では、東京書籍、帝国書院、教育出版の3社の教科書が、公民では 東京書籍と帝国書院の教科書が採択された。 (朝日8/16) 【新潟県】教育出版が9地区で、次いで東京書籍が4地区で、帝国書院が1地区でそれぞれ採用さ れた。「つくる会」教科書について、各地区の採択協議会では、「神話や第2次世界大戦の記 述が多すぎてバランスを欠く」「中学生には用語が難しすぎる」などの意見が出され た。各市町村教委が採択結果と理由を公開する。 (朝日・毎日8/16-17) 【福井県】県立を含め、歴史、公民とも、東京書籍などが決まった。県議会は昨年12月、「つくる会」県支部と同一歩調の「福井県の教育を考える会」 が出した「教科書採択制度の改善を求める」陳情を採択。これに対し、教職員や父母ら でつくる「福井の教育をよくする県民会議」や「在日外国人の参政権を考える会」は、 県教委に、「つくる会」主導の教科書の採択に反対する申し入れをした。 こうした動きに、一部の教育委員会では扶桑社版を評価する声もあったが、採択には 至らなかった。「歴史、公民とも中学生が理解する内容としては難しすぎる」(嶺南地 区協議会)「内容が多過ぎて、基礎学力をつける観点から外した」(奥越地区協議会) など様々な異論も出たという。 (朝日8/16) 【岐阜県】来年度から使う教科書の採択作業が15日に終わったことを受け、県教育委員会は1 6日から、県内6地区の採択教科書一覧と県教科用図書選定審議会関係の資料を県の ホームページで公開する。(朝日8/16) 【青森県】公立校は歴史、公民ともに前回と同様、全市町村で東京書籍の教科書を使うことに なった。国立弘前大教育学部付属中学校と、私立青森山田中学校でも、両分野で同社の 教科書を使うことに決めた。盲学校(2校)、ろう学校(3校)、養護学校(13校) についても、盲学校の歴史が教育出版の教科書を使うことを決めたほかは、いずれも東 京書籍の教科書を使う。東津軽郡の採択協議会では、歴史教科書を巡り、「つくる会」版と東京書籍版の2つ を中心に議論され、委員らは「つくる会」の教科書に関する研究調査委員の説明にうな ずきながら熱心に聞いていたという。出席した委員の一人は、「つくる会の教科書は歴 史上の人物が多く紹介され、いいと思ったが、内容が難しかった」とし、「日の丸や君 が代に詳しかったが、東京書籍も公民の教科書で紹介していた。使いやすさもあり、結 局東京書籍になった」と話した。 上十三地区の採択協議会に出席した教育長の一人は、「地理、歴史、公民の3つの教 科書は同一の出版社のほうがいいということで、すべて東京書籍になった」と話し、 「つくる会」の教科書については、「ボリュームが多く、教えにくいという意見が先生 に多かった。1つの事項に多くのページを使っていたり、神話が多いという指摘もあっ た」と振り返った。 (朝日・読売8/17) 【岩手県】中学校歴史で、教育出版を選んだのは盛岡南▽花巻・北上▽水沢▽千厩▽大船渡▽釜 石・遠野▽久慈・二戸。東京書籍としたのは盛岡北▽一関▽宮古。10カ所のうち8カ 所は以前と同じ出版社を採用する。継続性が大きな理由の一つ。奥州藤原三代など、県 内に関係した記述が多い教科書が採用されやすい。採択の参考とするため、県教委は各 教科書を評価した「資料」を市町村教委に示している。この「総合所見」で、扶桑社の 歴史については「歴史事象に対する関心を高め、各時代の特色の変化の様子を大きな流 れとして把握できるように配慮されている」などと記している。県立盲・ろう・養護学 校は県教委に決定権があるが、各学校に選んでもらった教科書を尊重している。この中 に扶桑社はなかった。各学校は、点字版など障害に対する配慮があるか、生徒が地元の 学校に戻る時のことを考え、地域が使用している教科書は何かで選ぶ傾向がある。6〜7月に文部科学省の検定を通過した教科書を展示し、県民から募った意見には、 扶桑社を「採択しないでほしい」という意見が多かった。 扶桑社の教科書について、ある採択地区協議会の委員は「特別扱いはしなかったが、 中身が難しいという印象を受けた」という。別の地区の委員は「学習指導要領で歴史と 地理は並行学習がうたわれているので、両教科が同じ出版社の方が使いやすい。地理の ない扶桑社は問題外だ」と指摘。地区の決定を受けて最終決定した市町村教委もほとん どが「扶桑社版を巡る議論は出なかった」という。ある町教委は「先に扶桑社版の市販 本を買って回覧したが、話は盛り上がらなかった」。水沢市教委は市のホームページに 委員会の会議録や採択した教科書一覧を掲示している。 (朝日・毎日8/17) 【宮城県】中学の歴史、公民の教科書は、県内8つのすべての協議会で例年通り東京書籍発行の教 科書を採択。採択結果の公表は今回初めてで、参考資料を除き、県教委のホームページ でも見ることができる。県教委義務教育課「透明性が上がり、さらに納得いく形で採択 されたのではないか。今後も公開度を高めたい」。昨年同様、採択基準、県教科用図書 選定審議会の議事録を公開したのに加え、今年は審議会メンバーや、審議会の下部組織 で各教科書を調査する専門委員会のメンバーの名前も公表した。同課は「誰がどういう 話し合いをして決まったか公開することは、公正な採択の確保につながる」と説明。採 択決定前の公表は「特定団体の圧力などの危機にさらされる」と否定し、事後公開の流 れが作られた。 また採択結果は、昨年は県のホームページ上だけでの公開だったが、 今年から県庁の県政情報センターと県内7カ所の県政情報コーナーで閲覧できるように なった。県民から意見 県民から幅広く意見を聞くため、大河原、古川の各採択地区で、候補 となる検定教科書の展示会場にアンケート用紙を用意。「意見箱」などを設置して回 収、参考意見とした。従来からアンケートを行っていた仙台市は、回収数が昨年の約7 0通から890通に12倍以上に増加。「つくる会」主導の教科書の賛否や「もっと公 開度を進めて」といった意見が寄せられた。迫採択地区では、各学校を通じ、PTAに 検定教科書の展示を見てくれるよう呼びかけ。PTA役員に直接意見を聞いた町教委も あった。 大河原、築館の両採択地区では、公正な採択の実現と採択の仕組みの周知を目指し、 学識経験者や保護者代表らからなる選定委を新しく設置。外部の意見を聞いて、答申の 参考にした。大河原地区の選定委は20人で構成され、2回の会議を開いた。事務局の 角田市教委によるとメンバーの保護者代表からは「採択の仕組みがよく分かり良かっ た」との声が上がったという。築館地区では6月中旬に1回、会議を開催。事務局の志 波姫町教委は「準備不足で十分に議論できたか課題は残った」と話すが、同地区を担当 する県築館教育事務所では「これまで教育関係者中心だった採択に、外部の人が加わっ たのは前進」と評価している。 (朝日・毎日8/16-17) 【秋田県】県内9地区のうち、歴史では東京書籍を採択したのが2地区、教育出版を採択したの が7地区。公民では東京書籍が5地区、教育出版が4地区。秋田大学教育文化学部付属 中学校と私立の聖霊女子短大付属中学校は、歴史・公民ともに東京書籍を使用。特殊教 育学校では、教育出版か東京書籍を使用、盲学校の点字教科書は未定。扶桑社版の歴史、公民教科書が採択されなかった理由について、県教委義務教育課は 「採択理由まで報告は受けておらず、詳細はわからない」としている。ただ、同課は教 科書の採択を決める県内9地区の採択地区協議会の採択過程で▽国際的に問題となって いる教科書を使うことに対して教師らに不安がある、という危ぐがある▽教科書の内容 が中学生には難しい−−といった配慮が働いたのではないかとみている。県教委は特殊 教育学校の教科書採択を決めたが、養護教育課は「知的障害のある生徒のことを考える と、神話の記述などで抽象的思考が求められ、内容的に難しく、知的障害のない場合で も限られた授業時数では量的に多過ぎる」と、説明。 今回の採択作業で県教委は4月、文部科学省の方針を受け▽現場教諭が教科書に順位 を付ける学校票活用の廃止▽保護者を協議会メンバーに加える▽情報公開の積極推進― などを各協議会に通知した。義務教育課によると、全協議会が1―6人の保護者をメン バーを加えた。これまで教科書採択の協議会は教育委員や教育長が中心で、保護者は 入っていなかった。県教委では「保護者が採択地区協議会に入ったことによって、デメ リットよりも、教科書採択に幅広い意見が得られるというメリットが大きい」とみてい る。採択をめぐる大きなトラブルはなかった。 (朝日・毎日・さきがけ・読売8/17) 【群馬県】県の選定審議会は、各出版社の教科書の特徴を列挙し、9地区の協議会に送ってい た。「つくる会」主導の扶桑社版はコラムや特設ページで、「国旗と国歌」「憲法論議 と第9条」などを取り上げている点を指摘。各教科書の特徴についての評価はしなかっ た。9地区の協議会が採択した理由については、県教委がまとめておらず、事務局がある市 に公開を求める必要がある。県教委の資料については県庁2階の県民サービスセンター で直接閲覧できる。このうち中毛第1地区の資料によると、同地区の調査員は校長と教 員で構成され、小学校の部が50人、中学校の部が53人。調査資料には各教科書のプ ラス面だけが書かれ、その資料に基づき、教育長やPTA会長などで構成する地区協議 会が教科書を選定した。 <02〜05年度用中学校使用教科書>
採択地区 歴史 公民 中毛第1地区(前橋、渋川、勢多、北群馬) 日文 東書 中毛第2地区(伊勢崎、佐波) 東書 東書 西毛第1地区(高崎、安中、群馬、碓氷) 東書 東書 西毛第2地区(藤岡、富岡、多野、甘楽) 帝国 東書 北毛第1地区(吾妻) 東書 東書 北毛第2地区(沼田、利根) 東書 東書 東毛第1地区(桐生、山田) 帝国 東書 東毛第2地区(太田、新田) 東書 日文 東毛第3地区(館林、邑楽) 東書 東書※東書は東京書籍、帝国は帝国書院 日文は日本文教出版 (朝日・毎日・読売8/17) 【島根県】公立中学百九校で使う歴史教科書は、松江、出雲、浜田、西郷の四地区が東京書籍、 益田地区が帝国書院。公民教科書は五地区とも東京書籍を選んだ。盲・ろう・養護学校 十二校の中学部は県教育長、国立・私立四校は学校長の判断で教科書を採択した。中学歴史は、益田地区(益田市、美濃・鹿足郡)で帝国書院発行本が採択され、他地 区は「文章表現が分かりやすく、国際交流や差別、環境など今日的課題もバランス良く 学習できる」などとして、東京書籍発行本が選ばれた。公民教科書はいずれも東京書 籍。扶桑社本は、県選定審議会が「事実の原因や影響、伝承文化も詳細に記述し、歴史 を学ぶ目的や日本人の在り方に触れている」と特徴を挙げたが、「内容過多で難解。教 材の精選も不十分」(出雲採択地区協議会)などとして不採択だった。 公立小中学校で使う教科書は、県教委の諮問機関「教科用図書選定審議会」(会長・ 瀬戸武司松江市教育委員会委員長、二十人)の答申を踏まえ、市町村教委が各地区採択 協議会の選考を経て最終決定した。県教委は4月、開かれた採択推進などを記した留意 事項を各教育長に通知。これを受け、全協議会に今年から保護者ら1〜6人が委員に参 加した。 扶桑社本を巡っては、県内でも不採択を要求する団体と採択を求める団体が活動。県 教委は今春から2度、各市町村教委に双方の働きかけに左右されないよう、文書で注意 を促した。県教委にも賛否合わせて32件の意見が寄せられたが、西智文・義務教育課 長は「採択協議会や市町村教委に圧力がかかった事例は聞いておらず、混乱はなかった と思う」と述べた。県教委「教科書の選定に必要な資料」で扶桑社版の歴史は「様々な エピソードや説明など多くの内容が盛り込まれている」。公民は「国旗・国歌を大きく 取り上げるなど日本人としての自覚をもたせることを強く意識した内容」としている。 出雲採択地区採択協議会長の多久博出雲市教育長「(扶桑社版は)「内容が過多。知 識、理解中心で詳しすぎる。表現や語句が難解で教師も指導しにくい」 (朝日・毎日・山陰中央新報8/16) 【高知県】県では盲、ろう、養護学校で使用する教科書は学校の所在する地区の採択教科書に準ず るという選定基準を定めている。地区、学校ごとに採択した社会科の教科書
【市町村立中学校】▽安芸地区 歴史・東京書籍、公民・同▽香美地区 歴史・大阪 書籍、公民・同▽土長 歴史・教育出版、公民・同▽南国 歴史・同、公民・同▽高知 歴史・同、公民・同▽吾川 歴史・同、公民・同▽高岡 歴史・同、公民・東京書籍 ▽幡多 歴史・教育出版、公民・同(朝日・毎日・読売8/17) 【佐賀県】中学・社会の歴史的分野は、佐城、三神、杵西地区が東京書籍▽松浦地区が日本書籍 ▽藤津地区が帝国書院――を採択。県立学校は所在地区内の公立に準じた。国・私立は 5校が東京書籍、1校が日本文教出版を採択した。採択理由は「基礎的、基本的な内容 が重視されている」(佐賀市教委)▽「系統的にまとまり見やすい」(唐津市教委)▽ 「学習課題や作業内容が示され、学習が進めやすい」(鹿島市教委)――などだった。 扶桑社の歴史・公民教科書については、選定作業が始まった4月以降、県教委に賛否 両論合わせて数十件の電話や手紙が来た。「中には強い調子で採択を迫るものもあっ た」(川崎湧三・学校教育課長)という。(朝日・毎日8/17) 【山梨県】六地区の採択結果は、中学校歴史・公民教科書ともに二つの出版社の教科書が選ば れ、扶桑社版の教科書は採択されなかった。六地区のうち二地区で前回の採択時(一九 九六年度)と別の出版社の教科書に変更した。協議会の審議の日程や内容は明らかにされなかったが、今年度から小中学校教科書の 採択基準や調査研究資料について、数野教育長は、協議会の指導や助言を行う県教科用 図書選定審議会が個人情報に関する部分を除き、請求に応じて全面的に開示することを 明らかにした。十七日から一カ月間、県教委義務教育課、五カ所の教育事務所で資料を 公開する。期間を過ぎた場合やそのほかの同審議会の文書については、議事録の発言者 名など個人情報に関する部分を除き、開示請求に応じて開示する。また各地教委は原則 的に情報公開条例や申請書類などにより採択日程や採択理由、調査報告書などを開示す る方針だが、開示する時期や手続き、範囲などは地域によってばらつきが出そうだ。 各採択協の採択過程では、扶桑社版の教科書について調査報告で「神話、人物をコラ ムとして詳しく取り上げている」(採択協議会)などの分析があった一方、「内容に はっきりしない部分が多い」(市町村教育長)との見解もあった。 数野強教育長は同日の会見で、今回の教科書採択について「圧力などにより結果が左 右されることなく、公正な採択がされたことについては満足している」と話した。つく る会の歴史教科書が不採択となったことについて「私がどうこう申し上げることではな い。各地区で慎重に審議され、公正な採択が行われた」 (毎日・山日・読売8/17) 【徳島県】県教委は16日、採択状況の開示を始めた。「つくる会」の教科書に対しては、「記 述が物語的で読み手を引きつけるよう工夫されている」との評価があった半面、「言葉 が難しく、学説上議論が分かれている事柄が掲載されている」(中央採択協議会)や、 「カラフルさが足りず、子供が興味を持ちにくい。他の教科書と比べるとやや新鮮味に 欠ける」(北部採択協議会)などの点が指摘された。西部、南部が「とりたてて議論はなかった」とする一方、「やや難しい言葉が多く、 学説上議論が分かれているような個所が何か所か見受けられる」(中央)、「文字が多 すぎて、内容を消化しきれない」(北部)などの意見も出た。 一方、唯一の採択校となった私立生光学園中学校(徳島市応神町)は公共心を育てる 観点から「つくる会」の公民の教科書を評価。来年度から複数の教科書と併用すること にしている。 (毎日・読売8/17) 【滋賀県】県内50市町村教委で採択協議会の名簿や会議録、採択結果や理由を記した文書を公開 している。各協議会の文書には採択理由だけしか記されていないが、複数の協議会メン バーが「協議の過程で、国際問題を理由に排除しようとの意見はなかった」と話してい る。「彦根市・愛知郡・犬上郡」地区の事務局(彦根市教委)は、採用教科書は各社の特 長を審議した結果とし、「特定(扶桑社)の教科書を不採択した理由については答えら れない」としている。 (毎日・読売8/17) 【福島県】採択審議に並行して、6月下旬から7月上旬の計14日間、県内22カ所で行われた 教科書展示会には「過去最高」(県教委)の7382人が訪れた。最も多い県中地区で 1865人、最も少ない相双地区でも743人。展示会場には感想文の用紙が置かれ、 計554通の書き込みがあった。「テレビや新聞で歴史教科書が話題になっているので 見に来た」と書く人も多く、「扶桑社版」をめぐって賛否それぞれの意見が寄せられ た。賛同の立場からは「一番日本人を育てるにふさわしい教科書」「日本人として自信 を持てる教科書だ」「日本がファシズム国家であったように記述しているものもあり問 題だ」。一方、批判意見は「扶桑社版は神話にページを割きすぎで史実と混同する恐れ がある」「先の戦争時の日本の国策についての認識が甘い」「国際社会で生きていかな くてはならない生徒たちにとってふさわしくない」――などと書き込まれていた。その 他では、「数学の円周率を『3』としか教えないのはおかしい」など、教育内容の簡略 化を批判する声もあった。県教委は各採択地区に対して「採択の審議経過はなるべく公開してほしい」と要望し ており、今後、各地区ごとに、採択基準や各教科書の評価をめぐる議事録の一部などが 公開される見通し。 (毎日8/17) 【東京都】都教育庁のまとめでは、中学の「歴史」は、東京書籍が最多の二十四地区を占め、次 いで日本書籍の十五、帝国書院六、教育出版五、清水書院三、日本文教出版一と続き、 扶桑社はゼロだった。「公民」は、東京書籍二十三、清水書院十七、日本書籍七、帝国 書院六、教育出版一で、やはり扶桑社を採択した地区はなかった。この結果、戦争認識や憲法観をめぐって議論を呼んだ扶桑社の教科書について、来年 度から使用する都内の公立校は、都教委が採択を決定した都立養護学校の三校だけとな る。 (読売8/17) 多摩地域の27地区の公立小中学校で、来年度から使う教科書を選ぶ手続きが終わっ た。 各地区で7月5日から今月14日にかけて教育委員会が開かれ、新しい教科書が決 まった。ほとんどの地区で審議を公開し、国立市では100人以上が傍聴した。 東村山市は当初、非公開で審議する予定だったが、60人以上が傍聴を希望したため 当日になって公開を決めた。日野市も直前になって公開に転じた。ただ、武蔵野市や小 平市などは最後まで非公開だった。 立川市では15日から、教諭らがつくった調査資料を公開した。各社の教科書を12 点満点で評価し、歴史では同市が採択した日本文教出版が11点で最高。最低は扶桑社 で6点だった。 審議を公開しなかった東大和市や小平市は、16日から調査資料を公開。武蔵野市も 近く閲覧を始めるという。 国立市や調布市の審議を傍聴した市民団体「子どもと教科書多摩ネット21」の佐々 木茂樹さんは「今回の採択では教諭らによる推薦制度が廃止されたため、現場の声が反 映されにくくなった。公開資料をもとに、きちんと審議されたのかを調べたい」と話し ている。 (朝日8/17) 【北海道】情報がありません。【埼玉】情報がありません。【富山】情報がありません。【長野】情報がありません。【静岡】情報がありません。【愛知】情報がありません。【三重】情報がありません。【京都】情報がありません。【兵庫】情報がありません。【奈良】情報がありません。【鳥取】情報がありません。【山口】情報がありません。【福岡】情報がありません。【大分】情報がありません。【沖縄】情報がありません。
|