【取り組み09】
厚木騒音訴訟が結審


 

米海軍厚木基地(神奈川県大和市・綾瀬市)の騒音被害への補償を求めた、「第3次厚木基地騒音訴訟控訴審が7月26日、東京高裁で結審しました。厚木基地は、横須賀を母港とする航空母艦(現在はキティーホーク)の艦載機が使用しています。

第3次訴訟は、周辺住民4,900人が原告となり、総額130億円の賠償金支払いを求めていました。原告側は1997年12月に提訴。2002年10月の1審判決で横浜地裁は、「国が騒音被害軽減に真摯(しんし)で粘り強い交渉をしていることをうかがわせる証拠は見当たらない」と指摘、国に総額約27億円の支払いを命じました。しかし国が判決を不服として控訴、原告も控訴していました。

最終弁論では「藤田栄治・原告団事務局長(71)が最近の騒音状況について『新型のFA18スーパーホーネット戦闘機が配備されて以降、騒音の増加を肌で感じる。五月に実施された夜間離着陸訓練(NLP)も激甚極まりないものだった』と説明。亀崎俊雄・原告団副団長(74)は、一審判決の問題点を『役に立たない防音工事を理由に賠償額を減額したのは誤り。二次訴訟と比べてW値九〇以上の住民への賠償額を減らした点や、準工業地帯の住民に賠償を認めなかったのも間違いだ』と指摘し『一審以上に勇気のある判断を示してほしい』と訴えた」(神奈川新聞ホームページ 7月26日より引用)とのことです。

裁判終了後、千代田区の社会文化会館で開かれた報告集会には、原告団や支援者ら260人が参加しました。原告団長の真屋求さんは「裁判繰り返しの愚を避けるためにも、将来請求容認の判決を」と訴えました。また「結審で運動が終わったわけではない。これからも継続してがんばろう」と語りました。

裁判を担当した弁護士からは「日本には軍事主権がなく全て米国まかせ。軍事的には占領下にあるのと同じ。イタリアにも米軍は駐留しているが、イタリアの主権のもとでコントロールされている」と日本政府の姿勢を非難しました。

またこの集会には、社民党党首の福島みずほさん、東京平和運動センター事務局長の関久さん、神奈川平和運動センター事務局長の加藤泉さんも出席して連帯のあいさつを行いました。







Copyright 2000-2004 フォーラム平和・人権・環境 All rights reserved.
東京都千代田区神田駿河台3-2-11 総評会館1F
tel.03-5289-8222/fax.03-5289-8223/E-mail:peace-forum@jca.apc.org