10.30基地の県内移設に反対する県民大会

雨ふるなか5000人が結集し、辺野古沿岸部案に反対 


05年10月30日午後5時から、沖縄県那覇市の与儀公園で、「普天間基地の即時閉鎖・撤去、辺野古等基地の県内移設に反対する県民集会」が開かれました。主催は「基地の県内移設に反対する県民会議」です。集会中は、雨が降ったり止んだりのあいにくの天気となりましたが、労働組合や平和運動団体、市民グループなど5000人が参加しました。主催者を始めとして各団体が決意を表明、その後、県民会議事務局長の山城博治さんが「大会決議」を提起して採択、山内徳信共同代表の音頭で「団結ガンバロー」を三唱し、市内中心部に向けてデモ行進を行いました。
 主な発言者の発言要旨は、以下の通りです。

山内徳信さん(県民会議共同代表)

 
 沖縄は無人島ではありません。その沖縄に基地を作ろうという動きに反対してきた、様々な運動団体の努力、マスコミの報道、沖縄選出の国会議員の力に、心より感謝します。
 辺野古での560日の座り込みを初めとして、県民ぐるみの闘いで、当初の計画を断念させることができました。海上基地を作る計画は破綻したのです。
 そして今、新しい闘いが始まろうとしています。10月29日の日米協議では、またしても沖縄県民を裏切り、馬鹿にし、差別した基地強化が合意されました。この計画は南部の基地を撤去し、北部の基地を強化するもので、県民を南北に分断し対立させるものです。このような計画は許せないし、許してしまえば沖縄は、米軍の攻撃基地になってしまいます。米軍の実戦部隊の配備と、自衛隊との共同、そして憲法改悪へのスケジュールを許すわけにはいきません。みなさん、頑張りましょう。

伊波洋一さん(宜野湾市長)


 私はこれまで、普天間基地の危険性を日米両国政府に訴えてきました。04年・05年と訪米し、沖縄県県民は基地の県内移設に反対していることを伝えてきました。昨年のヘリ墜落事故に見られるように、沖縄の米軍基地は県民の生命と財産を無視しています。こんなことが許されていいはずがありません。
 新辺野古沿岸部案は、新たな問題を引き起こします。辺野古の沿岸を、無残なコンクリートで固めることは許されません。
 普天間基地の即時閉鎖に結びつく取り組みを、これからも主張していきます。

照屋寛徳さん(衆議院議員・社民党)



 私たちの望むものは、基地の県内移設ではありません。辺野古沿岸部案には、反対します。米軍の抑止力を強化し、日米軍事同盟の一体化を進め、米軍と自衛隊が基地を共同で使用する。しかも沿岸部埋め立てには、特措法を適用するという。この国はもはや法治国家ではありません。強権政治がまかり通っています。政府は環境や海面使用に配慮するといっていますが、大浦湾を破壊するのです。135万人の住む沖縄を米国の植民地にすること、無人島のように扱うことを、断固糾弾します。いまこそ、島ぐるみの闘いに立ち上がり、日米両国政府に反対しましょう。

喜納昌春さん(沖縄社大党委員長)

 本日は闘いの第1歩。雨の降る中、これだけ多くの人々が集まりした。中間報告を聞いて、「沖縄には神も仏もいない」と思ったが、雨も小降りになり、これだけの人が集まったのは、神・仏がいる証拠だ。
  防衛庁長官は「讃岐うどんのねばりごし」で合意したといっていますが、こんな合意を許せますか。新基地建設にはさらに7から8年かかります。名護のみなさんはこれからが大変でしょう。辺野古案を潰したのは、私たちの力です。つぶれたものをもう一度創ろうと計画する政府の議論は、ためにする議論です。
 私たちは一切基地を作らせない。今日が第1歩です。私たちの力を強化して、頑張りましょう。


崎山嗣幸さん(沖縄平和運動センター議長)
 基地の県内移設を絶対に許しません。基地負担の軽減と政府は言っていますが、自衛隊と米軍が一体となって、沖縄を戦略基地にしようとしています。平和運動センターは、基地をなくすために、県民と共に頑張ります。

平良夏芽さん(平和市民連絡会代表世話人)
 辺野古への基地建設を阻止することを確認して、560日間座り込みました。杭ひとつ打たせず、原案を白紙にしたことは大きな成果です。まずそのことを確認したいです。命がけの阻止行動は、それ以前の8年間の座り込み闘争や、全国・全世界の支援があったからです。新たに出てきた「最低案」を止めるために行動を続けます。最後まで闘いましょう。



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