【資料01 国連決議1546】
(出典:外務省が国会議員に対し配布した資料)
  イラクに関する安保理決議1546について(概要)

 

平成16年6月9日

 8日夕刻(日本時間9日早朝)、安保理公式会議において、安保理決議1546が全会一致で採決されたところ、主要部分のポイントはいかのとおり。

安保理は、
【主文】

イラク移行政府が活動を開始するまでの間イラクを統治する完全な責任及び権限を2004年6月30日に引き受ける2004年6月1日に発表された主権を有するイラク暫定政権の設立を是認する。ただし、同暫定政府は、限られた暫定期間を超えてイラクの運命に影響を与えるいかなる活動も控えるものとする(パラ1)
2004年6月30日に占領が終了し連合暫定施政当局(CPA)が存在しなくなること、イラクが完全な主権を回復することを歓迎する(パラ2)
イラク国民が自由に自身の政治的将来を決定し自身の財政的資源及び天然資源に対する完全な権限及び管理を行う権利を有することを再確認する(パラ3)
以下の民主的政府への政治移行のタイムテーブルを是認する(パラ4)
・ イラク暫定政府の設立
・ イラクの社会の多様性を反映した国民会議の開催
・ 可能であれば2004年12月31日、遅くても2005年1月31日までの移行国民会議の直接選挙の実施。移行国民会議は、イラク移行政府の形成及び2005年12月31日までの立憲政府につながるイラクの恒常憲法の起草の責任を有する。
イラク政府に対し、国際会議の開催がどのように上記プロセスを支持し得るかを検討することを慫慂するとともに、イラク政府が、イラク国民の利益のために、また、地域の安定のために、イラクの政治移行及びイラクの回復を支持するそのような会議を歓迎することに留意する(パラ5)
国連事務総長特別代表及び国連イラク支援ミッション(UNAMI)は、状況が許せば、イラク政府の要請に基づき、
以下の主導的役割を果たす
・ 2004年7月の間における国民会議の開催支援
・ 選挙に関しイラク暫定政府、イラク独立選挙委員会及び移行国民会議に対する助言及び支援
・ 憲法起草に関し国民対話及び合意形成の促進
また、以下を行う
・ 復興、開発及び人道支援の調整及び提供への貢献
・ 人権保護、国民和解、及び司法改革の促進(パラ7)
イラク暫定政府及びその後継の権限の下で活動するイラク軍を含むイラク治安部隊を発展させるためのイラク暫定政府による現在行われている努力を歓迎する。イラク治安部隊を、徐々により大きい役割を果たし、究極的にはイラクの治安と安定の維持の責任を引き受ける(パラ8)
イラクにおける多国籍軍の駐留がイラク暫定政府の要請に基づくことに留意し、したがって、この決議に付属されている書簡を慮し、決議1511に基づき設立された統合された司令部の下の多国籍軍に対する授権を再確認する(パラ9)
国連が上記パラ7で示されたイラク国民を支援するという役割を果たすことができるよう、またイラク国民が政治プロセスのためのタイムテーブル・計画を自由かつ脅迫なしに履行することができ、復興及び復旧の活動から利益を得ることができるよう、多国籍軍は、多国籍軍の継続的な駐留に対するイラク人の要請を表明し、その任務を規定している、この決議に付属されている書簡に従い、テロの防止及び抑止によるものを含め、イラクにおける安全及び安定の維持に貢献するために、すべての必要な手段をとる権限を有することを決定する(パラ10)
この観点から、主権を有するイラク政府と多国籍軍との間の安全保障パートナーシップを確立し両者間の調整を確保するための枠組みが提示されようとしていることを記述するこの決議に付属された書簡を歓迎するとともに、この観点から、イラク治安部隊は適切なイラクの閣僚の責任があり、イラク政府は、イラク治安部隊が多国籍軍とともに活動に従事することを約束する権限を有し、同書簡に記述させた安全保障機構は、イラク政府と多国籍軍が機敏な攻撃行動についての政策を含む基本的な安全及び政策問題の全範囲について合意に達成するためのフォーラムとなり、緊密な調整と協議を通じてイラク治安部隊と多国籍軍の間の完全はパートナーシップを確保することを留意する(パラ11)
さらに、多国籍軍の権限はイラク政府の要請により、若しくはこの決議の採択の日から12ヶ月の時点において見直され、また、この権限は上記パラ4の政治プロセスが完了した時点で失効することを決定するとともに、イラク政府の要請がある場合には、この権限がより早く終了することを宣言する(パラ12)
イラクにおける国連の活動の安全を提供する任務に専念する、多国籍軍の統合された司令部の下にある別の主体を創設するとの付属された米国国務長官発書簡に示された意図に留意し、イラクで活動する国連システムの要員への安全の提供のための措置の実行には、かなりの資源が必要となることを認識するとともに、加盟国及び関係機関に対して右主体に貢献することを含めそのような資源を提供するよう要請する(パラ13)
加盟国及び国際・地域機関に対し、安全と安定及び人道復興支援に関するイラク国民の必要性を満たすことを支援するために、また、UNAMIの努力を支援するために、イラク政府との合意のとおり、多国籍軍に軍隊を含む支援を提供するよう要請する(パラ15)
CPAの解体直後、イラク開発基金の資金は、イラク政府の指示のみにより支出されることに留意する(パラ24)
米国に対し、多国籍軍を代表して、この決議の採択の日から3ヶ月以内に、その後は四半期毎を基準に、多国籍軍の努力と進展について安保理に報告を継続することを要請する(パラ31)


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