【資料02】国連安保理決議1546に対する日本政府見解(出典:首相官邸・外務省HP)

 

イラクの主権回復後の自衛隊の人道復興支援活動等について

平成16年6月18日
閣 議 了 解

平成16年6月8日、国際連合安全保障理事会において決議1546が全会一致で採択された。この決議にあるとおり、イラクにおいては、同月30日をもって占領が終了し、完全な主権が回復されることになる。
 我が国としては、イラクに完全な主権が回復され、本格的な復興に向けた新たな局面が開かれたことを歓迎する。
 これまで、我が国の自衛隊は、日本国憲法の下、イラク人道復興支援特措法及びその基本計画に基づき、イラクの人々のため、人道復興支援を中心とする活動を行ってきた。その活動は、現地で高い評価を得ており、イラクへの主権の回復後も、その活動の継続に強い期待が寄せられている。
 今般、イラク暫定政府が国際社会に対し多国籍軍の駐留を含めた支援を要請していることを踏まえたこの決議が全会一致で採択されたことを受け、イラクの復興と安定が我が国自身の安全と繁栄にとっても重要であるとの認識に立ち、イラクへの主権の回復後も、自衛隊が引き続きこのような活動を継続することとする。
 その際、この新たな決議において、これまで我が国の自衛隊が行ってきたような人道復興支援活動が多国籍軍の任務に含まれることが明らかになったこと等を踏まえ、政府として十分な検討を行った上で、自衛隊は多国籍軍の中で今後とも活動を継続する。
 6月30日以降、自衛隊は、多国籍軍の中で、統合された司令部の下にあって、同司令部との間で連絡・調整を行う。しかしながら、同司令部の指揮下に入るわけではない。自衛隊は、引き続き、我が国の主体的な判断の下に、我が国の指揮に従い、イラク人道復興支援特措法及びその基本計画に基づき、イラク暫定政府に歓迎される形で人道復興支援活動等を行うものであり、この点については、今般の安保理決議の提案国であり、多国籍軍及びその統合された司令部の主要な構成国である米、英両政府と我が国政府との間で了解に達している。
 なお、自衛隊は、これまで同様、憲法の禁じる武力の行使に当たる活動を行うものではなく、イラク人道復興支援特措法に基づき、いわゆる「非戦闘地域」において活動するものであり、他国の武力の行使と一体化するものではない。
 以上のとおり、自衛隊が多国籍軍の中で活動を行うことは、憲法との関係で許されないとしてきたいわゆる多国籍軍への参加に関する従来の政府見解を変えるものではない。
(原文はここ http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2004/0618ryoukai.html

川口外務大臣談話 イラクに関する安保理決議の採択について

平成16年6月9日

 6月8日夕刻(日本時間9日早朝)、国連安保理公式会合が開催され、イラク暫定政府設立の是認、占領の終了およびイラクの完全な主権の回復の歓迎、国連の役割の明確化、多国籍軍の任務の明確化等を内容とする安保理決議1546が全会一致で採択された。今回の決議は、イラクに主権を有する政府が設立され、政治プロセスが新たな局面に入ったことを明確に示し、イラク人自身による国家再建への努力を奨励するとともに、このようなイラク人の取組を支援する国際社会の結束強化に資するものである。わが国としては、この決議の採択を歓迎し、共同提案国である米国、英国、ルーマニアをはじめとする安保理理事国のこれまでの努力を評価する。
 また、わが国は、今回の決議の採択を受け、イラク暫定政府の下でイラクの政治プロセスおよび国家再建が着実に進展することを期待する。そのためには、政治プロセス支援における国連の主導的役割およびイラク復興における国際社会の一致した協力が不可欠であり、わが国としては、今後ともイラク復興に最大限協力する考えである。
(原文はここ http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/16/dkw_0609.html



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