市民は米軍再編に反対する
在日米軍再編・基地強化と闘う全国連絡会が記者会見




在日米軍再編・基地強化と闘う全国連絡会は4月17日、国会内で記者会見を開き、2月3日の会結成の経緯を説明するとともに、在日米軍再編に反対する各地の取り組みを紹介しました。牧島とよ子さん(神奈川県 第1軍団の移駐を歓迎しない会)の司会で、以下の地域からの発言がありました。

●安次富 浩さん(沖縄県 ヘリ基地反対協議会)
 普天間基地の名護市移転に関して協議を続けてきた、額賀防衛庁長官と島袋名護市長は4月7日、キャンプ・シュワブ「新沿岸案」で合意しました。市長は「沿岸案反対」を公約にしていましたから、名護では怒りの声が沸きあがっています。地元紙の世論調査では、名護市民の約9割が合意に反対しています。政府と名護市が普天間基地の移設について協議をしているさなかに、岸本前市長が亡くなりました。「沿岸湾反対」は岸本市長の遺言でもありました。
 新基地建設は、米国と名護市民との契約です。しかし、どのような施設ができるのか、どのように使用されるのか、内容は明らかにされていません。こんな契約がありえるでしょうか。政府の脅しに市長は負けたのでしょう。いま市長リコールを想定して、準備をすすめています。
 防衛庁が作成したパンフレットには新基地の滑走路についてV字型とし、離陸用と着陸用で分けるとしています。しかし本来滑走路は、風向きによって進入方向が変わります。一方を離陸専用、一方を着陸専用にするなど考えられません。今は、航空管制官組合などを講師にして、こうしたことも勉強していきたいと思います。
 私たちは、大浦湾の環境を守り、ジュゴンを増やし、それを沖縄の新たな観光資源にしたいと考えています。市長や助役が国と合意しても、住民は合意していません。この沖縄の思いを、ぜひ全国の皆さんに伝えたいと思います。


●伊沢多喜男さん(神奈川県 第1軍団の移駐を歓迎しない会)

 米国のラムズフェルド国防長官は、「米軍は歓迎されないところには行きたくない」と発言しました。会の名称は、その発言から取っています。これまでに、手作りのポスターを作って市内に張り出したり、ラムズフェルド長官宛に「歓迎しない」というハガキを1万枚出したりしました。また昨年は2回にわたって座間基地の包囲行動を行いました。
 米陸軍第1軍団は、太平洋地域の米4軍を統括する前線司令部です。その司令部が座間に来ることは、基地の強化・恒久化につながることであり、許すことはできません。
 座間市では行政が主催する集会が2回行われ、市長や市議会議長を先頭にして座間基地へのデモ行進を行っています。市長は保守系です。その市長がなぜ強く反対するのか。それは1972年に市と国が結んだ基地の使用協定――自衛隊は300人まで、基地の縮小・削減に最大限の努力をする――を、国が一方的に「ホゴ」にするからです。今回も「拡張される米軍基地は、座間側ではなく相模原側で協定には抵触しない」という子どもだましの回答をしているのです。


●田村順玄さん(山口県 岩国住民投票を成功させる会)

 岩国市では井原市長の発議で、3月12日に「厚木基地からの空母艦載機部隊移駐案受け入れ賛否を問う住民投票」が実施されました。投票結果は、投票率58.68%、うち反対票が87.4%(43.433票)を占めました。反対票は有権者の過半数を超えています。私たちは住民投票を成功させるために、チラシの全戸配布行動なども行いました。またポスターの張り出しもおこないました。その結果として「岩国の将来を金で買ってはいけない」という投票結果になったのです。
 3月19日、岩国市は周辺の自治体と合併して、新岩国市が生まれました。この時点で、住民投票の結果は消滅しました。また4月23日には新市長の選挙が行われます。この選挙に負ければ、国は新たな負担を押し付けてくるでしょう。負けるわけにはいきません。米軍再編に対して岩国から楔を打ち込むために、市長選の1票で国に対する「NO!!」を表明したいと思います。


●岡本せいや さん(神奈川県 厚木基地爆音防止期成同盟)
 厚木基地周辺の住民は、40年以上にわたって基地の騒音に苦しんできました。ですから艦載機の移転は「うれしい」という感情もあります。しかし私たちは、私たちの苦しみが岩国に行くこと、騒音をたらい回しにすることは許せません。
 艦載機部隊が岩国に移転したからといって、厚木の爆音が軽減されるのか? という疑問もあります。艦載機が岩国基地に移転しても、硫黄島でのNLP訓練や、大島沖合での戦闘訓練に際しては、厚木基地に立ち寄る可能性があります。また艦載機の整備は岩国で行われるのか、空母キティーホークの整備員は移転するのか。こうした疑問に国は「分からない」「米軍の運用上の問題である」としかいいません。
 神奈川県内の基地が強化される中で、厚木基地から岩国基地への空母艦載機の移転は、県内の反基地運動の「ガス抜き」して考えられているのかもしれません。
 しかし、艦載機の爆音は米国に帰るべきです。私たちは岩国の人々と力をあわせて、艦載機に反対します。


●金子ときお さん(神奈川 第1軍団の移駐を歓迎しない会)
 日米両国政府は、5・6月中に米軍再編の「最終報告」で合意するかもしれません。しかし私たち住民は、日米の合意を認めません。住民が受け入れに合意しない限り、基地の再編はできないのです。
 これまで、基地に反対する運動は各地にありましたが、今回初めて、基地を抱える地域の市民団体が連携しました。これは反基地運動の大きな前進です。また自治体が率先して基地に反対することも、これまでにはありませんでした。
 今後は、地域の反基地運動と、自治体などを連携させたとりくみ、シンポジウムや交流などを企画したいと思います。



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