【第8回 非核・平和条例を考える全国集会 in 東京】

報告
テーマ:「東京都における防災訓練の実態」
報告者:鈴木純一さん(自治労都庁職)


全国からご苦労様です。私からは、石原都政下の防災訓練について、その実態を簡単に報告させていただきます。資料は別刷りにしてお配りしてあります。資料の3ページ目に、石原都政下の防災訓練の実態について表にしてあります。そちらをご覧になりながら、聞いていただければと思っております。

 皆さんご存知のように、石原知事は「自衛隊は軍隊だ」と、こういう認識です。その足元で労働組合をやっておりまして、組合員が防災訓練へ動員される、あるいは業務として参加をするという関係です。
 東京都の防災訓練は、1973年から始まりました。1年おきに23区域内と多摩地区を交互に会場にして訓練をやってきました。1977年からは、9月1日の「防災の日」に合わせてやっています。また80年からは近県の1都3県に政令都市を合わせて、6都県市での合同訓練になりました。現は政令都市が増えたという関係で8都県市合同の訓練として、総合防災訓練をやっているという状況にあります。
 当局の方は、「自衛隊は防災の有力な機関だ」ということで、自衛隊も参加しています。労働組合としては、防災訓練そのものに反対ということではありませんが、「都民が参加する都民のための真の防災訓練」を求めて、そういう視点から東京都に対して、「都民の命と財産を守る訓練にすべきだ」ということで申し入れをしてきた関係にあります。自衛隊の防災訓練への参加については、「防災訓練が軍事訓練や治安訓練にすり替えられる恐れがある」ということで、従来から反対を申し入れてきました。また、監視行動も続けてきました。

 石原知事は1999年に就任し、今年で丸9年になります。99年の防災訓練では、知事に就任したばかりですが、前年の倍くらいの自衛隊員を動員して防災訓練を実施しました。たまたま、その年は、東京都が7都県市の広域訓練の主たる会場に設定をされたという関係もあります。
 その翌年の2000年の防災訓練では、石原知事は自衛隊の参加を全面に打ち出して、「ビックレスキュー東京2000」と大々的な宣言を打って、これまでの13倍にもなる7100人の自衛隊を動員しました。自衛隊が全面的にでたことで、マスコミからも「治安訓練ではないか」と報道されました。資料の最後の方に、「写真で見る 9.3「防災訓練」の実体」を付けています。写真を見れば分かるとおり、「防災訓練が治安維持訓練に」、と思われるような訓練でした。
 2001年も引き続き、「ビックレスキュー」という名称で、同様の訓練をやりました。当局は「今年度の訓練により、大都市における防災訓練のフォーマットを完成させる。昨年に引き続き、警察・消防・自衛隊等の総合的な組織力・機動力を活用する」といっていました。自衛隊の参加は2000人と縮小しましたが、前年同様に前面に出た訓練でした。
 2002年から2005年までは、統一テーマ「連携と協働」を出して、住民主体の訓練の色彩を強めてきたという経過にあります。自衛隊は210人と縮小しています。
 2006年になると少し変った形になります。米軍が参加するようになったのです。2001年から、横田基地を使用する訓練は行われてきました。しかし、基地施設は使っても、中身は自衛隊・警視庁・消防庁などが運搬するというような形でした。ところが2006年からは、米軍そのものが参加することになったのです。横田基地では、米軍のヘリコプターが参加しました。また帰宅困難者の海上輸送に米軍艦船を使用して、横須賀基地に非難する訓練の行いました。
 「米軍の参加実態を明らかにするように」と当初から申し入れているのですけれども、テロの関係があるということで、米軍の行動はプレス発表も直前です。前日まで、何処に接岸するのか、どういう形でやるのかはふせています。当日になってみないとよく分からない。

 昨年は、横田基地の使い方に変化がありました。新聞等の報道では、基地内に消防車が入って基地を通過したとなっています。横田基地は周辺の5市町村と隣接しています。そこの広域連携ということです。しかし、実際に基地内に入れるのは、予め登録した人間だけという状況です。
 そういう意味では、石原知事の姿勢そのもの。「自衛隊を軍隊として認知させる」、あるいは「横田基地を軍民共用化する」という流れの中にあるのだというふうに思えます。

 東京都は国民保護計画を策定しました。2006年3月に策定して、2006年の11月10日に、「大規模テロ災害対処共同訓練」を実施しました。2007年も引き続き実施されました。
 石原知事は、米軍との連携をさらに強めたいと考えているようです。実際にここ2年間で強化されています。労働組合としては、これまでも監視活動を続けてきましたが、今後もいっそう警戒を強めなければいけないと考えています。以上、簡単ですけれども、東京都の防災訓練の実態についてのご報告とさせて頂きます。どうもありがとうございました。


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