【資料 2】原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災事故に関する政府の見解ほか


※以下は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災事故に関して、日・米政府が発表した文書を、各サイトから転載したものです。文末に記したURLは、元記事のある場所へのリンクです。


■外務省からの発表

米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災に係る米政府発表
(ズムワルト首席公使及びケリー在日米海軍司令官から西宮北米局長への説明)

平成20年7月31日

1.7月31日(木曜日)午後、ズムワルト在京米大首席公使及びケリー在日米海軍司令官が西宮北米局長を来訪の上、日本時間同日朝に行われた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災原因及び関係者の処罰等に係る米海軍発表の概要につき、記者発表文(仮訳別添)を踏まえ、説明を行ったところ、先方説明のポイントは以下のとおり。(なお、昨30日夕刻、ズムワルト首席公使から西宮局長に対して骨子同様の事前通報があった。)

(1)規則上認められない喫煙を原因として、隣接した区画に不適切に保管されていた可燃性液体及び他の可燃性物資に引火した結果、火災が発生した可能性が高い。

(2)火災は、無人の補助ボイラー排気・供給区画で発生したが、隣接区画及び空調設備の位置及び形状が煙突のような効果を生じさせたことから、消火に約12時間を要した。

(3)ダイコフ「ジョージ・ワシントン」艦長(海軍大佐)を、指揮能力に対する信頼が失われたこと、また、任務の要求及び即応態勢の水準を満たすことができなかったことを理由として、解任した。同じくドーバー副艦長を解任した。

(4)なお、本件火災発生直後に、海軍の全艦船に対して、艦内の物資の適切な保管を徹底するよう指示が出されている。

(5)今回のような火災は原子炉・推進機関の安全性に影響を与えるものではない。


2.これに対し、西宮北米局長より、概要以下を述べた。
(1)日本政府としては、今回の米海軍による調査は、専門的見地から十分かつ客観的に行われたものと承知しており、本件火災に関し十分な説明が得られたと評価している。

(2)艦長の解任など厳しい措置がとられたことも、米側の本件火災に係る真剣な姿勢、規律の一層の強化への取組を示すものであると認識している。

(3)今回の火災を受け、米海軍においては、既に徹底した再発防止に取り組んでいるものと承知しているが、引き続きこれに努めてほしい。


 なお、米側からは、今回のような火災は原子炉・推進機関の安全性に影響を与えるものではない旨の説明が改めてあったが、いずれにせよ、米国政府は累次の機会に、原子力空母を含む原子力軍艦の安全性を保証してきている。政府としても、一昨年4月に米側が発表した原子力軍艦の安全性に係る「ファクト・シート」等を踏まえ、米国の原子力軍艦の我が国寄港時の安全性を改めて確信したところである。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/7/1182220_912.html


【仮訳】

米海軍航空部隊司令官記者発表:
空母「ジョージ・ワシントン」に係る調査完了及び艦長等の解任

(米国時間7月30日(日本時間7月31日))


ウィラード太平洋艦隊司令官(海軍大将)は、2008年5月22日に空母「ジョージ・ワシントン(CVN73)」の艦上で発生した火災の調査に対し、最終的な承認を与えた。ウィラード司令官の指示に基づき、キルクライン太平洋海軍航空部隊司令官(海軍中将)は、本日、空母「ジョージ・ワシントン」のダイコフ艦長(海軍大佐)を、指揮能力に対する信頼が失われたこと、また、任務の要求及び即応態勢の水準を満たすことができなかったことを理由として、解任した。

指示に基づき、キルクライン司令官は、「ジョージ・ワシントン」のドーバー副艦長(海軍大佐)を、職務実績が基準以下であることを理由として、同じく解任した。

米太平洋軍副参謀長を務めていたハーレイ大佐が、空母「ジョージ・ワシントン」の指揮をとることとなった。同大佐は、2005年6月から2008年1月まで、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト(CVN71)」の艦長を務めた。

2007年7月から空母「ドゥワイト・D・アイゼンハワー(CVN69)」の副艦長を務めてきたトーマス大佐が、「ジョージ・ワシントン」の副艦長に任命された。

海軍作戦部長(注:米海軍トップ)は、法務部長規則書に則った調査を太平洋艦隊司令官が指揮をとって実施することを指示した。本件調査は、規則上認められない喫煙を原因として、隣接した区画に不適切に保管されていた可燃性液体及び他の可燃性物資に引火した結果、火災が発生した可能性が高いと断定した。火災及びそれに続く延焼の規模は、防止し得た人為的行為の結果である。特に、冷媒圧縮油を許可されない区画に保管していたことが、火災を激しくした。

火災は、無人の補助ボイラー排気・供給区画で発生したが、隣接区画及び空調設備の位置及び形状が煙突のような効果を生じさせたことから、消火に約12時間を要した。37名の船員が、消火活動の際に生じた軽微な負傷につき治療を受け、そのうち1名の船員は第1度及び第2度の熱傷の治療を必要とした。全体で3800強の艦上の区画のうち約80の区画が火災により被害を受けた。

今回の艦上の火災を直接の原因とする「ジョージ・ワシントン」の修理費用は、概算約7千万ドルである。これは、公的及び民間部門による艦船修理活動から生じる資機材費及び労務費を含んでいる。

「ジョージ・ワシントン」の修理はほぼ完了しており、カリフォルニア州サンディエゴ市を8月21日に出港し、9月下旬に横須賀に到着すると見込まれている。「ジョージ・ワシントン」と米海軍が保有する最後の通常型空母である「キティ・ホーク(CV63)」との交替は、8月7日の「キティ・ホーク」のサンディエゴ到着をもって開始される予定である。(了)

http://www.mofa.go.jp/ICSFiles/afieldfile/2008/07/31/Att.pdf


■防衛省からの発表

防衛事務次官会見 08年7月31日


Q:米海軍の空母「ジョージ・ワシントン」の火災について、米海軍は「規則に反した喫煙が火災の原因だと見られる」と発表をしました。横須賀基地に配備される予定の原子力空母がこういった火災を起こしたことについて、防衛省としてどのようにご覧になりますか。評価をお聞かせ下さい。

A:ご指摘のように、日本時間で言えば本日7月31日、米海軍が去る5月22日の原子力空母「ジョージ・ワシントン」の火災に関しまして、その発生原因や関係者の処分の概要を発表したと承知しておりますし、火災の原因については規則上認められない喫煙を原因としているということであったと思っております。私どもとしては、今回の米海軍による調査というものは専門的な見地から行われたものと承知しているところでございます。また、発表されておりますけれども、艦長また副艦長が解任される等、厳しい措置もとられているというふうに承知をしております。そういった意味で、米側の本件火災に係る真剣な姿勢を示すものであると認識しているところであります。また、この火災を受けて米海軍におきましては、徹底した再発防止に取り組んでいるものと承知をしているところでございます。また、米側からは別途今回のような火災は、この原子力空母の原子炉や推進機関の安全性に影響を与えるものではない旨の説明も行われていると承知をしているところでございます。


Q:説明というのは、どこからどこへの説明ですか。

A:基本的に公式という意味では、東京の大使館から外務省に対してあったというのが、外交等ルートという意味での説明であろうと思っておりますけれども、私どもにも連絡はございました。


Q:「ジョージ・ワシントン」の件なのですけれども、何か例えばこの間、米側の方は、当時大した事故ではないというふうにあまり大きく重大な事案というふうに日本には伝えていなかったと思うのですけれども、例えば今回こういう形で、非常に初歩的なミスが明らかになったことで改めて防衛省として何か米側に申し入れたり、抗議をしたり、そういうことは考えていますか。

A:ご質問の冒頭に触れられておりました米側の受け止め方について、私としては「どうであったかな」と思っておりますけれども、今回こういう形で米側が発表されましたけれども、事故というもの、特にこういう形の事故というものはあってはならないということだろうと思っておりますので、私どもとしては折に触れて米側にもそういう点については、申し入れていきたいというふうに思っております。


■米海軍ニュース

USS George Washington Investigation Complete, Senior Leadership Relieved
Story Number: NNS080730-13  Release Date: 7/30/2008 4:58:00 PM


From Commander Naval Air Forces Public Affairs

NAVAL STATION NORTH ISLAND, Calif. (NNS) -- Commander, U.S. Pacific Fleet, Adm. Robert F. Willard, issued a final endorsement to the investigation of a fire that occurred aboard USS George Washington (CVN 73) on May 22. As directed by Adm. Willard, Commander, Naval Air Forces Pacific, Vice Adm. Thomas J. Kilcline, Jr., relieved the Commanding Officer of USS George Washington (CVN 73), Capt. David C. Dykhoff, today due to a loss of confidence in his ability to command and his failure to meet mission requirements and readiness standards

As directed, Kilcline also relieved the George Washington Executive Officer, Capt. David M. Dober, for substandard performance

Capt. J.R. Haley, previously assigned as Deputy Chief of Staff to Commander, U.S. Pacific Command, has taken command of Washington. Haley commanded the nuclear powered aircraft carrier USS Theodore Roosevelt (CVN 71) from June 2005 to January 2008


Capt. Karl O. Thomas, who has been serving as executive officer of USS Dwight D. Eisenhower (CVN 69) since July 2007, has been reassigned as George Washington's executive officer.

The Chief of Naval Operations directed the Manual of Judge Advocate General investigation headed by the Commander, U.S. Pacific Fleet. The investigation determined that the likely cause of the fire was unauthorized smoking that ignited flammable liquids and other combustible material improperly stored in an adjacent space. The fire and the subsequent magnitude of the fire were the result of a series of human acts that could have been prevented. Specifically, the storage of 90 gallons of refrigerant compressor oil in an unauthorized space contributed to the intensity of the fire.

The fire, which occurred in an unmanned Auxiliary Boiler Exhaust and Supply space, took approximately 12 hours to extinguish due to the location and geometry of adjacent spaces and ventilation systems that created a chimney effect. Thirty-seven Sailors were treated for minor injuries incurred during fire fighting efforts, with one Sailor requiring treatment for first and second degree burns. Approximately 80 out of over 3,800 total spaces aboard the carrier were damaged by the fire.

The estimated cost of repairs to George Washington as a direct result of the shipboard fire is approximately $70 million. This includes cost for material and labor cost from the public and private sector ship repair activities.

epairs to George Washington are nearly complete and she will depart San Diego, Calif., on Aug. 21, with an arrival in Yokosuka, Japan expected in late September. George Washington's turnover with the U.S. Navy's last conventionally-powered aircraft carrier, USS Kitty Hawk (CV 63), will begin upon Kitty Hawk's arrival in San Diego on Aug. 7

http://www.navy.mil/search/display.asp?story_id=38840



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