その5
ミサイル防衛の総費用はいくらかかるのか?


 これまで、ミサイル防衛の技術面をみてきました。今回はミサイル防衛にどのくらいのお金がかかるのかを、調べてみます。情報公開法によって防衛庁から入手した資料に、以下の記述がありました。

●「平成16年度概算要求関連想定問答 ミサイル防衛 2003年8月」
問10 今後のBMDシステムの全体的な整備計画の概要及びその経費の見積もり如何。

(応答要領)
1.今後のBMDシステムの整備は、最終的には各年度の予算を通じて確定されるべきものであるが、防衛庁としては、当面、4隻の現有イージス艦と16個ユニットのペトリオットシステムへのBMD機能の付与、4基の新型レーダーFPS−XXの整備、そして、それらを連接・統制するためのバッジシステムの改修などを行っていきたいと考えている。

2.この場合の経費については、現時点で確たることは申し上げられないが、敢えて申し上げれば、現時点での防衛庁の見積もりでは、関連維持整備経費を除けば5千億円程度(関連維持整備経費を含めると7千億円程度)ではないかと見込んでいる。

 ミサイル防衛にかかわる予算の総額は明らかにされていませんが、防衛庁の見積もりとしては、5000億円程度(関連維持整備経費を含め7000億円程度)のようです。ミサイル防衛の当面の整備は、04年度から11年度にかけて行われますが、07年度までですでに5567億円を使っています。

●各年度のミサイル防衛関係予算
  04年度   1068億円
  05年度   1198億円
  06年度   1399億円
  06年度補正     76億円
  07年度   1826億円

 これだけ多額の予算をつぎ込みながら、ミサイル防衛の能力についてのデータは、国会審議にすら提出されることがありません。また「何発のミサイルを購入したのか、単価はいくらか」といったことも秘密です。私たちには、「高い迎撃率」や「日本全土の防衛が可能」といった、防衛省の言葉を信じるしかないのです。


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