「オスプレイ沖縄配備阻止!」「日出生台日米共同訓練反対!」
九州ブロック総決起集会

●2012年8月18日(土)13:00~
●大分県玖珠町 / 日出生台演習場ゲート前


●玖珠川河川敷には九州各県から2000人を超える人々が集まりました。

 『「オスプレイ沖縄配備阻止!」「日出生台日米共同訓練反対!」九州ブロック集会』が8月18日午後、大分県玖珠町の玖珠川河川敷で開かれました。主催は日出生台対策会議と九州ブロック労組連絡会議です。集会には地元大分県をはじめとして九州各県から、2000人を超える人々が集まりました。
 アメリカ海兵隊は今年10月にも、MV-22オスプレイの普天間基地での運用を開始しようとしています。さらに運用開始後は、日本全国6ルートでの低空飛行訓練を定期的に実施することが明らかになりました。この低空飛行訓練には、大分県・福岡県・熊本県・宮崎県の上空を飛行する通称イエロールートと、沖縄諸島から鹿児島県の奄美諸島・南薩諸島を飛行する通称パープルルートが含まれています。
 また大分県の陸上自衛隊日出生台演習場では、10年ぶり5回目の日米共同演習が、8月19日から30日の日程で実施されます。
 今回の集会は、この2つの問題に反対し、抗議の声を上げるために開かれました。
 以下に集会の様子をお伝えします。



●司会 河野泰博さん(大分県平和運動センター事務局長)
 集会は河野さんの司会で始まりました。河野さんは9月9日には沖縄県民大会が開かれる。九州各県からも積極的に参加しよう。日米安保破棄を実現しようと、力強く訴えました。


●主催者あいさつ 内田淳一さん(日出生台対策会議議長)
 政権交代から、まもなく3年が経とうとしています。自民党政権に代わって誕生した民主党政権に対して、私たちは大きな期待を持ったことは事実であります。
 しかし、そのことごとくが裏切られ、いまや失望の中におかれていると言っても過言ではありません。
 そうした中で特に目に余るのが、アメリカ追従外交だと考えています。中でも防衛問題は、アメリカのいいなりです。日本の主権は、いったいどこにあるのでしょうか。野田総理や森本防衛大臣の言動を見るにつけ、聞くにつけ、そう感じているのは皆さんも同じではないでしょうか。
 その象徴の一つとして、日米共同訓練が明日から日出生台で行われることになりました。日出生台は毎年毎年、海兵隊による155ミリりゅう弾砲の演習が行われています。5年1回、海兵隊が演習をしない年がありますが、今年がその年に当たります。ところがそこに、共同訓練が入って来ました。今回で5回目です。
 今回の演習の内容は何か、どれだけの兵員が来るのか、いつ装備が送られてくるのか、兵員はどのようなルートで日出生台に来るのか、全てのことが公開されていません。未だかつてない情報制限であります。このように秘密裏に演習が行われています。
 日出生台を沖縄に続く基地にしないために、これまで行動をしてきました。そしてまた情報公開を求めてきました。地域住民の安心・安全を守るために要求してきました。しかし我々の要求を、防衛省・防衛局は、聞くだけで何も進展がありません。しかし、こうして声を上げ続けることが、何としても必要であると思います。
 日出生台はいま、緑にあふれています。農業に携わる皆さんは、日出生台で牧草を刈り、牛を放牧して生活をしています。最も大切な時期に、なぜ演習を行うのか。何も回答は出されていません。
 オスプレイの配備の問題も、連日報道で伝えられています。既に岩国に機体が搬入され整備されて、政府のいうことにはまもなく、沖縄の普天間基地に配備すると言うことであります。沖縄県民の皆さんが、どういう思いでこの報道を見ているのでしょうか。察するに余りあります。
 私たちは、世界で最も危険な軍用機であるオスプレイの配備を認めることはできません。オスプレイが配備されると、岩国基地に飛んできて、そこから全国6ルートで演習すると言われています。福岡・熊本・宮崎・大分を結ぶイエロールートでも、夜間飛行訓練や低空飛行訓練が行われるようです。このような危険なオスプレイを、私たちの空に、飛ばすわけにはいかないのであります。
 こうした厳しい事態を受け止めて、何としてもこの2つの問題に対していきたいと思います。
 わが国は国民の思いとは異なる方向に歩みを進めています。憲法を変えて、軍備を増強しても、平和を守ることはできません。私たちはこうした動きに、断固抗議するために、強い怒りを込めて本日の集会を開催したのです。思いを共有し、闘いを拡げることになればと主催者として決意するところです。がんばりましょう。


●主催者あいさつ 梶原正実さん(九州ブロック労組連絡会議代表)
 九州各県から、また大分県内から結集した皆さん。大変お疲れ様です。
 以前、玖珠町での反対集会に来た時に、色々な方からお話を伺いました。農業についてもお聞きしました。なぜこの大切な日出生台に米軍が来て演習をするのかというお話でした。
 ところが今回は米軍だけではありません。自衛隊もやってきて、日米合同演習をやる。軍事訓練をやる。いま話がありましたが、牧畜をされている方たちには、大切な時期です。その住民の生活を守らないで、どこに向いて軍事訓練を行おうというのでしょうか。日本政府は間違った方向に進んでいます。
 オスプレイを、沖縄県の普天間基地に配備すると言うます。7月に沖縄に行ってきました。普天間基地前で座り込みをしている皆さんを激励しました。普天間基地の周辺には多くの住宅があり、小学校・中学校・幼稚園・保育園があります。そんな中に、この危険なオスプレイを配備することが、日本のため、国民のために大切なことなのでしょうか。絶対に配備してはならないと考えることは、簡単なはずです。
 しかし日本政府、防衛省は、何が何でも配備しようとしています。アメリカには「NO」と言えない。そういう態勢ができています。
 森本防衛大臣がアメリカでオスプレイに試乗し、「快適であった」と発言しました。何ということでしょうか。オスプレイはどのようなもので、どのような危険性があるのか。日本に配備すると何が起こるのか。そうしたことを全く無視し、アメリカ追随のために「快適だ」とコメントを出す。
 さらにはモロッコでの墜落については、「副操縦士のミス」という報告を認めました。このような防衛大臣や日本政府に、今の政治を任していいのでしょうか。
 低空飛行についても、色々な人々が、「大丈夫なのか」「安全なのか」という疑問を持っています。昨日の新聞記事に、アメリカ海兵隊司令官の「オスプレイの飛行は住宅地を避ける」というコメントが出ていました。アメリカ自身がオスプレイの危険性を言っているのです。そのオスプレイを普天間基地に配備し、全国6ルートで行う低空飛行訓練を絶対に許すわけにはいきません。
 九州ブロックは一致団結して、オスプレイ配備を阻止し、武力で平和は作れない、日本から基地を撤去するまで闘い抜きましょう。


●連帯あいさつ 重野安正さん(衆議院議員・社民党幹事長)
 本日の集会は、オスプレイの沖縄配備に反対する、そして明日から始まる日出生台での日米共同訓練に強く強く抗議する集会です。
 この玖珠川の河川敷は、九州における軍事演習反対運動の拠点になっています。もう何度、この場所で、米軍の演習、自衛隊の演習、そして日米共同演習に、抗議の声を上げたでしょうか。
 それにもかかわらず、日出生台での演習は止まるところをしりません。10年ぶりに自衛隊と米軍が、共同して作戦を遂行するための演習を行うのです。
 ことしはさらに、オスプレイの沖縄配備の問題が加わりました。アメリカで評判の悪いオスプレイを、日本に導入する。今後も事故を起こす可能性が大なオスプレイを沖縄に導入しようとする。日本政府は最初から、反対することは無理だ、日米関係はそんな関係ではない、この国の閣僚がそう発言するのです。
 日本とアメリカの関係が、そういう関係だと言うことを、この問題を通して指摘することができるのです。だから政府に任せず、我々が頑張らなければならないと、強く決意をするものです。
 先日、陸上自衛隊の無人ヘリコプターが日出生台の演習場を飛び出して、民有地に墜落した。もしそこに人がいれば、それは殺人ヘリコプターになったでしょう。防衛省にも確認しましたが、そうなったでしょうと答えました。この問題では来週にも、防衛省に対する交渉を行います。いま日出生台の演習場がもたらす、様ざまな現象・現実があります。それぞれに対して私たちは、的確に抗議の声を上げていかなければなりません。それが主権者である私たちの任務です。
 米軍と自衛隊の関係が良くても、米軍と私たちの関係が良いわけではない。私たちとアメリカのしっかりした関係を作っていかなければならないと思います。
 私は臼杵市に住んでいますが、うちの集落から電話がかかって来ます。低空飛行の問題です。最近夜中に飛行機が飛ぶ。米軍か自衛隊か分からないが、みんなびっくりして夜中に家の外にでる。そんな電話がかかって来ることは、今までに経験がありませんでした。これについても防衛省に強く抗議し、大きな問題にしていかなければなりません。
 社会民主党は皆さんと連帯して、精一杯頑張っていきます。ありがとうございました。


●連帯あいさつ 藤本泰成さん(平和フォーラム事務局長)
 この地に本当にたくさん人が集まってくださいました。平和を求め、オスプレイをアメリカへ返す、そういう思いで集まった皆さんに、心から敬意を表します。
 皆さんご承知の通り、いまの日本の外交は大きく揺れています。韓国のイ・ミョンバク大統領が竹島(独島)に上陸しました。尖閣諸島には民間の運動組織の方が上陸しました。これは日本がアメリカ追随で、独自の外交をしてこなかったツケが、いま出てきているのだと思います。
 私たちはアメリカの呪縛から離れて、アジアを向いて、すぐ隣はアジアなのですから、アジアとの新しい関係、友好的な関係を築いて、自らの手で外交を行って、私たちの安全を守っていこうと決意する時ではないでしょうか。
 オスプレイは私たちを守るために来るのではありません。オスプレイは海兵隊存続のために来るのです。アメリカ軍が日本に居続けるために来るのです。そのことに口をはさめない日本は、本当に独立した国なのでしょうか。そのことを改めて、問うていかなければなりません。
 皆さんの大きな思いを、沖縄と九州と全国を結んでオスプレイ配備を阻止する。そのことが私たちが新しいステージに立って、平和な社会を築くために、本当に必要なのだと思います。
 平和フォーラムは皆さんと一緒に、最後まで闘い抜きます。がんばりましょう。


●現地報告 崎山嗣幸さん(沖縄平和運動センター議長・沖縄県会議会議員)
 九州各県から結集された仲間の皆さんに、心から敬意を表します。皆さんの熱意、オスプレイ配備反対、日出生台演習反対の皆さんの熱い思い連帯して、ひとことあいさつを申しあげます。
 普天間基地に対して、欠陥機オスプレイの配備を、10月にもしようとする日本政府の動きがあります。この普天間基地は1996年のSACOで返還が合意されてから、16年も放置されています。その間には沖国大にCH-53ヘリが墜落して、沖縄県民に大きな衝撃を与えました。その普天間基地を閉鎖するための、沖縄県民の大きな闘いが沸き起こっています。その普天間基地に、30年前から開発され、墜落をくり返しているオスプレイを配備しようといているのです。
 これまで沖縄では、幾度となく米軍のヘリが墜落しました。その度に日米両政府は「安全性」を繰り返し言ってきました。日米安保体制が日本の安全を守っているのだと、繰り返し言ってきました。沖縄県民の怒りは限界に達しています。私たち沖縄県民のオスプレイ配備に反対する闘いが、9月9日に県民大会として行われます。
 この間の県議会の決議や市町村議会の決議を通して、いま自民党から共産党まで、党を超えて実行委員会を作って、労働団体や社会団体が参加しています。私たち沖縄平和運動センターからも事務局員を派遣して、その彼が実行委員会の中心で集会の成功に向けてがんばっています。私たちは最大規模の結集を図って、皆さんの力もお借りして、欠陥機オスプレイの配備を阻止していきます。
 9月の県民大会を成功させ、10月配備阻止に向けた連続した行動を行っていきます。沖縄県に帰ってからも、皆さんとの連帯を深める闘いを続けていきたいと思います。


●集会宣言 山野寿美さん(玖珠地区センター)


●シュプレヒコール 川上善広さん(大分県青年協)


 集会参加者の皆さん







陸上自衛隊日出生台演習場ゲート前での抗議行動
玖珠川河川敷での集会終了後、参加者はバスで日出生台演習場ゲート前に移動し、日米共同訓練反対の抗議行動を行うとともに、防衛省に対する抗議文を手渡しました。


●ゲートのフェンス越しに、海兵隊の車両が走っているのが見えました。写真中央の車両は砂漠戦仕様のタン色に塗装されたハンビーです。


●梶原九州ブロック代表から、九州防衛局の職員に抗議文を手渡しました。写真中央は、吉田忠智参議院議員(社民党)です。


●基地に向かって習プレイ日コールを行いました。

映像へのリンク 「九州ブロック総決起集会」
http://www.youtube.com/watch?v=-JViV7LW0w8&feature=youtu.be

関連する新聞・テレビの記事
大分合同新聞2012年8月19日
●オスプレイの配備等2千人「反対」 玖珠町で総決起集会
 県平和運動センターなどでつくる日出生台対策会議(内田淳一議長)と九州ブロック労組連絡会議は18日、玖珠町の玖珠川河川敷で、「オスプレイ沖縄配備阻止」「日出生台日米共同訓練反対」を掲げ、総決起集会を開いた。
 九州各地から約2千人(主催者発表)が参加。内田議長は「米軍訓練の恒常化を防ぐためにも声を上げ、戦いの輪を広げる一歩にしたい」とあいさつした。
 崎山嗣幸沖縄平和運動センター議長は、新型輸送機MV22オスプレイの配備計画に対し、島を挙げて反対している状況を説明。9月に沖縄で開催する県民集会への連帯を呼び掛けた。
 「戦争をする国への変貌を止めるために共同訓練は断じて許せない」などとする集会決議を出し、カンバローを三唱した。
 参加者は日出生台演習場に移動し、オスプレイの配備撤回などの要求書を九州防衛局の担当者に渡した。


OBS(大分放送)2012年 8月18日
●日米共同訓練・オスプレイ配備反対集会
 19日から日出生台演習場で始まる日米共同訓練を前に訓練実施などに反対する集会が玖珠町で行われました。
 平和運動センターなどが主催した集会には九州各県からおよそ2000人が参加。
 日出生台対策会議の内田淳一議長が「日米共同訓練の恒常化を許すことはできない。また最も危険といわれる新型輸送機・オスプレイの沖縄配備を認めることはできない」と訴えました。
 このあと共同訓練とオスプレイ配備に断固として反対する集会決議を採択しました。
 内田議長は「情報の開示は今までの訓練の中で最も厳しくなっているように感じている。そういった秘密主義の中で県民の安全や安心がどのように確保できるかということについても大変心配してる」と話していました。
 日出生台演習場での日米共同訓練は19日から30日まで実施され23日と24日には実弾射撃訓練が予定されています。
http://www.e-obs.com/obs-news/genko/DD08180020787.html


TOS(テレビ大分)08月18日
●日米共同訓練などの反対集会
 19日から日出生台演習場で日米共同訓練が始まるのを前に玖珠町で18日に訓練の実施やオスプレイの配備に反対する集会が開かれました。
 反対集会を開いたのは県平和運動センターなどでつくる日出生台対策会議のメンバーなどで18日は玖珠川の河川敷に2000人以上が集まりました。
 この中では19日から日出生台演習場で始まる日米共同訓練に反対することや大分県上空でも訓練が予定されるアメリカ軍の垂直離着陸輸送機オスプレイの配備を許さないといった内容を盛り込んだ集会決議が採択されました。
 参加者たちはシュプレヒコールで気持ちをひとつにしたあと日出生台演習場の入り口付近で抗議集会を開いたほか防衛大臣への抗議文も提出したということです。http://www.tostv.jp/news/backnum.php


朝日新聞2012年08月20日
●日米共同訓練反対2000人集会
 日出生台演習場で19日に始まる日米共同訓練や、米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄配備に反対する集会が18日、玖珠町の玖珠川河川敷で開かれた。県内や九州・沖縄から労組員ら約2千人が参加。九州防衛局の職員に抗議文を手渡したほか、演習場前ではシュプレヒコールで気勢を上げた。
 県平和運動センターや社民党県連合などでつくる日出生台対策会議と九州ブロック労組連絡会議が「九州ブロック総決起集会」として開いた。会場では、日出生台対策会議の内田淳一議長が「いまだかつてないほどの厳しい情報統制の中、秘密裏に演習が行われる。
 日出生台では牧草を刈り、牛を放牧して生活している方々がいる。最も大切な時期に何で演習をするのか。納得いく回答はない」などと訴えた。
 参加者の一部は集会後、日出生台演習場の正門ゲート前に移り、改めて抗議集会を開いた。「オスプレイ配備の撤回を求める要求」と題した森本敏防衛相あての抗議文を九州防衛局の職員に手渡し、「マリーンズ ゴー ホーム(海兵隊は帰れ)」などと大声をあげて抗議の意思を示した。
 日出生台での日米共同訓練は1987年に始まり、今回で5回目。別府駐屯地の陸上自衛隊とキャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)の米海兵隊が参加し、戦車やヘリコプターなどが使われる予定だ。(伊藤稔)
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000001208200001


毎日新聞 2012年08月19日 地方版
●日米共同訓練:2000人が反対集会−−玖珠川河川敷 /大分
 日出生台演習場での日米共同訓練反対などを訴える総決起集会が18日、玖珠町の玖珠川河川敷であった。日出生台対策会議などの主催で、九州内の労組から約2000人が参加したという。
 「沖縄に米軍基地はいらない」「日米共同訓練反対」とシュプレヒコールを上げた。
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備阻止も主張。社民県連合代表で、日出生台対策会議の内田淳一議長は「厳しく情報制限されているが、(反対の)声をあげ続けることが必要。世界で最も危険なオスプレイを我々の空に飛ばすわけにはいかない」と力を込めた。【佐野優】
http://mainichi.jp/area/oita/news/20120819ddlk44010376000c.html

 


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