【新テロ特措法を廃案へ 自衛隊のインド洋派遣は反対】

■テーマ3.新テロ特措法の問題点


テロ特措法は、期限切れをむかえました。しかし福田内閣は、米国の進める「テロとの戦い」への参加を続けるために、国会に新テロ特措法案を提出しました。新テロ特措法案は、11月13日に衆議院本会議で可決されました。しかし野党が多数の参議院では、否決される見通しです。そこで政府・自民党は、憲法59条2の「衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」という条項を使って法案を成立させようとしています。


1.国会承認の削除

 テロ特措法では、海上自衛隊の活動内容は@協力支援活動(燃料・水などの補給)、A捜索救助活動、B被災民救援活動――の3つでしたが、新テロ特措法では補給支援活動の1つになりました。また、海上自衛隊が行動する地域がインド洋に限定されました。これらは活動実態にあわせて条文を変えたものであり、決して自衛隊の活動が制限されたわけではありません。新テロ特措法でより重要な問題は、国会承認が無くなったことです。

 テロ特措法では、自衛隊が活動を開始した日から20日以内に国会に付議して承認を得ること、国会が承認しない場合は活動を終了させることを定めていました。新テロ特措法案からは、国会承認が削除されたのです。

 自衛隊法を始めとして、PKO法・周辺事態法・旧テロ特措法・イラク特措法など、自衛隊が出動する法律は全て、国会承認を必要事項にしています。

 ではなぜ新テロ特措法案からは、国会承認が削除されてしまったのでしょうか。与党が多数の衆議院では新テロ特措法が可決しましたが、野党が多数の参議院では否決される見通しです。その際に与党は衆議院での再可決によって、法案を成立させようとしています。

 ところが国会承認には、衆議院での再可決という制度がありません。野党が多数の参議院で海上自衛隊のインド洋派遣を非承認すれば、自衛隊は撤退しなければならないからです。

 自衛隊が出動する際の国会承認は、自民党の側が作ってきたシビリアンコントロールの原則でした。しかしそれを今回は、党利党略で削除してしまったのです。このままでは参議院は、自衛隊に対するシビリアンコントロールを行うことができなくなるのです。



【資料】テロ特措法

(国会の承認)
第五条 内閣総理大臣は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する協力支援活動、捜索救助活動又は被災民救援活動については、これらの対応措置を開始した日(防衛大臣が次条第二項、第七条第一項又は第八条第一項の規定によりこれらの対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日をいう。)から二十日以内に国会に付議して、これらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならない。

2 政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、速やかに、当該協力支援活動、捜索救助活動又は被災民救援活動を終了させなければならない。

テロ特措法(RONの六法全書 on LINEのサイトへ)
http://www.ron.gr.jp/law/law/h13terro.htm

新テロ特措法案(衆議院のサイトへ)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16805006.htm


2.衆議院での再可決

 参議院では多数派の野党によって、新テロ特措法案は廃案になる見込みです。ところが政府・自民党は、憲法59条2の「衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。」という条項を使って、衆議院での再可決を行おうとしています。

 衆議院の再可決は憲法で定められた制度です。しかし、その乱用は参議院の否定につながります。また与党が多数となった衆議院選挙の実施日が05年9月11日、野党が多数となった参議院選挙の実施日が07年7月29日であることを考えれば、衆議院よりも参議院のほうが直近の民意を反映していることは明らかであり、衆議院の再可決は民意に反することにもなります。


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