北東アジアの平和のための国際連帯・訪韓団を派遣
 北朝鮮をめぐる北東アジアの緊張激化のなかで、平和フォーラムは、6月13日(金)から16日(月)までの4日間、江橋崇平和フォーラム代表(団長)、福山真劫事務局長(団事務局長)をはじめ総勢40名が韓国を訪問し、連帯と交流を深めました。
 13日の結団式で江橋崇団長は、今回の目的として@ノ・ムヒョン政権を誕生させた力を学ぶことA北朝鮮について韓国サイドからどう見えているのかを学ぶことB新政権は未来志向であるというが、日韓関係について韓国からどう見ているのか、韓国のNGOはどうなのかを学ぶことにあると述べました。
 同日夜、訪問団は全員で、韓国・女子中学生れき殺「一周忌追慕大会・自主平和実現ろうそく大行進」に参加をしました。集会には、亡くなった二人(沈美善さん、申孝順さん)の両親をはじめ2万5千人がソウル市庁舎前広場に参加。在韓米軍地位 協定の改定による米軍犯罪に対する刑事裁判権の韓国への移譲、ブッシュ米大統領の公開謝罪などを求めキャンドルデモをしました。若者の参加が圧倒的に多いことや、音楽や踊りを交えた市民のパワー、熱気を肌で感じました。
 翌14日は、韓国国家人権委員会会議室で、「ハンギョレ新聞」の記者キム・ボグンさんから、韓国から見た北朝鮮の核問題や、日本の有事法制を巡る動きなどについてレクチャーを受け、意見交換をしました(注・「ハンギョレ新聞」とは「同胞」を意味し、民主化進展の中で1988年創刊、公称55万部。いわゆる知識人層の中で読まれています)。
 続いて、韓国の平和運動の代表的な存在で、2000年総選挙の落選運動や、大企業の不正内部取引を正すための少数株主運動に取り組み新しい市民運動を切り開いてきた「参与連帯」のパク・ジョンウンさんから、民族統一運動と一般 的な平和運動の融合を図っていることや、北が核を持たなくても良い状況をどうつくるかの視点で活動をすすめていることなどが紹介されました。
 また、全国民主労働組合総連盟(民主労総)のイ・ヒソ対外連帯局長からは、平和運動の取り組みの他にWTO問題や世界社会フォーラムへの取り組みなどについ ても説明がありました。
 翌15日は、午前中はソウル市内での式典、午後はバス移動で都羅山(38度線に近く、非武装地帯の中)で行われた、民族和解協力汎国民協議会(民和協・KCRC)の主催する「南北共同宣言3周年」反戦・平和・民族統一集会に参加し、朝鮮半島の人びとの統一を願う熱い想いを共有してきました。
 訪韓団は、15日夜に全日程を終了。翌16日仁川空港を出発し、帰国の途につきました。
北東アジアをめぐる状況と平和への提起
李鍾元(立教大学教授)
 平和フォーラムは6月10日、立教大学教授の李鍾元さんを講師に朝鮮問題をテーマにした学習会を開きました。要旨を紹介します。
 冒頭、李さんは、朝鮮半島をめぐる、アメリカの政策について、今は政権内に強硬派もいるが、いずれは交渉により、米朝間の解決は可能である。その背景として米にとって@朝鮮半島で戦争を起こす政治的大義がないことA良くも悪くも朝鮮半島に関して積極的かつ持続的な関心を持っている人が少ないことB北の「体制変 更」に対する米政府内の意見のちがいとリスクの大きさC米政権内の右派にとってイスラエルとの関係からイラクが重要であるのに対して、北朝鮮は温度差があり、 米外交全体の中での優先順位が高くない、などの点をあげ、戦争やそれに準ずる状況は考えにくいと述べました。その上で、従来は極論とされていた新保守主義、ネオコン的主張が、いまや中枢的意見になり影響力を持つ様になってきた背景も真剣に考えるべきだ、としました。  そして、北朝鮮のこの10年余の外交を振り返りながら、90年代初頭は、冷戦構造の崩壊の中で中国、ロシアの支援が得られない中、対米一辺倒の外交戦略で94年のジュネーブ枠組み合意など一部の成果 はあったものの、一方では状況が改善された背景には96年以後、食糧やエネルギーの7割を支え、事実上体制の維持を物理的に保障した中国の役割も重要だったと指摘しました。
 その後、周辺国でも韓国での金大中政権が誕生し、ロシア外交にも変化が生ずるなどを受け2000年の南北首脳会談となったが、米国内では、ブッシュ共和党政権が誕生(政権交代)することで、北が外交上の戦略の修正を余儀なくされる弊害もあり、いまや、対米一辺倒外交の必要性は弱まり、中・韓・ロ・日本に北朝鮮を加えた地域間の枠組み、体制づくりへと転換をしても良い時期だが踏み切れないでいる現状があると述べました。
 その上で、現在置かれている状況が、単に戦争(軍事的衝突)を起こすか否かでなく北東アジアがEU(欧州連合)のような共生の共同体になるのか、または核問題の解決が長期化することで、核とナショナリズムで寸断されるインド・パキスタンのような「南アジア化の悪夢」の冷戦構造がつくられるのかの岐路に立っており、その意味で米朝中間での「北京協議」の行方を含め、この夏が分岐点になると指摘しました。また、米保守派が主張する「戦争もせず、交渉もせず」という圧力政策に対しては、中国、ロシアが加わらない中での実効性に疑問を呈すると共に、北朝鮮の崩壊の可能性については、韓国内でも少数派であり、むしろ崩壊よりも核大国へのスピードの方が早いとし、危険性を指摘しました。
 そして最後に、南北共同宣言から3年を迎えた韓国の教訓として平和共存と統一のためには北東アジアの枠組みの安定化が一番であること、これからの課題として、日韓の共同作業として北東アジアから見た考え方を、米国内のマスコミ、シンクタンク、世論など社会に働きかけることで政治に反映させ、政策論議を深めていくことと同時に、日本における「北朝鮮問題」についての市民的論議の深まりと、ナショナリズムという逆行を乗り越えて、どのようにして安定した地域をつくるかというリージョナリズム(地域主義)の視点でアメリカに日韓から発信することの重要性を強調しました。
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「緊急総点検、有事関連3法」学習会開く
 5月29日、都内で、月刊「キャッチピース」編集長の田巻一彦さんを講師に迎えて、『有事法案の問題点──武力攻撃事態法案と「国際法の支配」を中心に──』と題した学習会を開きました。
 冒頭、田巻さんは、有事法案が例え国会で成立したとしても、決して「最後のたたかい」ではないこと、3法案が危険であると同時に、ずさんな法案であること、廃案を断固として求める運動の論理は、法成立後にどのような平和運動を私たちが構想するのかという課題と密接に関わるので、タオルを投げてしまったり、思考停止してはならないと強調しました。
 その上で、法案の問題点として、第一に武力攻撃事態法に、日本の有事対応における基本姿勢として「国際法」とりわけ、国連憲章の遵守がうたわれていないこと、第二に、日本が誇るべき「非核三原則」と「専守防衛」と いう2大原則が、武力攻撃事態法では意図的に無視されていることで、この原則がアジア・太平洋地域での安全保障の国際的規範となり、信頼醸成のプロセスが積み重ねられていくことが有事法制推進論者や、アメリカにとっても都合の悪いものであること。第三に、国際人道法(ジュネーブ条約第1議定書や国際刑事裁判所規程)の批准すらしていない、国内法の整備すらしていない中で、有事法制を論ずるのは無理があること。
 第四に法のいう「協力の責務」とは民間をはじめとした「自発的協力」を引き出すマインド・コントロールであり、「期待」にしかすぎないことを指摘しました。
 最後に田巻さんは、真の安全保障とは、自分たちが安全に感じるだけでなく、他国の民衆も安全に感じることができる状態であること、イラク戦争に反対して世界で沸き上がった平和世論と結びつきながら、私たちが理想を手放さず、現実から出発して、現実を変える運動へ進むことの重要性や、私たちが何としても阻止しなければならないのは、北朝鮮に対する「大量 破壊兵器の廃棄」を口実にした「体制変更戦争」であることを強調しました。
有事法制にNO──5.23、6.12集会開く
 市民団体や平和フォーラムの呼びかけで「もう戦争はいらない! 有事法制にNO──5.23集会」が日比谷野音で開かれ、3,000人が参加しました。
 主催者を代表して、浅見清秀・平和フォーラム副代表は、与党と民主党による修正案について、「中身の議論がほとんどないまま、日本国憲法とまったく違う方向性をわずかな時間で決めてしまったことに憤りを禁じえない」と述べました。沖縄平和運動センターの宜野座事務局長からは「沖縄では有事法制がすでに効力を発揮したかのように、米軍が民間空港を利用している。こうした動きを許さない闘いを強めていこう」、西原日教組中央執行委員から、「教育基本法改正は、有事法制と合わせて考えれば、日本を戦争できる国にしようとする動きだ。平和を守るために頑張ろう」と決意表明があり、全体で廃案への決意を固め合いました。
 6月12日には、法案成立を受け、有事法制の発動を許さない! という立場から、「有事法制を紙くずに──6.12集会」を開催し、2,500人が参加しました。主催者あいさつ、土井たか子、川田悦子、両衆院議員の発言に続き、航空労組連絡会議長の内田妙子さんからは、@政府が指定公共機関に航空会社を含めるよう検討しているA米国防総省が軍事輸送の認定資格を取得するよう日本の航空会社に働きかけている──ことについて「航空労働者は『取得の要請を拒否せよ』と請求し、会社を追及している」と述べ、戦争協力にキッパリと「NO!」の声を上げると発言がありました。
 また、「NOユージ VIVA友情」キャンペーンの海南友子さんからは、この間のユニークな活動(5ページ参照)のアピールが、また、在日の立場から、牧師の李仁夏さんをはじめ3人の方が発言。福山真劫・平和フォーラム事務局長の今後の行動提起を受け、参加者は銀座をパレードし、市民にアピールしました。
有事法制反対、さまざまな取り組み
「NOユージ VIVA友情」キャンペーン
 有事法制の参議院での採決が迫った6月3日と5日、「NOユージ VIVA友情」キャンペーンは、法案成立に反対するため、さまざまな行動に取り組みました。3日には民主党本部前で、「パロディー版・寛一お宮」を演じました。
 5日午前には、国会周辺平和ツアーを開催。参加者約40名が自民党〜民主党〜国会正門〜首相官邸前と、有事スポットを平和の意思表示をしながら歩きました。同日午後には、国会の議員面 会所前で「リボンで国会を囲もう」行動を行い、約200人が、プラカードやリボンを持って有事法制に反対しました。
有事関連3法成立にあたっての見解
2003年6月6日 フォーラム平和・人権・環境
 本日6月6日、参議院本会議は武力攻撃事態法など有事関連3法を可決、成立させました。
 昨年4月、第154回通常国会に上程されたときから、私たちは同法案について、@有事法案の成立をなぜ急ぐか不明確、A「有事」の定義すらあいまい、B国民保護の内容が不明確、C地方分権の流れに逆行する中央集権的統制、D基本的人権の大幅な制限、E戦争へ向けての総動員体制を作るもの、F沖縄問題をはじめ日米地位 協定の問題点解決を抜きの米軍支援、Gブッシュ米政権の戦争政策を補完するもの、H中国・韓国・北朝鮮をはじめ近隣諸国に強い警戒感を与え北東アジアの緊張を強めるなどの問題点を指摘してきました。衆議院段階で、一部修正が加えられましたが、この有事関連法案は、政府が「有事」と判断すれば、自衛隊は直ちに行動を起こせるようにし、現実にはアメリカの要請に応えて米軍と自衛隊が円滑に行動できるよう、国、地方公共団体、民間が一体となって支援・総動員体制を作り上げる法律であるという基本的な問題点を持ったまま、成立に至ったものです。
 また、この法案は、戦後の日本の安全保障のあり方を大転換させるものであり、私たちに限らず、広く地方自治体首長・議会、報道関係者、市民、労働団体、平和団体などから強い反対や疑念が表明されてきたにもかかわらず、国会審議そのものも十分ではなく、ましてや一般 市民を含めた議論の積み上げなどはきわめて不十分なまま成立にいたりました。
 私たち平和フォーラムは、この法案が国会に上程された時点から、これらの問題点を指摘し、廃案を求め、最後まで取り組みを続けてきました。この法案が強行成立されたことに対して、強く抗議するものです。
 と同時に、私たちは引き続き、国民保護法制、米軍の支援措置その他の関連法の制定など、残されている課題について、対策を強化します。さらに、この法律の審議過程で、「非核3原則の見直し」「集団的自衛権行使の検討」など、政府のさらなる危険な動きが見え隠れしました。もう一度、この間「イラク戦争反対」「有事法制反対」でともにたたかったすべての勢力と連携し、平和の確立へむけての取り組みを強化する必要があります。
 そして、この法律を絶対に発動させないためにあらゆる手立てを尽くします。現在、市民の安全保障にとってもっとも必要なことは、憲法や国際法、国連憲章にもとづく平和政策の推進であり、対話と信頼の醸成です。とりわけ北東アジアにおける非核化や平和確立の役割を果 たすことであり、ブッシュ政権の国際法無視の戦争政策の変更を求めることです。また、膨張している軍事費、思いやり予算、米軍基地を削減することです。自治体の平和力を強め、戦争には協力しない地域・職場づくりをしていきます。さらに、とりわけ北東アジアの国々、人々との自治体や民間を含めたあらゆるレベルでの友好交流を強めていきます。これらを平和フォーラムは具体化、実践していくことを表明します。
非遺伝子組み換えの国産菜種で農業と燃料の自給めざす
全国に広がる菜の花プロジェクト運動
全日本農民組合連合会 書記長 御地合 二郎
 6月8日、滋賀県新旭町で開かれた、全日農の西日本研究集会で、「全国菜の花プロジェクト運動」が紹介され、各地から参加した生産者、消費者などの注目を集めました。ここで菜の花運動について紹介します。 6月8日、滋賀県新旭町で開かれた、全日農の西日本研究集会で、「全国菜の花プロジェクト運動」が紹介され、各地から参加した生産者、消費者などの注目を集めました。ここで菜の花運動について紹介します。

◆いまなぜ菜の花運動なのか
 菜の花プロジェクト運動は、米の減反で荒れた水田に菜の花を植えて美しい景観を創るとともに、耕作放棄農地をなくし、農地を産業廃棄物の不法投棄場所にさせない効果 を上げています。 また、日本ではナタネ油の多くをアメリカからの輸入に頼っており、その多くは遺伝子組み換えによって作られています。さらに、京都議定書によるCO2の排出削 減の具体化のひとつとして、自治体や民間ベースでも菜の花プロジェクトが注目を集めています。
 そのため、全日農では、農家・農村の食料とエネルギーの自給向上運動の象徴的な作物として数年前からこの運動を提唱してきました。 研究集会では、この運動の先駆者であり、現在も全国的なリーダーとして活躍されている滋賀県環境生活協同組合の藤井絢子理事長が報告を行いました。この中で、この運動の本場とも言うべきドイツ視察の経験から、800人足らずの小さな村で、菜種油(バージンオイル)をそのまま自動車の燃料に利用しているという実例を報告され、非化石燃料を完全自給できる自治体と比較して、いま日本で進められている町村合併によって、こうした自治の原則が崩されていく愚を説かれました。

◆滋賀県から各地に拡がる運動

 日本の菜の花運動は、滋賀県環境生協の提案で1998年に滋賀県愛東町でスタートし、翌年、滋賀県下5ヵ所で「菜の花栽培実験事業」が実施されたのを契機に全国に広がりました。2001年には滋賀県新旭町で第1回全国菜の花サミットが開催され、第2回を青森県横浜町、第3回は広島県大朝町と続き、2003年版菜の花プロジェクトマップには北海道から九州まで46地区の事例が紹介されるまでに発展しています。
 滋賀県環境生協が取り組んでいる運動は、これまでの廃食油を回収して琵琶湖を汚染から守る石けん運動をさらに発展させたものです。ナタネを栽培し、搾油して 学校給食などで使い、この廃食油を回収したあと、精製してバイオディーゼル化して農業機械などで使用するものです。ディーゼルエンジン車ならほぼそのまま代替 燃料として使えます。また、ナタネの油カスは飼料として畜産と結び付き、その堆肥は再び農地に還元されます。菜の花を通 じて、食とエネルギーが自給と循環しながら地域全体を活性化させていくところに意味があると藤井さんは強調しています。

◆福祉や環境、エネルギーとも結びつく
  さらに、菜の花運動発祥の地愛東町は、そのイメージアップから、菜の花畑の隣にある道の駅の売り上げが町の税収と同じ7億円になるなど観光効果 も上がってお り、経済的波及効果は計り知れません。 また、新旭町では、知的障害者の施設である「社会就労センターアイリス」で食用廃油を回収して石けんとBDF(バイオディーゼル・フューエル=軽油代替燃料)をつくっています。(写 真)。
そこでの廃食油の回収は2000年度で約1300リットル余りで、町内の一般 家庭や事業所などから廃食油を集め、くり返し洗浄しながらBDFを作り、幼稚園や保育園の送迎車等で活用しています。
 遺伝子組み換えされていない国産ナタネ運動は、このように食と農業と福祉と環境とエネルギー自給が結びついた運動として大きな広がりが期待されています。
 大かがりなバイオマスエネルギーなどが注目されていますが、足元からの運動への関心も寄せてください。
子どもも参加しカンボジアへの支援米作付け
食とみどり、水を守る神奈川県民会議
 食とみどり、水を守る神奈川県民会議は、6月7日に平塚市内で、83名(うち子ども35名)が参加してアジア・アフリカへの支援米を作る体験学習田の田植えを行いました。
 当日は天気にも恵まれ、子どもたちは泥んこになりながら、3アールの田んぼを1時間ほどできれいに稲を植えることができました。田植え終了後、公園で昼食を取り、その後、カンボジア現地の報告会を行いました。  国連世界食糧計画(WFP)の寺嶋広報官から、今年3月末に平和フォーラムが行った子どもたちによるカンボジア視察を中心に報告がありました。
 寺嶋さんは「カンボジアは内戦により大変生活が厳しく、子どもたちは日々の暮らしのため、ゴミの山に入り、金になりそうなものを拾って生活している。当然学校へ通 えず、そうした子どもを集めた施設が作られている。WFPでは、支援米を、この子どもたちの給食用として配布している。子どもたちは、学校にも通 えると同時に食事にも不自由することが無くなり喜んでいる」ということを、現地で撮影した写 真パネルなどを使いながら話しました。
 報告を聴いた子どもたちからは、「支援に当たっては、お金とお米のどちらが必要なのか」との質問が出され、寺嶋さんは「お金も重要だが、お米は多くの子ども達が汗水流して作ったもので、カンボジアの子どもたちも真心が詰まったものと受け止めている。今後もぜひこの運動を広げていってほしい」と答えられ、参加者は、今後もこの運動を強化していき、再び秋の稲刈りも盛大に行おうと誓い合いました。
 今回の田植えはNHKや新聞社などの取材も受け、県民にもアピールすることができました。
食の未来に黙っていられない東北集会
食と農の距離を縮めることが安全につながる
 「食の未来に黙っていられない東北集会」が、6月6日から7日に福島県郡山市で開催され、東北各県から300名が参加しました。この集会は東北各県持ち回りで開催されているもので、今回で17回を数えます。
 主催者を代表し、原誠集会実行委員長は、「BSEや偽装表示の問題などは、市場競争の激化による効率優先の考え方が如実に表れたものだ。この集会は『耕から食への安全なルールで未来を拓こう』をスローガンに、食の安全・安心と人権、環境が大切にされる社会にむけた運動をどう作るか、『黙っていられない』という気概で参加してほしい」と訴えました。
 基調講演では、農林水産省政策研究所の篠原孝所長が「食の安全なルールをどう創り出すか、地産地消・旬産旬消とは何か」と題して、「いま食と農の距離を縮める、生産の場と食卓の距離を縮めることが重要になっている。日本は海外から大量 に農産物を輸入しており、その距離(フードマイレージ)が長い。地元の生産物を地元で消費する。旬の物を旬の時期に食する。このことを実行すれば、安全に関する細かい法律は本来必要ないはずだ」と述べました。参加者からは、「私たちの運動に自信が持てた」との発言もありました。
 次に、各県からの報告を青森県、秋田県、山形県から受けました。この中で、秋田県からは、米の年間消費量 の2倍に相当する2,000万トンも輸入している飼料問題を取り上げ、減反田を活用してエサ米を作り、国内の自給率を高めるとともに、減反や耕作放棄による国土の荒廃に歯止めをかけ、活力ある農業を実現するべきであるとの提起がありました。
 また、山形からは、菜の花畑から食用油を取り、それを使った後の廃食油で石けんも作るなど、資源の循環を図る取り組みや、共同で作った太陽光発電の電力を、石けん作りの施設に導入している実例が報告されました。
 2日目には、テーマ別の分科会が開かれ、「農政への提言、安全な食品を農場から食卓へどうつなげるか」、「ごみ減量 化と地域循環システムの構築にむけて」、「環境保全、森林荒廃の現状と水源保全について」の討論と、フィールドワークとして安積疎水の現地見学が行われました。最後に、集会のまとめと今後の運動の提起がされ、この集会を来年は宮城県で開催することを決め閉会しました。
教育基本法改悪反対中央集会開く
 教育基本法の「改正」問題が、今国会後半(延長されて会期末は7月28日)の焦点となる中で、6月14日、平和フォーラム・日教組・部落解放同盟や市民団体で構成する、「教育基本法改悪ストップ! 実行委員会」が主催して中央集会を東京・芝公園で開催し4,000人が集まりました。
 主催者を代表して平和フォーラムの太田副代表、日教組の榊原委員長があいさつ。政党からは横路孝弘・民主党副代表と福島瑞穂・社民党幹事長が参加しました。また、THE NEWSPAPERの教育問題を社会風刺したコントもありました。
 自民党内の改正案提出の動きに対し、「準憲法的な性格を持つ基本法のあり方は、広範な議論を通 した国民的な合意形成と慎重な対応が求められる」「変えることより生かすこと。教育基本法の改悪を許さない運動を広げよう!」とする集会アピールを採択し、都内をパレード行進し、市民に訴えました。
憲法調査会が金沢・高松市で公聴会
 衆院憲法調査会は5月12日、6月9日に金沢市・高松市で各々地方公聴会を開催しました。金沢市の公聴会では、安全保障・非常事態、基本的人権、統治機構をテーマに5人が意見を述べました。岩渕正明・金沢弁護士会会長は「軍事によらないあらゆる外交努力を尽くせというのが憲法の積極平和主義。出番はこれからだ」、「拉致は犯罪だが戦争行為ではない。日朝国交正常化の中で包括的に解決するのが最も近道だ」と述べました。
 鴨野幸雄・金沢大名誉教授も「(憲法の趣旨を生かし)北東アジアの平和機構を日本が先手を取ってつくるべきだった」と強調しました。  一方、別の陳述者からは「米占領軍による押しつけ憲法」と断じる意見もありました。
 また、高松市の公聴会では、6人が陳述。2人が憲法9条に基づく平和主義の立場から、2人が「9条では安全を守れない」とする立場から、残る2人は教育と地方自治をテーマに発言をしました。弁護士の草薙純一さんは、「日米安保体制の中で憲法9条を守りぬ くべきだ」と述べ、四国学院大学の根本博愛教授は、憲法の人権規程と平和主義が「別 ではなく、相互補完関係にある」ことを説明し、環境権など「新しい人権」を加えようという改憲論者が「義務の強化や9条改定をあわせて言う」ことに対して警戒感を訴えました。
 香川大学助教授の鹿子嶋仁さんは、「有事法制は、地方自治の原則と緊張関係にあるが、突き詰めた議論はなかった」と述べました。  他の陳述人からは「北朝鮮による脅威」などを理由に軍隊の創設、9条「改正」を求める意見が出され、「学校現場の荒廃」の原因は「憲法や教育基本法の軽視にある」と指摘。「憲法改正の論議よりも、憲法をどう活かすのかを調査して欲しい」と注文する場面 もありました。
憲法調査会のうごき
5月7日(参)「憲法前文と9条」をテーマに
    西  修(駒沢大学教授)
    上田勝美(龍谷大学名誉教授)
    渡辺 治(一橋大学教授)
  8日(衆)「安保・国際協力」小委員会(国際機関と憲法)
    菅波 茂(医療NGO・AMDA代表)
    佐藤行雄(前国連大使)
    「最高法規」小委員会(明治憲法と日本国憲法)
    坂野潤治(東大名誉教授・日本政治史)
  12日(衆)石川県金沢市で地方公聴会(5人が意見陳述)
  14日(参)「憲法前文と9条」をテーマに
    坂本義和(東大名誉教授・国際政治)
    明石 康(元国連事務次長)
    五百旗頭真(神戸大大学院教授・日本政治史)
  15日(衆)「基本的人権」小委員会(知る権利)
    堀部政男(中央大学教授・情報法)
    「統治機構」小委員会
    津野 修(前内閣法制局長官)
    山口 繁(前最高裁長官)
  29日(衆)地方公聴会・4委員会の報告と各委員間の自由討議
6月4日(参)「平和主義と安全保障」をテーマに
    北川善英(横国大教授)
    畠山圭一(学習院女子大教授)他6名
  9日(衆)香川県高松市で地方公聴会(6人が意見陳述)
  13日(衆)安全保障問題を中心に自由討議