市民で、自由に憲法を語ろう・
施行56周年憲法記念日集会」開催
 昨秋、「9条改正多数意見」を際立たせた、衆院憲法調査会中間報告書など「第9条」に焦点を当てた憲法改定への地ならしも強まっています。今こそ憲法前文や第9条に込められた理念を生かし、発展させることが重要です。こうした中、平和フォーラムは憲法記念日集会を開催し、600名が参加しました。
 法政大学教授の五十嵐敬喜さんは、「すべてを他者に依存する都市型社会」である現代社会は、紛争解決の手段として武力は無力であり、その観点で憲法9条の意義は非常に大きな意味を持つと述べました。
 人材育成コンサルタントの辛淑玉さんは、北朝鮮による日本人拉致事件が明らかになった以降、在日朝鮮人に対する嫌がらせが続発し、「植民地時代に朝鮮人をすべて殺しておけば拉致問題は起こらなかった」との暴言まで飛び出しているほど、人権が脅かされている。
  その背景には、「なぜ在日が日本にいるのか」すら知らない学生が多くいる事実などをあげ、「こうした無知と差別 に覆われている」と厳しく指摘しました。そして、こうした日本の状況やイラク戦争をふまえ、「今の時代こそ第9条の精神が求められている」と主張しました。
 これを受けて、江橋崇平和フォーラム代表は、1978年のマクリーン判決まで、外国人の人権は保障されていなかったと指摘。国際人権規約など国際基準を示して日本政府にプレッシャーを与えることや、地域から人権侵害を告発して人権政策をとらせることで、人権概念を国や政府が勝手に使うことを妨げてきたと語りました。
 しかし、拉致問題以降、「自分の都合の良い時にだけ人権を使う日本国民にリセットされてしまった」と、この間の国民意識に深い懸念を示しました。
平和フォーラム総会開く
 フォーラム平和・人権・環境は5月7日、東京・池之端文化センターで第5回総会を開催し、新年度の活動方針、新役員などを決めました。 2003年度の活動方針では、「戦争反対」、「なくせ格差と差別」、「人間の安全保障」を軸として、@憲法問題に対する取り組み、A有事関連3法案を廃案にする取り組み、B核兵器廃絶に向けての取り組み、C教育基本法改悪を許さず、国家主義・偏狭なナショナリズムを許さない取り組み、D在日定住外国人の地方参政権など人権を確立し、差別 をなくし多文化共生社会に向けた取り組み、Eヒバクシャの権利確立の取り組み、Fプルトニウム政策の根本的転換と脱原子力に向けての取り組み、
  G循環型社会形成の取り組み、H食の安全の取り組み、IWTO交渉、食の安定、農林業問題の取り組み、などを進めることが確認されました。
 また、組織の強化拡大とともに、連合や市民団体との連携の輪を拡大しながら、政策の実現にむけた運動もめざしていくことが強調されました。
 新役員については、江橋崇代表(法大教授)、岩松繁俊代表(原水禁議長)、福山真劫事務局長(自治労)などを選出しました。最後に、新たに加盟した、中小労組政策ネットワーク、新産別 運転者労働組合、保健医療福祉労働組合協議会の代表者からあいさつを受け、総会を終了しました。
有事法制に反対し、北朝鮮問題を考えるシンポ開く
 小泉内閣は5月15日、衆院本会議で、有事関連3法案の採決を強行しました。昨年9月の日朝合意以後、拉致問題などをテコに、「備えあれば憂いなし」論を前面 に立て、一気に法案成立を図ろうとしています。こうした差し迫った情勢のもと、東京地公労(自治労東京・東水労・東交・東京教組で構成)、都高教・海員組合・全港湾の4団体(平和フォーラム後援)は標題のシンポジウムを都内で開き、会場一杯の参加者が集いました。
 人見一夫・自治労都本部委員長の開会あいさつに続いて2人の基調講演がありました。

〈ただちに日朝国交交渉の再開を──姜尚中さん〉

 最初の講演で、姜尚中・東京大学教授(政治学)は、この間の日・米の動きに関して「アメリカは先制攻撃による自衛という論理で一挙にイラク戦争に打って出た。『まず戦争ありき』で、軍事が政治を突き動かしていくのは非常に恐ろしく、20世紀的な国際秩序の基本原則を土台から覆すことになる」と述べました。
 そして、「北朝鮮の危機を理由にイラク戦争を小泉首相は支持したが、そもそも同盟関係は、アメリカの意志・国益と戦略に従っていくらでも組み替えられるもの。アメリカの国益に従って北朝鮮へ先制攻撃を加える可能性は否定できない」と指摘しました。
 さらに、日朝交渉をすすめずに、有事法制をすすめるなら北朝鮮に誤ったメッセージを与えることになると強調しました。「国交がないから北朝鮮は脅威になる。国交がないから脅威が膨らんでいくのであり、脅威があるから国交を結ばないというのは逆で、国交のないまま、米朝関係が危機的状況になれば、破局的な事態が北東アジアに訪れる。私たちは今、正念場に立っている。日本の世論に強硬な姿勢が台頭し、経済制裁まで進む事態になれば歯止めのない型で日米の強硬路線が合体する可能性もある」と憂慮しました。そしてこのことは韓国にとっても悪夢の選択であり、今こそ北東アジアの危機を日韓が分かち合い、危機を平和的に収束させる努力を払うことが、日本と朝鮮半島の歴史的和解もすすむことに なると述べました。  最後に、北朝鮮を巡る問題は、今後の歴史にとっても重要な分岐点になること、日朝交渉を進められるような世論形成づくりを急ぎ、日本は戦争を避けるための智恵を働かせることがアジアで生きる唯一の方法であることを強調しました。
  〈国民保護法制は市民を軍事化させる──水島さん〉

 続いて水島朝穂・早大教授(憲法)は、武力攻撃事態法案は、有事挑発型の戦時法制であり、輪郭として示されている「国民保護法制」に関して、「自治体や市民が足手まといにならないように、あらかじめ任務を整理し、法施行後、政府が細部規定で自治体の任務を明らかにすることで、国家が指示しなくても自治体や民間企業が自主的にシステムを立ち上げる。このことが緊張をつくり出す」と述べ、国民保護法制が、市民を軍事化させていくことに注目しなくてはならないと指摘しました。本当の意味で市民の安全を守る法制ではないこと、自治体は外国人を含む住民や滞在者の安全をいかに守るかを心すべきだと語りました。
 その上で、必要なのは、「国民保護法制の先行実施ではなくて、武力攻撃事態法案の廃案と、現行の災害対策基本法、海上保安庁法などの不十分な点を民主的な視点で見直す具体的議論をはじめることだ」と強調しました。
 さらに、小泉総理の「備えあれば憂いなし」や「イラク戦争を理解し支持します」という発言が、「周辺諸国にどれだけ脅威を与えているかを私たちが気づくべきであり、有事法制は脅威があるから必要なのではなく、脅威をつくり出す法案であることを理解すべき」。周辺諸国への一番のメッセージは有事法を廃案にすることだと指摘しました。
 最後に水島さんは、「私たちが手を結ぶべき平和を愛する諸国民は、アメリカにもアジアにもいる。在日朝鮮人や北朝鮮の中にも新しい世代が育っている。そういう人たちを追い込むことなく、手を結ぶ視点が重要だ。私たち市民は、国家の論理で報復主義的なことをしてはいけない。絶対に戦争という手段を取ってはいけないということを一人ひとりが訴えていく、こうした腰のすわった平和論が今求められている」と締めくくりました。

■姜尚中さんの近刊著書〈集英社新書〉
「日朝関係の克服」
──なぜ国交正常化交渉が必要なのか
■水島朝穂さんの近刊著書〈法律文化社〉
世界の「有事法制」を診る
WORLD PEACE NOWなどの
イラク反戦運動の経験
戦争反対!有事法案を廃案へ・市民緊急行動 高田 健
 ブッシュが2002年9月にうち出した「米国の国家安全保障戦略」にもとづく米国単独覇権=「帝国」の確立をめざす野望による行動はイラク攻撃をもって本格的に開始されたというべきです。これに対応して日本政府は「有事3法案」を衆議院で可決させました。いま法案は参議院に回されました。東アジアの緊張を高めるこの戦争法案とその具体化に反対する課題はひきつづき緊急の課題です。この問題を含めてアメリカの「帝国の野望」に反対するグローバルな規模での反戦運動の時代はいまはじまったばかりです。
 2002年末から世界的な規模で高揚したイラク反戦の運動は、日本では「WORLD PEACE NOW(以下WPN)」という、日常の活動分野、世代、思想信条などの違いを超えた50の市民団体、NGOが参加した新しい反戦のネットワークを生み出しました。これが1月18日の集会の7,000人を契機に、2月15日は5,000人、3月8日は40,000人、3月21日は50,000人、4月5日は18,000人、4月12日は2,000人、4月19日が10,000人と日本の市民運動としては70年代以来の規模の高揚局面 を作り出しました。この先頭に多くの若者たちがいました。90年代には反戦運動の高齢化が嘆きを伴って語られてきました。その局面 が一変しました。なぜ、そのようなネットワークが実現したのかについては今は省きますが、いずれどこかで触れることがあるだろうと思います。
 WPNに結集する若者たちの関心事のかなりの部分を占めていたのが、「動員」ではなく、「普通 の人びと」の自覚をどのようにして引き出し、運動に参加してもらうかでした。
 ある日、あるテレビ局が調査したところ、自分が参加できるようなデモがあったら行ってみたいという回答が7%ありました。7%と言ったら首都圏では200万人くらいになります。まさに欧米の反戦デモの規模以上です。
   WPNは皆が懸命に努力して、インターネットを駆使することを柱に、新聞広告、マスコミでの事前の記事・番組への働きかけ、街のメディアでの告知、ビラ配布やさまざまなパフォーマンスによる宣伝が行われました。そして旧来の活動家の「常識」や「アキラメ」をうち破って山手線内の宣伝活動や成人式や正月の明治神宮での宣伝にまで広がりました。若者たちのすばらしいエネルギーでした。これらの大胆な活動は、「人びとはわかったら来てくれるはずだ」という確信に裏打ちされていました。
 従来の運動用語も、一般の参加者にとってカベになるなら変えてみよう、デモはパレード、ビラはフライヤー、先頭の横断幕は先頭バナー、デモの梯団は連、そしてロゴマークをつくり、ワッペンを作り、ぬ り絵のプラカードを作り、Tシャツを作り、リーフレットを作る。英文のサイトを作る。外国のメディアにも発信する。集会では英語と手話の通 訳をつける。また海外の運動との連携も重視し、仲間をイラクや米国などに派遣したり、メッセージの交換をしたりする。これは小手先の問題ではありません。デモをパレードという言葉を変えればいいという問題ではないこともWPNのメンバーの多くが知っています。
 市民ひとりひとりの参加を大切にする。個人参加席をつくり、デモも個人参加を先頭にする。ミュージシャンや芸術家の参加も重視し、その力を行動で発揮してもらう。これらをいずれも大がかりにやりました。これは一種の運動の文化革命でした。このことと、世界中の反戦運動の高揚が融合して万単位 の個人参加を実現したのではないでしょうか。こうしたなかで、例えば3月21日にはWPNのウェブサイトには一日で35,000を超えるアクセスがあるまでになりました。そしてWPNの運動は全国に波及しました。ハートのロゴマークは全国各地のデモに登場しました。WPNは大なり小なり、全国に普遍的な運動になることができました。
 これらの闘いを通じて、再度、有事法制時代に対応する新たな反戦運動を作り出していきたいと思います。あきらめずに闘いつづけることで、前途はひらけてきます。
http://www.worldpeacenow.jp/
アジアに心を開いた平和と連帯
伊藤 彰信(全港湾労働組合書記長)
 平和フォーラム韓国派遣団の一員として、4月27日から5月1日までの5日間、ソウルを訪問しました。韓国派遣団は初めてということですが、私も初めての訪韓でした。
 派遣団は、福山真劫(平和フォーラム事務局長)を団長に、コーディネーターとして石坂浩一(立教大学講師)、西原宣明(日教組)、笠見猛(自治労)、渡邊幸一(北海道)、広石健次(大阪)、五十川孝、石出佳子(平和フォーラム)、私の9名でした。
 ソウルで訪問した団体は、政党関係としてイ・ブヨン議員(ハンナラ党)、キム・グンテ議員(民主党)、民主労働党、労働団体として民主労総、全教組、平和団体として、民族和解協力汎国民協議会、参与連帯、平和をつくる女性たちの会、報道関係として、民族21、ハンギョレ新聞と正味3日間で10団体を訪問、交流しました。
 今回私が訪韓団に参加した理由は、アメリカがイラクの次に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を攻撃する可能性が高いということです。また、イラク戦争反対運動は盛り上がったにもかかわらず、昨年に比べて有事法制反対闘争がいまひとつ盛り上がっていないことも気になりました。その大きな原因は「北朝鮮の脅威」だと思います。38度線で民族を分断されている韓国の人たちは、北朝鮮のことをどう思い、平和についてどう考えているのか知りたかったからです。
 第一に韓国の人は、朝鮮半島で絶対に戦争を起こしてはならない、そして平和は話し合いの中からしか生まれないと考えていることを強く感じました。国会議員を訪れたとき、3月31日に東京で開かれた「日韓国会議員討論会―北東アジアの平和に向けて」の話を聞きました。日韓与野党の国会議員60名ほどが参加した討論会のことを私は知りませんでした。討論会は、@北の核開発反対、A戦争反対、B平和的解決、C北の体制保障、 D日朝国交正常化を内容とする共同声明を発表したとのことです。朝鮮半島の平和は単なる緊張緩和ではなく、朝鮮半島を回路とした北東アジアの経済発展が可能だと強調していました。南北の鉄道が繋がろうとしています。
  シベリアの資源が輸送される、ヨーロッパまで物資輸送が可能になるというのです。日本はアメリカの枠の中で発想するのではなく、アジアに心を開き、アジアともに繁栄するビジョンをもってほしいと話していました。
 第二に日本の軍国主義の傾向が強まっていることに強い警戒感を持っていました。北の脅威はほとんど感じていないと言っていました。むしろ、韓国を攻める能力を持つ国はアメリカと日本だというのです。有事法制の制定、偵察衛星の打ち上げ、民族差別 発言を繰り返す石原東京都知事再選などの状況に懸念を示していました。
 第三に運動を担う人が若くて元気であり、共闘を大切にしていることです。道路を封鎖して開くメーデー集会は圧巻でした。韓国では昨年6月に起きた米軍による女子中学生2名の轢殺事件以来、平和運動が一般 市民にも広がり、反米運動の傾向を強めてきました。イラク戦争反対、さらには韓国軍のイラク派兵反対と運動は盛り上がってきました。平和と統一というテーマであれば、市民運動を含め労働団体の違いを超えて大きく団結できるということが、うらやましく思えました。市民運動も政権を監視する視点をもち、政党とは政策において協力してもらう関係であり、特定の支持関係ではない独自性を持っていました。
 第四に冷静に粘り強く運動を続けていることです。ハンギョレ新聞が北の人権問題を取り上げるカバーストーリーを連載していましたので、その報道姿勢を質問してみました。「国連人権委員会の決議はあまりにも政治的だ。北の人権問題を取り上げるときは軍事国家にしてしまった枠組みを取り上げていかなければならない。日本での拉致問題の報道は過剰である」という答でした。統一のためには、時間をかけて南北の差を無くし、文化面 からも交流を広げていくことが大切というのです。
 今回、多方面の団体との交流は非常に意義あることでした。平和を壊すことは簡単だが、造るには大変な努力が必要なことを感じました。私も日韓の交流と連帯を通 して平和のための努力を積み重ねたいと思います。
温暖化防止へ急がれる森林の整備
不十分な予算、環境税で財源を
全林野労働組合 可知 勇
 緑に親しむ季節となりましたが、日本は木材消費量 の80%を輸入材が占めており、林業経営は危機的な状況にあります。また、高齢化、過疎化により、林業に携わる労働者が減少し、十分な森林管理を行うことが困難になっています。

▼CO2の3.9%を森林が吸収

 森林・林業が立ち行かなくなる中で、2001年に、新たな「森林・林業基本法」が制定され、この基本法に基づく具体的な計画として森林整備の推進、地域材の利用の促進、林業労働力の確保と林業事業体の育成対策、そのための財源対策等を柱とした「森林・林業基本計画」が策定されました。
 また、1997年に「京都議定書」が採択され、国際的に約束したCO2の6%削減を達成するために2002年には「地球温暖化対策推進大綱」が定められました。この中で、6%の削減約束のうち3.9%を森林の吸収で確保することが目標とされ、2003年から2012年までの「地球温暖化防止森林吸収源10ヵ年対策」を推進するとしています。
 しかし、森林・林業、木材関連産業の政策を具体的に進めていくためには、森林整備の推進、地域材の利用の促進と拡大、林業労働力の確保及び林業事業体の育成・整備に向けた対策を確立することが必要です。林野庁は森林の吸収でCO2の3.9%の削減を進めるためには、現状の1.3倍の森林整備が必要としています。そのためには、4,900億円規模の森林整備予算が毎年必要です。しかし、今年度予算は、1,600億円も不足しています。
 また、林業労働力は、国勢調査をもとに推計すると、2000年に67,000人いた林業労働者は2010年には47,000人まで減少すると見込まれています。林野庁は今後の森林・林業を着実に進めるために必要な林業労働者数は6万人としていますが、全林野労働組合の試算では、森林計画の実施に加えて地球温暖化防止対策を進めるためには10万人以上の林業労働者を確保することが必要です。

  ▼地域材の利用やバイオマスの促進を

 また、地域材の利用促進と拡大対策は、森林・林業基本計画で示された「林産物の供給・利用の目標」を具体化するために「都道府県林業・木材産業構造改革プログラム」を作成し、木材の供給・利用の目標、林業事業体対策、労働力対策、木材加工対策等に係る計画・目標を定めて取り組むとしています。そのため、地域の実情に合わせた具体的な対策や、木質バイオマスエネルギーの利用などの対策・対応が必要になっています。
 全林野は、こうした森林・林業基本計画と地球温暖化防止対策を連動させた森林・林業、木材関連産業の政策をより具体化させるために必要な財源対策として、中央環境審議会税制専門委員会で検討が進められている、「環境税」(仮称)を、地球温暖化防止対策を着実に推進するための目的税とし、その活用先については、森林整備や地域材利用対策など地球温暖化防止対策に対応できる財源となるよう求めています。
 こうした取り組みを進めていく中で、地域の林業労働者と連携し、森林組合や民間の林業事業体、木材加工関連産業で働く労働者の労働条件や処遇の改善を求めています。特に、未組織の多い民間林業労働者の組織化に取り組んでいるところです。各地の仲間の皆さんのご支援・ご協力をお願いします。
 また、国有林野事業については、現在取り組んでいる国有林野事業の抜本改革の集中改革期間が最終年度を迎えています。これまで労使間で議論を重ねてきた組織機構問題、財政問題、要員問題など様々な課題を早期に解決を図り、国有林野事業の健全な経営を確立した上で、森林・林業、木材関連産業の振興や地球温暖化防止などの施策における国有林野事業が果 たすべき役割の発揮に向け取り組む必要があります。
食品安全基本法が成立 平和フォーラムが見解
消費者の参加、予防原則などに課題残す
 「食品安全基本法」が5月16日、参議院で可決・成立し、7月1日から施行されます。この法律は、一昨年のBSE(牛海綿状脳症)の発生を期に、食の安全への不安・不信が増大する中で、食の安全を総合的に確保するために制定されたものです。  平和フォーラムは、同法案に対して、「市民の健康」や「食品の安全性」を最優先に位 置づけ、行政の責務を明確にすること、生産段階も含めて食品全体にわたる一貫した安全確保システム、食品の表示制度の総合的・一元的な見直し、消費者・生産者の参加の保障などを求めてきました。
 しかし、消費者等の食品安全委員会への参加や、意見を提出する権利などは法案に明記されませんでした。また、安全性の評価に当たって、遺伝子組み換え食品など、将来的な健康への影響が分からないものを規制する「予防原則」の考え方も取り入れられませんでした。
 さらに、生産・流通段階の追跡システム(トレーサビリティー)については、輸入牛肉はその対象とならないこと、生産段階での安全な有機農業の振興のための法制度の確立も行われないなど、多くの問題点も残しています。今後、法案の施行にむけ、消費者団体などとともに、これらの点をさらにただし、「食品安全委員会」に対する要請等を行っていきます。また、消費者団体や農民団体、学者などで構成する「食の安全・監視市民委員会」に参加し、市民の立場から食品の安全性を評価し、食品安全行政への提言活動を行っていきます。

市民の立場で食の安全を提言・監視 日本消費者連盟の水原事務局長に聞く
 成立した「食品安全基本法」で本当に食の安全が守られるか…。「食の安全・監視市民委員会」(代表・神山美智子弁護士)の事務局長を務める、日本消費者連盟の水原博子事務局長に聞きました。
──これまでの食品安全行政の問題点はどこにあると思いますか?
 生産・加工・流通において、効率が最優先されてきたことを指摘しなければなりません。その結果 、農薬や食品添加物が多用されてきました。消費者の意見が反映されない縦割り行政による弊害や、独立した安全評価機関がなかったことも問題です。

  ──「食品安全基本法」についての評価は?
  食の安全性を評価する食品安全委員会が設立されましたが、私たちはここに消費者・市民の代表を入れるべきと主張してきましたが、少数の科学者のみで構成されることは問題です。また、委員会は強力な権限と独自の分析機関を持つべきですが、農水省や厚生労働省からもらうデータで評価するのでは、最初から行政に都合のいい結果 しか出ない恐れがあります。また、消費者の権利が明確ではありません。申し出制度を新設し、私たちの意見が反映される場を位 置づけてほしいと思います。そうした議論が十分されないまま短期間で成立したことは問題が多いと思います。
──消費者団体からは「予防原則」ということが強調されてきましたが…。
 食品の安全性は単純に区分できるものではありません。少しでも安全性に疑問がある場合は、結論を凍結する「予防原則に基づいた安全性評価」の考え方が基本におかれる必要があります。過去にも、水俣病に代表されるように、その時の科学的知見では安全と言われたものが、後になって危険だと分かるものも多いのです。科学者ではそういう考えの人は少ないので、消費者の参加がやはり必要なのです。
──有機農業など安全な食の生産も必要ですね。
 安全でないものを生産してから安全性を評価するよりも、有機農業で安全な生産を振興する方が社会コストはかかりません。ヨーロッパなどでは非効率的な地域も含め、有機農業の振興が図られています。基本法には安全な生産という発想が欠けています。
──「食の安全・監視市民委員会」はどういう活動をしていくのですか?
 市民の立場から、政府の食の安全評価や施策に対して提言や監視を行い、食の安全性と信頼性を確立させることを目的として、4月19日に結成しました。食品や原材 料の安全性評価を行ったり、予防原則に基づいて行政に対案の提示などを行っていきます。 広く個人や団体に呼びかけていますが、生協や各地の消費者・農民団体、食品関連労組などが参加しています。
 具体的活動では、BSE問題や遺伝子組み換え食品、農薬問題などの課題ごとに専門家も含めたプロジェクトを作って検討していく予定です。差し迫っては、厚労省が認めようとしている体細胞クローン牛肉の流通 が焦点になろうとしています。 また、学校給食も含めて、地域で安全なものを作り食べる運動も進めていきます。
有事関連3法案衆議院通過についての見解
2003年5月15日 フォーラム平和・人権・環境
 本日5月15日、衆議院本会議は武力攻撃事態法など有事関連3法を、与党3党に加えて民主・自由両党の賛成を得る形で通 過させました。
 昨年4月、第154回通常国会に上程されたときから、私たちは同法案について、@有事法案の成立を急ぐか不明確、A「有事」の定義すらあいまい、B国民保護の内容が不明確、C地方分権の流れに逆行する中央集権的統制、D基本的人権の大幅な制限、E戦争へ向けての総動員体制を作るもの、F沖縄問題をはじめ日米地位 協定の問題点解決を抜きの米軍支援、Gブッシュ米政権の戦争政策を補完するもの、H中国・韓国・北朝鮮をはじめ近隣諸国に強い警戒感を与え北東アジアの緊張を強めるなどの点から、有事関連3法案の廃案を求めてきました。また、私たちに限らず、広く地方自治体首長・議会、報道関係者、市民、労働団体、平和団体などから強い反対や疑念が表明されてきたも周知のとおりです。
 この法案は、戦後の日本の安全保障のあり方を大転換させる法案であるにもかかわらず、国会審議そのものも十分ではなく、ましてや一般 市民を含めた議論の積み上げなどはきわめて不十分なまま現在にいたっています。
 さらに今回衆議院を通過した同法案は、与党と民主党との協議で、@憲法の基本的人権に関する規定は最大限尊重されなければならない、A国民への情報提供、B国会の議決による対処措置の終了、C国民保護法制整備まで一部条項を凍結するなど、いくつかの修正が加えられましたが、この修正点についての国会審議、国民への説明もきわめて不十分であり、また内容も私たちの問題指摘に答えるものにはなっていません。
 この有事関連法案が、政府が「有事」と判断すれば、自衛隊は直ちに行動を起こせるようにし、現実にはアメリカの要請に応えて米軍と自衛隊が円滑に行動できるよう、国、地方公共団体、民間が一体となって支援・総動員体制を作り上げる法案であるという基本的な問題点はいささかも変わっていません。  したがって、私たち平和フォーラムは、衆議院において採決が強行された事態を踏まえ、さらに連帯の輪をひろげ、参議院段階での有事法案の廃案に向けた取り組みをいっそう強めていきます。また、輪郭までしか示されていない「国民保護法制」を政府に明らかにさせ、この有事関連法案が、市民を守ることにはならないことを広く訴えつづけます。
 現在、市民の安全保障にとってもっとも必要なことは、憲法にもとづく平和政策の推進であり、北東アジアにおける平和確立の役割を果 たすことであり、ブッシュ政権の国際法無視の戦争政策の変更を求めることです。とりわけ北東アジアの国々、人々との自治体や民間を含めたあらゆるレベルでの友好交流を強めていくことを具体化、実践していきます。
以上
有事法制にNO! 5.13集会開く
 実行委員会主催の集会には、市民団体、NGO、宗教者、労働組合の約3,000名が参加しました。兪暁久さん(サムルノリグループ「ウリパラム」)、田村祐子さん(JVC)、豊田直己さん(フォトジャーナリスト)、寺尾英昭さん(ヘルスケア労協・日赤)、伊藤彰信さん(全港湾労組)の各氏から、自らの体験などをもとに、有事法制の危険性について発言がありました。平和フォーラムで集約した95万筆を超える廃案を求める署名は、衆参両院に提出されました。
 
「NOユージ・ウォーク」でアピール
 5月18日、東京・渋谷の若者でにぎわう青山や原宿の街を有事法制で戦争協力が強制される看護師や建設関係者などの格好に扮した若者たち約350人がパレード。有事法制反対をアピールしました。イラク戦争に反対する32の市民団体が@もう戦争はいらない、Aわたしたちは有事法制に反対します、B非暴力による行動を貫きます、の3点を一致点として作った「NOユージ、VIVA友情」キャンペーンの企画です(平和フォーラム・原水禁も参加)。同キャンペーンは16日にも国会に向けて請願行動を行いました。