「許すな戦争、差別 −憲法・教育基本法
を考える2.11集会」開催
 有事法制や教育基本法改悪など、平和・人権を柱とする憲法の理念を根本から否定する動きが進んでいます。 特に教育基本法をめぐっては、中央教育審議会の中間報告で「国を愛する心」などが強く打ち出され、近日中には最終答申も出されようとしています。
 その一方で、昨年秋以来、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致問題を起点に、在日韓国・朝鮮人の人たちに対する差別 や迫害がきわめて増えています。
 そこで今年は、戦争と差別の問題、教育基本法に焦点を当てた学習会を開き250人が参加しました。  最初に講演した鄭暎恵(チョンヨンヘ)大妻女子大学助教授は「一在日の目から見た最近の日本の状況」として、「民族排外主義の被害者は在日朝鮮人だけではない。加害者とされる日本人もまた、国家によって支配され、戦争へと動員されていく被害者である。同じ手口に二度とだまされないでほしい」と強調しました。
 そして、民族排外主義が国民を捜査する道具として使われてきた歴史的背景があった例として、関東大震災の時に流布され、朝鮮人虐殺を引き起こした「不逞(てい)鮮人」のデマをあげ、仮想敵に対する加害の共犯体験をつくり出すことをきっかけに日本国民を相互監視させ、不平不満を抑える働きをしていたことを指摘しました。
 また、「反北朝鮮キャンペーン」という形で「不逞鮮人」のイメージが急増される中で在日朝鮮人が置かれている状況について「朝鮮学校の生徒に対するいやがらせが○○件といった数字だけでは表わせない、脅かされている状況があり、どこかで感性を磨滅させないと日常性を維持できないような圧力、恐怖心がある」と述べました。最後に、「不逞鮮人」「悪の枢軸」と戦おうとしない者は「非国民」だとして、演出された「国家存亡の危機」の中、気づかないうちに民族排外主義の偏見を植えつけられ、民族差別 の「加担者」となりながらも、最も支配されるのは日本人であることや差別 なきところに戦争はない(戦争なければ差別なし)と訴えました。
   続いて「教育基本法をめぐるうごきと問題点」と題して弁護士の中川明さん(元北大教授)は、教育基本法の制定経過やこの間の「改定をめぐる戦後の論議の変遷を振り返りながら、「(教育基本法が)憲法の価値を実現する意味で憲法と不可分一体であるもの」と位 置付けた上で、「改定」の動きに対して「教育を国家目的のための道具におとしめようとすることだ」と批判し、「子どもの権利条約」に沿って検討するのが本来の姿勢であり、そこが欠けていると強調しました。
 そして、中教審における「教育基本法の見直し」に関する議論と「中間報告の問題点として、@教育目的として「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人」の育成を据えていることA基本理念として「日本人としてのアンデンティティ」(「伝統、文化の尊重」、「郷土や国を愛する心」)を新しく加えていることB「能力を最大限に伸ばす」ことを強調する中で「教育の機会均等」を歪曲し、障害者など教育上の支援が必要な人たちへの分離・別 学体制を維持するおそれがあること、C前文の見直しを先送り(後回し)にしたことなどをあげ、「改定」が憲法のなし崩し的な改変、否定につながることを 強調しました。
※参考:中川明『一法律家から見た教育基本法の「見直し」問題』(岩波書店刊「世界」2003年3月号
STOP THE WAR
〜わたしたちはイラク攻撃に反対します〜
2.19集会を開催
 世界中から、アメリカ政府によるイラク攻撃の準備に対して大きな疑問と反対の声が上がっています。その中で、小泉政権は2月18日の国連安保理の公開討論会で、米英への支持を表明し、武力行使のための新たな安保理決議の採択を強く主張しました。
 こうした動きに対し、2月19日、平和フォーラム、原子力資料情報室、日本消費者連盟などでつくる実行委員会の呼びかけに応えて多くの市民団体・NGOメンバーが7000名参加して「STOP THE WAR 2.19集会」が開かれました。
 実行委員会を代表して太田敏夫平和フォーラム副代表のあいさつに続き発言した横路孝弘民主党副代表は、「日本は国連安保理でアメリカ支持を明確にした。戦争反対、小泉首相は戦争協力するなと声をあげよう」と訴えました。
 また、土井たか子社民党党首は、「他国の政権が気に入らないという理由で武力による転覆が認められれば民主主義は廃れてしまう。国連の有名無実化にもつながる」と呼びかけました。連合総合組織局長の阿部道郎さん、DPI(障害者インターナショナル日本会議)事務局長の金政玉 さんの発言に続いて、イラクでの医療支援などを続けてきた「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の熊岡路矢代表は、「経済制裁」により、湾岸戦争を超える数の子どもたちが亡くなっている。戦争が始まれば病気の子どもたちのライフラインも断たれてしまう」と現地で受けた危機感を訴えました。そして、3月8日に開かれる「WORLD PEACE NOW」への参加の呼びかけとして、アジアン・スパークの若者たちが「ブッシュ・パフォーマンス」を披露。2月15日のニューヨーク反戦集会に参加して帰国したばかりの平和フォーラム・アメリカ派遣団の福山真劫事務局長は、「人々に埋めつくされたニューヨークの街で私たちもイラク戦争、有事法制反対の声を上げてきた。ニューヨークの40万人、イギリスの70万人に負けないよう日本でも平和の行動を作り出していきたい」とアピールしました。集会は最後に集会アピールを採択し、参加者全員で「STOP THE WAR」の戦争反対コールを唱和して、銀座の街をにぎやかにバレードしました。
 
イラク攻撃に反対
米・英大使館前で抗議行動
 平和フォーラムは、2月6日を皮切りに、毎週木曜日を基本に、「イラク攻撃するな! アメリカ大使館前行動」を行っています。6日の行動では、福山事務局長が、「米英両国はイラクへの武力行使を意志統一しているが、これを許すわけに はいかない。すでにイラクででは経済制裁の結果、多くの人が亡くなっている。イラク攻撃は一層の犠牲をもたらすことは明白だ。平和的解決を求めていこう」とあいさつしました。 各団体からの決意表明ののち、ブッシュ大統領とベーカー駐日大使への「イラク問題について理性的に対処し、武力攻撃計画を中止する」ことを求める申し入れ書を全体で確認しました。
 この行動は2月13日、19日、27日にも実施し、19日には英大使館前でも行い、トニー・ブレア首相、ゴマソール駐日大使に対しても同様の申し入れをしました。3月も毎木曜日正午から行う計画です。

2月15日には渋谷の街をピースパレード
 1月に続いて、世界統一行動日だった2月15日、多くの市民団体の呼びかけで(平和フォーラムも呼びかけ)「ピースアクションin東京」が渋谷の宮下公園で開かれました。若者や家族連れの参加者が多くを占め、外国籍市民の参加も目立 ちました。私たちの予想をはるかに超えた5,000人の参加者は、渋谷駅周辺を一周パレード。先頭が公園についたときには、まだ最後尾が出発していない程の大きな盛り上がりでした。
STOP THE WAR アメリカ派遣団報告
40万人の“反戦”の意志ひしひし
 平和フォーラムは2月11日から18日にかけて@2月15日にニューヨークで開かれるイラク攻撃反対の行動に参加、A米国の反核・平和団体との交流、B上記@A を基に、日本の反核平和の取組みをさらに高めること。を目的に米国に代表(福山真劫事務局長を団長に14名)を派遣しました。

11日ワシントン着、早速ピースアクションと交流 労働組合と若者の参加が大きな力に

 派遣団は11日ワシントンに到着。はじめに会ったのは、これまで何回も原水禁大会に参加している全米最大の平和・軍縮団体、ピースアクションの仲間です。事務局長のケビン・マーチンさんは、「米国では昨年の秋頃より反対行動が大きくなり、その役割を果 たしているのが労働組合と若者の動き。労組は従来この種の問題に深くかかわってこなかったが、軍事に膨大な予算をつぎ込むブッシュの一国主義に強い警戒心をもっている。若者、とくに学生の間に運動が広がっているのは新しい動きで、これまで政治に無関心だったが、いまは戦争だけでなくグローバル化についても反対している若者が多い。反戦運動は民主主義、人権、国際社会のあり様に関心を寄せる人を着実に増やしている。2月15日は世界の人々が団結する大切さを世界に知らせるだろう」と語り、米国の反戦運動が刻々と広がっていることを感じました。

12日には労働組合やバーバラ・リー議員とも交流 9.11テロは経済の不公正さが要因とAFL−CIO

 12日には、アメリカの労働者の最大組織・AFL−CIO(アメリカ労働総同盟・産業別 労働組合会議)を表敬訪問。AFL−CIOは昨年10月、9・11テロが経済の不公正さがその要因にもなったことから貧困国への人道的経済支援もうたった「米国のイラク先制攻撃および戦争への反対決議」を採択し、それに基づいた上下両院へのロビー活動も展開しています。担当のルイス氏は、「組合の中には軍事産業にかかわっているものや予備兵もいるとした上で、イラクによる脅威がないにもかかわらず、ブッシュは9・11テロとイラク問題を同一視にしている。テロを孤立させるために、米国が国際社会から孤立してはならない」と強調。また、第二次世界大戦時における在米日本人に対する取り扱いの反省から、総 同盟内にイラク、北朝鮮問題の委員会をつくり関係国民を抑圧することがないよう取り組んでいるとのことでした。

声を上げ続けることが大事とバーバラ議員

 アフガン報復攻撃に上下両院で唯一人反対を唱えたバーバラ・リー議員(民主党下院議員)との面 会は議会の合い間を縫って行いました。
 議員からは「国内から反対の声が広がってきているが、大統領はまだあきらめていない。しかし、反対の声を上げ続けるのが大事だ。日本からも声を上げてほしい」と求めつつ、「ブッシュ大統領に与えられたイラク攻撃開始の権限をストップする決議に、今取り組んでいる」と不屈の精神の強さを見せました。

ゴードンさんは非暴力・不服従運動の広がりを強調

 夜は、ピースアクション前事務局長のゴードン・クラークさんから、米国の運動団体や運動の状況などを聞きました。ゴードンさんは、イラク攻撃の理由を「オイル、オイル、オイル」と指摘するとともに、米国の言うことを聞かない見せしめであると断言。米国の反対運動が、労組、女性、教会、共和党員等の中で、かつてない広がりを見せているとする一方、米国のガン社会に象徴される暴力性と激しい消費性向が背景にあるとして、病めるアメリカ社会の根の深さを示唆しました。そして、現在のガンジーやキング牧師にみられる非暴力・市民的不服従の運動の意味と、その広がりを熱っぽく語りました。
  ニューヨークでまずピースフルトゥモローズとグランドゼロへ

 13日ニューヨークに着いた派遣団は、さっそく9・11テロの現場であるグランドゼロを訪れ、被害者家族らで構成する平和団体、ピースフルトゥモローズのリタさんたちから、当時の様子と平和への思いを聞きました。
 リタさんは実弟をテロでなくしましたが、昨年来日してアフガン・イラク攻撃反対を訴えるとともに昨年末にはイラクを訪問しています。リタさんらの配慮で、柵で囲まれている崩壊現場のなかの慰霊を兼ねた談話室に入った一行は、リタさんから「ヒロシマ、ナガサキを体験したにもかかわらず、日本は報復をしなかった。怨みと怒りではなく、平和と友好を求めた。私たちはそこに学んだ」と告げられ、その敬虔な姿に感銘しました。また、談話室の壁には被害者の写 真や家族のメッセージなどがすき間なく張られ、中でも、「お誕生日おめでとう。私の心の中にはいまもパパが生きている」とした子どもの手紙は、改めてテロの非人道性を思い知らされました。一行は最後に3,000余名の犠牲者に哀悼の意を表し献花をしました。

反核法律家協会所属の弁護士と懇談──先制攻撃は国際法違反と

 その日の夜には、反核法律家協会所属の二人の弁護士と懇談をしました。ジョン・バローズ弁護士は、米国の先制攻撃は国連憲章、国際法に反していることはもちろんだが、仮に安保理が武力攻撃を認めた場合、これまた先制攻撃が許されていない以上違法になると指摘。これまでは安保理が予防的措置として先制攻撃を認めたことはないことを強調し、対米国同様、安保理に対しても国連憲章、国際法を守るよう求めるべきだ。と主張。また、ジャッキー・カバット弁護士は、生物兵器、化学兵器を核兵器と同列にならべて「大量 破壊兵器」と位置づけ、核による先制攻撃の理由付けにしているとの問題点を指摘。核兵器と生物・化学兵器の峻別 を訴えるとともに、核兵器の使用の意味づけが変わってきていることに警鐘を鳴らしました。

マイナス10度の中、元気にラリーに参加

 14日は国連日本政府代表部の訪問と国連見学を行い、夜には参加者みんなで15日用の「NO WAR ON IRAQ イラク攻撃反対!」横断幕を作成しました。 15日はその横断幕を掲げて、摂氏マイナス10度の厳しい寒さの中、元気にデモ行進(ラリー)に参加しました。
 当日は早朝から警察官が至るところで厳重な警備体制。地下鉄を乗り継ぎ、予定の集合場所(国連近く)に向かいましたが、デモ参加の人の波と警察の取締りによ ってストップと行進を繰り返し、結局別なところに落ち着きました。
 参加者は老若男女。学生や若者が多数見受けられましたが、「ブッシュの戦争反対」「石油のための血を流すな」「金は戦争に使わず教育に回せ」などのプラカードを片手に、ベビーカーを押している人、子どもを抱えている人、モヒカン刈りで唇にピアス、イスラムの言葉で書かれたプラカード、毛皮を着た老婦人に80歳近くの御老人まで、多士済々です。どこからともなく、「ラブ アンド ピース」「ノーウォー、ノーブッシュ」のコールや、全員の意思を確かめるようなブーイングがひっきりなしに繰り返されました。5メートル近い平和フォーラムの横断幕は目を引いたようで、写 真もよく撮られました。日本の旅行中の若者、ニューヨーク在住の女性、留学中の大学教員も声をかけてきました。午後3時を過ぎると益々人が増え、人の波がいっせいに国連本部方向に動き出しました。日本の組織だった取り組みも必要でしょうが、一人ひとりの意思による参加はそれ以上に相手に与える圧力があります。

アメリカでもマスコミの世論操作が問題に

  ブッシュはイラクを攻撃するかもしれません。それでもブッシュが、世論をもっとも気にしていることだけは確かです。訪米中、ほとんどすべての人がマスコミの世 論操作を指摘していましたが、誰しもマスコミ報道がいかに実態とかけ離れているかを感じ取っているからです。短い滞在でしたが、やはり米国は民主主義の国だと …思いました。このままではおかしなことになる、と多くの人が感じています。これをどうやって、世界の世論・うねりとしていくのか、今回の代表団の成果 はこれ からの運動にかかってきます。
輸出国主導のWTO農業交渉に反対し行動
2月14日〜16日に東京で閣僚会議 農民・市民団体と抗議
急激な自由化を求める提案に反対の決議

 WTO(世界貿易機関)交渉は、2月14日から16日まで、東京で非公式のミニ閣僚会議(22ヵ国の政府代表参加)が開催され、農業分野や医薬品問題などで、閣僚レベルの協議が行われました。平和フォーラムは、市民・消費者団体、農業・農民団体とともに、閣僚会議に対し、3日間に渡って行動を展開しました。
 特に、閣僚会議の直前に、農業交渉委員会のハービンソン議長が、自由化を急激に進める提案を行ったことから、これに強く反対することを確認し、要請行動やデモ行進などを行いました。
 2月14日に憲政記念館で開かれた、平和フォーラムと農民団体主催の「輸出国主導のWTO交渉に反対する全国総決起集会」には、各都道府県組織から500人が参加しました。主催者を代表して、太田敏夫平和フォーラム副代表は、「議長提案は、日本のコメなど関税率の高いものを急激に引き下げるもので、輸出国主導の自由化推進案と言わざるを得ず、私たちは強く反対していく。WTO体制下で一段と日本の自給率は低下してきた。BSEの発生に見られるように、全面 的に輸入に頼ることは、食に対する不安をますます高めることになる。WTOの貿易ルールの改革に向けて運動を強めよう」と訴え、最終的な自由化交渉の枠組みが作られる3月末に向け、3月24日にも再度中央行動を展開することを提起しました。
 また、韓国の全国農民会総連盟のカン・ビョンギ政策委員長も参加し、「韓国でも日本と同時に14日から連日5千人の集会・行動を展開している。これ以上の自由化は韓国農業の破壊を招く。日韓ともに連帯して運動を展開しよう」と呼びかけました。
 「際限のない自由化を求める輸出国主導の農業交渉に反対しよう」との集会アピールを採択し、集会後に参加者は、福田官房長官をはじめ、外務省、農水省、アメリカ・オーストラリア大使館などへの要請を行いました。
 
「WTOは誰のため?」市民団体とも集会開く
15日は1万人が参加して国際市民集会
 「命とくらしは売り物ではない!」−2月14日の夜、平和フォーラムは市民団体とともに、「シンポジウムWTOは誰のため?東京集会」を開きました。シンポジウムでは、WTO交渉で進んでいる農業、エイズ治療薬など医薬品と知的所有権問題、遺伝子組み換え食品、サービス貿易問題などについて、関係団体から問題提起を受けました。
 また、反グローバリズム運動に取り組むタイのウォルデン・ベローさんが「非公式閣僚会議そのものがWTO協定違反だ。少数の国が密室で世界の貿易ルールを決めようとしている」と厳しく批判し、農業や医薬品分野で、多国籍企業による独占支配を許さない闘いを世界中で展開しようと訴えました。
 一方、15日には東京・日比谷野外音楽堂に、1万人が参加し、「公正で公平な貿易ルールを求めるWTO国際市民集会」が開かれました。集会には海外 からも120人が参加、アジアやヨーロッパ、アメリカの農業団体代表などから、「急速な自由化は各国の農業と食料、環境そして文化を奪うものだ」と、異口同音の訴えが続きました。
 集会後には、閣僚会議の会場の横を通り、「農業と食料を守れ!」とシュプレヒコールを行いながら、銀座でのパレード行進を行いました。
近畿で「第3回世界水フォーラム」が3月に開催
水の商品化に反対し、「水基本法」制定を求める討論会も実施
全水道労働組合書記次長 水越 隆
 「21世紀は水が原因で戦争がおこる」といわれています。工業化、人口増、治水や農政の失敗は、水質悪化、水量 逼迫、生態系破壊の危機を深め、10億人が基本的な水の供給を欠き、毎年500万人が水に関係する疾病で死亡しています。食料の輸出入は水の収奪につながるとも指摘されています。
 こうした中、第3回世界水フォーラムが3月16日から23日にかけ、京都・大阪・滋賀で開催されます。前回の第2回水フォーラムは2000年にオランダで開かれ、地球規模の水問題を解決しようという三つの目標と五つの行動からなる「水ビジョン」が策定されましたが、その中に提示されたフル・コスト・プライシング(給水に要する費用のすべてを回収する価格設定)をめぐり、労働組合やNGOは、水を市場原理に委ねるものとして厳しく批判しました。実際、水フォーラムは水道会社が途上国に自社技術や設備を売り込む「ノミの市」の様を呈したといわれています。

◆水道事業の民営化は不平等と貧困を拡大

 世界銀行によれば、水道会社による事業の総収入は世界で8000億ドルに達するといわれるほど、水は利潤をもたらす魅力的な「商品」なのです。 しかし、水道事業の民営化は水不足解消に役立たず、むしろ水質を悪化させ水の不平等な分配と貧困を拡大した多くの事例があります。2000年に南米ボリビアでは、米国企業による民営化と水道料金の大幅な値上げをめぐり、市民が民営化撤回を求めてゼネストを闘い、戒厳令まで敷かれました。
 イギリスの水道民営化は料金の急上昇、水質悪化、経営破綻が相次いで、失敗を認めざるを得なくなり、昨年はフィリピン・マニラで、5年前にフランス系の会社が民営化した水道事業は、不採算を理由に経営が放棄され、公営に戻されました。
 水道会社は、フランス・イギリスの3社で世界中の水道会社シェアの過半を占め、1990年代以降、急速に世界へビジネスを拡大しています。その背景に、途上国では世界銀行融資とIMF構造調整プログラムがあり、先進国では「公的支出の削減」を口実としています。多くの失敗にも関わらず、WTOでは各国水道・下水道事業に、企業の参入を推し進めるサービス貿易自由化の動向もあります。
  ◆公共の水システムの強化もテーマに
 第3回世界水フォーラムでは、新たに「水行動計画」が提起されます。その中で、水資源開発や水道などインフラ整備に要する莫大な費用(年1800億ドル)は民間からの調達が不可欠とされています。
 8日間にわたって開かれる水フォーラムでは、この「水行動計画」をめぐり380以上の分科会が行われますが、NGOは「水の商品化反対」「地域主権で適正規模 の開発推進」で論陣を張っています。
 3月19日には、大阪で連合と国際公務労連(PSI)が主催し、「水基本法の制定」「公共の水システムの強化」をテーマに討論会を行います。PSIは、水に関係する公共部門の連携強化のため、グローバル企業による民営化に代わり、公共部門と私企業のパートナーシップの確立を訴え、海外の様々な事例を紹介します。連合は、「水が人々の共有財産であることを踏まえ、総合的水管理制度と水行政の公正・透明性を確立した水基本法の制定」の運動を提起します。
 日本では小泉構造改革が「官製市場の開放」を唱え、水道・下水道事業を含め公共部門の「私化」路線を暴走しようとしています。しかし、「私化」ではなく、「官」から「公」へ、「公共」を取り戻すべきなのです。
 第3回世界水フォーラムは「水は誰のものか」を問う、水の利権のグローバル化との闘いの一環でなければなりません。ボリビアでの民営化に対する抗議者の連帯は「水と生命を守るための調停者」と名付けられました。水問題の解決へ行動するために、彼らの声を聞くべきです。「グローバル化経済は人々が互いに思いやることのない世界を生み出した。我々は水を守ることで人間はもっと気高い存在であることを立証したい。水は分かち合う権利であり、売り物ではない」。
 
宍道湖・中海淡水化反対闘争の御礼
 昨年(2002年)12月13日、中海・宍道湖淡水化事業の中止が正式に決定しました。着手以来39年の年月、干拓も含め851億円もの巨費が投入され、目的を失った無駄 な公共事業の代名詞にもなった事業がついに終止符を打ちました。
 この事業は、島根・鳥取両県にまたがる中海に約2,500haの大規模干拓を行い、あわせて中海・宍道湖の残水域約15,000haを淡水化して、干拓地と沿岸既耕地約7,300haの農業用水を確保するという国営事業としてスタートしました。
 その後、1970年の減反政策がでた時点で当初の目的を失いましたが、中止することなく事業は突き進み、その後水質悪化や生態系悪化の懸念から住民団体を中心に反対運動が起こり、淡水化事業は88年に凍結され、干拓事業は2000年に中止が決定されました。  この間、環境アセスメント法の制定など公共事業の見直しが進み、一昨年には、土地改良法が改正され「廃止の手続き」の項目が盛り込まれ、撤退のルールが明確になりその適用第一号となりました。
 平和フォーラムしまねの前身の島根県評は、86年に淡水化反対ハガキ行動を提起し、翌年、住民運動の景観保全条例制定要求署名運動に全面 的に協力を表明し20万を目標に取り組みを開始しました。88年には、1万人集会を行い約4キロに渡って宍道湖に人間の鎖ができました。これらの取組みでは、中国地区を中心に全国各地の仲間のご協力をいただき誠にありがとうございました。
 事業は中止され、全国的にもまれな汽水域は残りましたが、環境改善は進んでいません。今後は中海を分断している森山・大御崎両堤防の開削、中浦水門の取扱いなど課題は山積みですが、豊かな宍道湖・中海の自然を守り、地域活性にむけた取組みを行っていきますので引続きご支援をよろしくお願いいたします。
2003年1月15日
フォーラム「平和・人権・環境」しまね
 
WORLD PEACE NOW 3.8
もう戦争はいらない
〜わたしたちはイラク攻撃に反対します〜
■日時:2003年3月8日(土)13:00 開場、ラリー(集 会)開会14:00 、ピースパレード出発15:30
■場所:日比谷公園野外音楽堂、銀座(パレード)
◆問い合わせ先(電話連絡先)
アジア太平洋平和フォーラム(APPF )03(3409)5555 /CHANCE !pono2 090(3812)3777 /日本消費者連盟 03(3711)7766 /ピースボート 03(3363)8047 /平和をつくり出す宗教者ネット 03(3461)9363 /許すな!憲法改悪・市民連絡会 03(3221)4668
http://www.worldpeacenow.jp/

憲法調査会のうごき
〈衆院〉
2月6日
最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会
象徴天皇制1─天皇の地位・皇位継承を中心として─
参考人質疑 高橋 紘(國學院大学講師)
自由討議

安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会
非常事態と憲法1─テロ等への対処を中心として─
参考人質疑 森本 敏(拓殖大学国際開発学部教授)
五十嵐 敬喜(法政大学法学部教授)
自由討議

2月13日
統治機構のあり方に関する調査小委員会
地方自治1─道州制・都道府県合併について─
参考人質疑 増田 寛也(岩手県知事)
自由討議

基本的人権の保障に関する調査小委員会
教育をうける権利─教育基本法改正を含む─
参考人質疑 鳥居 泰彦(慶応義塾学事顧問)
岡村 遼司(早稲田大学教授)

〈参院〉
2月12日
○日本国憲法に関する調査(基本的人権)
[参考人]
矢野 弘典((社)日本経済団体連合会専務理事)
草野 忠義(日本労働組合総連合会事務局長)
熊谷 謙一(日本労働組合総連合会企画局長)
和田 光弘((社)アムネスティ・インターナショ ナル日本理事長)
寺中  誠((社)アムネスティ・インターナショ ナル日本事務局長)
2月19日
○日本国憲法に関する調査(基本的人権)
[参考人]
平松  毅(関西学院大学法学部教授)
申 ヘボン(青山学院大学法学部助教授)
2月26日
○日本国憲法に関する調査(基本的人権)
人権保障の在り方と方法について
[参考人]
常本 照樹(北海道大学大学院法学研究科教授)
三井  誠(神戸大学大学院法学研究科教授)