インタビュー・シリーズ4
いま必要なのは教育基本法を教育に生かすこと
日本教職員組合 森越康雄委員長に聞く
 
【プロフィール】
1947年青森県八戸市生まれ。70年から岩手県内の中学校美術教師を25年間務める。96年から岩手県教職員組合で書記長・委員長、2003年に岩手県平和労組センター議長から連合岩手会長に。04年、日教組中央執行委員長に就任。同年、連合会長代行に選出され、現在に至る。趣味は山菜・キノコ採り。水彩画の個展を8回開き、画集も2冊発刊。
日教組は1947年に結成された、幼稚園から大学までの国公私立学校や各種学校、教育関係団体の教職員で構成する組合。子どもたちが夢と希望を持てる教育研究活動の推進、教職員の賃金・労働条件の改善等に関する運動を展開。


――森越さんが教員になろうとしたきっかけは。
 私の中学、高校の時に視野の狭い、えこひいきをする先生がいて、教員はきらいでした。専攻も高度経済成長の頃でしたので、理数系を選んでいました。ところが、高校3年の時、本屋でロダンの画集を見て強い衝撃を受けて芸術を志すようになりました。当然、親からは強く反対され、妥協として、美術の教員なら生活もしていけるということで、教職課程をとりました。その教育実習で行ったクラスがとてもいい雰囲気で、「あっ、こんな関係を作れるなら」と思い、幸い、採用されて勤めることができました。本当は組合活動をしていなければ、早めに教員をやめて絵で食べていきたかったんですけどね(笑)。

――それが、どうして日教組の組合活動をするようになったのですか。 
 最初は日教組にも入りたくなかったのです。当時は活動も激しく、恐いというイメージもありました。ところが、教育事務所に行った時、所長が「君も将来のことを考えたら変な組合に近づくな」といわれ、逆に反発して組合に入ったのです。それ以来、青年部、支部、県などあらゆる役職を経験してきました。

――どんな学校を作っていきたかったのですか。
 私の高校時代は受験競争が加熱し、生徒が互いに本音も言えない教室でした。もっといい学校生活を送れる関係を作っていきたいと思ってきました。教職員が人間らしく、生き生きと夢を求め、語れないと子ども達もついて来ません。組合活動をするなかで、いろいろな人たちと知り合って視野を広げることができ、それを教室で生かすことができました。力の強いもの、権力の言いなりになっていては子どものためにもなりません。そのためにも組合が必要なのです。

――いまの学校は、そんな夢を語れるような場になっていないようです。
 先輩に聞くと、敗戦後すぐの教室は教員や子ども達が主人公の時代でした。しかし、勤務評定導入(1957年)や学力テスト導入(1961年)、そして1960年に自民党が日教組をつぶすという方針を出すようになってから、徐々に変わってきました。けっして自民党の思い通りにさせない闘いを続けてきましたが、いま、国民の閉塞感が高まる中、労働組合を標的にして問題をすり替えようとしています。マスコミもそれに荷担をしています。弱肉強食の社会では、他人への思いやりや柔軟さがなくなっています。子どものいじめはその大人社会の反映でしょう。弱者にやさしい政治であれば、いじめはなくなっていきます。

――その総仕上げに教育基本法「改正」があります。
 今の教育は大変だと誰もが思っています。それが、自民党などが言うように、教育基本法で個人を尊重しすぎたために、わがままな子どもが多くなったからでしょうか?教育基本法の謳う「個人の尊厳を重んじる」ということは、子どもが生きがいをもてるということです。しかし、居場所がなく、存在感を確認できない子どもが多くなっています。だから、いま必要なのは「個人の尊厳」であり、教育基本法を教育に生かすことです。世論調査でも教育基本法を変えろという人は決して多くありません。

――特に「愛国心」の問題が重大です。
 私が調べたところでは、教育の法律に「愛国心」が書かれているのは、中国、北朝鮮、ロシア、イランなど、自民党が自由や民主主義がないと批判している国だらけです。愛国心が恐いのは、自国最優先の偏狭的なナショナリズムに陥ることです。靖国神社の遊就館のように戦争を肯定することになってしまい、逆に世界から孤立してしまいます。自公政権下で平和の危機が進行しています。日教組のスローガンは「教え子を再び戦場に送るな」です。

――この秋の闘いが山場となります。
 教育基本法「改正」はこの秋の臨時国会の最大焦点です。ポスト小泉の安倍も改憲と教育基本法を最大課題に挙げています。公明党がどう動くかもポイントですが、安倍はナショナリストそのもので、平和と民主主義を平気で壊しかねないという怖さがあります。本当に正念場です。皆さんの支援もお願いします。

――森越さんは連合会長代行であり、連合も組織活性化をめざしていますが、労働運動も非正規の組織化や、地方組織の活性化が必要だと思います。
 私は一貫して、労働運動は地域を重視すべきで、大きい組織が小さい組織をないがしろにするようなことがあってはならないと言ってきました。組織率が低下しているのは、正社員や大企業中心の労働運動という弱さがあったと思います。ようやく、パートや非正規、中小の運動に力を入れ始めました。連合は組織拡大を最大課題にすべきだと思います。

――労働のあり方や社会的問題についても、労働組合は関心を持っていく必要があります。
 日教組は教育研究集会をやって、そうしたことも取り上げています。外国の労働組合は、それは使用者側がやることで労働組合は賃金・労働条件などの運動だけやればいいと言っていました。しかし、いまや仕事の内容を重視する必要性が生まれており、日本の労働運動は先見性があったと思います。ところが、支配層は、そういう大事なものを軽視し、生きがいよりも金儲けを優先し、平気でリストラなどをやってきています。教育現場でも、管理と競争が厳しくなっています。政府もコスト重視で福祉や公共サービスを切り捨てようとしています。それらはやがて社会全体を滅ぼすことにつながるのではないかと思います。

――そういう中でも、教員は子ども達に夢を語り、育てるというすばらしさがありますね。
 去年、初任地で絵の展覧会をやった時に、30年前の教え子が来てくれて、「私の子どもも森越さんに教えてもらいたかった」と言われ、うれしかったですね。私たちの仕事はすぐに成果はでません。それを「日の丸・君が代」の強制のように、短絡的な狭い型にはめようとしているのが今の教育の現状です。

――労働組合も政府などの攻撃を受けて危機的です。
 私たちの言ってきたことは正しいと思いますが、なぜ市民に伝わらないか、何が足りないかを考えなくてはなりません。仲間内でやっているだけではダメで、今まで話したことのない人にも語りかける必要があります。私はよく、「打って出よう」と言っています。その時に、本当に自分の言葉で話していくことが大事です。特に日教組は、教えてやるという意識があるようで、説教調になってしまうようです。労働組合のイメージを変えるためにも、みんなに通じる言葉で、真実や希望を語っていくことが必要だと思います。

〈インタビュ─を終えて〉
日教組は、子ども時代の私の憧れ。すこし緊張。少年の頃は、理数系をめざしていた。しかし高校のとき「ロダンの画集」をみて、閃いた。そして美術の先生に。今年の夏には、地元盛岡の百貨店で、自らが書いてきた水彩画の展覧会「なつかし岩手」を開催。一方、日教組の活動にも邁進。「願い・理想とそしてその実現の可能性を子どもたちと共に語れる学校づくり」をめざす。教員、日教組の役割は重い。労働運動、日教組の課題は多い。教育基本法改悪の動き。合言葉は「打って出よう」。今までもそうしてきた。この秋もう一度決意し、走り出した。〈福山真劫〉

第43回護憲大会の課題

憲法公布60周年
 平和フォーラム呼びかけによる実行委員会の主催で本年11月3日から5日まで、大分県別府市において「憲法公布60年、平和・人権・民主主義の憲法理念の実現をめざす第43回大会」(略称・第43回護憲大会)が開催されます。
 大会名称の通り、日本国憲法は本年11月3日で1946年に公布されてから60周年を迎えます。そして、来年の5月3日には施行から60周年となります。1945年の敗戦まで、日本は、アジア・太平洋地域に対する植民地支配と侵略戦争によって、世界の人々に多大な被害をもたらしました。日本国内でも沖縄戦や広島・長崎の原爆被爆をはじめ民間人を含めた多くの犠牲者を生み出しました。日本国憲法は、この戦争の反省から、前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」、9条で戦争放棄を掲げ、平和主義、基本的人権の尊重、主権在民を三大原則として誕生したものです。
 しかし、憲法は、その後、その理念を充分に発揮することなく、苦難の歴史を歩みました。1950年代半ばには早くも改憲の動きが強まり、政府の憲法調査会が設置されました。その調査会の最終報告が1964年6月に出された後の、同年11月、横浜市で憲法擁護国民連合の主催によって第1回護憲大会は行われました。以来、毎年全国持ち回りで行われ、時々の課題をテーマにしながら憲法の平和・人権・民主主義の実現をめざす学習と交流の場として回を重ね、昨年のさいたま大会で42回を数えるにいたりました。

今年の大会のポイント
 第43回となる本年の大会は、憲法をめぐるきわめて重大な危機的状況のもとで迎えます。国際的には米国のブッシュ政権の「単独行動主義」と戦争政策、国内的には米国に追従した小泉政権の市場万能主義・軍事大国化路線が、平和・人権・民主主義を侵害しつづけてきました。そして、さらに、いまポスト小泉政権として、改憲を打ち出すとともに、集団的自衛権の行使を現憲法の下でも強行する方針を示す安倍政権が誕生しようとしています。現在求められているのは、これらの動きを許さぬ対決姿勢を明確にしとりくみの態勢を強めることです。
 また、今回の大会は、9月26日から始まる臨時国会の渦中に行います。安倍の政権スローガンには、明文改憲とともに、集団的自衛権の行使の解釈改憲を露骨に打ち出すなど重層的な改憲、現行憲法の無視・形骸化を前面に打ち出すものです。
 自民党は昨年11月の「新憲法草案」で、「自衛軍」と海外活動を盛り込むことを打ちだし、さらに「愛国心」を盛り込み、「公益」と「公共の秩序」を強調した人権の制限、靖国参拝を正当化する政教分離原則の変更など、憲法の平和主義・基本的人権の尊重・主権在民の理念を否定する内容の案を打ち出そうとしています。安倍政権のもとでこの動きが加速されることは間違いありません。
 しかし、それ以上に重大なのは、集団的自衛権の行使など従来の政府見解(内閣法制局見解)や村山談話などの戦争責任と歴史認識に関する最低限の政府実績についてすら変更を強引にすすめることです。そのためのキャンペーンやデマゴギーも小泉内閣以上に権力的に強引にあるいは陰湿に行われる恐れがあります。
 この臨時国会は、通常国会から継続審議となっている教育基本法改悪や少年法改悪、共謀罪の新設、憲法改悪のための国民投票法案など一連の重大法案の山場です。憲法の平和・人権・民主主義の理念をあらためて再確認し、改悪や人権侵害を許さないことが必要です。とくに教育基本法と少年法をめぐっては、教育や少年犯罪をめぐる誤解や情報操作が行われることが予想されます。憲法・教育基本法・少年法の意義を踏まえて、子どもの人権や成長環境に対する視点を最重視しなければなりません。
 また、より悪質な動きとして、靖国問題で小泉首相の参拝を批判した加藤紘一元自民党幹事長発言に対する私邸放火事件など言論や表現の自由を封じようとする暴力・テロ行為が起き、これを許さない政治家の声が後退した状況があります。民主主義社会の大前提として、こんな事態をけっして許してはなりません。
 世界的にはアメリカですらイラク戦争の誤りをめぐる評価と是正に向けた動きが始まっています。日本において、小泉内閣とポスト小泉政権の誤りをただす平和・人権・民主主義のいっそうのとりくみが求められています。
参考:平和フォーラム「第43回護憲大会開催の呼びかけ」
http://www.peace-forum.com/goken/061103goken43yobikake.htm

第43回護憲大会を成功させ、憲法改悪反対の大きなうねりを!
大分大会実行委員会実行委員長  棚村 和秀

日本はいつか来た道に戻ろうとしています。
 新ガイドラインの制定以降、その道筋は国家総動員法といわれる「有事法制」、さらには「国民保護法」、そして、戦前の治安維持法の「共謀罪」新設上程など、坂道を転がるように急速に右展開しています。憲法違反のイラクへの自衛隊派兵を強行し、日米同盟の強化を内外に示す在日米軍基地再編成が進められています。在日米軍基地が日本全土に拡大し、日本の自衛隊が米軍の指揮下に置かれ、米国が起こす侵略戦争に惨禍するという、これも憲法違反の状況です。まさに、戦争をする国づくりが進められています。
 そして、お国のために命を投げ出す人づくりをめざす「教育基本法改悪法」が上程され、政治が教育に公然と介入しています。
 重要なアジアとの関係では、靖国神社に公式参拝するなど浅薄な戦争責任、歴史認識を露呈し、アジア諸国から孤立する状況さえ作り出しています。
 一方国民生活は、米国追随の新自由主義構造改革により、競争と市場原理の優先の経済政策が国民を切り刻み、格差拡大の中で生活苦に陥っています。「規制緩和」「競争」「自己責任」といった言葉で弱者が切り捨てられ、救済されず、連日全国で100人以上が自殺に追い込まれています。フリーターやニートに代表されるように若者の働く場所さえ奪い去っています。
 二極化した社会のゆがみが、毎日のように強盗や殺人、果てには親が子を殺し、子が親を殺すと言った悲惨な事態を生み出しています。また、ライブドア、村上ファンド事件、耐震構造偽装や利益追求主義による安全無視など、競争主義の申し子たちによって被害を受けるのは常に国民であり、政府はそのことに対し無責任な対応をしています。「改革」の名の下に国民生活が犠牲になっているのです。そこには人権も無視されています。
 これら全ての行く先は、憲法改悪という権力の目的があります。平和憲法は、侵略戦争の反省から全国民総意のもと制定され、その憲法によって平和で、経済高成長を成し遂げ、法を時代にあわせるのではなく、時代を憲法にあわせる政策が求められています。平和憲法が存在したからこそ、62年間戦争をすることも無く、他国の人々を殺したり、当然戦死者も出していません。世界でも評価の高い平和憲法は国民の宝です。
 第43回護憲大会のポスターは「待っていても憲法は守れない、憲法を私たちの手に闘い取るぞ」という決意を込めて作成しました。全国の仲間とともに「憲法を守る」という大きなうねりをつくり出したいと思います。全国からの多くの仲間の皆さんの来県をお待ちしています。


◆◇◆◇◆◇ 投稿コーナー ◆◇◆◇◆◇

今なら間に合う!上関原発調査ストップを!
破壊の危機に瀕する貴重な自然
高島美登里(長島の自然を守る会代表)
 本誌6月号で『上関原発建設計画の「詳細調査」作業拡大を阻止する闘い』が報告されました。今回は現地の貴重な自然環境と生態系が破壊の危機に瀕している現状と、それに反対する取り組みをお知らせします。
 上関原発予定地の山口県長島は世界的に希少な貝類をはじめ、スナメリ・ナメクジウオ・カラスバトなど、他の地域では絶滅に瀕した生物が健全に生息しており、専門家からも「瀬戸内の原風景」「究極の楽園」と絶賛される豊かな自然環境と生態系に恵まれています。
 ところが、昨年4月から強行された調査は、120ヵ所のボーリングや試掘坑など環境に甚大なダメージを与えるものです。私たちは、開始後2ヵ月足らずで海岸部の異変を察知し、中国電力がボーリング濁水を垂れ流していた事実を突き止め、約3ヵ月にわたり調査を中断させました。しかし、調査再開後、仮桟橋の設置や照葉樹林伐採など破壊の拡大が進行しています。
 「長島の自然を守る会」は1999年9月に発足し、日本生態学会などとの調査成果を基に、環境保護の活動を行ってきました。今回の緊急事態に鑑み、7年間にわたり記録してきた映像や資料を、ビデオに集大成しました。長島の貴重な自然と詳細調査により損なわれつつある現状、そして未来への展望も盛り込んでいます。是非、多くの方に、現地の状況をご覧頂きたいと思います。「瀬戸内の原風景・長島」「瀬戸内スナメリものがたり」の2種(VHS・DVDいずれも3,000円)
連絡先=防府市仁井令町20-11-B-201  FAX:0835-23-1891
メール:midori.t@crocus.ocn.ne.jp

米軍基地はいらない!!11.28全国集会へ参加を

悪法めじろ押しの臨時国会
 憲法改悪のための国民投票法案・教育基本法改悪案・共謀罪新設法案・防衛庁の「省」昇格法案・・・。9月から始まる臨時国会では、通常国会で継続審議になった悪法がめじろ押しです。自民党内には、自衛隊海外派兵の恒久法案を提出しようという動きもあります。
 構造改革と規制緩和で社会保障や市民生活を破壊し、靖国神社参拝でアジア諸国との外交関係を凍結させた小泉内閣が、やっと終わりました。しかし小泉内閣に代わる新しい政権が、今まで以上に改憲・軍事大国化の道を歩むのは明らかです。
 新しい政権が、悪法の全てを臨時国会で強行するのか、また一部を通常国会まで持ち越すのか、いまのところ明らかではありません。しかし臨時国会から通常国会をへて参議院選挙までの政治日程が、日本の民主主義にとって重要な岐路であることを認識しましょう。

おさらい米軍再編
 悪法と共に進められようとしているのが、在日米軍再編です。在日米軍再編は、世界的な規模の米軍再編(トランスフォーメーション)の一部です。冷戦中の米国は、ソ連との全面戦争とアジアでの地域紛争を想定して、西欧と東アジアに大規模な軍隊を配備していました。冷戦が終結し、米国の敵は、イスラム武装組織や中小軍事国家に代わりました。米国は新しい敵を「テロ組織」「テロ支援国家」と呼んでいます。
 新しい敵は「いつ・どこで・なにをするか」分かりません。そこで米国は、海外に配備していた軍隊を本国に呼び戻し、いくつかの同盟国に中軸基地を置き、紛争が起こりそうな地域に前線基地を置くことにしました。戦争になれば、本国→中軸基地→前線基地と即座に移動するのです。「テロ組織」や「テロ支援国家」の多くは、アフリカ東岸から東北アジアに存在しています。米国はこの地域を「不安定の弧」と呼び、米国の安全を脅かす事態が起きれば、核攻撃を含む先制攻撃を行うとしています。
 その軍事介入の中軸基地が、「不安定の弧」の東にある日本です。日米は@「テロ」との戦いに共同で取り組む、A在日米軍基地を強化する、B日本は米国に対して無条件の支援を行う――で合意しました。
 東京都・横田基地では航空自衛隊航空総隊司令部と在日米空軍司令部が合同し、ミサイル防衛司令部が新設されます。神奈川県・キャンプ座間に米陸軍第1軍団司令部が移転し、陸上自衛隊中央即応集団司令部が新設されます。神奈川県・横須賀基地には、原子力空母が配備されます。山口県・岩国基地には空母艦載機部隊が移転し、従来からある海兵隊航空部隊と合わせてアジア最大の米軍航空基地になります。沖縄県では辺野古沿岸部にヘリ基地が新設されます。

私たちの取り組み1──自治体に支援を
 日米政府が進める軍事強化に、私たちはどう立ち向かえばいいのでしょうか。第1の焦点は自治体です。米軍再編に関連する自治体は、12都道府県・41市町村あります。これまで自治体の反対を押し切って、政府が米軍基地を強化したことはありませんでした。自治体が反対すれば、基地再編をとめられるのです。
 当初は多くの自治体が反対していましたが、いまは「外交・防衛は国の専管事項」という脅し文句と補助金の抱き合わせによって、容認する自治体が増えてきました。地域でしっかりとした反対運動を作り、議員や議会、首長に対して「米軍再編反対」の意思表示を行うことが重要です。

私たちの取り組み2──国会への働きかけ
 米軍再編は、本来であれば日米安保条約の改定や、新しい法律の制定を伴う内容です。ところが日本政府は、米軍再編に関連する国会審議すら行おうとしません。民主党や社民党を中心に野党議員に働きかけ、米軍再編が憲法に抵触すること、日米安保すら飛び越えていること、またひっ迫した財政の中で3兆円近い予算が必要なことなどを、明らかにすることが必要です。

私たちの取り組み3──11.28全国集会へ
 自治体や議会への働きかけは重要です。しかし、最も大切なことは、集会やデモを通して多くの人々が米軍再編に反対していることを、広くアピールすることです。平和フォーラムは今秋反基地運動の最大の焦点として以下の集会を行います。ぜひ参加してください。

名称 米軍基地はいらない!! 11.28全国集会
日時 11月28日(火)18:30〜
会場 日比谷公園野外音楽堂

放射線を食べ物に?!
これだけある照射食品の問題
 2005年10月、内閣府原子力委員会は、「原子力政策大綱」で放射線照射食品を推進する方針を決めました。94種類の香辛料への照射の許可を要請していたスパイス業界を後押しする形で2005年12月、食品照射専門部会を設置し、2006年7月、同部会の検討結果がまとめられました。これを受け、原子力委員会として正式に照射食品容認をめざし、厚生労働省や食品安全委員会に諮ろうとしています。照射食品の問題点をまとめました。

食品の成分が変化、危険性を示す動物実験も
 照射食品とは、コバルト60などの出すガンマ線、電子加速器による電子線などの放射線を食品に当てて、殺菌、殺虫、熟度抑制、発芽阻止などを行った食品のことです。食品自体が放射能を帯びることはありませんが、放射線のもつエネルギーで食品に付いている菌、虫、蛹、虫の卵、発芽や熟成のための細胞を殺傷します。
 放射線が食品に当たると、食品の成分である物質の分子から電子がはね出され、化学的に不安定になり、「放射線分解生成物」が生じます。この生成物質の中には、発がん性や遺伝毒性をもつ成分のあることも確認されています。照射食品は、見かけは生のように見えるのに、煮たり焼いたりした食品よりも大きな変化を受けているのです。
 1998年、ドイツの「カールスルーエ連邦栄養研究センター」が照射によりできる化学物質の一つ、2-ドデシルシクロブタノンをラットに与えると細胞内の遺伝子を傷つけるという報告をしました。その後、この生成物質は発がん物質と一緒に体内に入ると強い発ガン増強作用があることがわかりました。
 放射線を食品に当てると、特有の「照射臭」が出て、食べ物として大切な風味がそこなわれます。NASA(米国航空宇宙局)が宇宙飛行士の食欲が落ちると宇宙食の放射線照射をやめました。これも照射による成分変化が関係しています。

安全性は確立されず、悪用・乱用の危険も
 照射食品を食べさせた動物実験でも、奇形や染色体異常、生殖器異常、胎児異常、死亡率の増加などが報告されています。それにも関わらず、その食品が照射されているかどうか、また、その照射量・回数を調べる方法(検知法)も確立されていません。
 1978年に、和光堂のベビーフードの原料となる粉末野菜が4年間にわたって違法に放射線殺菌されていた照射ベビーフード事件が起きました。2004年2月には、マルハ(株)が大腸菌で汚染されたカナダ産ホッキ貝を中国で加工したところ、放射線殺菌をしていたことがわかり、東京都は回収を指示しました。このように、悪用・乱用はいくらでも起こりうるのです。
 また、食品照射施設では、数十万〜数百万キュリーの放射性物質を取り扱います。照射室の見学中に被曝した事故、作業中に被曝する事故が報告されています。照射線源となる放射性物質の輸送時の事故も起こります。使用済み線源は、放射性廃棄物として管理しなければなりません。原子力発電所と同じような問題を抱えています。

照射食品を推進しているのは、原子力産業
 安全性も疑問、検知法もなく、管理も不可能な照射食品ですが、これを世界的に流通させようと推進しているのは世界原子力機関(IAEA)です。1980年に、放射線分解性生物の毒性試験や慢性毒性試験などを無視して、10キログレイ(100万ラド)までならどんな照射食品も問題なしとする報告を出しました。
 それを1983年に、国連のFAO(食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)で作る国際的な食品安全規格に適用され、2003年にはさらに、科学的根拠もないまま、必要なら10キログレイ以上についても問題なしとしています。そして、貿易上のメリットや食中毒防止のための利用を喧伝しています。
 安全性や管理問題を無視して、貿易上のメリットも食中毒防止のための利用といっても意味はありません。日本は、「食品を製造し、又は加工する場合は、食品に放射線を照射してはならない」と、食品衛生法第11条で禁止しています。唯一、例外として北海道・士幌農協のジャガイモ(年間7千トン)だけ照射が認められているだけです。
 日本では1970年代から、照射食品に反対する消費者・市民の幅広い運動が行われてきました。最近の原子力委員会の動きに対し、改めて消費者・市民団体が集まり、「照射食品反対連絡会」を6月に結成しました。平和フォーラムも参加する同連絡会は、これまで、政府への「照射食品に関する質問主意書」の提出、原子力委員会への申し入れ、同専門部会委員への要請などを行い、さらに、食品関連の製造、流通、輸入業者に対するアンケート調査も行いました。多くの業者からは、照射食品が認められた場合も、扱うかどうかは未定との回答があり、食品関連業界も、原子力委員会の唱えるメリットを肯定していない実態が明らかになっています。

高レベル廃棄物に狙われる各地の自治体
高知の動きをめぐって

狙われる高知県
 原子力発電環境整備機構(原環機構)が公募する高レベル放射性廃棄物の最終処分施設をめぐり、高知県内の津野町や東洋町で候補地応募を求める動きが出てきています。
 津野町では、9月4日に誘致派の町民有志が議会に陳情書を提出。これに対し、反対派も同日、陳情書を提出し、町行財政改革特別委員会(大地勝義委員長)に付託され、12日に開かれた同特別委では、「慎重に議論を深めるべきだ」として継続審査となりました。これまで津野町議会は、昨年末ごろ原環機構から施設などの説明を受け、その後一部議員や町民が六ケ所村を視察していました。今月も同機構が一部町民に対し説明会を開くなど活発な動きを水面下で行ってきました。
 現在、隣接する須崎市や棒原市の首長は、反対表明をしており、橋本高知県知事も東洋町の誘致の動きを含め否定的考えを示していますが、完全に否定されておらず今後の推移を注視する必要があります。
 東洋町では、8月上旬に町執行部と町議会が原子力発電環境整備機構の職員を招き勉強会を開き、説明を受けていました。東洋町には、1万トン級の船が接岸できる岸壁があり、隣接の室戸市長も「推移を見守る」と、反対の姿勢を明確に示していません。津野町のように山間部に位置し、周辺の自治体が反対しているのと違った状況にあり注意が必要です。
 これまでも県内では、佐賀町(現黒潮町)で2003年9月に誘致が表面化しましたが、2004年7月に議会で請願を不採択しました。過去にも核燃料サイクル開発機構(核燃機構)が公開した全国25ヵ所の処分場候補地の中で、高知県内では「大野見村鈴ヶ森付近」、「窪川町北西部」、「西土佐村の中半付近」、「佐賀町西部」、「宿毛市京法の西方」、「中村市と三原村の境界」、「土佐清水市今の山付近」の7カ所が上げられていました。水面化で高知県は狙われていました。

高レベル放射性廃棄物処分とは
 高レベル放射性廃棄物は、原発の使用済み核燃料を再処理してできる極めて放射性の強い廃液です。その廃液と耐熱ガラスを混ぜてステンレス容器で固めこんでガラス固化体にしたものです。ガラス固化体1本には、セシウム137の放射能で比較すると広島型原爆で放出された量の100倍の放射能が含まれ、そばに立っているだけで1分間に200シーベルトという強烈な放射能を浴びるほど危険なものです。それを30〜50年間程度冷却のための貯蔵した後、地下300メートルより深い場所に約4万本を埋設し約50年間かけて処理する計画です。計画では2030年頃の処分場の操業開始を目標としています。
 最終処分施設選定は、資料を基に過去の地震や火山活動などをデータで調べる文献調査やボーリングで地層の状況などを調べる概要調査、地下施設を設けての精密調査―など3段階の調査を約20年間かけて行うことになっています。文献調査段階で年間最大2.1億円、概要調査段階で年20億円(総限度額70億円)の電源立地地域対策交付金が、応募自治体や隣接自治体や県に交付されることになっています。 しかし、原環機構の2002年12月から候補地公募に対して、いまだ全国で正式応募した自治体はないのが現実です。政府は文献調査段階の交付金をさらに増額する方針を打ち出していいます。金額をつり上げ、財政が逼迫する地方自治体を絡め取ろうとしています。

高レベル放射性廃棄物処分場阻止にむけて
 今後も、交付金をつり上げ各地で誘致の動きを刺激することが予想されています。そのことは、経済的に弱い自治体に、核のゴミを押しつけることになるだけです。さらに次々と誘致の声を上げさせることによって、推進側としての「本命」の地域が手を挙げやすくなることに注意する必要があります。
もぐら叩きのようではありますが、私たちは、初期の時点で彼らの動きを止めることがいま重要です。

原爆認定訴訟の意義
広島原水禁顧問  宮崎 安男

 原爆症認定訴訟は、原爆の後障害でいまも重篤の病に苦しむ被爆者が「自分の今の病苦は原爆に原因があり、そのことを国に認めさせたい」との願いを実現し、この裁判の取り組みを通じて原爆被害の全体像を明らかにさせ、現在も核に依存し続けている世界に警告を発する「ノーモア・ヒバクシャ」の運動として始まりました。
 具体的には、原爆症の認定申請を却下された人を原告として、2003年より全国で原告180人が15の地方裁判所に提訴し、本年5月大阪地裁(原告9人)8月広島地裁(原告41人)で、国の却下処分を取り消すという全面勝訴の画期的判決が出されました。大阪判決についてはニュース2006年6月号で述べられていますので、ここでは8月4日の広島地裁判決(304号法廷・坂本倫城裁判長)についてその意義と今後の取り組みについて述べておきます。

広島地裁判決の意義
 第一に、判決はまず被爆者の現状に真剣に向き合い、国のいう「科学的・専門的知見」を退けました。
 判決は、被爆者の「疾病には多くの要因が複合的に関連しており、特定要因から立証することは困難、加えて放射線が人体に影響を与える機序はいまだ科学的に詳細が解明されていません。被爆線量そのものも評価は不完全な推定によるほかはない。このような状況で、当事者に立証させることは、不可能を強いることになる。」として、なによりも被爆者のいま置かれている現状を判断し、初期放射線量だけでなく、瓦礫や土ぼこり、黒い雨などから生じる残留放射能の誘導被爆・内部被爆の影響を認め「全証拠を経験則にてらして全体的総合的に考慮したうえで……」認定すべきと述べています。
 第二に、国が判断の基準にしている「原爆症認定に関する審査の方針(国におかれた疾病・障害認定審査会が2001年に策定)」を機械的に適用することを戒め、これは「放射線起因性の1つの傾向を示す過去の一時点における一応の参考資料として評価するのにとどめて……」あくまで全体的・総合的に検討することを求めています。大阪地裁判決ではこの審査の方針に定める被爆推定線量については「考慮要素の一つとして他の考慮要素との相関において評価すべきで、機械的に適用するのは相当でない」と述べていました。
 このように国が唯一の認定基準にしてきたものが「考慮要素」や「参考資料」に過ぎないとされた以上、国は早急に認定基準の見直しに着手すべきですが、国は国の基準は科学的で国際的に認められたものとして両判決いずれも控訴しています。
 第三に、判決は41人原告の一人一人に丁寧な解明をした上で、判決をだしていることです。
 原告にはいままでは絶対に認めてくれなかった遠距離被爆者(2キロ以上の)や入市被爆者も認めており、原告の中で最遠距離は、爆心地から4.1キロ、入市では13日後の入市者が入っています。また「被爆後に相当期間を経過した後に発生したものでも被爆との関係が存する可能性に相応の根拠がある」と判決しています。
原爆被害がいかに深刻であるかを、被爆者一人一人の実情に向き合って確認した判決といえるでしょう。
 第四に、この裁判はいのちをかけた裁判でした。
 2003年6月第一次提訴以来原告は45名、あれから3年間のうちに10名が亡くなりました。6名の遺族が継承したので判決時原告は41名です。この間公判は25回、当初2年を目途とした裁判が長くなったのも個人陳述を重く見たからです。遺影を掲げての裁判がつづきました。個人陳述では倒れそうな原告が精一杯原爆被害を糾弾し、狂わせられた人生を語りました。酸素吸引機をさげての原告もいました。次の世代にこのような目に合わさないために、原爆の犯罪性と国の責任を厳しく問うたのです。
 裁判は原告と2つの被団協が中心ですが、裁判を支援する会を幅広くつくり、多くの弁護団とともに裁判を支えました。広島県平和運動センターや原水禁もその核となって支援しました。

今後の取り組み
 地裁判決は国側の控訴(広島ではそれを受けて、損害賠償却下もあり、原告も控訴した)によって高裁段階に入っています。しかし被団協は残る13地裁の判決を待つまでもなく、大阪・広島さらに最近の個人裁判での相次ぐ勝訴を受けて、早急に認定基準の見直しをするように要求しています。それにはこの裁判が原告や被爆者の問題に留まらず、核の被害を軽視し、核兵器依存を進める国の政策を根本的に変えさせる運動にしなくてはなりません。とくに国会を動かす政治的力となるように。

北朝鮮ミサイル発射後の世界
孤立深める日本外交の危うさ
日米の圧力で北朝鮮核問題は解決しない
米・強硬派とだけ連携した日本
 今年7月5日の北朝鮮によるミサイル発射のあと、日本政府はボルトン・米国連大使の積極的な支援を受け、国連安保理で、国連憲章第7条に基づく制裁を含む非難決議の早期成立をめざしました。一方中国は、日本の非難決議案に強く反対し、ロシアも中国と同調しました。
 しかし、米国は国連での強硬姿勢の一方で、ブッシュ米大統領が、ミサイル問題の外交的解決をめざすと表明(7月6日)し、ヒル国務次官補が中国、韓国、日本を訪問。とくに中国と非公式6ヵ国協議開催で合意し、中国も武大偉外務次官を7月10日に北朝鮮に派遣しました。この段階で日本の制裁案採択は不可能となったのですが、日本は閣僚の間から「先制」攻撃論(敵地攻撃)ととれる発言が出るなど強硬姿勢を崩しませんでした。
 結局、7月15日に国連憲章第7条への言及を削除した非難決議案が英仏から提案され、採択されました。
 こうした経過から、米国政府内には国防総省を中心のネオコン派と国務省など現実派の二つのチャンネルがあり、ブッシュ大統領は時に応じてどちらかに乗っているという姿が見えてきます。

ミサイル発射で孤立したのはどこか
 今回のミサイル発射で、北朝鮮は一層国際的孤立を深めましたが、一方日本も米・ネオコン派とだけ連携した結果、日本外交の危うさを内外に示し、国際的にも孤立したのです。8月15日の小泉首相の靖国神社参拝は、日本の孤立外交の仕上げというべきものです。
 韓国政府は北朝鮮のミサイル発射後も北朝鮮との対話ルートを閉ざしませんでした。コメ・肥料の追加支援は中止しましたが、7月11〜12日の南北閣僚級会談を予定通りは済州島で開催し(結果は決裂)、8月上旬、北朝鮮政府が7月の水害被害への支援要請を公式に行ってきたことに対して、100億ウォン(約10億円)の緊急援助とコメ15万トンを送ることを明らかにしました。
 中国はロシアと共に独自の非難決議案を提案しましたが、ミサイル発射後も6ヵ国協議再開への働きかけを一貫して続けています。

北朝鮮核問題の解決の方向は見えるのか
 現在のところ米国は、北朝鮮の核計画を放棄せよという圧力をかけ続ける以外の策は待っていません。
 6ヵ国協議についても、中国、韓国の努力にまかせるだけで、状況を打開させる行動はとろうとしません。
 2005年9月19日の共同声明は、北朝鮮の核計画放棄に大きな展望を開くものでした。しかし北朝鮮の要求する軽水炉建設については、今後の協議にゆだねることになりました。しかしブッシュ大統領は共同声明のすぐ後に、北朝鮮がNPTに復帰した後も、北朝鮮の原子炉は認めないと断言したのです。
 北朝鮮の核問題はイランの核問題にも大きく影響します。そして米朝会談の開催がその鍵を握るのです。北朝鮮の核問題が解決の方向へ向かえば、イランの核問題もいい方向へ向かうでしょう。しかし米国は北朝鮮に6ヵ国協議復帰が困難な状況を作っているのです。
 膠着した状況を切り開くために、北朝鮮がとった行動がミサイル発射だったのです。私たちは軍事行動によるメッセージには、いかなる点でも反対ですが、じゃあ日本政府は6ヵ国協議再開のために、どのような状況を作ろうとしたのかを問わなければなりません。

日本政府の政策のなさに恐怖を感じる
 米国は北朝鮮が経済的困窮から国家的破綻することを求めていて、日本政府は米国の政策を支持しているかに見えます。しかし国境を接する中韓が、北朝鮮の国家的破綻を見過ごすことはないのです。
そしてこのまま時間が経過すれば、北朝鮮に残されたメッセージは核実験だけとなります。しかし北朝鮮の核兵器保有がはっきりと明らかになれば、日本でも核兵器保有をという声はにわかに高まるでしょうし、アジア全体を緊張させ、混乱することは明らかです。
 私たちは北朝鮮の核開発断念を最優先にしなければならないのです。経済制裁や、軍事的圧力では北朝鮮の核開発を止めることは不可能です。朝鮮戦争以降、北朝鮮は米国の軍事的脅威に曝されてきたのです。北朝鮮核問題の解決は、まず米国が外交的解決への意志を持つこと。そして9月19日声明の誠実な実行です。
 北朝鮮のミサイル発射を日本国家の危機かのように、政府もマスコミも宣伝し、また国民も同じように危機感を抱いて、経済制裁に拍手を送る。このような日本の姿に、私たちは恐怖を感じなければなりません。
 米国の世界戦略としての在日米軍再編。その中心となるミサイル防衛=MD。しかしミサイル防衛はほとんど役に立たないのです。

本誌の「読者アンケート」にこたえて
機関誌の内容充実を図ります
 平和フォーラム・原水禁の機関誌「News Paper」は、その前身の憲法フォーラムの機関誌「平和と民主主義」から通算し、前号で700号を数えることができました。長年にわたる読者のみなさまのご支援・ご協力に感謝申し上げます。
本誌は、2年前の7月号から「News Paper」と「原水禁ニュース」を統合し、組織と運動、情報の一体化を図ってきました。現在、3,300部を発行し、このうち、個人読者は約800部、残りは加盟団体、各都道府県組織などを通じて配布されております。
今後の機関誌の内容の充実にむけ、6月〜7月にかけて、読者アンケート調査を行い、82人の方から返信をいただきました。アンケート結果を検証しながら、今後の課題についてまとめました。

わかりやすいニュースをめざします
 ご協力いただいた方の6割以上が5年以上前からご購読をいただいており、半分以上が「ほとんど全部読む」と回答いただきました。紙面の内容については、「わかりやすい」が3割、「普通」との回答が7割いただきました。アンケート結果では、概ね熱心にご購読をいただいています。
 内容について、多くの方からご意見をいただきました。「中味がよいが、文は長い。文章をコンパクトにして見やすいように」(60代男性)、「もう少し短文で明快に」(50代女性)、「あまりカタカナ、英文を使わないように」(60代男性)、「やや硬くて字が多くて読みにくいですね」(60代女性)など、わかりやすい内容や文体への意見が多く出されました。
 また、「文字が細かいのではないかと思う」(40代男性)や「字を小さくしたり、詰めたりすると読みにくい」(60代男性)というご意見もいただきました。今後とも、簡潔な文章や写真等の多用で、わかりやすさを心がけたいと思います。また、字体についても読みやすさを追求していきます。

速報、資料はホームページと連動します
 一方、「記事の背景、解説があったらよい」(60代)、「文章も必要ですが、統計資料もお願いします」(50代男性)、「全般的すぎて詳細が分からない。もっと資料的なページがほしい」(50代男性)、「資料としても使いたい」(60代女性)など、専門性や資料的な内容の充実に関する意見もいただきました。図表なども用いながら、できるだけ資料的にも価値のある誌面作りをめざします。ただし、誌面に限りがあることから、資料については、平和フォーラムおよび原水禁のホームページに掲載しているものと連動するようにしていきます。
 関連して、「月1回発行では速報性に欠けます。『最新情報はホームページでどうぞ』としたら」(50代男性)というご意見もいただいています。従来から、ホームページでは、集会等の案内や活動報告の速報なども掲載しております。ホームページとの役割分担を図りながら、機関誌は、普遍的に問題点や課題を提示する内容を持ったものとしていきます。

生き生きとした多彩な誌面を作ります
 また、取り上げてもらいたい内容として、従来から掲載している内容に加えて、「もう少し市民運動または市民の個人的活動にもスポットあててください」(60代男性)、「労働問題にいっそう力を入れて欲しい」(30代男性)、「集会や大会に参加する一般の市民の声も載せて、みんながんばっている内容が読みたいです」(60代男性)などのご意見もいただきました。
 その一環として、本年6月号から「インタビュー・シリーズ」の新企画を始めました。これは、様々な現場で活動している人を取り上げ、生い立ちや活動の経緯なども含めてインタビューしていくものです。アンケートでも、「中小労組政策ネットの平賀さんへのインタビューはよかった。もっと中小組織の問題を取り上げて欲しい」(30代男性)、「新企画インタビュー・シリーズに期待します」(60代男性)との声もいただきました。また、「ナビ」は、様々な運動場面から導き出される事柄から、今後の活動の方向性を掘り下げてまとめようとするものです。これらを含め、「生き生きとした多彩な誌面」に向けて、さらに企画内容の充実に努めます。
 今後の企画としては、今月号から「投稿欄」を設けることにしました。運動に関わることや地域での取り組み、また、平和フォーラム・原水禁へのご意見などをお寄せいただきますようお願いします。(字数は500字〜800字以内)。その他、「節目節目で『特集号』も出してはどうか」(30代男性)、「マンガもあると、より親しみやすいと思います」(40代男性)などの提案もいただきました。
今後も、読者の意見を大切にしながら、内容の充実に向けて努力を重ねて参りますので、引き続くご愛読をお願い申し上げます。

この秋、鉢巻を締めなおそう
ブッシュ・安倍による支配の構造が揺らぎだしている
 世界的にも、時代が動き出しています。イラク戦争の「大義のなさ」が米国の上院の中で、またも明らかにされました。イラク戦争が泥沼に入りつつある中で、ブッシュの支持率が低下し続けると同時に彼を支持した勢力の後退が目立ちます。スペイン、イタリア、イギリスのブレア首相も退陣が日程にのぼり、南米では、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、ボリビア等と反ブッシュ政権が相次いで誕生し、連携を強めています。
 そうした中、日本でも自民党の新総裁、新首相、民主党の代表も決定し、臨時国会も開催され、与野党の対決が始まっています。小泉自公政権が私たちに仕掛け、積み残した課題が山積しています。共謀罪新設、国民投票法、教育基本法の改悪、防衛庁の省昇格法案、米軍再編成の推進などなどです。小泉政権は、5年間の中で、国内政策では、「市場万能主義路線」をとり続け、結果として、市民の中に格差を拡大すると同時に生活不安を拡大しています。また安全保障面では、「戦争をする国」づくり路線をひた走り、東アジアでの緊張を高めています。小泉亜流の、A級戦犯を祖父に持つ「安倍晋三」が総理になり、その小泉路線を基本的に継承すると思われます。しかし日本社会も大きく流動化を始め、安倍自公政権もそれほど強力ではありません。野党の頑張りにより、政策転換、政権交代の可能性もh具加納ではありません。私たちは野党に期待すると同時に最大限の支援をすることが求められています。平和フォーラム・原水禁も連帯した行動に全力で取り組みたいと思います。

平和フォーラム・原水禁の組織、運動を強化しよう

 平和フォーラム・原水禁は、この間、平和・核軍縮・民主主義・環境・脱原発の分野で、全力で取り組み、大きな役割を果たしてきました。
 一方冷戦時代の終えん、労働運動の再編過程の中で、組織のあり方についても、多くの議論がなされてきました。しかしこの秋の諸状況を考慮すれば、平和フォーラム・原水禁のあり方論について、一定の整理をつけ、全力での闘いへの参加が求められています。そして9月21日、22日の両日組織の責任者会議を開催し、組織の一定の方向と秋の課題について、確認してきました。
 それは、「当面平和フォーラムの組織、運動の強化を図りながら、連合とは課題別に連携・共闘を強める。」ということです。と同時に「フォーラム」から、現状はそうですが、「センター」としての機能を持とうと確認してきました。平和フォーラム・原水禁が掲げてきた課題の前進については、自らがその実現に向けて責任を持たなければ、なりません。またその実現のためには、連合を中心とする労働団体、市民団体、野党との連帯を拡大し、多数派を形成しなければなりません。
 また、この秋の最大の課題は、米軍再編成に対決すること、教育基本法の改悪を阻止すること、共謀罪の新設に反対すること等です。教育基本法改悪阻止については、日教組の闘いを全面的に支持・支援しよう。米軍再編成については、関係地元平和団体、労働団体、自治体と連携して闘おう。11月28日米軍基地はいらない!! 東京集会に結集しよう。沖縄の知事選挙もあります。衆院補欠選挙、統一自治体選挙、参議院選挙も予定されています。すべての闘いで自公政権を追い詰めよう。