被爆61周年原水禁世界大会国際会議 海外ゲストの発言から
東北アジアの平和・非核化と安全保障をどう創り出すか
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被爆61周年世界大会の初日8月3日、福岡市・アクロス福岡で「東北アジアの安全保障と非核地帯化」をテーマに原水禁世界大会・国際会議が開催されました。ここに紹介するのは、海外ゲスト3人の発言要旨です。会議のキーノート・スピーチ、パネラーの川崎哲さん(ピースボート)の発言など、詳細は「大会報告集」をお読みください。
アメリカの核兵器政策と非核アジア ポール・マーティン(米・ピース・アクション)
ピース・アクションは、米国内に100の支部をもつ米国内最大の平和組織です。
世界はヒロシマやナガサキの教訓から学ぶことができていません。未だに米国には12,000の核兵器があり、ロシアは21,000もの核弾頭を保有しています。多くの核兵器は、日本に落としたものより20倍以上の核爆発力をもち、数分以内に打ち上げ可能な一触即発の警戒態勢にあり、結果として不慮の発射のリスクもあるのです。他の国でも核軍備に固執し続けています。英国とイスラエルはそれぞれ200発、フランスと中国はそれぞれ500発、インドは50発を越える核弾頭を保有しています。パキスタンは約25発、北朝鮮はおそらく2発〜10発分の核兵器物質を持っています。
米国とロシアは2002年に戦略攻撃能力削減に関する条約(モスクワ条約)に調印していますが、具体的な核兵器削減の証拠が見えません。ブッシュ政権の「核態勢見直し」では、新しく「使える核兵器」の開発、核兵器を保持していない国への核兵器先制使用や、核実験の準備期間の削減などを要求していますが、設定より、爆発力が10%でも弱いか強ければ「信頼性がない」と決め付けて、核兵器を刷新・再設計しようとしています。米国は新しい核兵器の実験を行うかも知れません。
アジアでは、中国とインドとパキスタンが核抑止力に強く固執しています。そして北朝鮮は核兵器保有国としては一番若い国のようです。私たちはこのような動きに執拗に反対しなくてはいけません。こうした努力は、北朝鮮の核問題という妖怪を、出てきたもとの壷に戻すことができるかもしれません。私は韓国の北朝鮮との取り組みを支持します。米国は北朝鮮と直接に交渉し、北朝鮮を孤立させる政策をやめさせないといけません。共和党議長外交委員長のリチャード・ルガーも同じことを要求しています。最後に、北朝鮮が6ヵ国協議に戻ることを支持しなくてはいけません。
また、私たちは原子力発電についても話すべきです。インド、北朝鮮、その他の国々も原発から核兵器プログラムを発展させています。18の原子炉(世界の建設中原子炉の中で70%にあたる)はアジアで作られています、その他の77の原子炉が計画中か、提案されています。
原子力は環境、経済問題以外にも、核拡散のリスクを伴うのです。ですからピース・アクションも反原発の立場です。世界はエネルギーに対する貪欲な欲望を見直し、効率性を上げて需要を減らし、再生可能エネルギーを探す必要があります。私たちはみなさんの反原発運動に感謝すると共に、それを続けられることを切望します。
平和と東北アジアの非核化 チン・ヨンジョン(韓国・参与連帯)
1992年に、韓国と北朝鮮は朝鮮半島の非核化に関する共同声明を出しました。目的は、「核戦争の危機を除去する」ことと、平和と平和的統一に有利な環境を作りあげ、アジアと世界の平和と安全に貢献することです。東北アジア諸国の人々はこの地域の非核化を通じて、平和を願宣言を歓迎しています。
しかし朝鮮半島での政治的、軍事的緊張は緩和されず、むしろ緊張が増しているのは明らかです。1994年の北朝鮮での核危機、最近のミサイル発射、韓国の米軍基地の拡大、東北アジアでの米軍の役割の変化、そして日本の六ヶ所での再処理工場建設などの例があげられます。
日本や韓国と同じように、米国もこの東北アジアでの軍事的緊張の増大に責任があります。まず在韓米軍の戦略的柔軟性と、アジア太平洋地域の米軍の機動的作戦が、この地域の平和と安全を脅かしていることを、知っておくべきです。あの9月11日以来、米国政府は必要があれば、核兵器の使用を含む、先制攻撃の可能性があると公式に発表しました。
これは北朝鮮にとって直接的な脅威となります。これまで在韓米軍の役割は、朝鮮半島内に制限されていました。しかし米軍の機動的作戦は、在韓米軍が中国を攻撃する可能性も意味するのです。これは中国を軍事的に脅かし、中国と台湾の緊張の増大へとつながります。すでに在韓米軍はイラクへ派遣されており、イラクへ派兵された韓国軍は、イラクの米軍の指揮下にあるのです。
韓国の参与連帯は、韓国での米軍の戦略的柔軟性に対して、反対の立場を取っています。それは東北アジア諸国に、核爆弾を含む制限のない軍事競争を強い、この地域が戦争の危機に瀕するからです。
中国と日本、北朝鮮と日本、ロシアと日本、中国と台湾、北朝鮮と韓国の間の緊張関係が、急激に増すことになります。もっと言えば、韓国と日本の軍事力がこの地域の米軍に組み込まれざるを得ない。そして、米―韓―日本の軍事同盟が、この地域の最大の脅威になります。
私たちは、国境をこえる地域の協力的安全保障の枠組みが、軍備競争よりも、平和や軍縮を強化するために作られるべきと考えます。多国間の安全保障体制が、米韓軍事同盟や日米軍事同盟にかわって提言されるべきです。この多国間の安全保障システムの中で、北朝鮮の核問題のような、地域の平和に関わる大切な問題は話し合われ、解決されるべきです。
韓国政府と米国政府は、秘密裏に在韓米軍の再編成を合意していました。ソウルからピョンテクへと米軍基地を移動し、拡大しようとしています。ピョンテクの住民と多くの市民団体が米軍基地の拡大に強く抗議しています。いま韓国の平和運動は全て、ピョンテクの米軍基地を止めさせることに焦点をあてています。もっとピョンテクに国際的な関心が集まるべきです。
東北アジアの平和の状況は悪くなっています。私たちはアジアの軍事的脅威を低下させ、アジアの非核化を前進させるために、市民レベルの協力を行う必要があると考えます(参与連帯は1994年に韓国内の行政、立法、経済界の監視を主目的として設立され、2004年には平和軍縮センターが設立されました)。
東北アジアにおける多国間安全協力と中国の役割 王 長勇(中国・人民平和と軍縮協会)
東北アジアは旧ソ連が崩壊し、冷戦の枠組みが大きく変化した以後も、依然として冷戦構造が続いている地域です。
米国はアジア太平洋地域の軍事力を強化し続け、日本とミサイル防衛を進め、米日の同盟関係を強化しています。日本は米国との軍事同盟の保護下で、軍事力を増強して国を治めるという路線を推し進め、軍事大国の地位を求めています。これは東北アジア地域の安定にマイナスの影響をもたらしてきました。
2005年9月、朝鮮半島の核問題に関する「6ヵ国協議」の第4回会議では、「共同声明」を採択し、朝鮮半島の核問題を解決する原則と方向を確定しました。北朝鮮と米国は相互に譲歩し、核問題と直接関係のある国々は、別の形の交渉を通じて、朝鮮半島の恒久的な平和システムを確立しようとしました。
しかし、「共同声明」は、ただちに朝鮮半島と東北アジア地域の平和をもたらしませんでした。米国は北朝鮮に金融制裁を行い、そのため北朝鮮は「6ヵ国協議」に復帰することを拒否しました。
とくに最近では、北朝鮮はミサイルを試射し、朝鮮半島の緊張を改めて引き起こしました。朝鮮半島の核問題を一日も早く解決するため、引き続き「6ヵ国協議」を維持して、「相互尊重・平等・協調」という精神に基づき、相違点を小さくし、コンセンサスを拡大し、信頼関係を構築し、「6ヵ国協議」の早期再開のための条件を作る必要があります。
朝鮮半島の核問題において、中国は重要な役割を果たしています。積極的に「6ヵ国協議」を促進したことは、国際社会に認められました。これからの中国は、東北アジアにおける責任を負う国家として、より一層、この地域の諸国の相互信頼を増進し、様々な問題を解決し、地域の平和と安定を促進するため引き続いて努力するでしょう。
中国は核兵器の開発問題に関して、依然として理性的な抑制的態度を保っており、核軍拡競争には参加せず、核兵器によって他国を脅迫せず、核兵器を国外に配備せず、核兵器の保有規模は一貫して限定的なレベルを保っています。
中国の核兵器は、あくまでも自衛が目的です。中国は、核兵器の先制使用による抑止政策を放棄し、核兵器の国家安全政策における役割を低下させることを呼びかけています。
《核も戦争もない21世紀を》
被爆61周年原水禁世界大会を終えて
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61年目の夏
私たちが「ヒバクシャ支援と平和・核軍縮と脱原発」を誓う8月の原水禁世界大会を開催しました。今年は、ヒロシマ、ナガサキの被爆から61年、チエルノブイリの被爆から20年が経過しています。地域からの取り組みを経て、広島には6,600人、長崎には3,800人が結集しました。
集会には参加できないけれども、「平和・核軍縮」の思いを被爆地へ届けようとしてはじめた「木のブロック」は長崎爆心地公園に昨年に続いて1万5千個集まりました。また国際ゲストも、ドイツ、ウクライナ、アメリカ、中国、フィリピン、韓国から20名近く参加してくれました。
また、今回は、アメリカ、ピースアクション、中国平和軍縮協会、韓国参与連帯、日本、ピースボート、原水禁の4ヵ国の平和団体の参加で、国際会議を福岡で開催し、6ヵ国協議に対応して、市民版・平和団体版の6ヵ国協議をめざしました。
3団体による開催
昨年に続いて、今年も連合、原水禁、核禁会議の3団体での、「平和と核軍縮」「被爆者支援」をテーマに、広島、長崎の開会式とシンポジウムを共同で開催しました。私たちは、開会式とシンポを共同で開催すれば事たれりという立場ではありません。平和・核軍縮、ヒバクシャ支援の運動を3団体が連携することによって、前進させるということが目的です。
そしていくつかの不一致課題についても、原水禁の路線を理解してもらうために開催しているつもりです。2回目ということもあり、批判的な意見よりも、内容が充実してきたと前向きに評価する意見を多く聞きました。来年どうするかは総括をする中で決定する予定です。
私たちが確認したこと
広島、長崎の一連の日程を通して、私たちは多くのことを胸に刻みました。「核も戦争もない平和な21世紀に」というのが、基本スローガンです。私たちは、このことのために全力で闘い続けてきました。しかし、いまなお痛恨の思いをこめて、核兵器が3万発も世界に存在し、核拡散の事態が生じていること、ブッシュ政権の核兵器も含む先制攻撃・単独行動主義が世界各地に戦争と軍事的緊張を拡大していること、ブッシュ政権に追随する小泉政権が憲法を蹂躙し、軍事大国化路線を暴走し、東アジアで軍事的緊張を高めている状況を目の当たりにしています。
そうした状況を踏まえて、私たちの基本的取り組みである被爆者援護、平和・核軍縮・脱原発の3本柱の取り組みを確認しました。まず、被爆者援護の課題についてです。現在も、27万人の被爆手帳保持者がおり、政府の不十分な政策の中で、生活・健康の問題で不安な状態に置かれ続けています。被爆者援護法の改正をはじめ、集団訴訟の支援、在外被爆者の支援、被爆二世、三世の支援など多くの課題があります。とりわけ今年は、被爆二世、三世の政策の充実を求めて署名運動が始まります。連合・核禁会議と連携して厚労省交渉等全力で取り組みを強めねばなりません。
平和と核軍縮の課題について
平和と核軍縮を前進させるには、NPT体制を強化するしか道はありません。2000年に合意された13項目プラス2の実現めざして、世界の平和団体、平和市長会議と連携しての取り組み強化が求められています。ブッシュ政権の「核兵器による先制攻撃」、「新たな核兵器開発の動き」絶対に許してはなりません。劣化ウラン弾の取り組みも重要です。また、東北アジアで「平和と非核地帯化」の取り組みも重要です。このためには、日本のダブルスタンダード政策が問題であり、「非核3原則」を基本に「米国の核の傘から離脱」が求められます。
原子力政策の転換と脱原発の社会作りの課題ですが、政府は、原子力政策大綱の中でも明らかなように、プルトニウム利用路線を推進しようとしています。
原発関連施設立地県を中心としながら、全国各地での闘いが拡大しています。原発新増設反対の取り組み、青森六ヶ所再処理工場稼動阻止、プルサーマル計画反対の取り組み、もんじゅ稼動反対の取り組み、などなどです。こうした闘いを全国で支援しあいましょう。
おわりに
ヒロシマ、ナガサキを風化させてはなりません。若い人たちに、引き継がねばなりません。職場、地域から、広島、長崎で学んだことを実践しましょう。
幌延町への深地層研究所はいらない!
研究施設は処分場建設の一里塚
原子力資料情報室共同代表 西尾 漠
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日本原子力研究開発機構が北海道幌延町ですすめている「幌延深地層研究計画」は、いよいよ地下施設の建設が始められてしまいました。日本原子力研究開発機構というのは、2005年10月1日、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が合体してつくられた独立行政法人です。幌延深地層研究計画はもともと核燃料サイクル開発機構が行なっていたもので、7月22日に「幌延深地層研究センター」を見学した際に尋ねたところ、職員はすべて旧核燃料サイクル開発機構当時のまま変わっていないとのことでした。
さらにもともとは、核燃料サイクル開発機構の前身である動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の計画です。1984年に明らかにされた「貯蔵工学センター」計画では、@高レベル放射性廃棄物ガラス固化体(原発の使用済み燃料を再処理した後に残る廃液をガラスといっしょにステンレスの容器に固め込んだもの)の貯蔵施設ATRU廃棄物(再処理工場の操業に伴って発生する廃棄物で、ウランより重い超ウラン元素=TRUをふくむ)の貯蔵施設B高レベル放射性廃棄物ガラス固化体を深い地層に処分するための研究を行なう地下研究施設(深地層試験場)C同じく地上試験施設Dガラス固化体が出す熱や放射線を利用する研究などの施設といったさまざまな施設の建設が企図されていました。
しかし、反対が強く、北海道議会や周辺の町の議会でも反対決議がつづいたため、1998年2月、「貯蔵工学センター」計画を撤回し、Bの地下研究施設のみを「幌延深地層研究所」として新たに提案したのです。
それが、現在の「幌延深地層研究センター」です。センターでの研究計画は、地上からの調査研究、坑道掘削・地下施設建設時の調査研究、地下施設での調査研究と3段階に分けて実施するとされ、2005年11月9日、地下施設の建設を始めて第2段階に入りました。といっても、掘削が始まったのは換気立坑で、主要立坑2本の掘削はこれからです。
同じような地下研究施設は、岐阜県瑞浪市にやはり日本原子力研究開発機構が「瑞浪超深地層研究所」を建設しています。こちらは幌延と同じ2005年11月18日に主立坑の掘削がはじまりました。幌延が結晶質岩、瑞浪が花崗岩です。幌延の結晶質岩はメタンガスを含むため、事故時の避難を考えて瑞浪より1本多く立坑を掘ります。
幌延も瑞浪も深地層の科学研究を目的としていますが、幌延ではさらにガラス固化体処分の研究開発も目的とされています。科学研究も処分のための基礎研究ですが、もっと直截に処分技術の信頼性向上こそが最大の目的なのだそうです。
地下研究施設は、処分場建設の一里塚と言われます。海外諸国を見ても、地下研究施設のある地域が、多くの場合、処分場の候補地とされています。その意味では幌延は、瑞浪以上に候補地に近いと言うべきかもしれません。
現在、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の処分候補地は、原子力環境整備機構(NUMO)によって公募が行なわれています。とはいえ、首長が手を挙げかければすぐに強い反対運動が起こり、場所によっては拒否条例までつくられて、正式な申し込みは皆無です。そこで経済産業省では、文献調査をさせてくれるだけで2億円を交付するとしていたのをさらに十数億円にかさ上げしたりして、何とか複数の申し込みをとやっきになっています。それでもだめならNUMO側から強引に申し入れをしてくるかもしれません。
地下施設の掘削に伴って、幌延では土壌からカドミウムや砒素などを検出したのに住民に説明をしてこなかった事実が暴き出されました。そうした監視を強めることが、処分場への道も阻止する力になります。
トンデモ法「共謀罪」をめぐる攻防
臨時国会での廃案に向けて
盗聴法に反対する市民連絡会 佐藤憲一
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第164通常国会において、「共謀罪」の新設を含む「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」は継続審議となりました、というより、継続審議に追い込むことができました、といったほうが正確かもしれません。2005年9月11日の総選挙で圧倒的多数を得た与党が、やろうと思えばいつでもやれた「共謀罪」の強行採決を、市民の力でさせなかったという画期的なことが起こったのです。
共謀罪はトンデモ法
ご存じのように、「共謀罪」とは実行行為がなくても法律違反について行おうと話し合い「合意」しただけで処罰されるという現行の刑法体系を根底からくつがえすトンデモ法です。その対象も、法案第6条2の2項にある「長期4年以上10年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪」まで含めれば、窃盗罪、消費税法から道交法、水道法、公職選挙法までの約620種類にものぼるという矛盾に満ちたものです。
政府・法務省は、共謀罪は組織的な犯罪集団を対象とするものとしていますが、法案では対象団体を限定しておらず、市民団体、労働団体など全ての団体が対象となっています。判例では2人以上集まれば団体とされます。共謀罪は結社の自由を侵害する憲法が保障する内心、言論・表現の自由を侵す違憲の法律です。
また、共謀罪は、その条文に「ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する」とあります。つまりスパイ・密告を奨励する内容となっているのです。さらに重要なことは、「共謀」を立証するために、悪名高き「盗聴法」(通信傍受法)を拡大しようという意図が秘められているということです。
現在実施されている令状請求による電話・FAX・メールの盗聴を日常的に行おう(行政傍受…国家公安委員会の表現)ということがもくろまれているのです。これは、警察の権限を拡大し、市民を管理・監視しようという監視社会化の招来を、そして、自由に考え議論したり政策批判をすることもできなくなってしまうという自由や人権と民主主義にとっての死を意味しています。
何が強行採決を阻止したのか
1月20日に開会した今年の通常国会。私たち市民団体は、表現者や共謀罪に反対する超党派の国会議員と連携して国会内外で幾度となく「共謀罪の廃案を求める」集会をもちました。早くから共謀罪反対の意思表示をしていた日弁連や全国の弁護士会も声明を発し集会を開くなど活動を活発化させました。 大きな転回点になったと思われるのが国際的に活動しているNGO・NPO団体が結束して声明を出すとともに「共謀罪」反対運動に取り組むようになったことです。「アムネスティ、グリーンピース、子どもと教科書全国ネット21、日本国際ボランティアセンター、ピースボート、VAWW-NET
Japan、反差別国際運動日本委員会」が連名で賛同を求めた共同アピールはこう記しています。「市民の言論が守られることは、民主主義の根幹であり原則です。自由にものが言えない、活動ができない社会は民主主義を崩落させるばかりか、人権尊重を追及する国際社会の流れに逆行するものです」と。
4月から5月にかけての時期、東京新聞をはじめとするマスコミも連日のように「共謀罪」を掲載するようになり、テレビでもニュースはもとより報道番組でも特集を組むようになりました。インターネットの世界では、「共謀罪ってなんだ?」サイト(http://kyobo.syuriken.jp/index.html)などが、共謀罪の危険性広く伝える上で大きな役割を果たすようになりました。関連するブログも日毎に増えていきました。
共謀罪とその危険性が少しずつ知られるようになる中、政府・与党は民主党に修正協議を呼びかけるなど、何としても法案を通そうと躍起になりました。強行採決の危機もゴールデンウィークを前にした時期、5月の中旬、6月初旬と三度訪れましたが、その都度、市民の抗議の声は法務委員をはじめとする国会議員、与党・法務省などに集中しました。野党の議員秘書は「あふれるほどFAXが来た」と語っています。
その結果、通常国会中に成立をもくろんだ「共謀罪」新設法案は法務委員会での強行採決すらできず継続審議となりました。市民と議員の活動とマスコミ報道が相乗作用をもたらしたのです。圧倒的与党多数の国会で与党が重要法案と認定したものが委員会採決すらできなかったというのは希有な例かもしれません。
秋の臨時国会に向けて
共謀罪は継続審議にはなりましたが、決して廃案になったわけではありません。秋の臨時国会で法務省・与党はまたも成立を狙ってくることと思います。通常国会の終盤、最初は歯牙にもかけなかった民主党の修正案を丸のみするとまで言い出した与党のことです。あらゆる詭弁を弄して数をかさに露骨な攻勢に出てくることは目に見えています。
しかし、継続審議が確定した時期、共謀罪新設の根拠となっている「国連越境組織犯罪防止条約」には、「条約の実施は各国の国内法の原則に沿って行えばよい」という条項があり、条約の批准のために共謀罪は必要ないのではないかという疑問が出てきました。すでに批准した国々でも国内刑法の根本を変更したような国は見当りません。野党や日弁連は、批准した世界各国の国内法の制定状況を調査するなど、臨時国会を前に与党をさらに追い込む準備を進めています。私たちも、秋の臨時国会に向け、「今度こそ廃案」という意志のもと活動を活発化させていきたいと思います。
参考:http://tochoho.jca.apc.org/
ルポ:福島県内の農業・農村を訪ねて
活性化めざす各地の取り組み
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政府は7月下旬、来年度から実施される「農政改革」を決定しました。これまで全ての農家を対象としてきた補助金等を、一部の大規模な農家に集中させるなど、大きく転換が行われようとしています。しかし、この政策では対象農家は3割、生産も5割程度しかカバーできないといわれており、多くの農家が切り捨てられるのではないかという懸念も生まれています。
こうした農政の大転換を前に、農業・農村の現場ではどのような動きが起きているのか、それを見るため、福島県下を訪ねました。そこでは、国の政策に頼らない取り組みが展開されていました。
「食の安全・安心」をモットーに週休とる農業
最近の農産物をめぐるキーワードは「安全・安心」。とくにBSE(牛海綿状脳症)問題が発生して以来、一段と広がっています。郡山市の降矢敏朗さん(55歳)は、かい割れダイコンやサンチェなどの水耕野菜を大型ハウスで栽培。独自の農法を取り入れ、農薬はいっさい使いません。1983年に有限会社を設立して以来のモットーとして「消費者の健康を守ること」を掲げ、年間売り上げは1億8千万円にのぼり、近所の女性を中心に地域の雇用の場となっています。
そのうえ、従業員は4週6休の完全週休制を取っています。降矢さんは「23年前に農業研修でヨーロッパに行ったとき、単に後継ぎだから農業をやるのではなく、きちっと経営を考え、食べる側のニーズを反映した安全で健康なものを作っていた。週に一度は休んで教会に家族そろって出かけている。まさにアグリカルチャー・ショックを受けた」と語ります。
帰国後、それまでの水稲や葉たばこ中心の経営を転換。「農政に左右されることなく、この地域の農業と農地、雇用を守っていきたい」(降矢さん)。自らの手で市場を開拓しようとする動きが注目されています。
山間地域の農業を守るために集落まとめて生産
新潟県との県境に近く、県内でも最も山間地にある昭和村は携帯電話も通じません。総面積の92%は森林で占められ、65歳以上の高齢化率は県内1の52%を越え、豪雪地帯も重なり、農業生産には不利な条件ばかりです。当然のように人口もピーク時の3分の1を割って「村から農業がなくなるのは時間の問題」(村役場の酒井一昭産業課長)と言われてきました。
そこで、村と農協が出資し、高齢化で農業生産が出来ない人の水田を耕作する農業生産法人・有限会社「グリーンファーム」を1999年に設立。さらに高冷地の特質を生かし、全国一のカスミソウ生産も行うことで、設立当初から黒字経営を続けています。
さらに、農作業の効率を上げるために、集落ごとに農地をまとめる農用地利用調整も進められています。これが「集落営農」といわれるもので、新たな農業政策でも推進が謳われています。昭和村はその先取りとも言えますが、(有)グリーンファームの小林安郎社長は、「この事業は、国の補助金目当てではない。地域の農地は地域で守ろうというのが主旨だ。集落営農を始めてから、国道添いを花で飾ろうとするなど、女性が前向きになってきた」(小林さん)と違いを強調。
昭和村では(有)グリーンファームを核に、「農地の一括管理を進め、将来は村全体をひとつの農場にしていきたい」(酒井課長)としています。村の特産である「からむし織」(高級縮布)を、都会の女性に一年間住み込みで体験してもらう事業ともあわせて、村の生き残りをかけた取り組みが進められています。
消費者が生産を支えるユニークなお酒の産直
産直で生産と消費を結びつけようという取り組みは全国各地で進められていますが、これをお酒で行うユニークな酒蔵が喜多方市にあります。大和川酒造では、首都圏を中心とした生協組織「大地を守る会」と提携し、無農薬の酒米を使ってオリジナルの純米酒「種蒔人(たねまきびと)」を醸造し、会員のみに販売。売上金のなかから1本につき100円を基金として積み立て、農業生産の源の森と水の保全や農業者を育てる活動に使おうとしています。
「大地を守る会では、コメの自給を守り、安全なコメ作りを応援するため、各地の様々な有機農業に寄与してきた。これもその一環」(同会広報部加藤克三さん)。消費者が生産を支える取り組みは今後、ますます重要になっています。
ヒロシマ、ナガサキの夏
未来を暗示する3人の言葉
原水禁の世界大会の中で、印象に残った言葉が三つありました。それぞれ8月6日に広島で語られた言葉です。ひとつは、秋葉忠利広島市長、もうひとつは小泉純一郎首相、そしてピースアクションのポール・マーチンさんです。秋葉市長とポール・マーティンさんの二人の言葉は、誠実な言葉であり、私たちを励まし続ける言葉です。小泉の首相の言葉は、これ以上の「空虚」とか「嘘っぱち」という形容詞がぴったり当てはまる言葉がないほど破廉恥な言葉でした。それぞれ紹介します。秋葉忠利広島市長は、平和宣言の中で、「悪魔に魅入られ核兵器の奴隷と化した国の数はいや増し、人類は今、すべての国が奴隷となるか、すべての国が自由となるかの岐路にたたされています。(中略)一点の曇りもなく応えは明らかです。世界を核兵器から解放する道筋も、これまでの61年間が明確に示しています。」と提起しました。
小泉首相は、広島の「平和記念式典」で、「今後とも、憲法の平和条項を順守し、非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立ち続けることを改めてお誓い申し上げます。」と語りました。靖国公式参拝、有事法制、インド洋、イラクへの自衛隊派兵、米軍再編成合意、教育基本法・憲法改悪への動き等小泉自公政権の5年間を振り返れば、その破廉恥さが目に余ります。
ポールさんは、原水禁世界大会まとめ集会で、マルチン・ルーサー・キング牧師の言葉の紹介として、「前進は、必然という車輪に乗ってくるのではない。ひたむきな努力によって、前進は勝ち取れる。」と提起しました。後退を強いられている私たち平和・民主主義勢力に対して、「あきらめるな、ひたむきな努力によって、必ず前進できる」と励ましてくれました。
必ず前進できる
このキング氏の言葉は、困難の中で、闘い続けた彼の勝利への確信が伝わってきます。日本の平和運動は小泉自公政権の憲法を蹂躙しながらの「軍事大国化路線」の暴走を止めることができていません。多くの仲間が悔しい思いをしています。しかし、このキング牧師の言葉を皆さんと一緒にもう一度かみしめたいと思います。
小泉首相は、8月15日、靖国神社の公式参拝をしました。私たちは、抗議をすると同時に「千鳥ヶ淵」の国立戦没者墓苑で「平和を誓う集会」を開催しました。この秋は、平和と民主主義にかかわる重要課題が山積しています。共謀罪新設法案、防衛庁の省昇格法案、自衛隊法の改悪法案、教育基本法改悪法案、国民投票法案、米軍の再編成と関連法案、プルトニウム利用計画の推進等々です。平和フォーラム・原水禁の「かなえ」の軽重が問われる課題ばかりです。と同時に期待が高まっています。
とりわけ最大の焦点は、「米軍再編成と関連法案」に対する闘いになります。平和団体、連合、多くの自治体、野党も対決姿勢を強めています。また11月には、沖縄知事選もあります。小泉及び亜流内閣への包囲網ができつつあります。それぞれの持ち場で奮闘しよう。「ひたむきな努力によって確実に前進は勝ち取れる。」 |
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