インタビュー・シリーズ その18
格差、米軍再編、日朝─政治の役割をどう実現するか
民主党・近藤昭一衆議院議員、社民党・辻元清美衆議院議員に聞く

近藤昭一プロフィール 1958年愛知県生まれ。上智大学在学中に中国留学。中日新聞社を経て、96年衆院に初当選。現在4期目(愛知3区)。衆院外務委筆頭理事、民主党「リベラルの会」代表世話人、「恒久平和議員連盟」幹事長。
辻元清美プロフィール 1960年奈良県生まれ大阪育ち。早大在学中に『ピースボート』設立。96年衆院に初当選。NPO法、情報公開法等を成立させる。現在3期目(比例・近畿)。社民党青年女性委員長、政策審議会長代理。安全保障委員。

 安倍首相から福田首相に代わって、憲法の条文改悪の危機は後退したかと思われますが、なお政局は流動的です。政権交代や政界再編など先が見えない中で、私たちからすれば、お二人のような憲法9条擁護派の方々が横につながって憲法理念の実現にがんばってもらいたいと考えています。今日は1月号の対談ということで、民主党の近藤昭一議員と社民党の辻元清美議員のお二人においでいただき、これからの政治のあり方などを語っていただきたいと思います。(司会:福山真劫・平和フォーラム事務局長)

競争一辺倒ではない社会の実現を─近藤
格差拡大と軍拡はセットのものだ─辻元


──お二人は「格差是正にとりくむ議員有志の会」を立ち上げられましたが、まず、格差社会と言われている現状についてお話しいただきたいと思います。

近藤昭一 07年7月の参院選の有権者の声はまさしく、「格差が拡大し競争に追いまくられて、もうやってられない」という悲痛なものでした。その声に押されて、「格差是正に取り組む議員の会」を8月に野党議員で発足しました。過度な競争が、かえって社会をおかしくしていると思います。05年の郵政選挙の頃から、民営化し競争すれば何でもバラ色になるという勝手な解釈に、私は相当な危惧を抱いてきました。それが実態として出てきた。そこで、「今からでも遅くない、競争一辺倒ではない社会をつくらないといけない」と思ったわけです。議員の会で島根や新潟を視察して、小泉・安倍の改革ならぬ改悪で、いかに地方が疲弊しているか、真面目に働いている人の叫びを聞いてきました。早くこの状態を是正していかなくてはと考えています。

辻元清美 この格差は政治が作り出したもので、政治が解決しなければならないと思っています。私は小泉・竹中(平蔵元経済財政相)時代の最初の予算委員会で、2つの質問をしました。1つは、弱い者を切り捨てる社会にしないでということ、2つめは、集団的自衛権の行使についてどう考えるか、ということでした。私は、競争社会と軍拡はセットだと考えています。競争から脱落して格差が広がると治安が悪くなる。そうすると警察権力も含めて、治安を口実に軍拡に走っていくことになるでしょう。逆に格差を解消し、環境と人間、人間同士が共生していこうとする考え方は非軍事・非軍拡の思想ではないでしょうか。市場原理も取り入れつつ、共生の理念も追求するヨーロッパ型の新しい社会民主主義の方向へいかなければと思います。

──格差是正のために、どのような政策が必要なのでしょうか。

近藤 資本主義社会は優れているようでいて、課題もある。社会主義・共産主義社会も課題があって、大きな潮流ではなくなった。そのような状況で、ヨーロッパ的な社会民主主義、第三の道があるわけです。競争だけではうまくいきません。競争に勝ったらまた次の競争が待っている。そして、企業は利益を労働者へ配分しない状況が起きています。重要なのは、最低賃金制度や労働法制など、働く社会のルールを政治がつくるということではないでしょうか。また、医療の問題も重要です。所得に関係なく医療が受けられるという事は、生活に安心・安定感をもたらします。社会保障などの公共サービスへ手厚い予算配分を行うことが必要だと思います。

辻元 教育の格差の広がりも問題です。貧しい家に生まれたら教育が受けられない。結果として格差がさらに拡大する。本当に不幸だと思うんです。フランスなどでは大学まで無料です。日本でも高等教育まで無料化ができないかと考えています。私の家は貧乏でしたが「いいか清美、金持ちでも貧乏でも、勉強だけは一緒やで」と、父は口癖のように話していました。しかし、今は経済格差が教育格差に直結している。すごく深刻な状況だと思います。

与野党逆転は正しい民主主義の姿─近藤

──参院選後の、与野党逆転の中で、民主・社民党が連携して政策を実現していくことができる武器をもったのではと思うのですが、国会の状況はいかがですか。

近藤 よく「ねじれ国会」と言われていますが、私はこの言葉は使うべきではないと思っています。ねじれたなら元に戻せというような悪いイメージがあります。私は、今が本当の意味での二院制の姿であり、正しい民主主義が機能し始めたと思っています。衆院で可決されても、悪法や政策は参院で止める、チェックができるのです。
しかし止まった後が大切です。法案成立のためにどこをどう修正するのか、与野党双方のねばり強い合意形成の議論が必要となります。そのような意味で、民主党が反対している新テロ特措法だけ捉えて、あたかもすべての法案や政策が止まっているかのような印象を与党がつくっているのは問題だと考えます。

辻元 与野党逆転が、吉と出るか凶と出るかは今後の問題です。大きな政党同士が一緒になれば何でもできます。大政翼賛会的に物事が決まっていかないだろうかと心配です。それだけに、小沢一郎(民主党代表)さんが「大連立」と言った時にはどきっとしました。逆に、参院が「与野党逆転」といっても、民主党のみでは過半数になりません。社民党の5議席がなければ届かないのです。このことは、政策を実現させていくためには社民党の賛成が必要ということを意味しており、社民党の位置エネルギーが高まったと言えます。これからは、民主党・社民党の違いを言うのではなく、お互いにがっちり手を握って、どこで一緒にできるのかを考えていかなくてはならないと思います。

米軍再編は防衛産業の利権に─辻元

──防衛省のトップが収賄で逮捕されました、今回の問題をどう見ますか。

辻元 初当選した時から私は安全保障委員会に所属してきましたが、安保委員会は日本の防衛を議論するのではなく、今や「疑惑解明委員会」のようになっています。日米同盟を隠れ蓑にした軍需産業との癒着がずっと続いてきたのではないでしょうか。辺野古への基地移転、沖縄海兵隊のグアム移駐など、米軍再編に多大な予算をつけて防衛産業の利権としていく、この間ずっと守谷前防衛省事務次官がイニシアチブをとっていたことです。それをやり続けていく日米同盟とはいったい何なのか、しっかり追及しなくてはなりません。

──ぜひ、闘志を燃やして徹底追及してほしいですね。12月1日に山口県岩国市で基地強化に反対する市民集会が開かれますが、米軍再編をどう考えますか。

近藤 ミサイル防衛(MD)問題でも、米軍再編問題でも、政党・政治家の調査能力を高めていく事が必要です。再編の意味は一体何なのか、国民への情報量が少ないと思います。たとえ、在日米軍を容認するとしても、その費用対効果はどうなのか、また今回の疑惑に象徴されるように税の使い方の問題もあるわけです。私は、米軍再編は米国のためのものであり、日本が何兆円も支出するのは問題だと考えています。危険だと言われるアジアの情勢の中で、何がどう危険だと言うのか、私たちも知る努力をしなくてはなりません。

──9.11の同時多発テロ以降、アフガン・イラクへの侵略戦争を遂行してきたブッシュ政権ですが、もうこうした戦争政策の継続ができません。世界的にも大きな変化が始まっているのではないでしょうか。このような中で、何でもう一度インド洋への自衛官派遣や給油活動が必要なのか疑問に思います。これに対する運動では、今後どのような視点が必要でしょうか。

近藤 テロ特措法の委員会では、私たちの質問に対して政府答弁はどんどん変わっています。何が真実なのかわからなくなる本当にいい加減な答弁であるにも関わらず、そのことに対してマスコミも国民も鈍感です。これは危険だと思います。先ほど情報が重要と言いましたが、やはり、アフガニスタンの実態を知らしめていくことが大切だと思います。給油の先で、アフガンの市民がどんどん死んでいる事実があります。多くの人にそのことの意味を考えてもらえたらと思います。

辻元 自衛隊のイラク出兵やアフガンでの給油活動は、突き詰めれば全て日米関係です。イラクをどうしたいというよりも、アメリカの顔を立てることが大事ということです。これはみんな知っています。だから小沢さんがアメリカ大使に「ノー」といったら、拍手喝采があがりました。私はアフガンに入りましたが、難民キャンプのあるところに軍隊が行っても混乱するだけだと思います。政府はアメリカの顔を立てて、その国の実態に目を向けようとしていません。私は、スローガンや動員では本当の運動をつくりきれないと思います。地域の中で仲間をひとり一人地道に増やしていく事が大切ではないかと思っています。

日朝国交正常化で拉致問題解決を─近藤

──確かに、平和運動の旧来のあり方や動員型の集会を克服できていません。本気で反対しているのかと問われているともいえます。話は変わりますが、東北アジアの情勢では、アメリカと北朝鮮の関係が一気に変化する兆しがみえてきました。日朝関係は、2002年の小泉首相の訪朝と日朝平壌宣言で国交正常化に向けて大きく歩み出したかに見えましたが、拉致問題で遠のいてしまいました。どのように日朝国交正常化を求めていくのか大きな課題となっています。拉致問題を政治利用していた安倍政権から福田政権に変わって、外交政策に若干の方向転換が見えていますが、どう思われますか。

近藤 小泉首相自身は評価できないけれども、日朝平壌宣言は評価できると思います。しかし、訪朝した時点で拉致問題を軽く見ていたのではないかと思います。家族の心情を思いやる中できちんとした方策が必要ではなかったのかと思います。しかし、今となっては、拉致問題を解決するためにも、日朝平壌宣言に基づいた国交正常化が求められています。そのことが、在日朝鮮人の権利を守ることにつながっていきます。

辻元 小泉元首相はなぜ靖国神社に行ったのか。私には、小泉元首相の外交政策はまとまっていなかった印象を受けます。安倍前首相は外交の方針がなかった。福田首相はまだ増しなのかもしれませんが、しかし、自民党政権ですからそんなに変わりません。早く政権交代をして外交問題もすっきりした方がいいと思います。拉致問題を、イデオロギーを達成する道具のように使おうとした人がいました。政治的に使われて不幸だったと思います。人権の問題としてとらえ直すべきです。

──時間も迫ってきましたが、何か最近読んでおもしろかった本はありますか。

近藤 一冊と言えば保阪正康さんの「あの戦争は何だったのか─大人のための歴史教科書」(新潮新書)。これは読んでもらいたいと思います。「歴史を振り返ることで今が見えてくる」とよく言われることですが大切だと思います。

辻元 私は、半藤一利さんの「昭和史」(平凡社)です。ぜひ読んで欲しいですね。

──映画はどうでしょうか。

辻元 最近見たのでは、「レディ・チャタレイ」はどうでしょう。裁判で有名になった「チャタレイ夫人の恋人」の新解釈版となっていて、ポルノ映画のように思えますが、女性の解放というか人間解放の視点から描かれています。

近藤 ちょっと古いかもしれませんが、感動した映画は「パッチギ」。この映画は「自分の青春時代にこんな事があった」と、自らの時代と合わせて理解できていくと思います。でも、あの時代を若い人は理解できるのかなと、ちょっと不安を感じたりしています。

政治が窒息しないよう若い世代が─辻元

──最後に、2008年の抱負をお聞かせ下さい。

辻元 「パッチギ」の制作会社のシネカノン代表の李鳳宇(リ・ボンウ)さんは友達で、同世代なんです。今のアジア、特に韓国は、政治の世界にも60年代生まれの若い世代が台頭してきています。東西対立時代のイデオロギー的なものに洗脳されることなく、過去の歴史のわだかまりも少ない。私も昔の社会党を引きずっていない分、民主党とも同じ立場で話しあえます。小沢さんはやはり上の世代です。その意味で、近藤さんや私たちの世代ががんばらなければと思っています。日本の政治が窒息しないように、酸素を供給できる議員になりたいと思います。

近藤 2008年は、参院の与野党逆転の状況で、民主主義の求めるべき姿を作っていく時代であると思います。そして、政権を奪取して、その上で格差社会を変えていく、本来の政治の役割を実現していくことです。「格差是正にとりくむ議員有志の会」をつくったのも、その実現に向けて、社民党、国民新党としっかり連携して行かなくてはならないという考えがあるからです。2008年をそういう年にしたいと思います。
(11月29日 衆議院議員会館で収録)

〈インタビュ─を終えて〉
近藤さんと辻元さんと意見交換をさせてもらった。それぞれ時代を背負って立つ政治家である。両者とも、日本の未来にとって、「憲法9条」の持つ意味を深いところでわかってくれている。また長期にわたる自民党政権の下で、日本社会が崩壊の危機に直面していることも。2008年は、与野党激突の衆議院選挙が確実にある。日本の政治は大きく揺れる。近藤さん、辻元さんが「めざす日本社会」をどれだけつくれるのか。大きく期待したい。 (福山真劫)


泥沼化する「テロとの戦い」と各国の対応
日本は「ブッシュ後」見すえた外交政策を

拡大する犠牲者、同時多発テロを上回る
 2001年10月7日に始まった米およびイギリス等の同盟軍のアフガニスタン侵攻から6年10ヵ月、03年3月19日のイラク侵攻からは4年9ヵ月が経過しました。開戦から現在(07年12月)までの間に、アフガニスタンでは米軍兵士469人と同盟軍兵士274人が死亡し、イラクでは米軍兵士3,888人と同盟軍兵士306人が死亡しています。またイラクの民間人犠牲者は、確認されただけでも最低78,085人にのぼっています(IRAQ BODY COUNT調べ)。
 アフガンでは開戦当初の米軍による爆撃で4,000人以上が犠牲になったといわれていますが、総数は明らかになっていません。2001年9月11日に起きた「同時多発テロ」の犠牲者は2,973人でした。報復のための「テロとの戦い」は、「同時多発テロ」をはるかに上回る犠牲者を生み出しています。

内戦状態のアフガニスタンとイラク
 アフガニスタンでは、04年12月にカルザイ大統領の正式政府が発足しましたが、現在はタリバン前政権派の攻撃が激しくなっているようです。アフガニスタンで医療支援を行なうペシャワール会の中村哲さんは、「アフガニスタン南部・東部・北部の各州で、戦闘は激しくなっています。欧米軍は増派されて5万人以上の大兵力となり、他方『タリバン勢力』の面の実効支配は、徐々に、かつ確実に首都カーブルを包囲しつつあるように思われます」(同会07年10月3日会報)と語っています。
 タリバン派に対しては、米軍と、NATO(北大西洋条約機構)が主導するISAF(国際治安支援部隊)が掃討作戦を行っていますが、両軍による攻撃は多くの民間人犠牲者を生み出しているようです。
 イラクでは06年4月、シーア派のマリキ首相による正式政府が発足しました。マリキ政府は、投降した武装勢力の恩赦など、国民和解を進めようとしましたが失敗。現在は米軍・政府軍と、シーア派内の反政府勢力、スンニ派・前フセイン政権派の反政府勢力、国外組織アルカイダなどとの間で複雑な戦闘が続いています。
 12月5日にはゲイツ米国防長官がイラクを訪れ、「安定し、民主的なイラクは手の届く所にあると思う」と楽観的な見通しを示しました。しかし米軍に対する攻撃は首都バグダッド市内でも頻発し、米軍死者、イラク人死者ともに増加しています。米軍とマリキ政府が治安を維持できず、イラクも内戦状態にあります。

同盟国は次々と撤退、米も見直しの可能性
 こうした中で、「テロとの戦い」に協力していた同盟国に変化が現れました。ポーランドでは10月の総選挙で政権が交代、トゥスク新首相は900人のポーランド部隊を来年中に完全撤退させると表明しました。オーストラリアでも11月に行われた総選挙で、ハワード首相の保守連合が敗北し、労働党が政権を獲得しました。新首相に就任するラッド労働党党首は、来年半ばまでにイラク駐留部隊約1,600人のうち戦闘部隊約600人を撤退させるとしています。英国でもブレア首相が退陣、ブラウン新首相の下で4,500人のイラク駐留部隊を、来年中に2,500人に縮小する予定です。
 米国でも、08年11月に大統領選挙が行われます。共和党ブッシュ政権で進んだ格差の拡大と戦争政策への批判から、民主党の大統領が誕生する可能性があります。民主党の大統領候補の多くは、アフガニスタンについては派兵継続を表明していますが、イラクからは撤退を公約しています。米国自身が、「テロとの戦い」を見直す可能性が大きいのです。
 米国も同盟国も「ブッシュ後」に向けて動き始めている中で、福田内閣は相変わらずブッシュ政権に従っています。日本は「ブッシュ後」を見据えて、対米追従の外交政策を根本的に改めることが必要ではないでしょうか。

第39回食とみどり、水を守る全国集会開く
「環境問題」「食の安全」「食料・農業政策」の課題を討議

 平和フォーラムは消費者・農民団体とともに、「第39回食とみどり、水を守る全国集会」を12月7日〜8日、滋賀県大津市で開催しました。7月の参議院選挙で、それまでの新自由主義路線のもとでの格差の拡大、農林業や地方の切り捨てへの反旗が示されました。しかし、経済のグローバリゼーションは依然として進展し、飢餓や貧困、地球温暖化などが進んでいます。
 集会では、「人間の生存に欠かせない食・みどり・水の意義を改めて見直し、持続可能な循環型社会の形成、食の安全・安定、農林水産業の再生への取り組みが重要」(集会の基調)であるとし、各地の活動経験をもとに、どう地域から運動を展開すべきか討論しました。
 また、会場の滋賀県は日本最大の湖である「琵琶湖」を抱え、水をはじめとした環境問題などで先進的な取り組みを重ねており、そうした活動も取り上げられました。主な課題である「水・森林などの環境問題」「食の安全」「食料・農業政策」を中心にまとめました。

温暖化や水・森林対策で構造的な転換を
 集会の開催中、インドネシアでは地球温暖化対策の国際会議が行われ、また、琵琶湖では湖水温度の上昇が原因と見られる魚の大量死が発表されました。近畿の水瓶である「琵琶湖」の水質を守るために、滋賀県は1970年代に合成洗剤追放運動の発祥の地となり、最近では農薬や化学肥料を減らした「環境こだわり農業」への補助施策で注目されています。
 来賓挨拶で嘉田由紀子滋賀県知事は、自らこうした運動を担ってきた経験から、「温暖化が進むと琵琶湖は死んでしまう」と訴え、また、琵琶湖環境科学研究センターの辻村茂男研究員は、温暖化による琵琶湖の水質・生態系への影響を報告しました。さらに、温暖化問題に取り組む気候ネットワークの田浦健朗事務局長も、「できることから始めようではもう遅い。社会・経済の構造的な変革が必要だ」と指摘しました。
 一方、集会の直前に大分県別府市で開かれた「第1回アジア・太平洋水サミット」に向け、全水道・自治労などが集会を開き「公共財、基本的人権として水を捉えるべきという提言を出した」と報告。各地でも「水循環保全条例のPR活動」(宮城)や「県内70ヵ所の河川水質調査」(茨城)などの実践が行われています。これらの活動を全国に広げながら、「水基本法」の制定や合成洗剤追放運動を進めることが課題となっています。
 流域や自然循環が荒廃する中、森林問題とも関連し、北尾邦伸京都学園大教授は、「生物多様性や自然との共生、現代文明の限界などから、自然の循環と人間社会のリサイクル活動との境界にある農林漁業の再生を」と訴えました。「流域が一体となった森林管理」「植林や間伐などの林業体験を通した森林の多面的機能の再認識」などの各地の活動を含めて、地域から林業振興に向けた取り組みや、市民が自然や森林に触れる機会を広げていくことが必要となっています。

規制緩和や市場経済でゆらぐ食と農

 食品偽装など、食の安心・安全も大きく揺らいでいます。企業モラルの問題とともに、食の安全・監視市民委員会代表の神山美智子さんは「80年代に、欧米の圧力を受けた政府の規制緩和・市場開放によって、製造年月日表示から消費期限に変えたことにも原因がある」と指摘。また、有機農業生産者や、小学校の授業での自然農法の実践、学校給食を通した食文化や地産地消等の「食教育」についての報告も行われました。
 農業政策では、今年度から実施された農家への「経営安定対策」が大きな課題となりました。生産者米価の下落や畜産の飼料費高騰など、農家の経営が深刻化する中で、大規模農に限定した経営対策、地域間格差の拡大、専業農家ほど打撃を受ける価格の低下などの問題が指摘されました。農協の理事、農水省の農政局次長も含めて討論が行われ、「食料・農業・農村政策の再検討が必要」(農政ジャーナリストの神山安雄さん)として、地域で問題点を洗い出し、政府や自治体への要求活動を進めることになりました。
 この他、自由貿易交渉の問題、最近話題になっている穀物からのバイオマス燃料も課題となりました。

またまた東京電力の隠ぺい体質露見
虚偽の柏崎刈羽原子炉設置許可申請を取り消せ
原水爆禁止新潟県協議会 事務局長 中村 進

原発の近くにある活断層を公表せず
 12月5日、東京電力は『03年に柏崎刈羽発電所周辺の海域の活断層を再評価』し、原発沖合18.5?の所に、長さ20?にわたるマグニチュード7〜7.5の地震断層があることを今頃になって発表しました。東電によれば「03年に7本の断層を再評価した結果、3本の断層がM7以上の地震の可能性を把握したが『安全上問題ない』とし、原子力安全・保安院報告のみで新潟県などの自治体や東京電力の中枢、発電所にも知らせなかった」と述べました。
 東京電力の隠ぺい体質からして、自治体に知らせなかったとしても、東電内部に対してまで隠ぺいするとは思えません。仮にそうだとすれば企業体質そのものが問われ、批判されることとなります。
 同時に、「活断層の長さや活動性は、原発の安全性を測る上で最も基本的な要素でもあり、原子炉設置許可の是非が問われる重要な課題」(東電)を隠していたことになります。加えて、02年の原発トラブル隠しなどで東電の17基の全原発が停止した時、「2度とウソはつきません。隠しだてはしません」とした経過や、耐震設計「新」指針によるバックチェック(耐震安全性評価)の際や7月の中越沖地震直後にも明らかにしなかったことは到底許すことができません。

反発する地元の自治体「運転再開は白紙」
 泉田裕彦新潟県知事は「情報公開が不適切。原発の近くに住んでいる人の気持ちがわかっていない」と東電を批判し、県技術委員会を補強・増員の上、「原発に批判的な学者・研究者も加えるとともに、反原発の学者との公開討論をする小委員会を新設し、意見交換会を県内各地で開催し、県民の声を施策に反映する」としました。また、「国の『調査対策』委員会の見解を原発施設、地質・地盤の二分野で再評価・チェックし、技術委メンバーと反原発団体の推薦する学者・研究者との公開討論を行う」と、国や東京電力に不信と不満を露わにしました。また、会田洋柏崎市長も、「東電の信頼回復の取り組みに一定の評価をしてきたが、信頼感がなくなった。まだ何かあるのではと言わざるを得ない」と述べました。
 一方、11月21日に柏崎市で開催した「原発立地自治体議員緊急大会」(全国20自治体・350人参加)では、@原子炉の調査は電力会社に任せず、国の責任で行うこと、A昨年9月の「新」耐震設計審査指針の再検討、B複合災害での危機管理体制の充実・向上や緊急時対応を立地自治体に権限委譲、などを内容とする決議をあげました。
 加えて泉田知事は、「今後についてはまだ白紙の状態であり、調査結果によっては原発の廃炉もあり得る」と述べ、さらに運転再開に必要な「地元の了解」では首を縦に振らない決意を9月県議会で答弁しています。

運転再開断念を求める署名への協力を
 今回の発表に対して、広島工業大学の中田高教授(地形学)は、朝日新聞社の取材に「東電自身の調査で過小評価が裏付けられた格好だ。当時の調査だけでも20キロ程度の活断層と評価できたはず」と述べています。東電の評価やそれを追認した国の審査のずさんさが明らかになりました。
 このようなずさんな評価の上にいまの原子炉の設置許可がなされています。私たちは、今回の地震を機に、柏崎刈羽原発の「原子炉設置許可の取り消しを求める署名」と「運転再開断念を求める署名」を全国的に展開します。署名期間は08年の4月までを予定しています。全国の皆さんのご協力をお願いいたします。
 問い合わせは「柏崎刈羽原発設置反対新潟県民共闘会議」(新潟県平和運動センター気付 電025-281-8100)

08年 世界に拡がる紛争の火種
米ロ対立、コソボ、パレスチナ
平和を求める声を大きく
米、イランを軍事攻撃か?の不安のなかで
 12月3日、米中央情報局(CIA)等の資料をもとに米国政府が「イランは03年秋から核兵器計画を停止している」との秘密報告書を公表しました。12月1日に国連安保理5常任理事国とドイツが、パリでイラン核問題に関する高官会合を開き、ウラン濃縮活動を続けるイランに対し、安保理の追加制裁決議を早期にまとめることで基本合意していましたから、この発表は国連の安保理にも大きな影響を与えるでしょう。
 米ブッシュ政権は07年10月に入って、それまでライス国務長官らがとってきた「対話によるイラン核問題の解決」を変更。10月17日にはブッシュ大統領が「イランが核兵器を保有すれば、第3次世界大戦になりかねない」と発言しました。さらに10月25日にライス国務長官、ポールソン財務長官が合同記者会見し、イランの軍事組織「イラン革命防衛隊」を大量破壊兵器の拡散に関わる組織とし、また革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」をテロ支援組織に指定すると発表しました。ライス長官自らが強硬路線に大きく舵を切ったのです。
 この米国の制裁追加は1979年の対イラン断交以来、最も厳しいもので、「米政界では対イラン開戦を懸念する声も起こり、米・イラン間の緊迫は新たな局面に入った」(10月26日時事通信)と伝えられました。
 11月7日にサルコジ仏大統領とブッシュ米大統領が会談し、イランの制裁強化で一致したと発表。次いで11月15日、IAEA(国際原子力機構)理事会でエルバラダイ事務局長が、イランは情報開示でIAEAに一定の協力をしているとする一方で、国連安保理の制裁決議に反して、核弾頭製造につながるウラン濃縮の遠心分離器を約3,000基増設していると報告しました。
 こうした動きのなかでイランでは、11月24日にアガザデ原子力庁長官が西部アラクで建設中の実験用重水炉で使用するためのウラン燃料ペレットの製造に初めて成功したと発表。11月27日には、イランのナッジャル国防相が射程2000キロの新型ミサイル「アシュラ」の開発に成功と発表しました。
 9月には射程1,800キロの新型ミサイル「ガドゥルT」を公開したばかりですから、イランが核兵器計画を持っているとしたら、米国はもちろん、欧州や中東全域に大きな危惧の念を抱かせるのに十分です。
 こうした流れのなかでの安保理5常任理事国とドイツの基本合意だったのです。
 一般的に考えれば、米国はイラク問題で一杯で、イランを攻撃する余力はなく、またイスラエルもレバノンの急進的シーア派組織ヒズボラとの戦闘に勝利できなかったことが示すように、単独ではイランを攻撃できません。しかもイランの核施設は、地中深くに建設されていて、通常爆弾では破壊は不可能で、もし攻撃するとすれば核攻撃する以外にないのです。米国ではネオコンが復権を狙い、イラン攻撃論も根強く存在する一方、イスラエルにもイラン攻撃を主張する右派が大きな力をもっていますから、10月以降のブッシュ政権の強硬政策は、世界に緊張を与えるものでした。

多くの紛争の火種に抗して、平和への行動を
 イランに関して当面の危機は回避されましたが、米国やイスラエルは、徹底した経済制裁をイランに加え、疲弊させようとしています。08年末の米大統領選が終わるまで予断を許しません。
 さらに08年初頭から、いくつかの紛争の兆しが見えています。1つはセルビア・コソボ自治州の独立問題です。11月26日〜28日までオーストリアで開かれたセルビアとコソボ自治州の協議は、独立以外の選択肢はないとするコソボと、独立絶対反対のセルビアとで議論は対立したまま終わりました。
 国連事務総長は交渉期限を12月10日と定めていて、住民の90%がアルバニア系住民で占めるコソボの独立宣言は時間の問題となっています。もしアルバニア系住民がセルビア系住民を迫害することが起これば、セルビアが軍事介入し、再び、凄惨な紛争となる恐れがあります。しかもコソボを米国が支援し、セルビアをロシアが支援するという状況では、事態を一層複雑にするでしょう。
 12月3日のロシア下院選挙で、プーチン与党が大勝しました。東欧でのミサイル防衛(MD)施設設置で米国と対立するロシアは、プーチン大統領が11月30日に、通常兵器の上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止の法案に署名し、12月12日から条約の履行が停止されました。
 イラクの未来に展望が見いだせない中、米ロの対立、さらに08年末の解決をめざして始まった「パレスチナ国家」樹立に向けたイスラエルとパレスチナ自治政府の交渉の行方など、世界は多くの火種を抱えています。
 一方、07年12月に米国とロシアで同時実施された世論調査で、核兵器全廃に米で73%、ロシアで63%が賛成と答えるなど、平和を求める人々は多数です。私たちも平和のために08年をがんばりましょう。


★☆★☆★☆【本の紹介】★☆★☆★☆★
マグマ MAGMA 小説 国際エネルギー戦争
真山 仁 著
 いまや「ハゲタカ」(ドラマ化がNHK放映)でベストセラー作家となった真山仁が、日本のエネルギーの原子力からの転換可能を示唆した小説を書いています。
 プロローグは「5年以内を目処に、日本の原子力発電所を閉鎖してほしい」とショッキングな欧米諸国の要求から話は始まります。そこには、原子力先進国が抱く、急激に進むアジアの原子力需要や原発の建設ラッシュ(核兵器工場とイコールの問題と捉えられる)への危惧と、原子力依存脱却の世界的流れがあります。これが物語の政治的バックボーンとなります。
 話の縦軸には破産した地熱開発企業と、それを買い取った外資系ファンド、いわゆるハゲタカファンドの再生ビジネスの展開があり、横軸に日本を取り巻くエネルギー問題と原子力産業、原子力研究に携わる人間模様があります。
 私たちが素朴に疑問に思う「なぜ、地震国日本で主力選択肢が原子力エネルギーなの?なぜ、本腰を入れてエネルギーの選択肢を増やそうとしないの?なぜ?」からはじまって、そのひとつの答えとして「使えるエネルギー源を細大漏らさず使い、化石燃料は一切使わず、原発のような放射能漏れの心配もなし。夢のようなエネルギーと騒がれても当然なのに、なぜこのエネルギーのことを知らなかったのだろう」と地熱発電を登場させます。
 一方、「原発は様々な名目で莫大な補助金がつぎ込まれているが、総額も定かでなく、当然、発電単価も計算の確認すらできない。また、頻発する事故隠しと、相次ぐ事故で安全神話は崩壊。そんないい加減な状態で、日本の総電力量の3分の1以上をまかない、さらに、地球温暖化の切り札にしているのか……」などの頻繁な発言。
 しかし、そこは小説です。最新のエネルギー情報をちりばめながら、彼の得意なファンドビジネス界をからませ、欧米各国、政治家の思惑や立ちはだかる行政の壁、電力会社の圧力と話を展開しつつ、知らず知らずに「原子力」は地球に優しくないエネルギーだと教えてくれます。(石出佳子)(朝日新聞社 1,700円)


★☆★☆★☆【テレビドラマ評】★☆★☆★☆★
松本清張 点と線(2007年/テレビ朝日)
 コーナーの趣を変えてテレビドラマ評をします。テレビ朝日が開局50周年記念番組ということで11月24日、25日に二夜連続放送した「松本清張 点と線」について一言。
 松本清張は、「社会派推理小説」という分野を築いた「昭和の巨匠」と呼ばれ、戦後の疑獄事件のノンフィクション「日本の黒い霧」などを著したことでも知られています。映画やテレビドラマにされた作品も数多く、とくにテレビドラマでは「はずれがない」といわれ、頻繁に「松本清張スペシャル」などが放送されています。市原悦子主演で有名な「家政婦は見た!」シリーズ第1作も清張の原作です。
 「点と線」は50年前、雑誌「旅」に連載された時刻表や飛行機を使ったアリバイトリックのもので、現在でいうトラベルミステリーみたいなものです。トリックに無理があることや時代のギャップから、これまでテレビ放映はされてこなかったようですが、テレビ朝日は放映前から「初テレビドラマ化」や主役級が並んだ豪華キャストを売物に大々的に宣伝しました。
 主役のベテラン刑事を演じたビートたけしの好演や、現代版へのリメイクではなく、原作の舞台である1957年当時の福岡・東京をはじめ、日本各地の街並みや駅のオープンセット、とくに当時の列車や電車、路面電車を動かしたロケーションをかなり忠実に再現したこともあって、当時を知る世代や鉄道ファンをはじめ、新聞投書でも高い評価を得ています。
 テレビドラマとしては良くできたものでしたが、残念なのは、若干の点で時代考証に粗さがあったことに加えて、清張作品の最大の特徴である「巨悪」についての迫力が欠けたことです。東京五輪に向けた環状道路建設にかかわる汚職について、原作が「××省」としているためか、実在しない「産業建設省」と設定したことも一因です。テレビ局が清張作品に依拠するなら、もっとリアルな描写が必要です。補足で言えば、「日本の黒い霧」などで示された米国による陰謀を描いた放送はできないだろうかと思います。(五十川孝)

◆◇◆◇◆◇ 投稿コーナー ◆◇◆◇◆◇

石けん運動「ハイム化粧品」再建への道
ハイム化粧品研究開発・製造担当 大場 勝
突然の倒産 従業員は全員解雇
 真夏日が何日も続いた昨年(2007年)の8月、株式会社ハイムは東京地方裁判所に破産手続きを行いました。負債額は約26億7100万円。従業員は8月9日に即日解雇となりました。
 私たちはこれまで、「ハイム化粧品」というブランドで安心・安全の化粧品を中心にシャンプーや石けんなどを取り扱いながら、広告宣伝費を抑える低価格でお客様に提供してまいりました。倒産直前の業績は前年対比108%増と好調に推移していたにもかかわらず、無謀な借り入れにより経営が行き詰まったのです。
 労働組合は、会社側と何度も状況確認の交渉を行っていました。そうしたなかで、従業員自ら出資して再建する声も上がりました。しかし、オーナー家による資金注入が全くない以上、そうした思いは閉ざされ、その間ファンドによる資金注入や事業提携の話が数多く飛びかい、従業員は新たな進路に追いやられることになりました。

合成洗剤追放運動と連携して安全な商品を開発
 ハイムの運動としての始まりは、70年代にさかのぼります。当時の「総評主婦の会」や、日本婦人会議(現・I女性会議)と一緒に「石けん委員会」を結成し、大きな問題になっていた合成洗剤追放運動とも連携しながら、生産者と消費者の垣根を取り払った商品づくりをめざしてきました。
 その頃、合成洗剤の有害性が学会やマスコミで盛んに取り上げられ、公害反対を軸とした消費者運動が活発になっていました。ハイムが「石けん」を開発することは安心を売ることにつながるものです、また、その下支えとなったのが各地方で起きた合成洗剤追放運動でした。
 わたしたちはそこで、合成洗剤の人体や環境に及ぼす影響を改めて知り、化学物質が世代間で予測のつかない症状を引き起こす可能性が高いことから、これまで販売していた商品の原材料も石けんと同様に安全性を重視した改良を行いました。
 現在に至るまで、開発する際に心掛けてきたスローガンである「疑わしい物質はハイムの製品には使用しない!」原則はこのとき生まれました。今日の洗濯用の粉石けん、台所用液体せっけんや石けんハミガキなどはこうした歴史を歩んで出来た商品です。

従業員による“新生ハイム”へご支援を
 学校給食や県職員生協、石けん・合成添加物無添加の食品などを扱う生協を中心に販売を続けているハイムの石けんシリーズ(セフティーシリーズ)です。ハイムがやってきたことは石けんを売っているということに過ぎないかもしれませんが、それは人間の健康と環境を守るための行為であります。また、国際的な意義をもつ運動であり、科学万能主義からの見直しにも連なっていると思います。
 倒産以降、約4,000件を超える激励や再建に期待するご意見を頂きました。当初70名近くいた従業員も現在20名弱に減りましたが、こうしたお客様を無にすることは出来ないと、商品の在庫を全員で包装しながら再建の一歩を歩んでいます。
 日々の出荷作業の中でこれまで従業員が気づかなかったお客様の商品への思い入れや、ハイムの歴史と共に歩んできたお客様が非常に多いことなど改めて知ることが出来ました。新年度以降は、これまでの在庫販売により品薄となった売れ筋商品を中心に生産を再開し、安定供給が可能なように事業を推し進め、“新生ハイム化粧品”として甦らせていきたいと思います。引き続きご支援をお願いいたします。

〈製品に対する問い合せ・ご注文はこちらまで〉〒277−0064 千葉県松戸市上本郷289−3 ハイム化粧品株式会社 フリーダイヤル=0120−567−816

08年 必要なのは持続する志と勇気
自公政権の腐敗、戦争する国づくり・格差社会への暴走を許さない
 平和フォーラム・原水禁の運動に結集いただいております皆さんに、心から感謝します。
 2007年は国内でも多くの事態がありました。安倍自公政権による強行採決の連発、参議院選挙での与野党逆転、安倍の逃亡から福田への首相交代、インド洋からの自衛艦の引き上げ、自民と民主の連立政権構想もありました。また農水大臣自殺に見られる政治家の腐敗、防衛省の腐敗・汚職、年金やC型肝炎にみられる厚生労働省の国民無視の体質、経産省・電力会社による1万件を超える事故隠しと原発臨界事故隠しなどなど自公政権とそれを支え続けてきた官僚組織は、腐臭を放ち続けています。
 7月には中越地震が柏崎・刈羽原発を襲いました。さらに年収200万円以下の勤労者が1,400万人、自殺者が7年連続3万人を超えるという政府統計もあるように、新たな差別と貧困の拡大する格差社会が進行し続けています。
 私たちは、こうした悪臭をまき散らしながら「戦争する国づくり」へ暴走する自公政権に対抗して、憲法理念の実現をめざして、テロ特措法反対、米軍再編成反対、脱原発の実現など多くの課題を掲げて全国の仲間とともに闘ってきました。

時代の変化を感じ取ろう
 私たちが闘えば闘うほどに、隠されていた自公政権の末期的諸状態が明らかになり、現実の改革のためには政権交代しかない、ということを私たちに見せつけています。そして参議院選挙における野党の勝利は、政権交代への可能性を大きく切り開きました。国民は、政権交代を求めているのです。これはまた世界的潮流でもあります。
 2008年は大乱が予測されます。平和フォーラム・原水禁の運動課題もすべて正念場を迎えます。また総選挙も確実にあります。
 12月1日の岩国での集会で「空母艦載機の岩国移駐反対」を訴え続けていた井原市長が「岩国の問題は、お金の取引ではない。国が決めたことだから、来るものは来るのだから、もらったほうがいいなどと言って、市民をあきらめさせるような政治をしてはいけない」と演説をしました。「市民をあきらめさせるような政治をしてはいけない」。そのとおりです。政治家、政党、私たちは、「理想・めざすべきもの」を語らねばならないのです。そして、その実現の道筋を語り、創り出さなければならないのです。
 2008年、自公政権と野党、平和団体、労働団体、市民団体との激突が予測されます。いや激突を創り出さなければなりません。野党も連合を中心とする労働団体も、平和団体、市民団体も、市民もがんばっています。私たちも旗を高く掲げてがんばりましょう。そしていま私たちに必要なのは、持続する志と勇気です。