【集中連載】STOP! 原子力空母の横須賀母港化〈2〉
米国の世界制覇を後押しする日本政府
原子力艦船の日本寄港と反対運動の高まり

 横須賀に原子力空母ジョージ・ワシントンが入港しようとしています。 私たちは、7月19日の全国集会を、横須賀市民の平和を願う心と、全国で「核を許さない」、 そして「武力で平和は作れない」と運動を展開してきた仲間と、一緒になって大成功させたいと願っています。 母港化撤回を強く求めていきましょう!

原子力空母の寄港に慎重だった米国と日本政府

 日本に原子力艦船が入港するのは、1963年1月9日、米国政府が、 日本政府に対して原子力潜水艦の寄港を要請したことに始まります。 当時、反対の気運が盛り上がり多くの議論がなされました。 翌年、米国政府は、日本の情勢を考慮し「外国の港における合衆国原子力軍艦の運航に関する合衆国政府の声明」 および「エード・メモワール(原子力艦船の安全性に関する覚え書き)」を送り、 1)日本政府の意志に反して行動しない、 2)安全確保に広範な措置をとる、 3)燃料交換や動力装置の修理を日本では行わない、 4)休養と補給を寄港の目的とすると表明しました。
 日本政府は、この声明が担保されるならば、安全上は問題ないとし、原子力潜水艦の入港を認めました。 64年11月に、長崎の佐世保にシードラゴンが、66年5月には、横須賀に同じくスヌークが初寄港しました。
 原子力潜水艦以外の寄港は、68年1月19日の米海軍原子力空母エンタープライズの佐世保寄港が初めてとなります。 この1月の「原子力空母エンタープライズ寄港反対闘争」は、佐世保に反対する労働者や学生4万7千人を結集し、 逮捕者70人、負傷者は警察と労働者・学生含めて550人を数える一大闘争になりました。
 当時社会党の故・大出俊衆院議員は「エード・メモワールには、日本国民は原子力に非常に敏感だと記載されている。 今寄港するのは困ると米政府になぜ言えないのか」と国会で政府に迫っています。松野頼三防衛庁長官(当時)は、 「国民感情から、原子力艦船の寄港は横須賀、佐世保、ホワイトビーチに限るとしているのが、その趣旨だ」と答え、 その上で、「エード・メモワール」は潜水艦以外の艦船にも適用するとし、エンタープライズの寄港を認めました。 横須賀には、71年に原子力巡洋艦トラックストンが寄港し、原子力空母の寄港は84年のカールビンソンが初めてとなります。
 横須賀に初めて原子力空母が寄港する際に、当時の横須賀市長は「遺憾の極みである」として、 寄港中止を強く政府に求めています。また、72年当時には、通常型空母ミッドウェーが、 横須賀を母港とするに際しての、米国側からの文書には「ミッドウェーの母港化と原子力空母の寄港問題とは全く関係がなく、 原子力空母の本邦寄港は現在全く考えられていない」との記載があります。 日本政府も「原子力航空母艦の寄港は、将来に向かって無いよう特に配慮されたい」としています。 1968年のエンプラ闘争や原水禁運動のなかで、 原子力空母の寄港問題に対する米国と日本政府の慎重な姿勢が明確に現れています。

武力による覇権主義を支える原子力空母


横須賀の米海軍基地(米海軍HPより)

 米海軍の保有する原子力空母は現在10隻ですが、他に世界で原子力空母を保有するのはフランス海軍の1隻だけです。 原子力空母のメリットは、燃料交換が20年に1度と半永久的に行動でき、電力の消費や燃料問題を考えることなく 軍事行動に専念できるところです。アメリカが、この間とってきた武力による覇権主義を支える基盤は、 原子力空母を中心とした、海上・航空での機動力に富む空母打撃群の存在にあります。
 イランやイラク、アフガニスタン、北朝鮮、中国を強烈に意識する米国の外交・軍事政策の中で、 米海軍はペルシャ湾内外と日本海・東シナ海に空母打撃群を常に複数配備しています。 必要に応じて、即応的に、多角的な攻撃を用意することで、公海上から各国を威嚇していくことができます。 この空母打撃群による威嚇が、国際社会における米国の力の大きな柱の1つとなっているのです。そのことは、横須賀基地の重要性をますます大きなものとしています。その米国の世界覇権の確立を後押しするのが、日本政府なのです。


《原子力空母は安全か》
相次ぐ事故や衝突
説明不十分な米国の姿勢

 2006年4月、ケリー在日米海軍司令官は、横須賀市内で講演を行い、1)原子力発電所が横須賀の真ん中にできるわけではない、2)米海軍の艦船は放射線漏れを起こしたことがない、3)仮に事故が起きても放射能は基地の外に出ない、4)横須賀市民が避難するような事態にならない、5)原子炉は核兵器のように爆発したりしないとして、原子力空母の安全性を強調し、横須賀市民は誤解していると主張しました。しかし、安全であるとの証拠は何一つ用意されていません。

大火災が発生したジョージ・ワシントン

 米国の原子力潜水艦と日本の船との衝突は、1981年に鹿児島県下甑島近海で、貨物船日昇丸との間で起き、2001年にハワイ沖で宇和島水産高校練習船えひめ丸が、07年にはホルムズ海峡でのタンカー最上川との衝突などがあります。また、88年に英国原子力潜水艦レゾリューションは、原子炉の一時冷却系で電力供給が停止、予備ポンプや緊急電力装置も動かず、炉心温度が上昇し、あわやメルトダウン(炉心融解)寸前でした。


火災後のジョージ・ワシントン艦内(米海軍HPより)

 原子力空母も、79年にミニッツが一次冷却水漏れを起こし、83年にエンタープライズ座礁、98年にアイゼンハワーが商船と衝突、94年のエンタープライズでの原子炉室の火災・放射能漏れ、99年にステニスが座礁して原子炉が緊急停止するなど、発表されているだけでも相当数の事故が起こっています。90年に通常型空母ミッドウェーは弾薬庫のすぐそばで爆発火災事故を起こしました。弾薬庫に火が回ったら空母そのものが破壊されていたでしょう。これが原子力空母だったら、原子炉の破壊につながります。
 ジョージ・ワシントンは、横須賀配備を前にして今年5月22日、船内のボイラー室、空調・冷却室近辺から火災が発生し、数時間も燃え続ける事故を起こしました。「放射能漏れはない」「原子炉に影響はない」と米海軍は発表していますが、その原因やそれ以上の事故の可能性がないかどうかは不明です。

大地震による災害も想定される

 6月14日、岩手県南部を震源として震度6強という大きな地震が発生しました。内陸直下型地震で、まったく予測していなかったものとされています。日本が地震国であり、このような巨大な地震が発生する可能性をどの地域でも持っていることが証明されました。地震と原子力発電所の関係は、昨年の中越沖地震の柏崎・刈羽原子力発電所の被害以降、日本においてきわめて重要な問題となっています。


ジョージ・ワシントンの全景(米海軍HPより)

 文部科学省は、全国で最重要な活断層6ヵ所の調査を行うこと発表しました。中央構造線や国府津・松田断層など、比較的有名な活断層とともに、横須賀市も含まれている三浦半島断層群も調査されます。この断層群には、いつ活動しても不思議のないA級断層である武山、北武断層など5本の活断層が含まれます。もし、これらの活断層が動く地震が起きた時に、横須賀港に原子力空母が停泊していたら安全なのでしょうか。
 このように、ケリー司令官の発言には、信憑性がまったくありません。放射能が漏れたとしたら、風があれば基地外に拡散することは自明であり、どのような手段で基地内にとどめるのか全く具体性がありません。「エード・メモワール」は、原子力発電所の原子炉の安全性は少なくとも陸上の原子炉と同等であるとしています。そうであれば、その危険性も同等であるということなのです。私たちは、スリーマイル島やチェルノブイリの原子力発電所の事故を忘れてはいません。
 このような危険な原子力空母が横須賀を母港とすることは許されません。

【インタビュー・シリーズ その24】
被爆体験が核兵器廃絶、平和運動への宿命
原水爆禁止日本国民会議 副議長 川野浩一さんに聞く

【プロフィール】
1940年北朝鮮平北道に生まれる。1945年、長崎で爆心地から3.4キロの地点で被爆。61年長崎県庁に入職し、その後、長崎県職書記長・委員長、長崎県労評センター議長・長崎県原水禁会長、自治労長崎県本部委員長、連合長崎会長などを歴任。2003年から長崎平和運動センター被爆者連絡協議会議長、07年から原水禁国民会議副議長に就任。

──川野さんの被爆体験からお話し下さい。

 私は、いまの朝鮮民主主義人民共和国で生まれましたが、その時の記憶はありません。そこから日本の祖父母の家である長崎に引き揚げてきました。戦時中は、食べ物がなく、毎日腹を空かしていました。遊び道具もない時代で、夏のころはパンツ一丁で網を持ってトンボや蝶を捕ったり、家の周りを走り回っていました。
 8月9日は、長崎市内本紙屋町(現在の麹屋町)の自宅前の路上、爆心地から3.1kmのところで被爆しました。そのとき、飛行機の音が「ブーン」と聞こえ、近くにいた子どもが走りだし、その子の家の玄関の戸に手をかけたところまで覚えていますが、その後の記憶はありません。どれくらいたったかわかりませんが、15〜20メートルぐらい吹き飛ばされ、家と反対方向の道に倒れていました。友達が私を起こしてくれ、立ち上がって見るとあたりはシーンとしていて誰もいません。家の方を見渡すと、夕暮れ時みたいに薄暗かったことを覚えています。また頭上で「ブーン」という飛行機の音が聞こえたので、近所の防空壕へ逃げ込みました。その中では大人たちが「これは新型爆弾に違いない」と言っていました。
 間もなく、母親が探しに来てくれ、自宅前の防空壕に避難しました。防空壕へ避難しているときに、前の道を大火傷をして髪が燃え、焼け焦げて両手を前に歩いている人たちを大勢見て、言葉は悪いですが「幽霊」のようでした。大人たちは、「子どもには見せてはいかん」ということで、私たちを「絶対に防空壕から出すな」と言われていました。それから間もなく、火災が近づいて来たため、山手の防空壕に移り、そこで8月15日まで過ごしました。
 もし、原爆が当初の投下目標地点である長崎中心地に投下されていたら、私の家は至近距離で、確実に命はなかったと思います。そう考えると、私はいくつかの偶然が重なり、生きていることになります。そのことに感謝し、私は平和運動、核兵器の廃絶に取り組まなければならない宿命を背負っていると感じています。

──健康への影響はどうでしたか。

 原爆を受けたその晩に血便をしました。放射能の影響か、身体を打ったからかはわかりません。しかしその後は、戦後の栄養不足も重なったのか、皮膚病や内臓が弱くなりました。放射能との関係があったのかわかりませんが、自分の両親や祖父母などがガンなどの原爆症で亡くなっているので、自分もそんなハンディを背負っているようで不安に思っています。いつか原爆症というもので死ぬのかな、と思ったりもします。

──そのような原爆体験が運動の原点となったと思いますが、それ以外にも原点となったことはありますか。

 私は長崎県庁に1961年から勤めました。19〜20歳の頃が60年安保闘争の時期になりますが、このような社会的動きにも大きな影響を受けました。そして、自らの被爆体験に加え、地方公務員労働者の低賃金や労働条件の改善に意欲を持ったことも、運動を始める原点になりました。県職員労組や自治労県本部、長崎県平和センター、県の連合の役員をつとめました。

──07年から原水禁国民会議の副議長に就任されましたが、核廃絶、ヒバクシャ援護、脱原発の原水禁運動の3つのテーマに対してどのように思っていますか。

 核廃絶の課題では、粘り強く取り組む以外にないと思います。北東アジアの非核地帯構想など、原水禁が打ち出している政策を積極的にすすめることが重要です。また、ヒバクシャの課題では、高齢化が進み、被爆者には後がない現実があります。いま取り組みを急ぐべきです。特に、北朝鮮在住の被爆者問題は、日本との関係悪化で難しい面もありますが、被爆者の救済を糸口に何とかできないでしょうか。国民に訴える内容としては、もっとも取り組みやすい糸口だと思います。とにかく相手国を説得する以外ないと思います。脱原発については、原発に頼らない自然エネルギーの開発などの取り組みを進めるべきだと思います。

──連合との関係はどのように見ていますか。

 連合などとの共闘は、これまでは一過性のセレモニーのイベントで終わっているように見えます。そこからどう掘り下げていくことができるかが、今後重要だと思います。組合の動員だけで、運動の拡がりがないのでは、運動的にも定着せず、何も残らないのではないでしょうか。一部の活動家だけではなく、例えば長崎に来る前に、自分たちの地域で何かやって欲しいですね。そのためにも、もっと初歩的な足元の議論が必要だと思います。

──地元長崎の運動はどう見られますか。


昨年の長崎での原水禁大会開会式(07年8月7日)

 戦後、長崎では三菱長崎造船の労働者や炭鉱労働者が運動の中心でしたが、三菱は同盟系に、また、炭坑は廃山となり運動は低迷しました。しかし、その中でも、1968年の米空母エンタープライズ寄港阻止闘争や、78年の原子力船むつ闘争など、佐世保を拠点とした運動が長崎県労評、その後の平和センターを中心に粘り強く取り組まれてきました。その原点は被爆地であるということであったろうと思います。
 一方で最近、市や県を巻き込んだ地球市民会議の運動や民間(市民)団体主導の運動として「高校生平和大使」、「高校生による1万人署名運動」に見られる長崎の若い世代の台頭には非常に希望を持っています。また、長崎の被爆者5団体が被爆者運動を共同歩調で取り組み、国や県、市への働きかけを強めていることは、とてもいい傾向だと思います。

──昨年の長崎出身の久間防衛大臣(当時)の「原爆投下はしかたがない」発言をどう思いますか。

 久間発言では、被爆地長崎であるが故に反発は相当強く、昨年の参議院選挙・長崎選挙区ではサッカーで有名な国見高校の小嶺監督が圧勝すると見られていましたが、民主党の候補者が勝利しました。被爆者団体の久間さんに対する反撃に、自民党や久間支持者は対応できませんでした。毎年8月9日の祈念式典に彼は出席していましたが、「久間さん、あなたは最前列に座り、長崎市長の平和の訴え、被爆者の悲惨な被爆体験を聞きながら、『そんなこと言ってもしょうがない』と呟いていたのですか」などの公開質問状に、市民は拍手を送っていました。彼の発言は、被爆者としては絶対に許せない言葉です。

──最後に、今後の原水禁運動や若者に対して訴えたいことは何ですか。

 今の若い人は、平和が当たり前と思っているのではないでしょうか。平和は創るものであることをもっと自覚してほしいと思います。私も微力ながら地元で「9条を守る会」を作り、署名活動などに取り組んでいます。多大な犠牲の上に平和憲法がつくられ、その平和憲法のお陰で今日の日本があります。平和こそがすべてです。そのことを忘れないでほしいものです。
 また、私は戦中、戦後を経験しましたが、いまアフリカや東南アジアの貧しい子ども達の映像を時折目にするときがあります。あれは敗戦直後の日本の状況と同じだと思います。そのことを若い人に知って貰いたい。歴史をきちんと学び、近隣諸国とも友好を重ねることも重要だと思います。
 原水禁は、長年の運動の蓄積や実績に対する自信と責任感を持って、核兵器廃絶と戦争のない世界の実現をめざし平和運動を広げてほしいです。私もその一員としてがんばるつもりです。

〈インタビュ─を終えて〉
 川野さんは、朝鮮から引き揚げてきて、長崎で被爆した。それだけに、平和と核軍縮への決意は強く、被爆者であるという不安を抱えて活躍してきた。また今年も8月9日が迫ってくる。長崎は、三菱重工や米軍の基地があり、原子力空母も入港する佐世保もある。「平和は創り出すもの」と強調する川野さんの任務は引き続き重い。
(福山真劫)

被爆63周年原水爆禁止世界大会の日程が決定
核も戦争もない21世紀をめざして

 1945年の広島・長崎への原爆投下から63周年を迎えます。今年の原水爆禁止世界大会は、8月2日から9日まで次のような日程で開催されます。

【国際会議】

8月2日(土)10:00〜17:00
神奈川県横須賀市「ヴェルクよこすか」6階会議室
(京浜急行線「横須賀中央駅」下車)
「東アジアの平和と米軍再編成、原子力空母の母港化」をテーマに、パネルディスカッション形式で開催します。(内容は8頁参照)


分科会での討論(07年8月・広島)

【広島大会】

8月4日(月)
● 折鶴平和行進 16:00平和公園集合 平和公園から県立体育館まで
● 開会総会 17:30〜19:00「核兵器廃絶2008平和ヒロシマ大会」グリ─ンアリ─ナ(連合・核禁会議との共催)

8月5日(火)
● 分科会 9:30〜12:30
★ 平和と核軍縮1─アメリカの核戦略と東北アジアの非核化(学習中心)
海外ゲスト─ジョ─ジ・マ─ティン(米・ピ─スアクション)
核大国の核状況の検証と朝鮮半島の核問題の平和的解決に何が必要なのかを考えます。

★ 平和と核軍縮2─米軍再編成と横須賀原子力空母の母港化(交流・討論)
海外ゲスト─ソウ・ボヒョク(韓国・参与連帯)
各地で進められる米軍再編成。日米の軍事一体化の現状報告と、原子力空母の横須賀母港化の問題点。

★ ヒバクシャを生まない世界に1─世界のヒバクシャの現状と連帯のために(学習中心)
海外ゲスト─チェルノブイリ被曝関係者
あらゆる核開発過程で生み出される核被害者の現状を知り、世界のヒバクシャとの連帯を考えます。

★ ヒバクシャを生まない世界に2─原爆訴訟・在外被爆者と被爆者援護法(交流・討論)
海外ゲスト─韓国・在外被爆者
被爆者を取り巻く課題を明らかにし、在外被爆者、被爆二世・三世の残された課題を明らかにします。

★ 脱原子力社会をめざして1─温暖化と脱原発に向けたエネルギ─政策の展開(学習中心)
海外ゲスト─ハンスヨーゼフ・フェル(欧州緑の党)
「原発が地球温暖化防止の切り札」の虚構を明らかにし、原発に頼らないエネルギ─政策を考えます。

★ 脱原子力社会をめざして2─再処理・プルサ─マル計画撤回と原子力政策の転換(交流・討論)
プルトニウム利用政策の矛盾と破綻を明らかにし、各地の闘いの報告と交流を行います。

★ 特別交流会─地震と原子力発電(交流・討論)
大地震によってもたらされる原発震災の危険性を訴えます。各地から原発と地震の問題の報告があります。

★ 見て、聞いて、学ぼうヒロシマ(入門編)
被爆地ヒロシマの実相を知る入門コ─スです

● 特別分科会 14:00〜16:30
基調報告の討議も含め原水禁運動の交流を行います。

● ひろば 14:00〜16:30
ヒバクを許さないつどいパ─ト9/女性のひろば/上関原発を考えるつどい/フランス核実験被害者交流のひろば。(劣化ウラン弾の交流会のみ9:30〜12:30)。

● フィ─ルドワ─ク(有料・要申込み)

★ バスツア─「ヒロシマと戦争」 7:45〜18:30
第二次大戦中、毒ガスが作られた大久野島を訪ねます。

★ 上関原発現地交流ツア─ 7:45〜18:30
原発建設が行われようとする山口県上関を訪ねます。

● 子どものひろばとメッセ─ジfromヒロシマ2008 8:00〜16:30 グリ─ンアリ─ナ、他(要申込み)

■ 平和シンポジウムin広島 9:30〜11:00 県民文化センタ─
北東アジアの非核化と世界の核軍縮の実現にむけて(共同開催:連合、原水禁、核禁会議)
8月6日(水)

● 広島まとめ集会 9:00〜11:00 中国新聞ホ─ル

● 特別企画「六輔+1」広島から平和を語る 11:20〜12:50 中国新聞ホ─ル
唄とト─ク 出演/永六輔(タレント)/矢崎泰久(著述業)/中山千夏(元参議院議員)他

【長崎大会】


木のブロックキャンペ─ン(07年8月・長崎)

8月7日(木)
● 開会総会 15:45〜18:00
「核兵器廃絶2008平和ナガサキ大会」長崎県立体育館(連合・核禁会議との共催)
8月8日(金)

● 分科会 9:30〜12:30
★ 平和と核軍縮1─武力によらない平和と核廃絶をめざして(学習中心)
海外ゲスト─ジョ─ジ・マ─ティン(米・ピ─スアクション)/ジャヤンタ・ダナパラ(パグウォッシュ議長)
平和と核廃絶を達成するために、どのような道すじが可能なのか。憲法9条が持つ非軍事の意味を考えます。

★ 平和と核軍縮2─東北アジアの非核化と日本の安全保障政策(交流・討論)
海外ゲスト─イ・スヨル(韓国・社会進歩連帯)
原子力空母の横須賀母港化と米軍再編の問題と東北アジアの安全保障と非核化を考えます。

★ ヒバクシャ1─世界の核被害の現状を学ぶ(学習中心)
海外ゲスト─チェルノブイリ被曝関係者
核被害者の現状を知り、世界のヒバクシャとの連帯を考えます。チェルノブイリ原発事故被害者の報告など。

★ ヒバクシャ2─日本の戦争責任と在外被爆者問題(交流・討論)
海外ゲスト─郭貴勲、金日祚(韓国被爆者協会)
被爆者の援護と連帯を求め、特に在外被爆者の直面する課題を明らかにします。

★ ヒバクシャ3─被爆二世・三世問題を考える(交流・討論)
「援護なき差別の状態」に置かれている被爆二世・三世の現状と課題の理解を深めます。

★ 脱原子力1─原発は地球温暖化に貢献するのか(学習中心)
「原発が地球温暖化防止の切り札」の虚構を明らかにし、原発に頼らないエネルギ─政策を考えます。

★ 脱原子力2─日本の原子力政策を検証する〜再処理・プルサ─マル・核のゴミ(交流・討論)
プルトニウム利用政策の矛盾と破綻を明らかにし、各地の闘いの報告と交流を行います。

★ 見て・聞いて・学ぼう"ナガサキ"─証言と映像による被爆の実相と平和運動交流
被爆地ナガサキの実相を知る入門コ─ス。

● 特別分科会

★ 地震と原子力発電─原発・原子力施設立地県全国連絡会 14:00〜16:00
原発震災の危険性を訴えます。各地から原発と地震の問題の報告があります。

★ 検証─原子力の軍事利用と平和利用〜エンプラ40年、むつ30年の節目に 8:00〜17:00
佐世保基地めぐりとセット。原子力の軍事利用と平和利用の問題点を考えます。有料3,500円(事前申し込み)

● ひろば 1)女性交流のひろば(14:00〜16:00)2)被爆者との交流─施設訪問(9:30〜12:30)3)被爆者との交流─語る会(10:00〜12:00)4)フランス核実験被害─アルジェリアのヒバクシャはいま(14:00〜16:00)5)映画特別試写会「ひめゆり」(14:00〜16:00)

● フィ─ルドワ─ク原爆遺構めぐり 14:00〜16:00

● 若者、子ども関連行事 9:30〜12:30

★ 子ども平和のひろば/長崎県教育文化会館

★ ピ─ス・ブリッジ2008inながさき(若者・高校生自主企画)/長崎県勤労福祉会館

■ 平和のシンポジウムin長崎 14:30〜16:00 原爆資料館
被爆者援護の強化に向けて、現状と課題 (共同開催:連合、原水禁、核禁会議)

8月9日(土)
● 慰霊碑墓参 7:30〜8:30 各慰霊碑

● 長崎まとめ集会 9:00〜10:00 県立体育館

● 平和行進 10:15〜11:00 県立体育館〜爆心地公園

爆心地公園内で黙とう(11:02)〜原爆資料館見学

■ 「核廃絶の壁」木ブロック・キャンペ─ン(7〜9日)木のブロック展示(原爆資料館前広場)

被爆63周年原水禁世界大会・国際会議
太平洋米軍の中心基地
横須賀で開催

原子力空母入港を前に横須賀で開催

 被爆63周年原水禁世界大会の国際会議は、8月2日、神奈川県横須賀市「ヴェルクよこすか」で開催されます。討論テ─マは「東アジアの平和と米軍再編、原子力空母の母港化」で、パネラ─として韓国の参与連帯から栄和女子大学平和研究所・研究員のソウ・ボヒョクさん、アメリカのピ─ス・アクションからジョ─ジ・マ─ティンさん、中国の平和・軍縮協会の代表が参加し、日本側から梅林宏道さん(ピ─ス・デポ顧問)、福山真劫さん(原水禁事務局長)が参加します。
 いつの間にか横須賀の米海軍基地は、太平洋米軍の中心的存在となってきました。沖縄の米軍基地が中東からアジア・太平洋一帯へ向けての前線出撃基地とするなら、横須賀基地は東京の横田基地と連動する司令部的存在といえます。2001年に発足したブッシュ政権は、中東から東アジアまでを「不安定の弧」と定義し、その要因の一つに軍事力の近代化を進める中国の存在があるとし、米国が対応策を講じなければ、この地域での米国の軍事的優位を失う恐れがある。中国に「ステ─ク・ホルダ─=利害共有者」として平和的な発展を促す必要があると強調しています。
 米国は長期にわたって維持してきた太平洋での覇権が、中国の経済的・軍事的台頭によって脅かされてきたと考え、中国と戦略的パ─トナ─としての関係を模索する一方、軍事的優位性を築こうとしています。こうして現在、米海軍は太平洋に空母11隻のうち6隻、潜水艦約70隻のうち6割、弾道ミサイル迎撃ミサイル・SM3搭載のイ─ジス艦18隻のうち16隻の展開を始めているのです。
 しかし、いまや米軍が太平洋で軍事的優位を築いていくためには、日本の軍事的協力が不可欠となっています。このためアジア・太平洋の米軍再編は、在日米軍再編に中心がおかれることになったのです。そして、再編される米軍の中心に横須賀米海軍基地が存在するのです。

原子力空母の事故や軍事的危険性


昨年の国際会議(07年8月3日 大阪)

 横須賀米海軍基地はこれまで空母・キティホ─クの母港でしたが、老朽化を理由に原子力空母「ジョ─ジ・ワシントン」に替わろうとしています。キティホ─ク(基準排水量60,100トン、全長323.8メ─トル、全幅39メ─トル、喫水10.9メ─トル)と比べると、ジョ─ジ・ワシントン(基準排水量81,600トン、全長339.8メ─トル、全幅76.8メ─トル、喫水12.59メ─トル)は横幅がほぼ倍近くあり、喫水も深く軍艦として世界最大を誇り、さらに出力60万キロワットの原子炉を搭載しています。
 原子力発電所がこれまで多くの事故を起こしてきたように、原子力空母でも事故が発生する危険は絶えずあります。事故が起こらなくても、日常的に放射性物質が海洋に排出され、海洋生物に蓄積され、濃縮され、やがて私たちの体内に取り込まれていくでしょう。
 こうした危険に反対して、「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が結成され、06年秋から活動が始まり、07年2月と08年5月の2回にわたり住民投票条例の請求を行ってきましたが、横須賀市議会は2回とも否決し、住民の願いを無視しました。
 一方、住民投票運動とは別に、「原子力空母横須賀母港化阻止闘争本部」が平和フォ─ラムなどによって組織され、入港予定の8月19日の1ヵ月前の7月19日に1万人規模の全国集会が開催されます。
 ジョ─ジ・ワシントンは5月22日に太平洋を航行中に火災を発生させ、8月19日の横須賀入港は延期される可能性も出てきました。しかし、入港が延期されたとしても、米軍の太平洋戦略、米国の軍事的覇権主義が転換されない限り、そして日本政府が原子力艦船の持つ物理的危険、軍事的危険を認識しない限り、原子力空母の横須賀母港化は変わらないでしょう。
 それは、アジア・太平洋に一層の軍事競争を招くことを意味します。ミサイル防衛の日本展開とともに、私たちの住む地域を不安定化させ、将来に禍根を残すでしょう。8月2日の国際会議では、そうした情勢を踏まえて、今後の運動を論議することにしています。
 全国から多くの人が参加されるようお願いします。

「化学物質政策基本法」制定を
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
事務局長・弁護士 中下 裕子

問い直される化学物質管理のあり方

 石油化学工業の発展に伴って、便利で安価な合成化学物質が世界中を席捲しました。合成洗剤から、殺虫剤、芳香剤、プラスチック、食品添加物まで、今や私たちの周囲には多種多様な化学物質が溢れています。
 化学物質には光と影があります。化学物質は過去、水俣病・カネミ油症などの公害を引き起こし、今またシックハウス・化学物質過敏症など新たな健康被害を生じさせています。増加傾向が続く各種がん疾患や、国民の3分の1が苦しむ喘息・アトピー・花粉症などのアレルギー疾患、さらには近年急増している学習障害・行動障害・自閉症などの発達障害の発症にも、化学物質の関与が強く疑われています。
 さらに、化学物質の影響は地球規模で、しかも世代を越えて及ぶことがわかってきました。今や極地に生息するクジラやアザラシの体内も化学物質で汚染されています。化学物質は、また、母胎・母乳を通じて、次世代の子どもたちに引き継がれます。私たちの使い方によっては、何の罪もない子や孫らの未来世代にも、取り返しのつかないツケを残しかねないのです。これが、わずかな利便性や経済性と引き換えに私たちが手にしたものだとしたら、どうでしょうか。私たちは、今一度、化学物質とのつき合い方を考え直す必要があるのではないでしょうか。

国際社会の動きと日本の管理制度の問題点


「水俣病」も化学物質による公害(水俣病資料館)

 国際社会は、既にその検討に着手しています。2002年のヨハネスブルク・サミットでは、「化学物質による健康や環境への悪影響を2020年までに最小化する」との目標が合意されました。これを受けて、国連では、新たな国際化学物質管理戦略(SAICM)が06年に採択され、多様な関係者の参加の下で、国家戦略を策定することを各国政府に求めています。EUでは、従来の政策の抜本的な見直しが行われ、既存の法令を統合した画期的な新法「化学物質の登録・審査・認可に関する法律(REACH)」が06年に制定されました。
 しかし、日本の現行制度には次のような重大な欠陥があります。まず第1に、化学物質の毒性データが圧倒的に不足していることです。日本国内の市場にある数万種の化学物質のうち、毒性データが揃っているものはわずか数百物質にすぎません。昭和48年に化審法が制定された際、既に市場に出されていた約2万種の既存化学物質については、毒性等のデータの届出・審査が義務づけられず、その後の安全性点検作業も遅々として進んでいないためです。私たちは、安全性の確認のないまま、これらの物質を大量に製造使用しているのです。これでは被害の発生を未然に防止することなど、できるはずもありません。
 第2に、化学物質の影響は複雑で、その科学的解明は容易ではないことです。特に、長期的・複合的影響の解明となると、ほとんどわからないのが実情です。データ不足と相俟って科学的証明にはますます困難が伴います。その結果、どうしても後追いの規制が繰り返されることになってしまうのです。予防原則を基本理念に据えて対策を講じることがぜひとも必要です。
 さらに、現行制度が、用途・領域ごとの省庁縦割りとなっていることです。このため対策も各省庁ごとにバラバラで一貫性がなく、しばしば「すき間」も生じかねないのが実情です。多種多様の化学物質を管理するには、共通の理念・戦略の下に関係省庁が相互に連携し、一貫性をもって、施策を総合的かつ計画的に実施することが不可欠です。そのための基本法の制定と行政組織の一元化が急務ではないでしょうか。
 しかし、政府内では、そうした基本法制定の動きは見られません。省益にとらわれた現行の縦割り制度の下では、省庁自身がこのような一元化に踏み出すことは期待できません。そこで、私たち市民・NGOの出番のときです。今こそ、力を結集し、各界に働きかけて「化学物質政策基本法」(仮称)を制定させ、化学物質の総合的管理の枠組みを確立させなければなりません。そのため、「化学物質政策基本法を求めるネットワーク」(略称:ケミ・ネット)が結成されました。
 食物をはじめ、水・大気・土壌の汚染の源は全て化学物質です。その意味で化学物質の総合的管理システムの確立ぬきに、これらの汚染問題の抜本的解決もありえないのです。皆さんの参加を呼びかけます。

★☆★☆★☆【本の紹介】★☆★☆★☆★

『悩む力』
姜 尚中 著


2008年 集英社刊

 「たまには売れている本を読もう!」と、インターネットの書店売り上げランキングを見てみました。1位は『夢をかなえるゾウ』(水野敬也)、解説を見ると小説風な自己啓発本のようです。2位は『新人間革命』(池田大作)…。3位は『B型自分の説明書』。なにか、どの本も僕には向いていない気がします。「知っている人の本はないか?」と見ていくと、ありました。9位『悩む力』、姜尚中さんの新著です。
 姜さんの本は、これまでにも読んできました。感想は「難しい」の一言です。古典や他の学者からの引用も多く、専門書風です。その姜さんが最近、立て続けに新書を出しています。「民族」や「格差」などをテーマにしていながら、平易に書かれています。多くの人、特に青年や女性に読んでもらいたい、社会のことを考えてもらいたいという気持ちが強まっているのでしょうか。
 さて本書は、「生きるとは」、「自分とは」、「愛とは」、「金とは」、「働くとは」などがテーマです。格差が進み、人々は孤立し、ある者は精神世界に向かい、ある者は自殺する。そうした社会で、人はどう生きるべきか。考えることから逃避せずに、徹底的に悩もうと姜さんは訴えます。おもしろいのは、100年前を生きた夏目漱石とマックス・ウェーバーから、学ぼうとしている点です。文明と資本が発展し、第1次大戦へむかう直前の100年前と、現在が、非常に似ていること、人々が同じような悩みを持っていることが分かってきます。
 労働運動や平和運動に携わっていると、読む本も評論や報道に偏りがちです。文書を書いたり、人前で話したりするために、必要に駆られて読むからでしょう。しかし、運動に携わっているのであればこそ、生き方については、常に考えていなければいけない気もします。たまには学生気分にかえって、「人生とは何ぞや」と悩んでみるのも、いいのではないでしょうか。

(八木隆次)

★☆★☆★☆【映画評】★☆★☆★☆★

花はどこへいった
(08年日本)
坂田 雅子監督

 この映画は、ベトナム戦争とそこで使われた枯れ葉剤(ダイオキシン)を告発する映画である。坂田監督の夫、グレッグ(写真家)の「早すぎる死」に疑問をもち、その原因を追及するところから映画は始まる。
 グレッグは青年時代、ベトナム戦争に従軍し、「枯れ葉剤」ダイオキシンを浴びていた。死の原因は多分そのダイオキシンだろうと推測される。そのダイオキシンは米兵を汚染すると同時に、ベトナムの大地と人々を汚染し続けた。そして結果として枯れ葉剤を直接浴び、また環境や食物を通して、体内に入った本人の健康障害を引き起こすと同時に、子どもたち、孫たちにも深刻な障害を発生させ続けている。ベトナム戦争後36年を経過するにもかかわらずにである。
 そうしたベトナムの現実を映し続けている。子どもたちを傷つけ続けている者たちに対する怒りがこみ上げてくる。アメリカのベトナム侵略戦争は1961年から始まり72年の敗北によって終わる。しかしばらまかれた枯れ葉剤(ダイオキシン)がベトナムの民衆をいまなお傷つけ続けているのである。
 アメリカはこのベトナム戦争で何を学んだのだろう。アメリカ人がワシントンの「ウォール」でベトナムでの戦死者の慰霊するたびに何を決意しているのだろう。そのアメリカがまた、アフガニスタンやイラクへ侵略戦争を開始し、そして劣化ウラン弾・クラスター爆弾を使用して、民衆や子どもたちの犠牲を拡大させている。ベトナム戦争の頃と変わってはいない。そしてその背景で化学会社や軍需会社が儲け続けている構造も同じだ。
 この映画を見ていると40年前に引き戻される。日本でもベトナム反戦の闘いが大きく高揚したあの時代である。青年たちが自分たちの手で新しい時代を創造できると本気で思ったあの時代である。ジョーン・バエズが来日し、「勝利をわれらに」(We shall overcome)をともに歌ったあの時代である。
 若い人たちにぜひ見てほしい。アメリカがベトナムで何をしたのか。そして、アフガニスタンやイラクで何をしているのかを考えてほしい。

(福山真劫)
※東京・岩波ホールで上映後、大阪、神戸、京都、名古屋などで今夏公開。

★☆★☆★☆【投稿コーナー】★☆★☆★☆★

「天空の軍需利権法」=宇宙基本法は何を狙うのか
核とミサイル防衛にNO!キャンペーン 杉原 浩司

たった4時間だけの審議

 5月21日、日本の宇宙政策を大転換させる「宇宙基本法」が参議院本会議で賛成221人、反対14人の大差で成立しました。反対は共産、社民、無所属の糸数慶子、川田龍平議員のみでした(田中康夫議員は棄権)。
 成立プロセスは異常でした。1969年の衆参両院での全会一致の国会決議により確立された、世界でも類を見ない「非軍事」の宇宙規範を葬るのに要した時間は、衆参合わせてわずか4時間。多数派による専制とも言うべき「大連立」型政治によって「立法改憲」が強行されました。

新「国益派」の台頭

 成立劇から見えてきたのは、新「国益派」とも言うべき危険な政治潮流の台頭です。自民・公明・民主の三党の共同提案に向けた水面下の工作を担ったのは、「盟友」と呼び合う西村康稔(自民)、細野豪志(民主)ら「海洋基本法」を作った面々でした。自民党宇宙開発特別委の事務局長を務める西村議員は、4月に海外派兵恒久法をにらみ再始動した「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」(自公民で構成)の事務局長をも担う要注意人物です。
 「国益」という合言葉で結束する彼らにとって、海洋と宇宙は日本の国益最前線であり、基本法はそれらを切り開くために不可欠の立法なのです。誤ったフロンティア精神は有害無益。呼応するように、防衛省は8月にも「海洋・宇宙政策室」を発足さようとしています。この動きはそのまま海外派兵恒久法に連動する恐れがあります。与野党の垣根を超えて増殖する新「国益派」にいかに対抗するのかの議論が早急に必要ではないでしょうか。
 基本法成立は、日本版「軍産学複合体」の台頭をも決定づけました。中心は、自民党研究会「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」です。海洋基本法と同様に石破茂防衛相が座長となり、河村建夫元文科相、久間章生元防衛相、額賀福志郎金融相らが顧問となりました。三菱電機(偵察衛星を製造)、三菱重工(H2Aロケットの製造、打上げを担当)、NEC(宇宙と防衛を部門統合)等の軍需企業幹部、青木節子(慶應大、『日本の宇宙戦略』著者)、鈴木一人(筑波大)ら学者に加え、憲法を順守すべき立場の防衛省幹部(事務次官、防衛政策局長ら)までもが結集しました。

日本版「軍産複合体」に対峙し得る運動が急務

 この「軍需利権連合」が仕立て上げた宇宙基本法体制の本質は何でしょうか。第一は宇宙開発の国策化です。8月末にも内閣に「宇宙開発戦略本部」が設置され「宇宙基本計画」策定が始まります。第二は軍需産業の保護育成です。宇宙産業すなわち軍需産業に「税制上及び金融上」等の優遇措置が与えられます。
 第三は言うまでもなく公然たる宇宙の軍事利用の解禁です。第四は、それに伴う「軍事機密」の拡大です。「情報の適切な管理」を口実に、自由な研究が窒息させられる懸念があります。
 基本法が導く未来図は、「考える会」の内部文書「わが国の防衛宇宙ビジョン」(06年)に描き出されています。偵察衛星の高性能化、ミサイル防衛(MD)用の早期警戒衛星や追尾監視衛星の開発、ロケットエンジン等の輸出(軍事転用を容認)、海外派兵恒久法と連動する軍事専用通信衛星の保有等です。参院内閣委で佐藤正久議員(元イラク派兵先遣隊長)が質問に立ったのは象徴的です。
 なお、コスト削減のために、運用中の気象衛星等への早期警戒機能の付加も提唱されています(中谷元・元防衛庁長官ら)。宇宙における日米軍事協力に関しては、日本の軍用通信衛星を米軍が軍事作戦に使用することが危惧されます。実効的な歯止めをかけない限り、事態は集団的自衛権の行使にまで進むでしょう。

危険な動きに「市民監視委員会」を作ろう!

 私たちの準備不足がたたり、この事態に対してファックスによる要請の呼びかけくらいしかできませんでした。それでも石附澄夫さん(国立天文台)が発した緊急オンライン署名には、短期間で宇宙に関わる多くの研究者を含めた900名を超える賛同と切実なメッセージが寄せられました。宇宙基本法の危険性に気づいた人々との連携が今後の課題です。
 関連法制定や「宇宙基本計画」策定、機構改革、予算措置、新プロジェクトの具体化、来年度からの中期防衛力整備計画(新「中期防」)への組み込み等が今後議論になります。推進派議員は既に「フォローアップ協議会」を発足させています。
 私たちは、MDや偵察衛星自体への批判を強めると同時に、「市民監視委員会」的な仕組みを立ち上げ、「宇宙における9条改憲」に具体的に対抗していく必要があります。

【新刊案内】
原発で地球は救えない
─温暖化防止の切札じゃない
著者:藤井石根(明治大学名誉教授)
A5判/22ページ 頒価:150円

 目次:地球温暖化の兆しは/なぜ、地球の気温が上昇し、これからどうなるか/身近な温暖化の影響は/温暖化問題に向けての各国の動き/本当に原発は地球温暖化防止に役立っているか/発電量の3割弱を賄っている原発を止められるか/原発依存のエネルギー政策の行方は/エネルギーや環境問題を前に求められるものは/今、どんな岐路に
■発行:原水爆禁止日本国民会議

ナビ あと一歩は大衆運動で

野党もう一歩がんばれ

 昨年8月、参議院において与野党が逆転して以降、野党は約10カ月間にわたって、闘い続けました。被爆者課題やインド洋からの自衛隊の一時撤退、官僚体制の腐敗や年金制度、高齢者医療制度、道路特定財源等の追及などなど、多くの成果もありました。また衆議院山口2区の補欠選挙、沖縄県議選でも野党が勝ちました。そして福田内閣の支持率も20%台へと自公政権を追い詰めています。私たち平和フォーラム・原水禁も、「イラク戦争反対」・「米軍再編成反対」・「脱原発」・「憲法理念の実現」など掲げて全力で闘ってきました。連合などの労働団体も格差社会反対を掲げて全力で闘っています。
 しかし、いまだに福田内閣は延命をし続け、支持率回復めざして動き続けています。福田内閣を「総辞職」・「解散総選挙」に追い込めるチャンスは何回かあったと思われます。しかし、通常国会は参議院における「問責決議」で終わろうとしています。問責決議の提出日も国会周辺は以外と静かでした。
 私には政党、とりわけ民主党と大衆運動の関係が希薄のように見えてなりません。国会を包囲する大集会をなぜ提起できないのだろうか。選挙に役に立たないと考えているのだろうか。古い型の運動だと考えているのだろうか。私たちは、福田内閣を総辞職に追い込めていない事態の中で、もう一度戦略・戦術において、何が足りないのか冷静に総括する必要があります。そしてその上で衆議院選挙をめざそう。

子力空母横須賀母港化阻止の闘いに総力を

 今年の8月19日、原子力空母が横須賀に配備されようとしています。原子力空母の危険性、憲法9条との関係、戦後63年も経過する日本が米軍の出撃基地にさらに強固に組み込まれること、などなどの理由からして、絶対許すことはできません。平和フォーラム・原水禁は7月19日に全国総決起集会を開き、8月12日からは集中行動週間を設定して、総力をあげて取り組もうとしています。  とりわけ、7月19日には、全国から1万人を超える仲間を結集しようとしています。そのためには、まず地域の働く仲間と市民を結集させなければなりません。沖縄での昨年9月29日の教科書検定問題での11万人集会も、今年3月23日の米軍兵士暴行問題の集会も、岩国での昨年12月1日の米軍再編への怒りの集会も、地域総がかりの集会として組み立てられました。  横須賀集会も市民総がかりの集会として組み立てることが重要です。まず横須賀で反対派が多数派になろう。そしてその決意を全国の仲間で支えよう。平和フォーラム・原水禁の仲間の皆さん、7月19日は横須賀へ。新しい時代はそこから始まります。

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