60年前、日本は、アジア・太平洋諸国に対する植民地支配と侵略戦争によって、世界の人々に多大な被害をもたらしました。国内でも原爆をはじめ多数の犠牲者を生み出した反省から、平和主義、基本的人権の尊重、主権在民を三大原則とする日本国憲法は誕生しました。
戦後・被爆60年を迎えた現在、憲法理念のもとに実現すべき内外の課題は、世界・アジア諸国の非核・平和、教育と戦後補償、人権確立、地球環境、民主主義と地方自治など多くの分野にわたって山積しています。にもかかわらず、先の総選挙結果は衆議院における3分の2与党という事態をもたらし、数を背景とした強権的な政治の危険性を増し、民主主義の危機に直面するにいたりました。
総選挙後のわずか2カ月足らずの間に、小泉自民党内閣は、アジア近隣諸国をはじめ内外の反対や裁判所の判決を無視して靖国神社への参拝を強行し、トランスフォーメーションによる司令部機能の集中、辺野古など沖縄県内への基地移設、原子力空母の2008年横須賀配備などの一連の米軍の要求を受け入れるとともに、テロ特措法延長などによる自衛隊の海外派兵など日米軍事一体化をいっそう強化しました。また、憲法について、自民党は、結党50年を前に、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのない」よう決意した前文や、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とした第9条第2項をなくした「新憲法草案」を発表しました。衆議院では新たに設置された憲法特別委員会で「憲法改正」手続きにむけての討議が開始されました。来年の通常国会には、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法改定や人権無視の監視社会をもたらす「共謀罪」制定とともに、「憲法改正国民投票法案」制定が画策されています。
民主主義の危機とともに憲法は大きな岐路を迎えています。しかし他方で、ブッシュの戦争政策は内外の反対運動の広がりのなかでかげりを見せています。また、衆議院の議席数も憲法についての世論とは大きなギャップがあります。
私たちは、小泉内閣の暴挙を、これ以上許さず、何よりも民主主義の再生をめざします。自衛隊をイラクから撤退させましょう。辺野古などへの基地の新設を許さず、普天間基地の返還を実現しましょう。自衛隊の肥大化と海外派兵、日米安保体制の再編強化を克服するため「平和基本法」の実現をめざしましょう。また、中国や韓国・朝鮮、東アジアの市民との不戦の交流を築いていきましょう。日朝国交正常化を実現しましょう。在日定住外国人をはじめとした人権確立をすすめ、人権侵害を救済する制度を確立しましょう。「人間の安全保障」を指針に、差別や排外主義を克服した多文化共生社会の実現に向けましょう。憲法前文・第9条や教育基本法の改悪を許さないとりくみを全力で進めましょう。 |