2001年から始められたWTO(世界貿易機関)交渉は、12月13日から始まる香港閣僚会議に向け、いま最後の大詰めを迎えています。11月19日のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)閣僚会議では交渉合意を促す特別声明が発表され、12月1日から開かれている一般理事会で閣僚宣言案の採択が行われるなど重大な局面を迎えています。
現時点において、WTO農業交渉は、輸出補助金、輸入関税、輸入割当、国内支持などの削減幅で具体的数字を盛り込まず、来年3月頃に再度閣僚会議を開催して決着する方向だと見られています。
しかし、関税引き下げ方式については、3つの階層ごとに削減幅を決めるという方式でほぼ合意したとされ、上限関税導入の流れも無視できないほど広がっています。米などの重要品目の取り扱いについても、品目数が極端に制限され、関税維持の見返りとしての輸入割当数量枠の拡大を強く求められるなど、極めて厳しい状況を迎えています。
2003年9月のメキシコ・カンクンでの閣僚会議で死をもって抗議した韓国農民の李京海(イ・ギョンへ)さんは、「WTOは農民を殺す」と叫び続けました。万一、香港閣僚会議でアメリカなどが提案する上限関税が設定され、極めて低い価格の米や農産物が輸入されることになったら、日本の農業は崩壊し、農民は完全に息の根を止められ、まさに殺されてしまいます。これは、農業・農民だけでなく、食料の安全・安定、環境の維持など、広範な影響を与えるものです。
このため、私達は、上限関税の導入や関税の大幅引き下げに強く反対し、米や乳製品など重要品目の完全確保をつよく求めます。
また、アメリカなど輸出国主導のWTO体制反対を強く訴えるとともに、12月の香港閣僚会議に代表団を派遣し、途上国や全世界の農民、市民と連帯してたたかいます。
安全な食料を安定的に供給するには、国内農業の維持発展が欠かせません。そのため、WTOによる農畜産物の市場開放に反対してともに運動を進めることを、広く消費者・市民のみなさんに訴えます。
以上、決議します。 |