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平和フォーラムの当面の制度・政策要求

2006年4月20日

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フォーラム・平和・人権・環境

 
 以下は2006年4月20日に開かれたフォーラム平和・人権・環境第8回総会において決定された当面の制度・政策要求です。
 
Ⅰ 憲法(全体)に関する制度・政策 
 
1.憲法前文・9条をはじめ憲法の理念を擁護し国際的な人権・民主主義の到達点に立って発展させること。(全省庁)
(解説)前文、第9条、第10章「最高法規」などに示された、戦争放棄と非武装・平和主義、基本的人権の尊重、主権在民を3大原則とした日本国憲法の理念を擁護し、人権や民主主義の国際的な確立の到達点に立って発展させていきます。「はじめに憲法改正ありき」や「衣の下の鎧」の姿勢、「憲法の理念に反する実態への迎合」ではなく、国際化時代に適応しながら、憲法の有効性を高め、市民生活に生かしていくことが必要です。
 
2.憲法の有効性を高める場を国会はもとより広く認め合い、とりわけ、市民の意見を活かす場を尊重し、保障すること。(全省庁)
(解説)憲法の有効性を高め、そのための議論を行う場は、国会の憲法調査会に限りません。国会の他の委員会でも必要です。また、立法だけでなく、行政(政府だけでなく自治体を含む)・司法の三権それぞれにも必要です。それらに市民の意見が活かされることが重要であり、そのためにも市民自身が憲法とその運用について、検証する活動を保障することが必要です。
 
3.憲法第96条に示された憲法改正のための国民投票など、憲法上の制度・整備にあたっては、憲法理念に基づき民主主義、人権尊重を貫くこと。憲法前文・9条改悪のための拙速な「憲法改正国民投票法」を制定しないこと。(総務省・衆議院・参議院など)
(解説)憲法上に示された制度・整備も、一般法で行われるため、政治的目的で振り回される危険性があります。すでに、憲法改正のための国民投票の方法などは、憲法議連案や与党合意などに見るように、それ自身が憲法改正のハードルを下げるものです。こうした「ためにする改正」を行わないこと。 
 
Ⅱ 国際化に対応した制度・政策の基本事項 
 
1.憲法の理念を国際的な平和・人権・民主主義の到達点に立って発展させるため、国際諸条約を完全批准し、また、発効に向けて努力すること(外務省他)
①CTBT(包括的核実験禁止条約)などすでに批准済みのものは発効に向けた国際的な努力をいっそう強めること。
②未だ批准していない国際刑事裁判所(ICC)設立条約や人権諸条約(27条約中15条約、自由権規約選択議定書=個人通報制度、自由権第2選択議定書=死刑廃止、ジェノサイド条約、戦争犯罪者時効条約、奴隷条約、無国籍者条約、移民労働者条約など)を早期に批准すること。
③人種差別撤廃条約などの国内留保条項について撤廃すること。女性差別撤廃条約の選択議定書の早期批准すること。
④劣化ウラン弾など非人道的使用の兵器や小火器兵器の禁止・規制などの諸条約の制定に積極的に取り組むこと。劣化ウラン弾の国際的な影響調査を行うこと。
⑤国際諸条約(とくに人権諸条約)の早期和訳・公表を行うこと。
(解説)世界でいっそう確立している平和や人権の高い水準、到達点を日本の市民が日常的に認識する機会を増大することが必要です。憲法は、「この憲法が保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」(第97条)としていることからも重要です。
 
2.ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)の2015年までの実現など、国際的に連携した「人間の安全保障」の取り組みと国内適用、ODA基本法等を制定すること。(内閣府他全省庁)
(解説)冷戦後の世界で広がっている「人間の安全保障」の取り組みのなかで打ち出された国連のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs=2000年9月「極度の貧困と飢餓の撲滅」「普遍的初等教育の達成」「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上」「幼児死亡率の削減」「妊産婦の健康の改善」「環境の持続可能性の確保」「開発のためのグローバル・パートナーシップの推進」の8目標、18ターゲット、48指標)は、2005年9月の世界サミットで、2015年までの達成を再健認するともに、平和構築委員会や人権理事会の設置、人道犯罪からの「保護する責任」の確認などが合意しました。この実現に日本も全力を尽くすこと。日本での具体的な取り組みは「貧困」「健康・医療」「災害」「難民」に関する対外的な支援に限定されており、あわせて重要な「抑圧・差別からの自由」に向けた国境を越えた確立の取り組みは軽視されています。「抑圧・差別からの自由」に向けた取り組みに連携することが重要であり、とくに「内なる国際化」の点から、1.の国際人権諸条約の完全批准による国内適用が必要です。また、ODA(政府開発援助)も、貴重な国際協力ですが、日本は、「環境と天然資源の持続可能な利用に関する分野別政策」や「ODAから恩思を受けると思われる人びとの参加の確保のための、詳細な政策およびガイドライン」を持っておらず、欧米諸国に立ち後れています。「無償援助の原則」「受益者の権利」などを含んだ「ODA基本法」を制定する必要があります。
 
3.憲法記念日・週間(5月)、世界人権デー・週間(12月)、国連の設定した国際年などにおける諸取り組みをはじめ、政府・自治体行政による平和・人権啓発の取り組みの徹底。(内閣府・総務省他全省庁)
(解説)政府・自治体が率先して平和・人権について啓発を、機会あるごとに行うことが必要。とくに、5月の憲法記念日(週間)や12月の世界人権デー(週間)、国連で毎年設定される国際年や10年単位の取り組みは重要であり、政府・自治体による諸取り組みを行うこと。(憲法記念日については1976年以来、政府行事は実施されていません)
 
4.在日外国人が増大し、裁判をはじめ法律に関与する場面も増大していることを踏まえ、憲法をはじめ基本六法などの多国語訳化(英語はもとより中国語・韓国語・ロシア語・スペイン語なども)を行うこと。(内閣府・総務省・外務省・法務省)
(解説)国境を越えたヒトの移動が進み、コミュニケーションが不可欠になっています。一方では、在日外国人が増大し、裁判をはじめ法律に関与する場面も増大しています。日本語や英語だけでは通じない場合が多いので、在日外国人にも、法律を理解する機会を増大し、権利保障を行うことが必要になっています。 
 
Ⅲ 平和・安全保障に関する制度・政策
 
1.米国一辺倒ではない、多角的な外交政策を進めること。国際紛争は国連の場で平和的に解決できるよう、国際社会に働きかけること。日朝国交正常化や日ロ平和条約の締結など、東北アジアの平和環境を醸成する友好外交を推進すること。
(内閣府・外務省・総務省)
(解説)冷戦終結後は「対話と協調」が、世界的に外交の主流になっています。しかし一方で米国によるアフガニスタン侵攻やイラク侵攻が行われました。またイスラエルはパレスチナに対して、軍事侵攻や指導者の暗殺を行っています。日本は、米国の外交政策に無条件に付き従うのではなく、平和環境を醸成する積極的で多角的な独自の外交を行うべきです。また米国の一国主義・先制攻撃戦略に反対し、国家間の問題は国連の場で解決するよう、国際社会をリードしなければなりません。東北アジアの非核化と軍縮の推進にも積極的に寄与するべきです。そのためには、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と韓国の「6・15南北共同宣言」に基づく対話や、米・朝・韓・中・ロ・日の6カ国協議を支持・推進すること、「ピョンヤン宣言」にのっとった日朝国交正常化を進めること、ロシアとの友好条約を早期に締結することが必要です。
①日本独自の平和外交政策を策定すること。
(解説)現在、政府は「日米同盟」を外交政策の柱とし、「日米同盟」が無ければ日本の安全は保てないと言っています。しかし国際社会と国連を無視し、一国主義と先制攻撃戦略を推進する米国に従うことは、米国とともに国際社会から孤立することを意味しています。日本は憲法前文と第9条の精神に基づき、国連を中心とした、平和的な外交を積極的に推進しなければなりません。国際社会の平和と安定に寄与し、軍事によらない国連の平和活動に貢献し、友好外交で周辺諸国の信頼を勝ち取ることが、日本の安全を保障する唯一の道です。
②「日朝ピョンヤン宣言」に基づき、早急に日朝国交正常化を図ること。
(解説)日本は世界の中で北朝鮮とだけ、国交を持っていません。これは異常な事態です。日朝国交正常化は、東北アジアの平和を飛躍的に前進させます。日本人拉致・不審船・核開発など日朝間の一連の問題は、「ピョンヤン宣言」を含めた国際諸条約・合意を基本に、対話を重ねることで解決を図ることが必要です。
③東北アジアの非核化をはじめ、積極的に核軍縮の実現をめざすこと。
(解説)東北アジアには、米・中・ロの核兵器が存在し、また北朝鮮の核開発疑惑があります。朝鮮半島の非核化については、南北合意や米朝合意など、これまで積み上げてきた枠組みを崩壊させてはなりません。非核三原則を持ち世界の核軍縮をめざす日本が、積極的にリードし、東北アジアの非核化を実現しなければなりません。
④自治体・民間団体・NGOなどの国際交流や外交を促進し、地域の平和システム作りに努力すること。
(解説)世界のボーダレス化が進んでいます。これからは国家間関係だけではなく、自治体・民間・NGOの国際交流や外交が重要になってきます。また自治体の「非核・平和条例」などは地域から平和を築くものであり、多角的な平和外交の基礎となります。政府は、こうした国際交流・外交を促進し保障するべきです。
 
2.米国の軍事政策や戦争を支援しないこと。日米安全保障条約を友好条約に切り替えること。(内閣府・外務省・総務省・防衛庁)
(解説)日本政府は、米国のアフガニスタン侵攻とイラク侵攻を支持し、米軍支援のために自衛隊を派兵しました。米国の軍事政策への加担や戦争支援は憲法に違反するものであり、中止すべきです。日米安全保障条約による軍事同盟を解消し、政治・外交・経済・文化を中心とした友好条約に切り替えなければなりません。
①在日米軍基地の再編・強化を行わないこと。基地の縮小・撤去を進めること。
在日米軍基地の再編に関する中間報告を、白紙撤回すること。司令部の併設、共同作戦・訓練の増強、基地・演習場の相互利用など、米軍と自衛隊の一体化を行わないこと。
a.沖縄県・普天間基地を、即時閉鎖・返還すること。
b.沖縄県・名護市辺野古での、ヘリ基地建設を行わないこと。
c.沖縄県・本島北部への、基地の集中化を行わないこと。
d.神奈川県・横須賀基地での、原子力空母の母港化を行わないこと。通常型空母の母港も撤回すること。
e.神奈川県・厚木基地への、海上自衛隊岩国基地所属飛行隊の移転を行わないこと。
f.神奈川県・キャンプ座間への、米陸軍第1軍団司令部の移転と、陸上自衛隊中央即応集団司令部の新設を行わないこと。
g.神奈川県・相模総合補給廠への、陸上自衛隊普通化連隊の配備を行わないこと。
h.東京都・横田基地での、日米共同統合運用調整所の設置を行わないこと。
i.東京都・横田基地への、航空自衛隊航空総隊司令部の移転を行わないこと。軍民共用空港化を行わないこと。
j.山口県・岩国基地への、空母艦載機部隊の移転を行わないこと。夜間離発着訓練(NLP)及び、低空飛行訓練を行わないこと。
k.鹿児島県・鹿屋基地への、普天間基地からの空中給油機の移転を行わないこと。
l.北海道・千歳基地、青森県・三沢基地、福岡県・築城基地、宮崎県・新田原基地、茨城県・百里基地、石川県・小松基地などへの、沖縄県・嘉手納基地F15部隊をはじめとした航空機部隊の訓練の移転を行わないこと。
(解説)在日米軍再編に関して日米両国政府は05年10月29日、日米安全保障協議
委員会(2+2)を開催して、「日米同盟:未来のための変革と再編」(「中間報告」)を発表しました。現在は最終合意に向けた協議が続いています。
 在日米軍再編の内容は、a.日米は共通の戦略目標をもつ、b.戦時の役割分担を明確にする、c.在日米軍基地を再編する――というものです。これらを通して米国は、アジア太平洋地域を統括する陸・海・空・海兵4軍の司令部と実戦部隊を日本に集中し、「不安定の弧」(アフリカ東岸からアジア太平洋地域)に軍事介入する際の中軸基地にしようとしています。
 米国は敵国に対して、核兵器を含む先制攻撃を行うことを基本戦略にしています。その米国と共通の戦略目標を日本が持つことは、憲法に違反します。戦時の役割分担では、自衛隊が米軍を支援することになりますが、これは「専守防衛」の範囲を逸脱します。また、現行の日米安保条約は在日米軍の活動を「極東の安全」のために限定していますが、再編後の在日米軍は安保条約の枠組みよりも広範囲に活動することになります。在日米軍再編は、事実上の日米安保条約の改定なのです。
 米軍基地がある地域の人々は、基地の縮小・撤去、基地被害の軽減を求めてきました。しかし今回の米軍基地再編は、既存の米軍基地を固定化し、さらに自衛隊の基地や演習場をも米軍が使用することになります。
 日本政府は米軍基地を強化するのではなく、縮小・撤去の方向で、米国との交渉を進めるべきです。
②原子力空母の横須賀母港化を行わないこと
(解説)05年10月27日(日本時間10月28日)、米政府は現在横須賀を母港としている通常型キティホークを2008年に退役させて、後継艦にニミッツ級原子力空母を配備すると日本政府に通告し、日本政府は28日に発表しました。
これに対し11月1日、横須賀市長と神奈川知事は配備計画の撤回を求めて日本政府に働きかけることで一致し、11月2日に横須賀市議会は臨時本会議で、配備撤回を求める国への意見提出書を全会一致で決定しました。一方、米国議会では、ブッシュ政権が2006年の退役を当初予定していた通常型空母ジョン・F・ケネディについて退役を凍結し、艦暦延長工事を行うための予算を組むことで合意しました。これによって、「原子力空母しか選択肢はない」との米政府の当初の考え方が必ずしも妥当ではないことも明らかになりました。
 原子力空母については原子炉の構造も含めて、日本側には一切の情報が明らかにされていません。事故が起これば東京湾沿岸部だけではなく、関東一円の人々が被曝する恐れのある原子力空母の配備を、日本は認めるべきではありません。
③自衛隊のイラクならびにインド洋からの撤退を行うこと。今後は米国の軍事行動に対して中立を保つこと。
(解説)ブッシュ大統領は昨年12月にワシントンで演説し、「フセイン政権が大量破壊兵器を保持していたとする情報が間違いであった」「しかしフセイン政権を打倒したのは正しい決断だった」と語りました。イラク占領には、いかなる正当性もありません。
 こうした中、同盟軍の撤退が相次いでいます。同盟軍は当初39カ国でしたが、16カ国が撤退しました。残る23カ国のうち、陸上自衛隊600人と航空自衛隊200人を派兵している日本は、第9位の規模です。またこれとは別に、「テロ特措法」によるインド洋への海上自衛隊派遣も続いています。自衛隊の完全撤去を実現することが必要です。
④米国のミサイル防衛(MD)計画に参加しないこと。
(解説)米国が推進するミサイル防衛計画は、米国とロシアや中国との間での核軍縮に逆行し、新たな軍拡を生み出す恐れがあります。日本はMD計画への参加を勧めていますが、ミサイル防衛計画への参加は米国の軍事システムに組み込まれるものであり、憲法の禁じる「集団的自衛権の行使」につながります。日本はミサイル防衛計画に参加せず、東北アジアの非核化と軍縮を進めるべきです。
⑤「思いやり予算」を廃止すること。
(解説)日本政府による米軍駐留経費の負担は、支出分野・金額ともに拡大しています。日米地位協定にすら反する「思いやり予算」は、即時廃止すべきです。
⑥日米地位協定を抜本的に改定すること。
(解説)日米地位協定により、在日米軍は特権的な地位を与えられています。そのため軍事訓練による騒音や事故、米兵による犯罪に対して、日本政府や自治体は市民を保護するための有効な手立てをとることができません。改定に関しては、沖縄県が作成したものなど、優れた改定案があります。これらをもとに、改定交渉を開始することが必要です。
 
3.自衛隊を縮小すること。自衛隊の任務を限定し、海外派兵を禁じること。平和基本法を制定すること。(内閣府・防衛庁)
(解説)冷戦体制の終結後、世界各国は大幅な軍備縮小を行っています。しかし自衛隊は「コンパクト化」という名目で隊員定数を減らす一方、装備の近代化や巨大化を進めています。また米軍支援のために、ペルシャ湾やイラクまで自衛隊が派兵されています。これは明らかに「自衛」「専守防衛」の範囲を超えており、近隣諸国にとっては「脅威」になっています。自衛隊の強化・拡大を止め、大幅な軍縮・改編を実現することや、自衛隊の任務を、「自衛」「専守防衛」に限定することが必要です。憲法前文・9条の理念を守り、自衛隊の任務を限定して軍縮を行い、多国間協議や平和外交を実現するために、「平和基本法(安全保障基本法)」(仮称)の制定を求めます。
①防衛庁の「省」昇格や、海外派兵恒久法の制定、有事体制作りを進めないこと。
(解説)小泉内閣はいま、防衛庁を「防衛省」する防衛庁設置法改正案や、自衛隊の国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案の成立をめざしています。04年6月には「有事関連法」として、「国民保護法」、「特定公共施設利用法」、「米軍支援措置法」などの法律が成立しました。これらの法律は日本が米国とともに戦争を行う際に、労働者や市民に対して戦争協力を強要するものです。「国民保護法」に基づく、市町村段階での「国民保護計画」の作成なども進んでいます。こうした戦争のできる国作りのための法律や制度は、日本が外国から攻撃を受けた場合を想定しているわけではありません。海外で米国が行う戦争への支援を、想定したものです。その根本にあるのは、小泉政権と自民党による対米追従外交です。政府は「戦争のできる国作り」をやめるべきです。
 ②自衛隊に対する文民統制(シビリアン・コントロール)を徹底させること。自衛隊員の人権に配慮すること
 (解説)日米の軍事行動の一体化が進む中で、自衛隊の行動に関する国会の関与を制限する動きが進んでいます。また自衛隊内での自殺者の増加やいじめ問題の発覚など、自衛官の市民としての権利がおろそかにされています。軍事オンブズマン制度など、市民社会にそった制度作りが必要です。
③「平和基本法(安全保障基本法)」(仮称)を制定すること。
(解説)現在進んでいる、なし崩し的な軍備拡大と海外派兵を止めなければなりません。そのため、「平和基本法(安全保障基本法)」(仮称)の制定を求めます。この法律には歴代政府が軍拡の歯止めとしてきた事項であるa.文民統制、b.専守防衛、c.海外派兵禁止、d.集団的自衛権の不行使、e.非核三原則、f.大量破壊兵器の不保持、g.武器輸出禁止、h.宇宙の平和利用、i.国際貢献のあり方などの原則と、軍縮と多国間協調、人間の安全保障、予防外交を基調として盛り込みます。 
 
Ⅳ 多文化・多民族共生社会に向けた事項などその他の制度・政策
 
1.戦後補償・戦争責任を明確にすると同時に歴史認識を共有するための努力を行うこと(総務省・文科省・厚労省)
①戦争に関する資史料を情報公開し、歴史的事実の解明に寄与すること。
(解説)欧米では第2次世界大戦時の情報公開が大きく進められていますが、日本では遅々としています。国立国会図書館法一部改正による恒久平和調査局設置など、歴史的事実の解明のための制度・措置が必要です。
②戦前、戦後の日本の戦争責任を明確に謝罪し、援護法からの国籍条項撤廃などすべての被害者に差別のない補償を国の責任で行うこと。
(解説)政府の対応は95年の村山談話以後は、それから後退する動きにあります。もともと、軍人恩給など日本の援護法は戦前の軍隊の階級にそって支給されるうえ、国籍条項が残されており、戦争を推進・貢献したものほど厚く、旧植民地出身者や犠牲者には何も補償がないという極めつけの差別構造があります。各種戦後補償訴訟の判決は立法措置を求めており、援護法の国籍条項撤廃など、早急に行うことが必要です。
③強制連行など戦争時の韓国・朝鮮人犠牲者の遺骨の調査を進め、早期返還を実現すること。
(解説)1985年、中曽根首相(当時)が公約しながら放置され、2004年12月に盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領が改めて要求した遺骨調査・早期返還は、一方で日本人の遺骨調査について大規模予算のもと実施しているの比しても、日本の最低限の戦争責任・モラルが問われています。何としても早急に実現しなければなりません。
④千鳥ヶ淵墓苑を、外国人を含むすべての戦争犠牲者の無宗教の施設として国賓などが追悼できるようにすること。
(解説)靖国神社は、宗教施設であるとともに、対アジア・太平洋戦争のA級戦犯を神として祀った施設であり、政府要人の参拝は、違憲であり、戦争礼賛行為です。先の「追悼・平和記念のための記念碑等施設のあり方を考える懇談会」(追悼施設懇)報告は靖国神社は宗教施設であり無宗教の追悼施設を必要としたことや、戦争で命を失った民間人や外国の将兵をも加えるなど、評価すべき点が多い。千鳥ヶ淵墓苑を、外国人を含むすべての戦争犠牲者の無宗教の施設として国賓などが追悼できるようにしていくことが必要です。(しかし、この点で答申は遺族に引き渡すことのできない戦没者の遺骨を納めるための施設であるので、異なるとしている点は問題点です)
⑤アジアや世界の人々とともに戦争にかかわる歴史認識を共有するための資料公開施設や相互の教科書意見交換などを行う官・民、内外の活動を奨励すること。
(解説)日本の戦争責任を否定する「つくる会」扶桑社版など教科書問題は、日本人の歴史認識を問うものです。世界、とりわけ東アジアとの新たな共生時代をつくるためにも、官・民、内外の歴史認識を共有するための活動が不可欠であり、それを積極的に奨励していかなければなりません。
 
2.在日定住外国人などの人権確立、多文化・多民族共生の民主主義に向けた制度・政策を確立すること。(法務省・総務省・文部科学省)
①教育基本法を遵守し、国際化時代に応じた多文化・多民族共生と平和・人権の教育を推進・奨励すること。憲法の理念に反する教育基本法の改定は行わないこと。改正の是非は、広く合意形成をはかる必要があり、衆議院・参議院それぞれに「教育基本法調査会(仮称)」を設置し、慎重かつ徹底審議を行うとともに、広く国民的論議を喚起すること。(衆議院・参議院)
(解説)中教審による教育基本法見直しは、中間報告では「日本の伝統」や「国際競争力」を一面的に強調するものであり、世界や日本の各地の多様な民族や文化を軽視し、新たな子どもの格差・差別をもたらすものとなっています。こうした動きの延長上にある国家主義的な教育基本法の改定に反対し、国際化時代に応じた多文化・多民族共生と平和・人権の教育を推進・奨励することが必要です。教育基本法は、準憲法的な性格を有し、他の教育関係法をはじめとする一般法よりも上位に位置づけられる法律であり、改正の是非については、日本国憲法や子どもの権利条約、国際人権規約などの国際法との整合性をはかるため慎重かつ徹底審議を行うとともに、国民的論議を喚起し、合意形成をはかる必要があります。
②国連人権委員会ディエン報告の人種差別に関する改善勧告を実現すること。定住外国人の地方参政権を確立する法律の制定、指紋押捺復活の入管法改定をさせず入管制度の抜本的改善、難民の受け入れなどを積極的に行うなど、在日外国人の権利を確立すること。子どもの権利条約の趣旨に基づき朝鮮学校をはじめ在日外国人学校の学校教育法「1条校」化をすすめること。
(解説)2006年1月の国連人権委員会ディエン報告書は、日本における人種主義・人種差別・外国人嫌悪/排斥の問題を、法的側面にとどまらず、社会的・歴史的文脈にまで踏み込んで指摘し、日本政府に対して、人種差別の存在を公式に認めそれを撤廃する政治的意志を表明すること、差別を禁止・処罰する法律の制定と、問題に対処するための国内機関の設置、歴史教科書の見直しなど、24項目にわたる包括的な勧告を提示しました。在日外国人は300万人を超え、いっそう拡大する動きにあります。納税などの義務を課せられていながら、人権の保障はなお部分的にしかされていません。欧米諸国では常識化しつつある定住外国人の市民権を日本でも確立する必要があります。当面、「永住外国人地方参政権付与法案」を成立させなければなりません。また、在日外国人の権利規制は、出入国管理などでは厳しいものがあり改善が必要です。これまで前進してきた指紋押捺の廃止に逆行する、テロ対策を口実とした入管法改定案を成立させてはなりません。さらに、北朝鮮バッシングのなかで朝鮮学校をはじめ在日外国人学校の卒業資格を制限する動きがありますが、国際化に逆行するものであり、子どもの権利条約の趣旨に基づき「1条校」化しなければなりません。
③実効性ある人権教育啓発の具体化、「国連人権の10年」につづく次の「10年」に向けた取り組みをおこなうこと。独立性と実効性のある国内人権機関の設置と差別禁止法を制定すること。社会的・文化的差別をなくす男女共同参画社会計画を実行すること。1047人のJR不採用問題について、ILO勧告などを踏まえて解決すること。
(解説)男女共同参画など世界的な人権確立の動きは日本でも少しずつ広がってきました。しかし、意識変革の遅れやバックラッシュのなか、被害者の救済など実効性ある人権制度は確立していません。女性、子ども、障害者などをはじめ当事者参加などを重視した制度の確立が必要です。国連の「国内人権機関の地位に関する原則」(パリ原則)にそった独立性と実効性ある人権救済機関を制度化する法律の制定とあわせて、差別を犯罪として明確に禁止する「差別禁止法」(仮称)を制定が必要です。また、政府や全国の自治体でより充実した「人権教育・啓発推進に関する基本計画」やジェンダー定義を後退をさせずに「男女共同参画」計画を策定・実行していくことが必要です。JR不採用問題は、政治公約に反するとともに、人道上も重大問題であり、早期解決させなければなりません。
④最高裁判所裁判官国民審査の投票を○×式にするなど、投票した人の意思が結果に反映する方法にすること。司法改革で、市民に開かれたものとする原則を確立すること。狭山差別裁判など、えん罪事件を起こさせないため、再審制度の確立や、代用監獄の廃止などを実現すること。
(解説)現在進められている司法改革もその理念をうたっているように、ともすれば閉鎖的だった司法を開かれたものとしていかなければなりません。裁判員制度は裁判官の恣意などに左右されない制度・人数配分にしていくことが必要です。また、日本では、狭山差別事件をはじめえん罪事件が絶えません。なかでも警察の留置所を未決拘禁者の代用監獄とするシステムは国連からも人権侵害の指摘を受けています。代用監獄を存続・恒久化する未決拘禁法などに反対し、廃止を実現する必要があります。
⑤「共謀罪」設置のための法律や「テロ対策」を口実とした人権侵害法を制定せず、「盗聴法」(組織犯罪対策法)などを廃止し監視社会の危険性から脱却すること。
(解説)盗聴法(組織犯罪対策法)の制定、住基ネットの開始などにつづいて、自由な議論や思想・信条の自由にも抵触する「共謀罪」制定の動きなど監視社会につながる危険性が増大しています。また、チラシまきなどでの警察公安による微罪逮捕や不当逮捕、自衛隊による取り調べが増大し、人権侵害事件が多発しています。盗聴法については廃止。住基ネットにはついてはプライバシー保護や離脱権など自己情報についての権利が確立しない限り、本格稼働(オンライン化)してはなりません。また、心神喪失者等医療観察法は、心神喪失などで不起訴処分、無罪・執行猶予判決を受けた人に対し、「再犯のおそれ」を理由に特別な施設へ強制的に入所治療させる「予防拘禁法」であり、実効化させてはなりません。また、触法・ぐ犯年少少年に警察関与を可能にする少年法「改正」は、少年の成長を促す少年法の理念を否定し、警察監視社会に子どもをさらすもので、制定させてはなりません。
 
Ⅴ 核兵器廃絶に関する制度・政策
 
1.東北アジアの安全保障を構築するために非核政策の強化・実現について
(内閣府、外務省、経済産業省、文部科学省、防衛庁)
①非核三原則をの制化と具体的行動を行うこと。
②東北アジアに非核地帯を創設すること。
③MDの共同研究参加と導入を中止すること。特に、イージス艦や地上発射のパトリオット、Xバンドレーダーの導入や配備を行わないこと。
④北朝鮮による核開発の情報公開と核兵器開発の中止を求めること。
(解説)福田官房長や安倍副官房長官(当時)などの相次ぐ発言でも問題になった日本の核武装問題は、一昨年の衆議院議員の選挙でも当選議員の17%は核武装容認と言われています。さらに43トンものプルトニウムを保有することによって、周辺諸国に新たな緊張がもたらされています。明確な歯止めをかけるためにも非核三原則の法制化によって、さらに厳格な非核政策の実行を迫ることが必要です。同時に相次ぐ核疑惑艦船の入港に対しては、アメリカに対して日本政府として非核証明を求めるなど、非核三原則の具体化を求めていくことが必要です。
   また、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略)の核開発疑惑も大きな国際問題となっています。北朝鮮に対して核兵器開発の放棄を求めるとともに、東北アジアの平和と安全保障を構築する必要があります。日本、韓国、北朝鮮、ロシア、中国など関係当事者たちの誠実な対話を求めます。その際、今回の北朝鮮による核開発問題の解決の糸口は、東北アジアの非核化を求める努力の中にあります。日朝国交正常化を促進し、信頼情勢を踏まえ東北アジア地域の安全保障の第一歩としての非核地帯化構想を具体的に議論の俎上に載せることが求められています。
   アメリカのミサイル防衛構想への参加は、日米の軍事同盟の強化がもたらされるとともに相手国の核軍拡と宇宙空間の軍事化を引き起こすものです。現在進められれている日本のミサイル防衛は、アメリカの軍事戦略の一環に組み込まれ、日本の安全保障のあり方を大きくかえ、憲法で禁じられた「集団的自衛権」にも抵触するるものです。また、ミサイル防衛技術そのものも不透明な技術といわれ、機密の壁に阻まれ実際の効果について疑問視されています。多額の巨費を投下しても、無駄に終わる可能性が高いものです。イージス艦の導入や青森県車力村へのXバンドレーダーの配備などの中止を求めます。
 
2.核兵器保有国に対する日本の態度を明確にすること(内閣府、外務省、経済産業省)
①CTBT(包括的核実験禁止条約)などすでに批准済みのものは発効に向けた国際的な努力をいっそう強めること。
②核兵器保有国に対し、未臨界核実験の中止を求めること。
③米ロの核の警戒態勢の解除を求めること。
④核保有国に核の先制不使用宣言を求め、消極的安全保障を求めること。
⑤カットオフ条約の即時交渉開始を働きかけること。
⑥核兵器全面禁止条約締結のための交渉の早期開始を求めること。
⑦核拡散につながる六ヶ所再処理工場の建設の中止を求めること。
⑧インドやパキスタン、イスラエル、イランなどの核開発と核兵器の放棄を具体的に求めること。
(解説)「唯一の被爆国」を標榜する日本政府は、国内外でその責任を果たさなくてはなりません。2005年のNPT再検討会議は不調に終わりましたが、2000年のNPT再検討会議で約束した「核廃絶の明確な約束」など13項目は生きており、その履行やCTBT発効など国際的な核軍縮の流れを具体的に要求することが求められています。アメリカが進めている使える核兵器としての小型核の開発中止や核の先制使用の中止を求め、未臨界核実験を含めあらゆる核実験の中止を求め、行動することを要求します。
   現在も米ロ間では、冷戦崩壊以降も両国の核の警戒態勢は解かれていません。特にロシアは、管理システムの旧式化や管理体制の問題が懸念され、いまだ偶発的核攻撃の危険性が存在しています。早急に両国の警戒態勢の解除を求めることが必要です。同時に通常兵器や化学兵器などに対抗して核兵器使用の選択が放棄されていません。全ての核保有国に対し核の先制不使用宣言を求めることも重要です。
   CTBT(包括的核実験禁止条約)などすでに批准済みの条約の発効の促進は、核軍縮の前進を図るうえで重要です。大国の身勝手を許さず、国際的な世論を高めることが、被爆国日本の果たす役割で、国際的な努力をいっそう強めることが必要です。
   カットオフ条約は、2000年のNPT再検討会議において、「ジュネーブ軍縮会議でのカットオフ条約交渉を早急に始め」、その交渉開始から「5年以内に」妥結すべきだと確認されました。ジュネーブ軍縮会議は、全会一致を原則とする会議で、交渉開始には厳しい状況ですが、当初日本政府が2003年~05年までの交渉妥結を唱えていただけに、早期交渉開始を働きかけることが必要です。
   広島市長の平和宣言の中の新非核宣言の中で、「使わせない」との「一国非核主義」の立場から世界全体から核兵器をなくすという積極的な政策転換を求めています。被爆地の決意を汲み上げ、核廃絶に向けた努力をすることが被爆国・日本の役目です。
   
3.劣化ウラン弾の国際的な影響調査と使用の禁止を国際条約とすること。
(内閣府、外務省、厚生労働省)
(解説)米国などが湾岸戦争やコソボ紛争、アフガン攻撃そして先のイラク攻撃などで使用した劣化ウラン弾のヒバクの影響について国際的な関心が高まっています。人体に対する影響について国際的な調査を組織し究明していくことが重要です。また、劣化ウラン弾は、すでに96年8月、国連人権小委員会で劣化ウラン禁止が決議されています。それを国際的に非人道兵器として使用禁止を求める国際条約として成立させていくことが必要です。
 
4.軍縮・核不拡散教育の強化とヒロシマ・ナガサキの実相を国内外に広めること。
(内閣府、外務省、文部科学省)
①学校教育の中で平和教育を充実させること。
②被爆の実相を伝える国内外での動きを強化すること。
③軍縮・核不拡散に向けてNGOや市民団体、自治体などとの連携の強化を図ること。
④ヒロシマ・ナガサキの実相を広く国内外に伝えること。
(解説)国際社会においては軍縮・核不拡散についての教育の重要性は広く認識されつつあります。外務省も国連軍縮フェローシップや専門家の会議を招集しています。この流れを強化することが必要です。
 また、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相が60年を経る中で風化されようとしています。二度と繰り返してはならない人類の悲劇を、しっかりと伝えることが核兵器の使用を止めさせ、核軍縮の契機を与えるものです。そのためにも、国内外での原爆展・ヒバクシャ展を開催することなど、実相の普及を国としても積極的に行っていくことが急務となっています。 
 
Ⅵ ヒバクシャの権利確立に関する制度・政策 
 
1.広島・長崎の被爆者の権利確立と保健医療福祉の充実について(内閣府、厚生労働省)
①被爆者が社会的・医学的・精神的に特別な状態に置かれている実状にあわせて、介護手当等諸手当の充実及び原爆小頭症患者の終身保障についての特段の配慮と、広島・長崎の各自治体が推進している独自の援護事業の助成措置を講じること。
②高齢化、病弱化にともなう在宅被爆者等援護対策を拡充強化すること。
③高齢化とともに、被爆の影響によりガンなどの疾病の発症率が高く、被爆者健康診断内容をさらに充実させること。
④被爆者関係施設の整備充実を図るとともに、国際的なヒバク医療等への協力・支援や受け入れ機能等の拡充を図ること。
⑤被爆者の置かれている実状にあわせ、原爆症認定基準及び認定作業の見直しをすること。
⑥被爆者援護法に国家補償を明記すること。
⑦被爆二世以降および在外被爆者とその後代への適用を明記した「被爆者援護法」に改正すること。
⑧全ての在外被爆者に被爆者援護法を適用し、被爆者の平等な援護と居住国での申請を可能にすること。
⑨国交のない朝鮮民主主義人民共和国の被爆者に対しても、実態の把握とともに速やかに被爆者援護法の適用をはかること。
(解説)被爆者の現状は、高齢化が進み、重篤な病に罹る人が増え、社会的に弱い立場に常に置かれており、援護施策の充実が求められています。また、被爆者健康手帳を新たに申請する被爆者も年間千人を上回る現状にありますが、その中で認定される人は、あまりに少数でしかありません。現行の認定基準と認定制度の問題の中で、認定被爆者は被爆者全体の1~2%に過ぎません。原子爆弾の被害者のすべてが手帳を取得し、核廃絶の告発者としての役割を果たせるように、手帳の取得に一層の支援と、現行の基準・制度の根本的な見直し、改正が求められています。現在、被爆者集団訴訟も進められ、大阪などで判決が予定されています。全国で12都道府県168人ほどの原告も出ており、支援を強化することが必要です。
   被爆者援護法は、前文で核兵器の廃絶と恒久平和実現の決意を示し、「国の責任において、(被害者に対する)総合的な援護策を講じ、あわせて、国として原子爆弾による死没者の尊い犠牲を銘記する」と述べていますが、死者への弔いと償いは実現せず、被爆者に対する諸制度はほとんど旧原爆二法と変わらないなど、「国家補償的配慮」という最高裁判決(孫原爆訴訟・1978年)までは否定することができない、矛盾に満ちた内容になっており、引き続き国家補償法へ改正することを求める運動を継続強化していかなければなりません。
   在外被爆者に対して援護法適用の具体的な施行規則を定める政令・省令が2005年3月1日からスタートしましたが、厚生労働省が考えた「援護策」とは、いま被爆者が置かれている実態(高年齢、遠方、病気などで、日本に来られない人が多いなど)と乖離したものとなっています。「被爆者健康手帳の取得はもちろん、各種手当ての申請も日本に来なければならない」としています。いまだ、根本的解決を図ろうとする態度ではありません。差別や区別のない被爆者援護法の完全適用と実態に即した対応を求めていくことが必要です。
 
2.被爆二世・三世への援護の推進について(内閣府、厚生労働省)
①単年度措置で行われている被爆二世健康診断を法制化し、ガン検診など制度の充実をはかること。
②被爆二世にたいして「被爆二世健康手帳」を発行すること。
③放射線影響研究所「被爆二世健康影響調査」について国としての責任ある対応を行い、被爆二世の援護策に生かすこと。
④放射線影響研究所において、被爆者・被爆二世の健康調査の継続ならびに内容の充実を図り、その施設環境を整えること。また被爆三世についての健康調査を検討すること。
⑤在外被爆二世に対する「被爆二世健診」については、居住国の医療機関で受診できるような措置を講じること。
⑥被曝三世以降についても援護の充実をはかること。
(解説)全国に30万人~50万人ともいわれる原爆被爆二世は、被爆者の定義である①直接被爆者②入市被爆者③看護被爆者④胎内被爆者からすれば、被爆者ではありませんが、原爆被爆の放射線の影響という観点からは「第5の被爆者」といえる存在です。被爆二世問題は、「健康問題」、「遺伝的影響」、「社会生活上の問題」、「人権問題」など病気と貧困というさまざまな問題が未解決なままに放置されています。また、被爆二世健康診断は、単年度措置が繰り返されすでに21年が経過し、今後も継続されることが予想される中で、このような長期に渡る単年度措置は異例であり、早急に制度化することが必要となっています。
 
3.被爆実態に関する調査研究及び啓発活動の促進について(内閣府、厚生労働省)
①原爆被爆の実態を把握するための被災調査の促進並びに被爆二世・三世に対する実体調査・研究を促進させること。
②被爆の実相について、国内外に認識を広め、理解が得られるよう啓発活動の推進をすること。
(解説)政府・厚生労働省は、被爆二世の健康実態調査を実施することについて、「不安を増大させ、差別を助長する」としてその実施を拒み、対策をおろそかにしてきました。問題を闇の中に放置することによって不安の増大や差別の助長を招くものであり、現状の根本的な改善こそ差別を克服する道です。
 
4.ビキニやJCO臨界事故ヒバクシャなどに対する実態調査と援護について
                      (内閣府、経済産業省、厚生労働省)
①被曝(爆)の実態を把握するための調査を行うこと。
②被曝(爆)が原因で起こる様々な障害については被爆者援護法と同等の措置をとること。
(解説)いまだ国の責任において広島・長崎の実態調査がなされていません。無差別大量殺戮行為で、しかも幾世代にも渡る後遺障害をもたらし、明らかに国際法に違反する残虐な兵器の実態を明らかにすることは、人類の使命です。また、広島・長崎の原爆被害者以外の核被害者は、放射線の影響や社会的影響という観点から同質の問題を孕んでいながら、いまだなんら援護の対象になっていません。被爆者援護法と同等の援護措置が求められています。
 
5.放射線作業の被曝基準(線量限度)の低減を図ること。
(内閣府、経済産業省、厚生労働省)
(解説)商業用原発で働く原発労働者の総被曝線量の95%以上が、電力会社の社員でない下請け労働者の被曝です。大部分が下請け労働者で、原発は支えられています。放射線従事者の中央登録センターのデータによれば、年間に4カ所とか5カ所の原発をわたり歩く労働者の平均被曝線量は、1カ所だけで働く人の4~5倍となっています。現在、法令では、一般人には1ミリシーベルトに対し、従事者は50ミリシーベルトとなっています。以前は、一般人は5ミリシーベルトでしたが、被曝の危険性がかって考えられていたより大きいことから89年に5分の1に下げられました。しかし従事者については変更がなされませんでした。01年には5年間の平均で20ミリシーベルトという基準が加わりましたが、1年間で50ミリシーベルト近くを浴びても問題とはならないので、その実態は変わっていません。一般人の20倍や50倍を浴びること自体も問題です。今後老朽化する原発も増え、被曝労働者のと被曝線量が増加することが予想されます。 
 
Ⅶ 原子力政策の転換に関する制度・政策 
 
1.プルトニウム利用政策の見直しについて(内閣府、経済産業省、文部科学省)
①玄海原発及び伊方原発などのプルサーマル計画を白紙撤回すること。
②六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の中止と核燃料サイクル計画の見直しをすること。
③もんじゅの運転再開を中止し廃炉とすること
④プルトニウム利用政策からの完全なる撤退を行うこと。
(解説)政府は、原子力政策大綱によって、プルトニウム利用路線を押し進めることが確認されましたが、その中心であるプルサーマル計画は、東電や関電などの事故隠しや刈羽村の住民投票などによって計画そのものが白紙撤回され混迷を深めている中で、九州電力の玄海原発や四国電力の伊方原発などで計画を進めようとしています。しかし、大綱で示されれ、06年に原子力委員会が追認したプルトニウム利用計画そのものは、具体的実現性が見えない中で、整合性そのものが失われています。05年には第3次電力自由化が行われ、経済的にもその存在理由はますます失われようとしていることには変わりありません。あらためて経済性や安全性、そして国民的信頼性にも欠けるプルサーマル計画の完全撤退を求めます。
 また、プルトニウム利用政策の要である再処理工場や「もんじゅ」もその存在意義を失っているにもかかわらず建設の推進や運転再開に向けての動きが出ています。特に六ヶ所再処理工場は、ウラン試験から実際の使用済み核燃料を用いたアクティブ試験に移行し、余剰プルトニウムを生み出そうとしています。使うあてのないプルトニウムをつくりだすこれらの行為は、巨額の血税と大量の放射能をもたらすだけで、まさに、国民に対する犯罪的行為とも言えます。プルトニウム利用政策の放棄とともに、「もんじゅ」運転再開の中止と廃炉、六ヶ所・再処理工場の建設・稼働中止を求めます。
 
2.原子力政策の根本的な転換について(内閣府、経済産業省、文部科学省)
①原子力政策大綱の根本的な見直しと脱原発に向けた政策転換をはかること。
②原子力の安全管理の徹底と情報公開をおこない、安全行政の独立と透明性を高めること。
③原子力の安全規制行政を原子力推進行政庁の経済産業省から分離し、内閣府または環境省へ移行させること。
④原発の新増設を中止すること。
⑤高レベル廃棄物の埋設処分を中止すること。
⑥中間貯蔵施設建設を中止すること。
⑦放射性廃棄物へのクリアランスレベルの導入を中止すること。
(解説)さまざまな問題点が指摘される維持基準だからこそ、その運用に当たっては厳格な適用を図ることが必要です。また、安全確保と信頼性を高めるためにも、現在の推進省庁の外局に安全規制の行政機関を置くことには、大きな問題があります。規制と推進の完全な分離を行い、規制行政の透明性を高めることは、国民の期待に添うものです。
 大間や上関原発の新設や浜岡5号、敦賀3、4号などの増設の中止を求めます。05年には第3次の電力自由化が行われ、電力消費も低迷しています。また、一連の事故隠しによる原発の停止にともない、原発の新増設そのものの必要性が見直されています。
 浜岡原発は、東海地震の想定震源域にあり、この100年の間で大地震が予測され、早急に運転停止をすべき原発です。さらに浜岡1、2号は特に老朽化した原発であり、古い耐震設計思想のもとに作られた炉であり、耐震性の問題が指摘されています。現在耐震補強工事が行われていますが、対処療法的な対応では根本的な解決にはなりません。すみやかに停止・廃炉を求めます。また、06年3月に金沢地裁が志賀原発2号炉の運転差し止め訴訟の判決を下しました。判決では、耐震設計に問題が指摘され、運転の停止を求めました。判決に従い「住民の安全」を最優先し、速やかに停止することを求めます。さらに、各地にある老朽化した原発は、事故の危険性や被曝労働の増加もたらすなど様々な問題を抱えます。耐用年数を引き延ばすのではなく、廃炉にすることを求めます。
 技術も未確立なうえに、国民的合意もないまま進められる高レベル廃棄物の処理・処分計画は、処分場の候補地の公募が始まりましたが、現在、どの自治体も迷惑施設として誘致を決定した地域はありません。常に水面下で行われる動きに対して、地域住民の意向は常に無視されています。原子力政策の破綻の象徴である高レベル放射性廃棄物の処理・処分計画は、原子力政策の根本的転換と国民的議論がまず必要です。そのこと抜きの強引な計画推進に対して、自治体の応募をさせないことが必要です。合わせて、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設や放射性廃棄物のすそ切り処分を目指す法案の実行が目論まれています。それらの建設中止や実施させないことを求めます。
 
3.国民保護と原子力防災について(内閣府、経済産業省、総務省)
①原発震災に対する対策を強化すること。
②浜岡原発及び老朽化原発を運転中止にすること。
③志賀原発2号炉の金沢高裁判決の決定に従うこと。
④原発テロなど国民保護計画で想定される内容を、安全審査基準に盛り込むこと。
⑤原子力空母の横須賀母港化を認めないこと。
(解説)浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上に存在し、直下型地震での事故が心配されています。その他にも日本の原子力施設周辺での活断層の問題は、志賀原発2号炉の差し止め判決でも指摘されるなど、各地で問題となっています。震災と原発事故が重なる「原発震災」は、通常の震災などの防災と大きく様相を異にします。それへの対応を具体的に考え、取り組む必要があります。
 また、国民保護法に基づき、各地で「基本計画」が立てられいます。国民保護法が持つ人権の侵害や軍事の日常化など様々な問題点がありますが、脱原発の観点からは、原発テロが想定され、それをてこに有事体制が強化されるなか、原発テロが安全審査では一切想定されていないという矛盾があります。政府のダブルスタンダードによって、原発と有事体制が強化され、ますます原子力三原則からも離れ、民主主義社会の根幹を掘り崩す事態となっています。本来ならば、有事体制も原発もいらないのですが、現にある矛盾を突き、どちらも矛盾だらけであることを明らかにすることが必要です。
 米国が進める「軍転換」の中で、在日米軍基地の強化が図られようとしています。その一環として、2008年に原子力空母の横須賀母港が狙われています。東京湾に100日以上、30万KW級の原子炉が浮かぶことになります。厚い軍事の壁で防災の観点からも住民の危険と不安を増大させるもので、日本政府は、横須賀基地への原子力空母の配備を認めるべきではありません。
 
4、自然エネルギー推進のための法制度の確立と研究開発を強化すること。
                            (内閣府、経済産業省)
(解説)原子力発電は、温室効果ガスを排出しないことなどをメリットとして強調される一方、災害時の危険性や放射性廃棄物の処理、処分など多くの根本的な欠点をもっています。脱原発の視点から省エネルギー施策の推進とともに、エネルギー関係の予算の3分の2が原子力開発関係に振り分けられている偏ったエネルギー研究開発費を、再生可能エネルギーなど自然にやさしいエネルギーを中心とした新エネルギーの開発・利用に向けるようにすることが必要です。 
 
Ⅷ 環境・食・水・森林、農林業問題に関わる制度・政策 
 
1.食の安全について(内閣府、厚生労働省、農林水産省)
①食品安全委員会の審議に、市民の意見を反映させること。そのため、消費者の申し出制度を新設し、措置請求権を保障すること。また、安全性の評価にあたっては、「予防原則」の立場に立って、予想される結果が重大な場合は、科学的根拠が不十分であっても規制を行うこと。
②BSE(牛海綿状脳症)問題にともなう、アメリカ産牛肉等については、全頭検査、危険部位の完全除去など、日本国内と同等の検査体制の徹底がなされない限り輸入再開をしないこと。
③牛肉およびそのすべての加工品の販売、外食、中食において、原料・原産地表示を義務化すること。また、学校給食へ米国産等の牛肉の使用をしないこと。
④遺伝子組み換え食品は、国内における商業的作付けを禁止するとともに、表示制度をヨーロッパ並みに改善すること。
⑤食品安全基準は、国際基準によって緩和されることのないよう規制を強化するとともに、食品の検査・検疫、表示制度の充実を図ること。
(解説)食品安全委員会の審議内容に対し、消費者・市民等の意見が採り入れられるような仕組み(リスクコミュニケーション)の具体的内容が求められています。また、食品安全の国際基準がそのまま国内基準として制定される傾向が強まり、BSEでも緩やかな検査基準が採用されようとしています。こうした動きに対して、食の安全への懸念や食生活の実態に応じた独自の基準作りが求められています。特にBSEのアメリカ産牛肉等については、同国のずさんな対策が明らかになっており、日本国内同等の検査体制を求めることが必要です。また、原産地表示は、現在は生肉への表示義務化、今年秋から簡単な加工肉への表示が義務づけられますが、外食等はガイドラインによる推奨だけです。遺伝子組み換え食品の表示は、日本では5%までの混入は表示の必要がありませんが、ヨーロッパは1%以上は必要です。
 
2.WTO(世界貿易機関)・FTA(二国間自由貿易協定)交渉について(外務省、農水省)
①食料の安全保障のため、国内の食料自給率の向上、各国の多様な農林水産業が共存できるような貿易ルールに改めること。そのため、上限関税の設定や大幅な関税切り下げ、重要品目の絞り込み、関税割当数量の拡大に反対するとともに、国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガードの維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放には絶対に応じないこと。
②EU、アメリカの輸出補助金等の速やかな撤廃や、実質的な輸出補助金に相当する国内助成政策の是正など、農産物輸出国への規律を強く求めること。
③FTA交渉においては、これ以上の農林水産物の関税撤廃・削減を行わないこと。
④WTO・FTA交渉についての情報公開を徹底し、各国の農業者や消費者・市民の声を反映すること。
(解説)WTO農業交渉は、昨年12月に香港で閣僚会議が開かれ、本年中に最終合意をめざすとされています。アメリカ等の農産物輸出国は関税率、国内助成の大幅削減を要求しています。食料の安定・安全、自給率の向上、農林水産業の持つ多面的機能の発揮が図られるよう、WTOルールの改正に向けて交渉に臨むことが必要となっています。また、アメリカやEUの輸出補助金、国内助成政策によって途上国に負担を強いている現状を根本的に変えさせ、食料輸入国と輸出国との不公平性をただすことも必要です。
 FTA交渉は、不透明なままに交渉が進められており、その公開と、自由貿易一辺倒ではなく、労働、人権、環境等も含めた幅広い論議をすべきです。
 
3.環境問題について(環境省、経済産業省、厚生労働省)
①温室効果ガスの削減のため、企業への排出削減の義務づけ、温暖化に関する課税(環境税・炭素税)など、削減効果のある具体的な政策を推進すること。
②太陽光・風力など自然エネルギーや食品・木材など残廃物のバイオマス資源等の利活用を推進するため、法制度の整備とともに必要財源を助成すること。
③健康被害者救済法案の早期の見直しと「アスベスト対策基本法」の制定を行うこと。
(解説)地球温暖化防止のためのCO2等の温室効果ガスの削減を定めた「京都議定書」が昨年から発効しました。しかし、日本は森林の吸収や企業の自主的努力に任せて、積極的な削減策を打ち出していません。環境税についても環境省は導入をめざしていますが、経済産業省や経済界は反対しています。自然エネルギー推進も欧米に比べて大きく遅れていることから、自然エネルギーからの電力を高く買い取る義務づけなどが必要です。
 アスベスト対策は06年3月から健康被害者救済法が施行されていますが、労災補償が適用されない被害への補償制度、肺ガンなどの補償、アスベスト等の全面禁止などの課題が残されています。
 
4.食料・農業・農村問題について(農林水産省)
①新たな「食料・農業・農村基本計画」の実施にあたっては、食料自給率の引き上げ、食の安全・安定、環境問題などに配慮した施策を展開すること。
②食の安全性確保と環境に負荷を与えない「有機農業」「有機畜産」の推進のための法制度の確立や環境保全型農業への直接支払いなどの奨励制度を作ること。
③国際的な飢餓・栄養不足問題に対処するため、米の備蓄在庫を活用した緊急食料援助などを行うこと。また、市民による生産調整田を活用した支援米の海外送付の取り組みを支援すること。
(解説)政府・農林水産省は「食料・農業・農村基本計画」の見直しを行い、2015年度を目標とした新たな基本計画を定めました。同計画では、食料自給率を45%に引き上げるとしてきた目標達成を5年間先送りにする一方、農産物の生産・流通・価格を全面的に市場原理に委ねるとともに、経営安定対策などの政策対象者を一部の大規模層に限定しようとしています。しかし、規模拡大・効率化の結果が食の不安や環境悪化を引き起こしている現状から、食の安全や環境問題に配慮した政策への転換が必要です。有機農業について、超党派の「有機農業推進議員連盟」が作られ、「有機農業促進法」(仮称)の制定が検討されています。一方、世界には8億もの食料不足に直面する人々がいることから、国際的な食料支援体制や市民・NGOの取り組み支援が必要です。
 
5.水・森林問題について(環境省、厚生労働省、経済産業省、農林水産省)
①健全な水循環の構築のため、水の公共性を位置づけた、水に関係する上位法としての「水基本法」を制定すること。
②国土の保全、木材の供給、水資源の涵養および二酸化炭素の吸収・固定など、森林の有する多面的機能を高度に発揮させるため、「森林・林業基本計画」で定めた森林整備の推進、地域材の利用促進、労働力対策等の目標達成に向けた各種施策の着実な推進と、その必要財源を確保すること。
③違法に伐採された木材の輸入・使用は行わないこと。そのため、合法的に伐採された木材の認証システムを確立すること。
(解説)水の質と量の確保が21世紀の大きな課題になっています。水基本法は自治労、全水道を中心に、連合も制定を求めている課題です。
 日本の木材自給率は20%を切り、採算性の悪化、担い手不足から、森林整備が十分行われていません。森林の公益的機能、とりわけ、温暖化防止に果たす森林の役割が重要であり、森林・林業基本計画の具体的対策と連動させた地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策を推進するための予算等の拡充が求められています。また、東南アジアやロシアでの違法伐採は森林の減少・劣化をもたらし、地球規模での持続可能な森林経営を阻害する要因となっています。
 
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