1945年8月6日、午前8時15分、広島に投下された1個の原子爆弾は、熱線と爆
風、恐るべき放射線により一瞬にして14万人余の尊い命を奪った。その後も多くの被
爆者が放射線障害に苦しめられ、被爆2世、3世にも影響を及ぼしている。
世界に向けて核兵器廃絶の運動を進めているさなか、本年、同じ被爆地長崎で発生し
た重大事件には憤りを禁じ得ない。4月に、長年、核兵器廃絶に力を注いだ伊藤前長崎
市長が銃撃された。伊藤前市長の平和行政を讃え、哀悼の意を捧げるとともに、民主主
義を破壊する蛮行に強く抗議する。さらに、長崎出身でもある前防衛大臣の核兵器使用
容認発言は、被爆者を冒涜し、核兵器廃絶と世界平和実現の願いを踏みにじるものであ
る。辞任は当然であり、真摯なる反省を求める。
こうした暴力や核兵器容認発言を許さず、核兵器廃絶の意思を一層強くするものであ
る。
1996年には、国際司法裁判所は、核兵器による威圧と使用は一般的に国際法に違
反するとして、国際社会に核廃絶の努力を促した。また、2000年の核拡散防止条約(N
PT)再検討会議では、「核保有国」による核軍縮に向けた「明確な約束」がなされた。
しかし、核軍縮および核拡散防止を進める2005年のNPT再検討会議では何ら合意が
得られず、その後も進展はなく、世界には未だに2万7千発もの核爆弾が存在している。
核保有国自らは核軍縮に取り組む姿勢を見せず、中でも米国は包括的核実験禁止条約
(CTBT)を批准せず、NPT未加盟のインドの核開発を黙認し、原子力協力も進め
ていることは問題である。
一方で、北朝鮮は昨年10月に核実験を強行した。日本の安全保障のみならず北東ア
ジア地域の安定を脅かすものである。国連決議と六カ国協議を踏まえ、北朝鮮は核開発
を完全に放棄し、NPTへ復帰すべきである。
また、すでに保有しているパキスタン、事実上の保有国のイスラエル、イランの核開
発などにより、世界の核不拡散の体制が重大な危機に直面している。
核保有国をはじめ国際社会は、平和で安全な社会の実現のために、核軍縮、核拡散防
止に真剣に取り組まなければならない。
「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ナガサキ」の声は、核兵器の廃絶と平和を願う被
爆国民のすべての心からの叫びであり、世界に平和の尊さを訴えるものである。
連合・原水禁・核禁会議の3団体は、核兵器廃絶と被爆者支援の強化など共同行動を
積み重ねてきた。今後、2010年開催の次期NPT再検討会議において、実質的な核軍縮・
核兵器廃絶の合意がなされるべく、国内外世論の喚起に取り組んでいく。
また、「平和市長会議」による、2020年までに核兵器廃絶の実現をめざす「2020年ビジ
ョン」を支持し、連携していく。
さらに、これまで要求してきた原爆症認定、在外被爆者、被爆二世・三世などの被爆
者施策の充実を強く求めていく。
我々3団体は、核兵器廃絶と平和社会の実現をめざして職場や地域で粘り強く取り組
むとともに、国際労働組合総連合会(ITUC)や多くのNGOとも連帯し、一層の運動を展開
していく。
「ノーモア・ヒロシマ!」「ノーモア・ナガサキ!」「ノーモア・ヒバクシャ!」
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