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沖縄戦の「集団自決」に関する記述に対する教科書会社の「訂正申請」に対する文部科学省の姿勢に対する抗議声明

2007年12月13日

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フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫

 2008年度から使用する高校歴史教科書の検定において、本年3月文部科学省は、沖縄戦における住民の集団死・「集団自決」の記述に対して、すべての教科書(5社7冊)について「誤解を与えるもの」とする検定意見を付し、日本軍の強制・誘導・関与を示す記述を削除させた。

 平和フォーラムは、この「検定意見」が、歴史事実を歪曲するものとして、その撤回を求めて全国的な運動を展開し、527,217筆の署名を集めての文科省交渉や全国集会などを繰り返してきた。沖縄県では、県議会が2度にわたって「検定意見」の撤回を求める意見書を採択し、県内47市町村すべての議会が同様の意見書を採択した。また、9月29日には「検定意見」の撤回を求めて県民11万人が結集した。県議会議長、県知事、県教育長いずれもが「日本軍の関与なくして『集団自決』はあり得ない」との立場で参加した。

 沖縄県民は、そして私たち平和フォーラムは、政府・文部科学省による「検定意見」の撤回を一貫して求めてきた。それは、主権者としての国民の意思であり、先の戦争において唯一の地上戦を経験した沖縄県民の平和を希求する叫びなのである。

 しかし、政府及び文部科学省はこの要求に対して全く応えようとせず、今回教科書会社の「訂正申請」に対して、一定の指針に基づく書き換えの後、認めるということが報道されている。報道によれば、指針は「『集団自決』が自発的な死ではない事を認めるが、その要因は複合的なもので、単に軍の命令だけでなく複数の記述を必要とする」とされている。住民が「集団自決」に追い込まれる複合的要因を記述させるのであれば、なぜ最初の「検定意見」がそうはならなかったのか疑問だ。意図的な「検定意見」を、なお意図的に操作しようとする疑念を感じざる得ない。

 指針が示すように、戦闘に巻き込まれた住民の心理状態や軍官民一体となった沖縄戦、戦陣訓などの背景を記述するなら、なぜ軍官民一体の戦闘か、なぜ戦陣訓か、などその理由と責任も明確にしなければならない。そのことを単に「集団自決」の要因としてのみ記載することは、沖縄戦の実相を誤解させる。日本兵に殺された住民がいた事実、日本軍によって「集団自決」に追い込まれた住民がいた事実、軍隊が駐屯していない島に「集団自決」が起きなかったという事実、軍隊が決して住民の命を守らないと言うことが沖縄戦の実相であり、歴史に学ぶことなのである。軍隊の本質をゆがめ、軍隊が国民を守るためにある、また、あったとする方向への意図的誘導を、私たちは決して許しさない。

 平和フォーラムは、今回の文部科学省の「訂正申請」への対応を許すことはできない。文部科学省が、速やかに国民に謝罪し、「検定意見」の撤回を行うことを、再度、強く要請する。

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