1.原爆症認定基準の見直しに関して、厚生労働省の原爆被爆者医療分
科会(分科会長・佐々木康人国際医療福祉大放射線医学センター長)
は、3月17日、原爆の放射線の影響と病気との因果関係を数値で表
す「原因確率」を実質的に廃止した「新しい審査方針」を決定した。
4月から適用し新基準に沿って認定の可否を判断することになった。
2.新しい基準では、(丑爆心地から約3.5km以内で被爆した、A原爆
投下後100時間以内に爆心地から約2km以内に立ち入った、B原爆投下
後約2週間以内に爆心地から約2km以内に約1週間以上滞在したこと
を前提に、@がん、A白血病、B副甲状腺機能克進症、C放射線白内
障、D放射線起因性が認められる心筋梗塞を積極的に認定するとして
いる。さらに、これらに該当しない場合でも、被爆線量、既往歴、環
境因子、生活歴等を総合的に判断し幅広く認定するとしている。
3.しかし、この「新しい審査方針」は、その前文で「審査に当たって
は、被爆者援護法の精神に則り、より被爆者救済の立場に立ち、原因
確率を改め、被爆の実態に一層即したものとする」ことを明記したも
のの、裁判で原爆症と認められた疾病(甲状腺機能低下症や肝機能障
害など)が積極的認定の対象とされないなど、6度に亘る司法判断に
よる認定範囲が狭められる結果となりかねず、不十分と言わざるを得
ない。
4.とくに、裁判所が原爆症と認定した被爆者をも排除する可能性があ
る新基準は、司法の軽視に他ならず、今後、年間認定者数が増加する
としても「切り捨て行政」との批判は避けられず、新基準でも却下さ
れるケースが係争中の訴訟で認定されれば、「二重基準」による混乱が
起きることは必至である。
5.今後、新しい基準の適用に厳しく注目していくとともに、真に「被
爆者救済の立場に立つ」措置を強く求めるものである。
連合・原水禁・核禁会議の平和3団体は、被爆者の実情に併せた認
定制度の実現を求めてきたところであり、在外被爆者の援護法の完全
適用、被爆二世、被爆体験者に対する課題も含め被爆者援護施策の抜
本強化を引き続き求めていく。
以 上
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