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米兵によるタクシー運転手殺害事件に関して日米両国政府に対する抗議と要請

2008年4月 4日

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フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫

 3月19日夜、横須賀市の路上に駐車したタクシーの中で、運転手が殺害される事件が起きました。この事件に関して4月2日には、米海軍横須賀基地を脱走していた兵士が、横須賀警察署の事情聴取に対して殺害を認め、4月3日には、強盗殺人容疑で逮捕されました。私たちは容疑者の米軍兵士はもとより、監督責任のある米軍当局、米軍犯罪に何の対処もしない日本政府に対して強く抗議します。

 今回の事件でも、日米地位協定の問題点が明らかになりました。第1に、脱走兵の問題です。容疑者の米軍兵士は、イージス艦カウペンスに所属する22歳の1等水兵で、事件発生時には米軍を脱走していました。日米地位協定第9条は、米軍兵士に対して入出国に関する国内法の適用除外を定めています。米軍兵士は、パスポートや外国人登録などを必要としません。こうした米軍兵士が脱走すれば、密入国者と同じです。ところが脱走兵の情報を、米軍から日本に伝える定めは無いのです。脱走者が犯罪を起こした場合には、入国情報がないために捜査に支障をきたします。

 第2に、取り調べの問題です。容疑者の米軍兵士が米軍当局に身柄を確保されたのは3月22日でした。しかし、日本側の警察が事情聴取を行ったのは4月2日です。11日もの日数を要しています。日米地位協定17条は、容疑者米兵の身柄拘束に関して、容疑者の身柄が米軍側にあるときには、日本側が起訴するまで、米国の拘束が続くとしています。この間の取調べには、米軍側の了解が必要です。また今回のような起訴前の逮捕は、米軍の「好意的配慮」によらなければなりません。

 米軍兵士の犯罪は、止まる所を知りません。横須賀市では06年1月に、空母キティーホーク所属の兵士が、強盗目的で日本人女性を殺害しました。広島市では07年10月、岩国基地所属の海兵隊員が、女性に性暴力を加える事件が起きました。沖縄県では今年2月、海兵隊員による女子中学生への性暴力事件と、陸軍兵士によるフィリピン人女性への性暴力事件が起きています。日本政府の資料では、米軍人等による事件・事故は、05年が1,755件、06年が1,549件です。

 米兵が凶悪犯罪を起こすたびに、米軍当局は「綱紀粛正」「再発防止」や「夜間外出禁止」を口にします。また日本政府は、地位協定の改正ではなく「運用改善」で対処するとしています。占領軍意識のまま駐留を続ける米軍と、米軍に物言わぬ日本政府があるかぎり、米軍犯罪はなくなりません。米軍基地があり続ける限り、米軍犯罪もあり続けるのです。

 私たちはこうした観点に立ち、日米両国政府に、以下の事項を強く要請します。

  1.   日米両国の責任で、被害者遺族に対する十分な補償を行うこと。また損害賠償能力のない米兵の犯罪については、日米両国政府の責任による補償措置を制度化すること。
  2. 米軍当局は、今回の事件を綱紀粛正や米兵の外出禁止で終わらせることなく、米軍責任者の人事的な処分を行うこと。
  3. 日米地位協定を、抜本的に改正すること。
  4. 米軍基地を、即時・無条件に縮小・撤去すること。 

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