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正しい歴史と憲法理念に基づく教育を求める声明

2009年4月13日

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フォーラム平和・人権・環境事務局長 福 山 真 劫

 2009年4月9日、「新しい歴史教科書をつくる会(以下つくる会)」の自由社版「新編 新しい歴史教科書(以下つくる会教科書)」が、中学校用歴史教科書として検定に合格しました。「つくる会」は、これまでの教科書を「旧敵国のプロパガンダをそのまま事実として記述するまでになっています。世界にこのような歴史教育を行っている国はありません。」と批判し、「戦後の歴史教育は、日本人が受けつぐべき文化と伝統を忘れ、日本人の誇りを失わせるものでした。特に近現代史において、日本人は子々孫々まで謝罪し続けることを運命づけられた罪人の如くにあつかわれています。」として、日清・日露戦争以降の日本の侵略戦争を否定し、日本の防衛にとって避けられないものであり、帝国主義侵略からアジアを開放した聖戦であるとの立場を明確にしてきました。
 「つくる会教科書」は、そのような思想に基づいて、「南京での日本軍による大虐殺」「従軍慰安婦の強制連行」「朝鮮人の強制連行」など都合の悪い事実に目をつむり、「韓国併合による植民地支配」は正当化するなど、戦後積み上げてきた東アジア諸国との平和・友好の関係を踏みにじる内容となっています。また、伝承としながらも「神武天皇東征」を大和朝廷の成立で扱う、「昭和天皇のお言葉」を掲載する、「武士の立場は、天皇に仕える者」と歴史事実を歪曲するなど、「教育勅語」に象徴される社会のあり方を具現化しようとしています。日本の歴史を美化し、日本人としての誇りを強調することで、国家への奉仕や忠誠心を煽る内容は、全く理解しがたいもので、中学校用歴史教科書として許される内容ではありません。
 2000年に検定を合格した扶桑社版の「新しい歴史教科書」に加えて、「つくる会」が作成した教科書は2冊となりました。「つくる会」の機関誌では、「採択率は僅少ではあるが、他の教科書会社への影響は大きく、2回のサイクルを経て『従軍慰安婦』という言葉は中学歴史教科書から一掃された」などと主張しています。このような教科書を、国民的批判をよそに検定合格としてきた文部科学省・教科用図書検定調査審議会のあり方も批判されなくてはなりません。
 「問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在をも見ることができません。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。」1985年、ドイツ敗戦40周年にあたっての、旧西ドイツヴァイツゼッカー大統領の演説です。私たちは、この日本と同様に第2次大戦の敗戦国であった西ドイツ大統領の言葉をかみしめなくてはなりません。
 日本国憲法は、その前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し、われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。」として、侵略戦争の反省に立って新しい歴史の道程を示しています。東アジアの中に立つ、日本の将来を担う子どもたちが、どのような歴史認識を持って憲法が示す道程を歩んで行くか、そのことに対して「つくる会教科書」が役に立つことはないと考えます。 平和フォーラムは、日本国憲法の理念に基づく社会のあり方を求めて、様々な問題にとりくんできました。そして、平和・友好の国家間の連帯を求めてとりくんできました。私たちは「つくる会教科書」そして「つくる会」が求めている教育のあり方は、憲法理念に反し、日本の招来に禍根を残すものと断言します。
 これら「つくる会」「つくる会教科書」が主張する根拠ない歴史観を否定し、子どもたちが、科学的な歴史事実に基づく正しい歴史認識を共有し、平和・友好の国際理解に立って日本の招来を担うことの出来るよう、平和フォーラムとして、全ての教育に関係する方々に対して、教科書採択に際して良識ある選択を行いますよう強く要請いたします。 

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