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横浜市教育委員会への2010・2011年度使用中学校用歴史教科書採択に関する抗議声明

2009年8月 5日

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横浜市教育委員会様

                                      フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム) 事務局長 福山真劫

 平和フォーラムは、7月29日、文書でもって申し入れを行い、全ての教育に関係する方々に対して、2010・2011年度の教科書採択に際しては「つくる会」「つくる会」教科書が主張する根拠ない歴史観を否定し、子どもたちが科学的な歴史事実に基づく正しい歴史認識を共有し、平和・友好の国際理解に立って日本の将来を担うことの出来るように、良識ある採択を強く要請してきました。しかし、横浜市教育委員会は8月4日、教育委員会を開催し2010・2011年度使用中学校用歴史教科書に18採択地域のうち8地域において、「新しい歴史教科書をつくる会」が編集した自由社版「新編 新しい歴史教科書」(以下「つくる会」教科書)を採択しました。
 平和フォーラムは、横浜市の教育に対して大きな危惧を感じるとともに、教科書採択のあり方に強く抗議するものです。

 教育委員会では、歴史教科書であるにもかかわらず、貫く歴史観や記述内容に触れた議論はありませんでした。この「つくる会」教科書は、日清・日露戦争以降1945年8月の敗戦まで続く日本の侵略戦を、日本の防衛にとって避けられないものであり帝国主義侵略からアジアを開放した聖戦であるとの立場を明確にしてきました。この歴史観は、「村山首相談話」で示された、過去日本が行った戦争を真摯に反省し新しいアジア諸国との友好関係を築こうとする日本政府の公式見解とは、大きく異なることは明らかです。歴史のグローバル・スタンダードを学ばずに、自国の歴史を身勝手に解釈する事は、世界を舞台に活躍するであろう横浜市の子どもたちの将来を阻害する要因になるに違いありません。子どもたちの将来を左右する教科書採択が慎重に行われたとは感じられません。
 また、この教科書採択が、全ての教科書を見比べてどの教科書が最良かを決定する方法ではなく、他の教科書と今年度検定を合格した「つくる会」教科書を比べてどちらがふさわしいかを決定する方法で採択されました。このような方法は、極めて不公正な問題の多いものです。また、議論を見る限り、採択の票を投じた委員の方々に対して、教育現場で教科書を使う教員や保護者の方々の意見がとどいているのかも、疑問といわざるを得ません。

 今年、横浜市は港が開かれて150年を迎え、開国博でにぎわっています。世界に開かれた貿易の拠点横浜は、グローバルな視野でものを考えることを基本にして発展してきました。そのことを基本にして、子どもたちの教育をもう一度考え直すことが必要です。
 日本人の誇りを持てる教科書との声も聞きました。「誇り」とは、決して指を指されることのない、清廉潔白、正々堂々としてあやまることのない生き方にこそ生まれものです。過去の過ちを認めず、日本人は正しかったと言い張る姿のどこに、日本人の誇りが存在する余地があるのでしょうか。

 平和フォーラムは、真摯に過去と向き合う姿勢から豊かな将来が見えてくるものと信じています。そのためには、正しい歴史認識と史実に基づいた歴史を学ぶことが重要です。横浜市教育委員会は、全ての歴史教科書をもう一度検討し直し、子どもたちの将来のために教科書採択をやり直すことを強く要求します。

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